有価証券報告書-第95期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。
新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、人類が経験したことのないような事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。昨年来の新型コロナウイルス拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、今回新たに策定した「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「テレビ事業を中心とした現行ビジネスの立て直し」と「コンテンツ事業への参入など新たな柱の創出」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
「100年企業」への歩みに向けてあと30年となる今年、当社グループは「メディアコンテンツグループ」へと進化します。
新型コロナウイルスという脅威が世界経済を停滞させ、人々の生活様式を一変させました。創立から70年を経た今、私たちは大きな変革を求められています。この70年間で築いてきた制作力に基づいた「コンテンツ」を軸に、放送、そして、様々な「メディア」に領域を拡大していくことが必要です。
2050年においても成長し続ける「100年企業」グループを目指して、「CBCグループは地域で最も信頼されるメディア企業グループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という原点に立ち返り、グループ各社がそれぞれの存在意義を再確認し、デジタル活用によりグループの多様性を最大限に発揮し、社会的使命を担う企業グループを目指していきます。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」
当社グループは、2021年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」を策定しました。策定にあたり本計画期間について、10年先にあたる2030年における各社の姿を見据えた上で、まずはコロナ禍を乗り越え、既存の事業を「回復させ、成長させる」。さらに、これまで播いてきた「将来の種を育て」「新たな種播きを進める」期間と位置付けています。
まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていきます。
〈メディアコンテンツ関連事業〉
当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。
放送関連事業では、メディア環境の変化と新型コロナウイルスによる影響を見極め、どう対応していくのかが課題です。メディアの多様化が進む中、テレビのスポット市場は成熟期を迎えています。こうした中でも、番組視聴率を上げることでスポットシェアを上げる、すなわち売上を伸ばすことが可能となります。さらに、テレビの持つ広告効果は、他メディアと比較しても、その優位性は大きく、それをデータ利活用によって見える化することにより、効果の再認識につなげ、さらには最大化することが可能です。
また、ラジオ事業に関しては、「radiko」を含むデジタル音声広告市場が成長傾向にある中、従来の放送収入やイベント収入に加えて、この市場をとらえるべく、さらなるコンテンツ制作力を蓄えた上で、放送と通信の両サービスの提供により、リスナー・スポンサーの期待に応えていきます。
コロナ禍で一気に成長が加速したのが、映像コンテンツ産業です。当社グループも70年間培ってきたコンテンツ制作力を持つメディアとして、市場成長性、収益性とも上昇傾向にある映像コンテンツ産業に注力し、事業領域を拡張していきます。映像コンテンツ制作会社「ケイマックス」のグループ傘下入りは、こうした流れへの対応の足掛かりであり、コンテンツを軸に、海外も含めた映像マーケットに進出していくことを目指します。
ローカル局は「メディア」として放送波を負託されていることと、信頼と歴史に基づく「コンテンツ」制作力が強みです。大きく変化する産業構造に対応し、現行ビジネスの価値最大化とコンテンツのデジタル展開を進めることにより、「メディアコンテンツグループ」として持続的な成長を果たしていこうと考えています。
〈不動産関連事業〉
不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらした一方、保有資産の「選択と集中」戦略に基づき、前中期経営計画期間において、遊休地および老朽化した物件の売却などを行いました。本計画期間においては、成長性のある物件の調査を進め、新たな収益物件を取得するなど、新たなポートフォリオ構築によりグループ基盤を支える収益の安定化を目指していきます。
〈その他〉
その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を活かしたグループのさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ全体あるいはグループ各社の事業拡大に向けて、各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究を進めながら、戦略的投資を行っていきます。
成長を支える基盤の強化 こうした各事業の回復・成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアル工事を進めているCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、外部利用の可能性についても検討を進め、有効活用を目指していきます。また、放送機能の先進化に向けても、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資を行うことが必要となります。さらに、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があり、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
人材面では、コロナ禍による「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。あわせて、グループ機能の最適化や、それに合わせたグループ要員計画の策定に関しても検討を進めていきます。
地域を代表するメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、創立70周年で掲げた「未来にワクワクを」というテーマに基づき、「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。また、世界的に機運の高まるカーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を活かしながら、グループ会社や地元企業などとの共創により、地域社会への貢献を目指していきます。
地域ナンバーワン「メディアコンテンツグループ」を目指して
新型コロナウイルス感染症拡大という状況の中、1年余りにわたって、最前線で対応しておられる医療従事者の皆さまをはじめ、それぞれ収束に向けて、対応をしてこられました全ての方々に、心からの敬意と感謝を表します。こうした状況下で、私たちは「メディア」として、正しい情報をいち早く、わかりやすく届け、地域の方々の生命、生活を守るという社会的役割を担っていることを、これまで以上に意識するようになりました。そして、コロナ禍で在宅時間が増える中、人々の心、気持ちを豊かにする「コンテンツ」の提供も当社の大切な役割であると再認識しました。
当社グループは、地域の情報インフラとして、皆さまの生命・財産を守り、皆さまの心を豊かにする映像コンテンツの提供を通じて、今こそ存在意義を発揮する時と考えています。地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」を目指して、グループ一丸となって様々な価値の創造、情報発信を進め、民放初の「100年企業」に向けて、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。
新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、人類が経験したことのないような事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。昨年来の新型コロナウイルス拡大は、広告市況の急激な悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、今回新たに策定した「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「テレビ事業を中心とした現行ビジネスの立て直し」と「コンテンツ事業への参入など新たな柱の創出」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
「100年企業」への歩みに向けてあと30年となる今年、当社グループは「メディアコンテンツグループ」へと進化します。
新型コロナウイルスという脅威が世界経済を停滞させ、人々の生活様式を一変させました。創立から70年を経た今、私たちは大きな変革を求められています。この70年間で築いてきた制作力に基づいた「コンテンツ」を軸に、放送、そして、様々な「メディア」に領域を拡大していくことが必要です。
2050年においても成長し続ける「100年企業」グループを目指して、「CBCグループは地域で最も信頼されるメディア企業グループとして地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という原点に立ち返り、グループ各社がそれぞれの存在意義を再確認し、デジタル活用によりグループの多様性を最大限に発揮し、社会的使命を担う企業グループを目指していきます。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」
当社グループは、2021年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」を策定しました。策定にあたり本計画期間について、10年先にあたる2030年における各社の姿を見据えた上で、まずはコロナ禍を乗り越え、既存の事業を「回復させ、成長させる」。さらに、これまで播いてきた「将来の種を育て」「新たな種播きを進める」期間と位置付けています。
まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていきます。
〈メディアコンテンツ関連事業〉
当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。
放送関連事業では、メディア環境の変化と新型コロナウイルスによる影響を見極め、どう対応していくのかが課題です。メディアの多様化が進む中、テレビのスポット市場は成熟期を迎えています。こうした中でも、番組視聴率を上げることでスポットシェアを上げる、すなわち売上を伸ばすことが可能となります。さらに、テレビの持つ広告効果は、他メディアと比較しても、その優位性は大きく、それをデータ利活用によって見える化することにより、効果の再認識につなげ、さらには最大化することが可能です。
また、ラジオ事業に関しては、「radiko」を含むデジタル音声広告市場が成長傾向にある中、従来の放送収入やイベント収入に加えて、この市場をとらえるべく、さらなるコンテンツ制作力を蓄えた上で、放送と通信の両サービスの提供により、リスナー・スポンサーの期待に応えていきます。
コロナ禍で一気に成長が加速したのが、映像コンテンツ産業です。当社グループも70年間培ってきたコンテンツ制作力を持つメディアとして、市場成長性、収益性とも上昇傾向にある映像コンテンツ産業に注力し、事業領域を拡張していきます。映像コンテンツ制作会社「ケイマックス」のグループ傘下入りは、こうした流れへの対応の足掛かりであり、コンテンツを軸に、海外も含めた映像マーケットに進出していくことを目指します。
ローカル局は「メディア」として放送波を負託されていることと、信頼と歴史に基づく「コンテンツ」制作力が強みです。大きく変化する産業構造に対応し、現行ビジネスの価値最大化とコンテンツのデジタル展開を進めることにより、「メディアコンテンツグループ」として持続的な成長を果たしていこうと考えています。
〈不動産関連事業〉
不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらした一方、保有資産の「選択と集中」戦略に基づき、前中期経営計画期間において、遊休地および老朽化した物件の売却などを行いました。本計画期間においては、成長性のある物件の調査を進め、新たな収益物件を取得するなど、新たなポートフォリオ構築によりグループ基盤を支える収益の安定化を目指していきます。
〈その他〉
その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を活かしたグループのさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ全体あるいはグループ各社の事業拡大に向けて、各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究を進めながら、戦略的投資を行っていきます。
成長を支える基盤の強化 こうした各事業の回復・成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアル工事を進めているCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、外部利用の可能性についても検討を進め、有効活用を目指していきます。また、放送機能の先進化に向けても、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資を行うことが必要となります。さらに、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があり、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
人材面では、コロナ禍による「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。あわせて、グループ機能の最適化や、それに合わせたグループ要員計画の策定に関しても検討を進めていきます。
地域を代表するメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、創立70周年で掲げた「未来にワクワクを」というテーマに基づき、「SDGs(持続可能な開発目標)」の考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。また、世界的に機運の高まるカーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を活かしながら、グループ会社や地元企業などとの共創により、地域社会への貢献を目指していきます。
地域ナンバーワン「メディアコンテンツグループ」を目指して
新型コロナウイルス感染症拡大という状況の中、1年余りにわたって、最前線で対応しておられる医療従事者の皆さまをはじめ、それぞれ収束に向けて、対応をしてこられました全ての方々に、心からの敬意と感謝を表します。こうした状況下で、私たちは「メディア」として、正しい情報をいち早く、わかりやすく届け、地域の方々の生命、生活を守るという社会的役割を担っていることを、これまで以上に意識するようになりました。そして、コロナ禍で在宅時間が増える中、人々の心、気持ちを豊かにする「コンテンツ」の提供も当社の大切な役割であると再認識しました。
当社グループは、地域の情報インフラとして、皆さまの生命・財産を守り、皆さまの心を豊かにする映像コンテンツの提供を通じて、今こそ存在意義を発揮する時と考えています。地域ナンバーワンの「メディアコンテンツグループ」を目指して、グループ一丸となって様々な価値の創造、情報発信を進め、民放初の「100年企業」に向けて、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。