有価証券報告書-第96期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。
新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、新型コロナウイルス拡大や大規模な災害などの人類を脅かす事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。新型コロナウイルス拡大や不安定な経済情勢などは、広告市況の悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「メディア事業を中心とした現行ビジネスの回復・成長」と「コンテンツ事業への本格的参入など新たな柱の創出に向けた礎の構築」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
当社は、2020年、日本の民間放送では初めてとなる「創立70周年」を迎え、2021年には、CBCラジオが「開局70周年」、CBCテレビが「開局65周年」を迎えました。この70年間、放送メディアは、めざましい進化を遂げながら、人々の生活に欠かせない地域の情報インフラとして、喜怒哀楽の共有をもたらす中心で在り続けました。
そして現在、メディアの多様化に加え、コロナ禍により、環境は激変を続けていますが、「地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という基本方針に変わりはありません。当社グループは、この先、いかなる時代にあっても、地域性や信頼性に基づくコンテンツを制作しつつ、グループ各社の多様性を最大限に発揮して、あらゆるシーンで皆さまのそばにいる存在であり続けたいと考えています。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」
当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」のキーワードは3つの「R」です。まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていく計画です。
「Reset」というのは、単にコロナ禍以前に戻すという意味ではなく、コロナ禍によって急速に進んだIT化や、一変した人々の生活様式を踏まえ、これまで当たり前と思っていたことを、いま一度見直し、そのうえで立て直しを図ることです。計画初年度となる当連結会計年度は、グループ各社において、この「Reset」を推し進め、利益面でコロナ禍以前の2019年度を上回る数字となるまで回復しました。2022年度からは「Revolution」、そして「Reborn」により、さらなる成長につなげていきます。
〈メディアコンテンツ関連事業〉
当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。
主力のテレビスポット収入は当連結会計年度の売上高が前期比112.1%となり、コロナ禍以前の2019年度の数字に近づくレベルまで回復しました。さらなる成長に向けては、視聴率を上げることでスポットシェアの上昇を目指します。さらに、テレビには報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」があります。この「総合力」を生かして、媒体価値や広告価値の向上に取り組んでいきます。また、ラジオ事業に関しては、地域のリスナーとの近さが、他メディアとの差別化につながる最大の武器であり、財産です。この関係性を生かしつつ、通信も活用しながら、リスナー、スポンサーの期待に応えていきます。
コロナ禍で成長が一気に加速したのが、映像コンテンツ産業です。多様な動画配信サービスが登場し、場所や時間を問わない視聴が当たり前となる中で、視聴者に選ばれるコンテンツを持つことがカギとなります。当社グループは70年間培ってきた制作力を持つメディアとして、コンテンツを軸に、事業領域を拡張していきます。CBCテレビでは、『ゴゴスマ』や『チャント!』などの生情報番組に加え、2022年4月よりゴールデンタイムで『ZOO-1グランプリ』(火曜 19:00~20:00放送)を制作するなど、系列連携に基づくコンテンツ制作も進めています。また、2021年4月にグループ傘下入りした制作会社「ケイマックス」も、他系列の番組制作に加え、CBCテレビ発の全国放送番組『ドーナツトーク』(日曜 23:30~24:00放送)の制作が始まるなど、グループ各社との連携によるコンテンツ制作を進めており、ゆくゆくは、海外も含めた映像マーケットに進出していくことも目指していきます。
そして、加速する技術革新に対応し、美術・デザイン関連事業を統合することにより、グループに新たな価値を付与できる体制を構築することを目的として、新たなグループ会社「CBC Dテック」を設立しました。「Dテック」はグループの放送メディアテクノロジー及びデザイン部門を担うスペシャリスト集団として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」となるための基盤を支える役割を担っていくこととなります。
〈不動産関連事業〉
不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらしました。当連結会計年度においては、過去に売却した資産をもとに、税制特例措置を活用しながら、新たな資産への買い替えを行いました。今後は、保有資産の収益率向上により、グループ基盤を支える収益の安定化を目指すとともに、将来に向けた再開発の検討も進めていきます。
〈その他〉
その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を生かしたさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究や社内起業提案制度などを活用しながら、戦略的投資を行っていきます。
成長を支える基盤の強化 こうした各事業の成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアルしたCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、コンビニエンスストアや系列局への賃貸など外部利用も行っていきます。また、放送機能の先進化に向けては、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資も必要です。その一方で、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があるため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
人材面では、コロナ禍を経て「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。
また、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、SDGsの考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。その取り組みの1つとして、カーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を生かしながら、地元企業とともに、木質バイオマス発電の事業化に向けた検討を進めています。
「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して
周年のテーマとして掲げた「未来にワクワクを」という思いは、これから先も変わりません。コロナ禍を経て、新しい環境にあっても、当社グループが地域に貢献し、信頼される存在であり続けるために、SDGsの考え方をもとに、様々な価値の創造、情報発信を進め、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、放送という公共性の高い事業を中核としており、「テレビ、ラジオの放送を通じてすぐれた報道、情報、娯楽番組を提供し、地域社会や文化に貢献する」ことを経営の基本理念としております。
新型コロナウイルスの拡大だけでなく、少子高齢化と人口の減少、広告市場の変化、メディア・デバイスの多様化、テクノロジーの進展など、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変わってきております。これまで、主力である放送事業は、高成長・高収益をもたらしてきましたが、視聴者や聴取者はいまや、時間、空間、デバイスを問わず、コンテンツを取捨選択するようになりました。放送は絶対的に優位なメディアではなくなっていることは事実です。しかし、その一方で、新型コロナウイルス拡大や大規模な災害などの人類を脅かす事象が続く中、信頼ある情報を発信するメディアの存在価値は改めて見直され、とりわけ地域に根差したローカル放送局が果たす役割の重要性は、ますます高まってきております。こうした環境変化を踏まえ、当社グループはこれからも、地域を代表するメディア、そして報道機関として、地域にとって有益な情報、魅力あるコンテンツ、そして生活者のライフスタイルにふさわしいサービスを提供し続けてまいります。
当社グループの中核をなす放送事業は、広告市場から大きな影響を受けるという特殊性を持っております。新型コロナウイルス拡大や不安定な経済情勢などは、広告市況の悪化をもたらし、当社グループの業績にも影響を及ぼしました。これから先、いかなる状況下にあっても、地域住民の生命、財産を守るという放送事業者としての使命を全うするためには、様々な環境変化に柔軟に対応し、安定した経営基盤を確保し続けていくことが重要であると考えております。このため、当社グループは、成長戦略の3本柱として掲げている「映像×情報×ICT」を軸に、当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」で掲げた重点施策を遂行し、「メディア事業を中心とした現行ビジネスの回復・成長」と「コンテンツ事業への本格的参入など新たな柱の創出に向けた礎の構築」によって、グループ全体の業容の最適化と収益性の最大化を推進し、持続的な成長に向け注力してまいります。
(2)対処すべき課題
当社は、2020年、日本の民間放送では初めてとなる「創立70周年」を迎え、2021年には、CBCラジオが「開局70周年」、CBCテレビが「開局65周年」を迎えました。この70年間、放送メディアは、めざましい進化を遂げながら、人々の生活に欠かせない地域の情報インフラとして、喜怒哀楽の共有をもたらす中心で在り続けました。
そして現在、メディアの多様化に加え、コロナ禍により、環境は激変を続けていますが、「地域で最も信頼されるメディア企業グループとして、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続ける」という基本方針に変わりはありません。当社グループは、この先、いかなる時代にあっても、地域性や信頼性に基づくコンテンツを制作しつつ、グループ各社の多様性を最大限に発揮して、あらゆるシーンで皆さまのそばにいる存在であり続けたいと考えています。
「映像」「情報」「ICT」を軸にした「中期経営計画2021-2023」
当連結会計年度を初年度とする「中期経営計画2021-2023」のキーワードは3つの「R」です。まずは、各既存事業がコロナ禍から立ち直ることを目指し、様々なことを見直す「Reset」、そして、変革・改革する「Revolution」、再生する「Reborn」。この3つの「R」をキーワードに、成長戦略の3本柱「映像×情報×ICT」を軸とした「現行ビジネスの回復・成長」「新規ビジネスへの進出・収益化」「成長を支える基盤の強化」を重点課題として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」の確立に向けた礎を築いていく計画です。
「Reset」というのは、単にコロナ禍以前に戻すという意味ではなく、コロナ禍によって急速に進んだIT化や、一変した人々の生活様式を踏まえ、これまで当たり前と思っていたことを、いま一度見直し、そのうえで立て直しを図ることです。計画初年度となる当連結会計年度は、グループ各社において、この「Reset」を推し進め、利益面でコロナ禍以前の2019年度を上回る数字となるまで回復しました。2022年度からは「Revolution」、そして「Reborn」により、さらなる成長につなげていきます。
〈メディアコンテンツ関連事業〉
当社グループの収益の大部分を担うメディアコンテンツ関連事業では、「放送関連事業売上の最大化」と「ウィンドウズ展開を軸にした映像コンテンツ事業の拡張」が2本柱となります。
主力のテレビスポット収入は当連結会計年度の売上高が前期比112.1%となり、コロナ禍以前の2019年度の数字に近づくレベルまで回復しました。さらなる成長に向けては、視聴率を上げることでスポットシェアの上昇を目指します。さらに、テレビには報道、制作、編成、営業の各部署が連携して、番組を主軸としたコミュニケーション力を最大化する「総合力」があります。この「総合力」を生かして、媒体価値や広告価値の向上に取り組んでいきます。また、ラジオ事業に関しては、地域のリスナーとの近さが、他メディアとの差別化につながる最大の武器であり、財産です。この関係性を生かしつつ、通信も活用しながら、リスナー、スポンサーの期待に応えていきます。
コロナ禍で成長が一気に加速したのが、映像コンテンツ産業です。多様な動画配信サービスが登場し、場所や時間を問わない視聴が当たり前となる中で、視聴者に選ばれるコンテンツを持つことがカギとなります。当社グループは70年間培ってきた制作力を持つメディアとして、コンテンツを軸に、事業領域を拡張していきます。CBCテレビでは、『ゴゴスマ』や『チャント!』などの生情報番組に加え、2022年4月よりゴールデンタイムで『ZOO-1グランプリ』(火曜 19:00~20:00放送)を制作するなど、系列連携に基づくコンテンツ制作も進めています。また、2021年4月にグループ傘下入りした制作会社「ケイマックス」も、他系列の番組制作に加え、CBCテレビ発の全国放送番組『ドーナツトーク』(日曜 23:30~24:00放送)の制作が始まるなど、グループ各社との連携によるコンテンツ制作を進めており、ゆくゆくは、海外も含めた映像マーケットに進出していくことも目指していきます。
そして、加速する技術革新に対応し、美術・デザイン関連事業を統合することにより、グループに新たな価値を付与できる体制を構築することを目的として、新たなグループ会社「CBC Dテック」を設立しました。「Dテック」はグループの放送メディアテクノロジー及びデザイン部門を担うスペシャリスト集団として、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」となるための基盤を支える役割を担っていくこととなります。
〈不動産関連事業〉
不動産関連事業はコロナ禍でも安定的な収益をもたらしました。当連結会計年度においては、過去に売却した資産をもとに、税制特例措置を活用しながら、新たな資産への買い替えを行いました。今後は、保有資産の収益率向上により、グループ基盤を支える収益の安定化を目指すとともに、将来に向けた再開発の検討も進めていきます。
〈その他〉
その他の各社における事業に関しては、メディアグループの一員として放送事業を支える機能をさらに強化するとともに、CBCのブランド力を生かしたさらなる連携、協業を推進し、グループ外売上の拡大を図ります。また、グループ各社の方向性を明確にし、グループに足りていない領域や、各社の業容拡大につながるような事業に関して、「映像×情報×ICT」をキーワードに、調査研究や社内起業提案制度などを活用しながら、戦略的投資を行っていきます。
成長を支える基盤の強化 こうした各事業の成長に向けては安定的な基盤確立に向けた強化が必要です。リニューアルしたCBC会館は、スタジオをはじめとしたグループのコンテンツ制作の拠点としての機能のほか、コンビニエンスストアや系列局への賃貸など外部利用も行っていきます。また、放送機能の先進化に向けては、テクノロジーの進展に合わせた新たな設備投資も必要です。その一方で、報道機関を持つ当社グループは、いつ、いかなるときも、その役割を果たし続けていく使命があるため、財務基盤を常に強化し続ける必要があります。
人材面では、コロナ禍を経て「新しい働き方」について検討を進め、DX推進による効率化、競争力の維持・強化にも取り組んでいきます。
また、地域社会の経済や文化の発展に寄与し続けていくためには、SDGsの考え方を根底とした社会的役割を果たしていくことが重要です。その取り組みの1つとして、カーボンニュートラルの実現に向け、太陽光発電事業で得た知見を生かしながら、地元企業とともに、木質バイオマス発電の事業化に向けた検討を進めています。
「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して
周年のテーマとして掲げた「未来にワクワクを」という思いは、これから先も変わりません。コロナ禍を経て、新しい環境にあっても、当社グループが地域に貢献し、信頼される存在であり続けるために、SDGsの考え方をもとに、様々な価値の創造、情報発信を進め、「地域ナンバーワンのメディアコンテンツグループ」を目指して、地域の皆さまとともに歩みを続けてまいります。