有価証券報告書-第86期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 10:22
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162項目

有報資料

(1)経営方針
当社グループは、国民の共有財産である電波資源を基にした放送に携わる企業グループとして、より高いコンプライアンス精神のもと、公正・迅速な報道、そして視聴者の皆様にご満足いただける番組の制作を常に心がけております。また、当社グループの一番の強みであるコンテンツ制作力を最大限に活かし、テレビ放送事業やインターネット事業の他、映画事業・イベント事業・物品販売事業や国内外へのコンテンツ販売等のメディア・コンテンツ事業を進めてまいります。さらに、国民の皆様の健康に対する意識向上と、より健康的な生活に寄与することを目的に、生活・健康関連事業を放送外事業の柱の一つとして、コア事業であるメディア・コンテンツ事業との間にシナジー効果を創出していきます。事業ポートフォリオの多様化と、各事業の強化に向けた戦略的投資を継続し、当社グループのさらなる成長及び経営基盤の安定化を図ることにより企業価値を高め、ステークホルダーの皆様のご期待に応えるよう努力を重ねてまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、「売上高営業利益率」と「売上高経常利益率」を重要な経営指標にしております。当連結会計年度の売上高営業利益率は11.7%、売上高経常利益率は13.5%と引き続き二桁台を確保しております。また、株主の皆様に出資していただいた資本の運用効率や収益性を計る尺度である自己資本利益率(ROE)の向上にも引き続き努めてまいります。
(3)経営環境と当社グループの経営戦略及び対処すべき課題
当社グループは、地上波テレビの媒体力と地上波テレビ放送で培ったコンテンツ制作力をコアコンピタンスとし、それらを最大限活用して事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、少子高齢化と人口減少により日本国内の市場の伸びが期待できない中、コンテンツの視聴環境や広告の手法は多種多様になってきており、テレビが広告媒体として優越的地位を保ち続けることは困難になっていると認識しています。
当社グループは、2016年度から2018年度を計画期間とする中期経営計画「日本テレビグループ中期経営計画 2016-2018 Change65」に基づき、その最終年度の定量目標として、連結売上高4,600億円、連結営業利益550億円(連結営業利益率12.0%)、連結経常利益600億円(連結経常利益率13.0%)以上を達成することを目指してまいりましたが、連結経常利益率(13.5%)以外はいずれも目標値に達しませんでした。その要因は、地上波テレビ広告収入は目標値を上回ったものの、コンテンツ事業収入が伸び悩んだことや、大型M&Aが成立しなかったことなどによるものです。
これらの経験を生かし、時代・環境の変化を先取りして、放送事業に留まらず成長、さらなる企業価値の向上を図るため、2019年度から2021年度を計画期間とする新たな中期経営計画「日本テレビグループ中期経営計画 2019-2021 日テレ eVOLUTION」を策定いたしました。日本テレビグループは、磨き上げてきた最強のコンテンツ制作力を成長のエンジンとし、映像コンテンツ事業はもとより、「テレビという枠」を超えて、イベント事業、生活・健康関連事業、教育事業など、“国民の生活を豊かにする”コンテンツ・サービスを幅広く提供し、人々の生活時間接触No.1を目指す、「総合コンテンツ企業」へと進化することを目標とします。
中期経営目標は、次のとおりです。
① 日本テレビグループとしての社会的責任を果たし、更に「信頼性」を向上させる
1. 全てのステークホルダーから「信頼」されるコンテンツやサービスを提供する
2. 公平・公正さを保ち、迅速・正確な情報を発信する
3. それぞれの事業活動・リソースを通じ「豊かな時」を提供し、社会や文化の創造に貢献する
② 総合コンテンツ企業として、放送・関連ビジネスを進化させ「収益性」「生産性」を飛躍的に向上させる
1. 「最強のコンテンツ制作集団」であり続ける
2. 放送波ビジネスの進化と新戦略の策定
新指標制定、セールス改革、ローコストコンテンツの開発等
3. 新技術[AI(人工知能)や5G(第5世代移動通信システム)等]の活用とデータに基づくマーケティング等による「収益性」「生産性」の向上
4. アニメ・映画事業など既存ビジネススキームの抜本的見直しと、知的財産権ビジネスの積極的推進
5. 海外市場での売上拡大へ向け、全社的な取り組みの強化
③ インターネット領域をビジネスの「柱」に成長させる
1. 放送波全番組の配信対応実現とネット向けコンテンツ生産体制の構築
2. グループをまたがるDMP(顧客情報システム)を完成させ、生活者と直接繋がったサービス・ビジネス基盤を構築する
3. Hulu、無料広告動画配信事業の売上を飛躍的に向上させる
4. 5G(第5世代移動通信システム)を活用した新サービス・コンテンツの開発とビジネス化
5. 若年層に向けた新たなインターネットサービスを開発する
6. 全てがネットでつながるIoT社会を踏まえ、コンテンツ・サービスのネット対応を拡大させる
④ 起業・M&A・アライアンスを推進し、非放送広告収入比率50%超を目指す
1. グループ全体での新規事業企画募集による起業の積極的推進と全社的サポート体制の確立
2. 投資枠を1,000億円に倍増し、M&A等による事業セグメントの拡大をグループ全体で進める
3. 業種・国境を越えた「聖域なきアライアンス」の推進
4. 生活・健康領域の「規模の倍加」と不動産事業、教育事業の拡大
5. グループ外からの収入比率を高める
⑤ 意識・組織・常識の改革
1. 成長のエンジンとなる「人財」の育成と確保
2. 放送に留まらず、様々なメディア・サービスに向けたコンテンツ制作が可能となる体制・ルールの確立
3. 全ての業務プロセスを全社的に見直し、従来業務にかける人的、物的リソースを8割程度に抑え、成長分野にリソースを振り向ける
4. 既存の組織、制度をゼロベースで見直し、環境の変化を先取した「未来に繋がる組織・制度」に変革する
5. 「前例踏襲撲滅」「AI(人工知能)等の新技術の導入」により、業務の軽量化・迅速化を図り、働き方改革を進める
なお、中期経営目標数値につきましては、最終年度(2021年度)において、連結売上高4,500億円(地上波広告収入2,640億円、コンテンツ事業収入他1,860億円)、連結営業利益520億円(利益率11.6%)、連結経常利益590億円(同13.1%)以上とします。
また、新規事業およびM&A推進のための投資枠を1,000億円にし、その実現によるM&A分を加算した目標値を、連結売上高においては5,000億円、連結営業利益540億円、連結経常利益620億円以上とします。
(4)株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値・株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えています。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。また、当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針の実現のための取組みの内容の概要
ア.基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社は、2016年度から2018年度を計画期間とする中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画 2016-2018 Change65」に基づき、2018年度に、連結売上高4,600億円、連結営業利益550億円(営業利益率12.0%)、連結経常利益600億円(経常利益率13.0%)以上を達成することを目指し、グループ一丸となって、中期経営計画の目標達成に向け「改革と挑戦」を続けてまいりましたが、連結経常利益率(13.5%)以外はいずれも目標値には達しませんでした。
この度、さらなる企業価値の向上を図るため、2019年度から2021年度を計画期間とする新たな中期経営計画「日本テレビグループ 中期経営計画 2019-2021 日テレeVOLUTION」を策定いたしました。
日本テレビグループは、報道機関としての社会的責任を果たし、新たなメディア・コンテンツと生活・文化を生み出す“豊かな時を提供する企業”であり続けることを将来のあるべき姿と捉えます。
その上で、2019-2021中期経営目標として、(a)日本テレビグループとしての社会的責任を果たし、更に「信頼性」を向上させること、(b)総合コンテンツ企業として、放送・関連ビジネスを進化させ「収益性」「生産性」を飛躍的に向上させること、(c) インターネット領域をビジネスの「柱」に成長させること、(d)起業・M&A・アライアンスを推進し、非放送広告収入比率50%超を目指すこと、及び(e)意識・組織・常識の改革を掲げています。
これらの目標を達成することにより、企業価値の拡大を図り、2021年度に、連結売上高4,500億円、連結営業利益520億円(営業利益率11.6%)、連結経常利益590億円(経常利益率13.1%)以上を目指します。更に、新規事業およびM&A推進のための投資枠を現状の500億円から1,000億円に増額し、その実現によるM&A分を加算した目標値を、連結売上高5,000億円、連結営業利益540億円、連結経常利益620億円以上とします。当社グループは、一丸となって、中期経営計画の目標達成に向け「改革と挑戦」を続けてまいります。
また、当社は、上記諸施策の実行に向けた体制を整備するべく、社外からの経営監視機能を強化し、経営の健全性及び意思決定プロセスの透明性を高めるため、取締役全10名のうち4名を社外取締役としております(注1)。また、経営陣の株主の皆様に対する責任をより一層明確化するため、取締役の任期を1年としております。当社は、これらの取組みに加え、今後も引き続きコーポレート・ガバナンスの更なる強化を図っていく予定です。
イ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、2016年6月29日開催の第83期定時株主総会において、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)を更新することを決議いたしました(以下更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。
本プランは、当社株式の大量取得行為が行われる場合に、株主の皆様が適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等により、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としています。
本プランは、(ⅰ)当社株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得もしくは(ⅱ)当社株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けのいずれかに該当する当社株券等の買付その他の取得又はこれらに類似する行為(以下「買付等」といいます。)がなされる場合を原則として適用対象とします。買付等を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)には、予め本プランに定められる手続に従っていただくこととします。
買付者等には、当該買付等に先立ち、当社に対して、意向表明書、及び、当社所定の情報等を記載した書面(以下「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。
企業価値評価独立委員会(独立性のある社外取締役等から構成される委員会で、取締役の恣意的判断を排し、本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行うことが予定されております。)は、買付者等から買付説明書等が提出されたと合理的に認めた場合、当社取締役会に対しても、適宜回答期限を定めた上(原則として60日を上限とします。)、買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案等を提供するよう要求することができます。
企業価値評価独立委員会は、買付者等及び当社取締役会からの情報を受領したと合理的に認めた時点から原則として最長60日が経過するまでの間、買付等の内容の検討、買付者等と当社取締役会の経営方針・事業計画等に関する情報収集・比較検討、代替案の検討、当該買付者等との協議・交渉等を行います。
企業価値評価独立委員会は、買付者等が本プランに定められた手続を遵守しなかった場合や買付者等による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合等で、本プラン所定の要件に該当するとき、差別的行使条件及び差別的取得条項が付された新株予約権の無償割当てその他の法令及び当社定款の下でとりうる適切な施策を実施することを勧告します。なお、企業価値評価独立委員会は、一定の場合に、当該実施に関して株主総会の承認を得るべき旨の留保を付すことができます。
当社取締役会は、企業価値評価独立委員会の上記勧告を最大限尊重して上記新株予約権の無償割当て等の実施又は不実施等に関する会社法上の機関としての決議を行います。但し、企業価値評価独立委員会が上記新株予約権の無償割当て等を実施するに際して、予め株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合には、当社取締役会は株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することができるものとします。
本プランの有効期間は、原則として、第83期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとされています。
③上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
ア.基本方針の実現に資する特別な取組み(上記②アの取組み)について
経営方針、コーポレート・ガバナンスの強化等といった各施策は、上記②ア記載のとおり、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに基本方針の実現に資するものです。
従って、これらの各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
イ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(上記②イの取組み)について
本プランは、上記②イ記載のとおり、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、基本方針に沿うものです。
特に、本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針の定める三原則を充足していること、株主総会において株主の承認を得て更新されたものであること、一定の場合に、本プランの発動の是非について株主総会に付議されることがあること、独立性のある社外取締役等のみによって構成される企業価値評価独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず企業価値評価独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、その内容として本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、企業価値評価独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、本プランの有効期間が3年間と定められた上、株主総会又は取締役会によりいつでも廃止できるとされていること、当社取締役の任期は1年とされていること等により、その公正性・客観性が担保されており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(注)1.当社においては、2019年6月27日開催の株主総会により、取締役全13名のうち6名が社外取締役となっ
ております。
2.本プランの有効期間は、2019年6月27日開催の第86期定時株主総会の終結の時までとなっており、当社は2019年5月16日開催の取締役会において、本プランを継続しないことを決議しております。
なお、当社においては、本プラン廃止後も当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に取り組んでまいる所存であり、当社株式等の大規模買付行為が行われる際には、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいります。

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