有価証券報告書-第87期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:04
【資料】
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【項目】
159項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、国民の共有財産である電波資源を基にした放送に携わる企業グループとして、公平・公正さを保ち、迅速・正確な情報を発信することを通して、全てのステークホルダーから「信頼」されるサービスの提供を心がけながら事業を継続・発展させてまいります。具体的には、当社グループの一番の強みであるコンテンツ制作力を最大限に活かし、テレビ放送事業や動画配信事業のほか、映画事業、イベント事業、物品販売事業や国内外へのコンテンツ販売等の「メディア・コンテンツ事業」を進めてまいります。また、本格的な少子高齢化社会の到来を視野に、国民の健康意識向上と、健康的な生活の実現を目的とする「生活・健康関連事業」を放送外事業の柱の一つとして成長させ、コア事業であるメディア・コンテンツ事業との間にシナジー効果を創出してまいります。
当社グループは、メディア・コンテンツ業界のトップカンパニーとして「改革と挑戦」を続けつつ、これらの経営施策を通じて、「良質なコンテンツの創造」「新たな文化の創造」「豊かな社会の創造」さらに「夢ある未来の創造」の四つの創造を実現し、一層の企業価値向上に努めてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、地上波テレビ放送で長年培って来たコンテンツ制作力と媒体力をコアコンピタンスとし、事業を拡大し成長させてまいりました。しかし、スマホネイティブ世代の登場等によるコンテンツ視聴環境の変化や、それに伴う広告手法の進化によって、インターネット広告へのシフト、動画配信市場の拡大等が進み、テレビが持つ絶対的優位性の維持が大きな課題となっています。また、法令改正に伴う人件費の上昇、オリンピックやサッカーW杯等の大型スポーツイベントを中心に放送権料が高騰しているほか、4K放送及び5Gといった新技術対応のためのコストも必要となり、収益の確保がますます難しくなってきていると認識しております。これらに加えて、昨今、気候変動による集中豪雨や大型台風の発生をはじめとする甚大な被害を伴う自然災害、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による「東京2020オリンピック・パラリンピック」の開催延期や世界経済の減退といった外的要因による大きな経営環境の変化が生じております。
当社グループとしましてはこれらの経営環境の変化やリスクを踏まえて、収益性を確保すべく適切に対処していくことが肝要であると認識しております。
(3)経営戦略
こうした経営環境の中、当社グループは、最強の制作集団として、放送や映画、動画配信等の映像コンテンツを創造・発信する事はもちろん、リアルなイベント事業や通販事業、教育事業、㈱ティップネスが提供する健康プログラムなど「国民の生活を豊かにする」コンテンツ・サービスを有機的に繋ぎ、人々の「生活時間接触No.1」となる企業を目指します。
(4)中期経営目標
当社グループは、いかなる環境の変化に対しても「進化」する事で事業の成長を目指す「日本テレビグループ 中期経営計画2019-2021 日テレ eVOLUTION」を策定しました。
この中期経営計画では「テレビを超えろ」をテーマに掲げ、以下の目標を立てております。
1. 日本テレビグループとしての社会的責任を果たし、更に「信頼性」を向上させる
2. 総合コンテンツ企業として、放送・関連ビジネスを進化させ「収益性」「生産性」を飛躍的に向上させる
3. インターネット領域をビジネスの「柱」に成長させる
4. 起業・M&A・アライアンスを推進し、非放送広告収入比率50%超を目指す
5. 意識・組織・常識の改革
(5)セグメント別戦略
① メディア・コンテンツ事業
地上波テレビ放送事業は、総務省の許認可を必要とし、電波法・放送法など様々な法規制をクリアする必要があるため、新規参入が難しい事業であり、直ちに競合社が増加する可能性は低いと考えております。また、当社グループは全国のネットワーク各局と協定を結び強固な協力関係を築き上げており、2014年以来、実に6年連続視聴率三冠王を獲得しています。
しかしながら、動画配信サービスの進化、動画制作のパーソナル化が進む中、動画コンテンツをインターネット環境下で視聴するユーザーが増加し、地上波テレビの視聴者は漸減傾向にあります。これに伴って地上波テレビ広告市場も徐々に縮小する傾向にあります。
また、動画配信サービスの拡大に伴い、コンテンツへのニーズが高まったことで、IP(知的財産権)ホルダーや制作会社・タレント事務所、スポーツ権利団体等、取引先の交渉力が高まっており、権利の獲得費用及び制作費の高騰が進んでおります。これに加え、番組制作を中心とする業務は働き方改革や、同一労働同一賃金への対応などから人件費の高騰にも直面しております。
このような状況の中、当社グループは「最強のコンテンツ制作集団」であり続ける為に、コンテンツ制作体制を一層強化すると共に、媒体力を明確に示す為の新指標の制定、クライアントのニーズに即したセールス改革、ローコストコンテンツの開発等を通じ、メディア・コンテンツ事業の価値向上に努めてまいります。具体的には他局に先駆け、個人視聴率を社内での重要指標とし、CPP(クロス プログラム プロモーション)やSAS(スマート アド セールス)といった新たなCM販売手法の開発の他、制作体制の見直し等による制作費の効率化を進めております。また、AI(人工知能)や5Gの研究や、自社開発のDMP(顧客情報システム)である「FACTly」を活用したデータマーケティングによる「収益性」「生産性」の向上にも取り組んでまいります。
地上波テレビ放送事業については当社グループの根幹を支える事業として、今後も報道機関としての責務を果たし、クライアントや視聴者に評価される番組作りに邁進し、視聴率、放送収入ともに在京キー局トップを確保してまいります。
インターネット事業においては、定額制動画配信サービス「Hulu」と広告付き無料動画配信を営む民放公式テレビポータル「TVer」を収益の柱に成長させることを当該事業における重要な目標とします。インターネットを通じた動画配信事業は、市場全体が右肩上がりに成長していることに加え、コロナ禍による在宅時間の増加を背景に更なる拡大が見込まれています。一方で、豊富な資金力を有する外資系企業が日本に進出しており、会員獲得に多額の投資が必要なビジネスモデルとなっていることから厳しい競争環境に晒されております。
このような環境の中、当社グループでは保有するドラマやバラエティなどの豊富な放送コンテンツや、映画・イベントなどの事業コンテンツと動画配信事業を有機的に連動させることにより、競合他社との差別化を図り事業を拡大してまいります。これに加えて、放送波全番組の配信対応実現とネット向けコンテンツ生産体制の構築、生活者と直接繋がったサービス・ビジネス基盤の開発、5Gを活用した新サービスや若年層向けインターネットサービスの開発など、全てがネットでつながるIoT社会を踏まえたコンテンツ・サービスのネット対応を拡大してまいります。
アニメ・映画事業等の既存ビジネスに関しては、ビジネススキームの抜本的見直しと、IP(知的財産権)ビジネスの積極的推進を図ってまいります。また、海外市場における「Mother」や「Woman」の成功を踏襲したドラマの積極的セールスや海外向けフォーマット販売を目的とした企画募集など全社的な取り組みを強化してまいります。
② 生活・健康関連事業
生活・健康関連事業領域における重要な目標は、㈱ティップネスが営むスポーツクラブ事業を当社グループにおける収益の柱の一つにまで成長させると同時に、超高齢化社会が進む日本において「健康意識の向上」に寄与することです。
総合型スポーツクラブから特化型スポーツクラブへの利用者ニーズの高まりに伴い、小規模事業者の新規参入が容易な状況となっており、市場には女性専用小規模サーキットジム、24時間営業のトレーニングジム、ホットヨガ、ストレッチ専門店など多数の業態がひしめいております。また、アプリ等を利用した自主トレーニング等、スポーツクラブ以外でのトレーニング手段も多様化しております。これに加え、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大など、事業環境が極めて流動的となっております。
このような状況の中、㈱ティップネスは総合型スポーツクラブ「ティップネス」だけでなく、24時間営業のトレーニングジム「FASTGYM24」を展開し、成長が見込めるキッズスクールの強化などを通じて既存店の収益向上を図るほか、効果的な新店舗の開業による事業拡大を行ってまいります。これに加えてこの度、全国でスイミングスクールを展開する㈱ジェイエスエスの株式を取得し、関連会社としました。スイミングスクールの名門として数多くのオリンピック選手を輩出する同社は、卓越した指導メソッドの他にも、安全管理面や衛生面、その他スイミング事業に関する多数のノウハウを有しております。今後は両社が持つ「強み」を最大限共有し、安心・安全の更なる徹底を図りながら生活・健康関連事業の強化に励んでまいります。
③ 不動産賃貸事業
汐留及び番町地区等において不動産賃貸事業を計画し、実施しております。このうち番町地区には、旧本社ビルがあった二番町エリアに首都直下型地震に備え、耐震性が高くBCP(事業継続計画)にも対応したスタジオ棟を建設いたしました。また、現在千代田区麹町5丁目にオフィスビルを建設し、番町再開発事業を着実に進めております。
クリーンエネルギー創生は、環境に配慮した発電事業として社会的に意義のあるものであると判断し、太陽光発電事業を進めております。現在、岩手県九戸発電所・胆沢発電所・大規模営農型の熊本県小国発電所を稼働させております。電力会社と固定価格買取保証の契約を締結するなどにより、長期安定的に収益を計上できるように事業を進めてまいります。2019年度には上記発電所において、当社グループのスタジオの電力使用量を超える発電量を記録したため、スタジオの使用電力はクリーンエネルギーで賄えていると言える状況になっております。当社グループは引き続き出来る限りの節電に努めてまいります。
④ 新規事業
当社グループでは、グループ全体で取り組む新規事業募集企画(NTVIP=日テレイノベーションプログラム)を通じ、新規事業開発を積極的に推進しております。現在、当社グループのDNAである「人のやっていないことをやり、自ら歴史を作る」精神を受継ぎ、アナウンサーキャスティング事業である「MAXキャスティング」をはじめ、独自のVTR等当社グループの資産を活用した人材育成事業の「日テレHR(人材育成・研修事業)」、eスポーツチーム「AXIZ」の運営を中心とする「eスポーツ事業」、バーチャルYouTuberに関した番組やイベント等を通じて収益化を目指す「VTuber事業」、プログラミングを軸とした花火イベント及び教育事業を手掛ける「花火IoT事業」等を行っております。
また、新中期経営計画では投資枠を1,000億円に拡げ、業種・国境を越えた「聖域なき起業・M&A・アライアンス」を推進し、非放送広告収入比率50%超を目指してまいります。
(6)経営基盤の整備
各事業を円滑に進めるために、グループ全体で「意識・組織・常識の改革」を進めております。積極的なキャリア採用、成長のエンジンとなる「人財」の育成に取り組み、既存の組織や制度をゼロベースで見直し、いかなる環境の変化にも対応出来る「未来に繋がる組織・制度」に変革していきます。また、「前例踏襲撲滅」「AI(人工知能)等の新技術の導入」により、業務の軽量化・迅速化を図り、従来業務にかける人的・物的リソースの2割程度を成長分野に振り向けてまいります。
(7)目標とする経営指標
当社グループは、事業効率性という観点から「売上高営業利益率」を重要な経営指標にしております。戦略的投資や新規事業については、少数出資・組合出資等の成果が営業外損益に反映されるケースもあり、事業ポートフォリオの多様化の観点から「売上高経常利益率」も重要な経営指標にしております。当連結会計年度におきましては「売上高営業利益率」は10.1%、「売上高経常利益率」は11.5%となりました。また、株主の皆様に出資していただいた資本の運用効率や収益性を計る尺度である「自己資本利益率(ROE)」の向上にも引き続き努めてまいります。
なお、中期経営目標数値につきましては、最終年度(2021年度)において、連結売上高4,500億円(地上波広告収入2,640億円、コンテンツ事業収入他1,860億円)、連結営業利益520億円(利益率11.6%)、連結経常利益590億円(同13.1%)以上としております。また、設定した投資枠を利用し、新規事業およびM&Aを推進した結果の目標値を、連結売上高においては5,000億円、連結営業利益540億円、連結経常利益620億円以上としております。

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