有価証券報告書-第80期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 10:54
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【項目】
112項目
(1)経営成績等の状況の概要
①業績等の概要
当連結会計年度における我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により企業収益や個人消費が大きく落ち込み厳しい状況で推
移した。下期に入り経済活動や個人消費にゆっくりとした回復基調が見られるものの、新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない
なか、持ち直しの動きは一進一退となっている。こうした経済環境のなか、2020年の日本の総広告費(暦年、(株)電通調べ)は前年比88.8
%、地上波テレビの広告費は前年比88.7%と漸減傾向が続き、北海道エリアでのスポットCM投下量も前年比92.7%と落ち込んだ。
このような状況のもと、当社グループの連結売上高は、主たる事業である放送事業部門でのスポット放送収入の減収が響き、前年同期と
比べ13億45百万円(前年比△7.2%)減収の173億24百万円となった。売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、新型コロナ
ウイルス感染症対策による取材やロケの自粛、イベントの中止等により番組制作費や事業費が大きく減少し前年同期と比べ12億22百万円(
△7.0%)減少の161億90百万円となった。この結果、営業利益は前年同期と比べ1億24百万円(△9.8%)減益の11億34百万円、経常利益は
前年同期と比べ1億17百万円(△7.8%)減益の13億71百万円となった。
セグメント別の状況は次のとおりである。
〇放送事業部門
テレビ部門は2020年度の視聴率で「全日(6~24時)」、「ゴールデン(19~22時)」、「プライム(19~23時)」の3部門で13年連続の
3冠を獲得した。特に「全日」は全国の民放で最長記録となる29年連続トップとなった。朝夕の「どさんこワイド朝」「どさんこワイド179」
を柱とした自主制作番組が高視聴率を得たことに加え、日本テレビのレギュラー番組等も好調に推移したことが大きな要因である。一方で、営業面では、売上の主軸であるスポットセールスにおいて道内5局中で29年連続トップを達成したが、厳しい広告市況のなかスポット放送収
入は前年同期と比べ5億98百万円(△8.0%)減収の69億10百万円となった。また、タイム収入はレギュラータイムで上期を中心にホテルを
はじめとした旅行業やパチンコ店等の出稿休止が相次いだうえ、単発では「ANAオープン」や「FISジャンプワールドカップ」などスポーツ
コンテンツの大会中止が響き、前年同期と比べ1億38百万円(△2.8%)減収の48億49百万円となった。事業部門は、「TVアニメ『鬼滅の刃』
全集中展」や「蜷川実花展 ―虚構と現実の間に―」等を積極的に展開したが、新型コロナウイルス感染症対策のため多くのイベントが中
止や延期を余儀なくされたことから、事業収入は前年同期と比べ3億84百万円(△53.3%)減収の3億36百万円となった。
コンテンツ部門は、通販(ショッピング)が新型コロナウイルス感染拡大の中、いわゆる「巣ごもり消費」の追い風にのり、毛ガニなど
の北海道産高級食材が人気を呼んだほか、住宅ミニリフォームが好調だったことで前年同期と比べ1億3百万円(7.3%)増収の15億9百万円
となった。
ラジオ部門は、2020年12月の聴取率調査で7年ぶりに首位に返り咲いた。しかし、営業面では当連結会計年度も全国的にラジオ広告収入の
減少が続き、スポット放送収入は前年度と比べ1億12百万円(△31.0%)減収の2億50百万円となった。事業収入も新型コロナウイルス感染
症対策の影響を受け事業イベントの中止や延期があり前年度と比べ15百万円(△3.6%)減収の4億円となり、ラジオ部門全体の売上高は13
億20百万円と前年と比べ1億23百万円(△8.5%)の減収となった。売上原価と販売費及び一般管理費を合わせた営業費用は、前年同期と比
べ64百万円(△4.4%)減少し14億1百万円となったが、当連結会計年度は80百万円の営業損失となった。
この結果、放送事業全体における当連結会計年度の売上高は、前年同期と比べ11億35百万円(△6.9%)減収の152億87百万円となった。
また、セグメント利益は前年同期と比べ1億11百万円(△13.8%)減益の6億95百万円となった。
〇ビル賃貸管理部門
主力のビル賃貸部門では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景とし、飲食テナントやビル側の求めに応じて賃料の減額や支払い
の一部猶予を行った。また、駐車場については外出自粛の影響で売上が減少し、同部門の売上は11億円(前年同期比△3.8%)と減収となっ
た。ハウジング部門は、モデルハウスの一時閉鎖など営業活動が制約されたこともあり、新築住宅の引き渡し数は前期比7棟減少の11棟にと
どまり、同部門の売上は5億3百万円(前年同期比△11.8%)と減収となった。一方で、工事費の圧縮や効率化等でビル賃貸部門を中心にコ
ストコントロールに努め売上原価が大きく減少した。
この結果、部門全体の売上高は前年同期と比べ1億2百万円(△4.7%)減収の20億90百万円、セグメント利益は前年同期と比べ2百万円(
0.5%)増益の4億21百万円となった。
○制作プロダクション部門
STV関連では「どさんこワイド朝」「どさんこワイド179」等レギュラー番組で、撮影や中継案件の多くが中止や縮小となったほか、単発
番組の「YOSAKOIソーラン中継」等も中止となり売上が大きく落ち込んだ。また、一般外部取引では、Bリーグレバンガ北海道戦の公式映像
制作やアイヌ民族文化財団から大型案件を新規に受注したが、スポーツや医療ライブ等の大型イベントが中止となり、こちらも売上は前年
度を下回った。一方、営業費用は制作経費の減少や業務委託費の縮減により前年度より減少した。
この結果、部門全体の売上高は前年同期と比べ1億26百万円(△8.6%)減収の13億33百万円、セグメント利益は前年同期と比べ8百万円
(△69.9%)減益の4百万円となった。
〇通信販売部門
通販事業は、当連結会計年度から仕入れに関する業務がSTVに業務移管されたことにともない、これに相当する売上計上はなくなった。
広告部門は、カタログ関連の広告セールスは堅調だったものの、レギュラースポンサーの出稿見合わせで売上は前年度を下回った。コンテ
ンツ部門は、新型コロナウイルス感染症の影響を受けカラオケの分配金やコンサート等の著作権使用料が減少し、売上は前年度を下回った。
また、アウトソーシング部門は業務移管にともない当連結会計年度から売上計上がなくなった。
部門全体の売上高は前年度と比べ6億95百万円(△76.1%)減収の2億18百万円、セグメント利益は前年度と比べ7百万円(△33.1%)減益
の14百万円となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ11億11百万円増加し、103
億87百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動で得られた資金は、18億12百万円(前年同期は20億93百万円の収入)となった。これは主に、税金等調整前当期純利益20億8百万
円や減価償却費10億4百万円を計上した一方で、法人税等の支払3億90百万円があったことによる。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1億19百万円(前年同期は81百万円の収入)となった。これは主に、定期預金の払戻による収入19億70百
万円(純額)、有形固定資産の取得による支出27億56百万円、投資有価証券の取得による支出9億3百万円、また投資有価証券の売却及び償
還による収入15億73百万円を計上したことによる。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5億82百万円(前年同期は5億33百万円の支出)となった。これは主に、長期借入金の返済による支出と
配当金の支払いである。
③生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
放送事業部門15,21293.0
ビル賃貸管理部門1,83993.5
制作プロダクション部門16168.1
通信販売部門11294.5
合計(百万円)17,32492.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
3.当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
相手先前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱電通3,03416.32,77516.0
日本テレビ放送網㈱2,31612.42,26213.1
㈱博報堂DYメディアパートナーズ2,02510.91,85010.7

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
2020年の日本の総広告費(暦年、㈱電通調べ)は、6兆1,594億円(前年比88.8%)と前年実績を大きく下回った。このうち、インターネ
ット広告費は社会のデジタル化加速が追い風となり前年比105.9%となったが、地上波テレビの広告費は1兆5,386億円(前年比88.7%)と
漸減傾向が続いた。北海道エリアにおいても、売上の主軸となるスポット広告の投下量が前年度の92.7%と落ち込んだ。こうした厳しい市
況のなか、当連結会計年度でのスポット放送収入は、北海道内でトップとなり道内4局シェアも30.4%を獲得した。また、朝夕の自社制作番組を軸に各番組が好調に推移し13年連続の年度「視聴率3冠」を獲得した。なかでも全日視聴率は全国の民放で最長記録の29年連続トップと
なった。このことは、「売上」「視聴率」の2つの指標で北海道エリアの首座をしっかりと確保し、エリアNO.1放送局グループとしての信
頼と期待に応えたといえる。
一方で、今後はインターネット関連のデジタル広告の伸長により地上波テレビの広告費の減少、ひいては北海道エリアへの広告投下量の
さらなる減少が懸念される。このため放送事業は、引き続き、朝夕の「どさんこワイド」をはじめとする自社制作番組の充実を図り制作力
の強化に取り組む。さらに、中期経営計画に加えた「全社戦略メッセージ」と「事業戦略メッセージ」に掲げたように、放送事業以外の収
入源の確保に向け番組販売やネット配信、通信販売などコンテンツ収入の拡充や、「SDGs」(持続可能な開発目標)の課題解決に向けた取
り組みを、新規ビジネスの開発に結びつけていくことなどに取り組んていく。
また、新型コロナウイルス感染症に起因し、国内外において経済活動や個人消費にさらなる影響が出ることが懸念される。スポット広告
は下期に入り回復基調となったが、収束が未だ見通せない中、当社グループにおいてもCM出稿の減少や事業イベント、スポーツ大会の中止
等で、事業活動及び収益確保に影響を及ぼす可能性がある。
②セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
放送事業のラジオ部門は、AMラジオの厳しい経営環境が今後も続くことが予想されることから、利益を生む企業体質を目指し財務内容の
一層の強化を図る。そのために、基盤番組の強化と次代を視野に入れた番組の開発を図りリスナーの増加を目指すことが必要である。さら
に、番組連動企画や各種営業企画を積極的に展開し新規広告主の開拓を進める。
ビル賃貸管理部門は、注文住宅の販売実績をあげるため、モデルハウスだけではない営業ツールの活用とPR活動の強化が課題である。そ
して、新型コロナウイルス感染症への対応に備えながら既存ビルの稼働率を高いレベルで維持しつつ、他事業の収益増加を図ることが必要
である。
制作プロダクション部門は、引き続き当社グループ全体のコンテンツ制作を支えていくために、制作力の強化と新しい技術の習得に努め
ていくことが必要である。また、技術力・制作力に定評のあるスポーツ中継を基盤に外部ビジネスの拡大に取り組む。
通信販売部門は、テレビ、ラジオやカタログに加え、年々増加するインターネット販売の拡充施策を積極的に推し進めていく。また、新
型コロナウイルス感染症の動向も注視しながら、STVと連携を密にしてニーズを捉えた新たな商品開拓と顧客対策に取り組んでいく。
当社グループの経営陣は、地域に密着した情報・放送文化を発信するとともに、北海道の価値をさらに高めていくことを重要なテーマと
認識している。新型コロナウイルス感染症の社会全体に及ぼす影響が見通せない中、この事態を注意深く見極めながら事業継続の堅持及び
危機管理体制の強化に取り組んでいく。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
資本の財源及び資金の流動性については、当社グループは当連結会計年度に営業活動によるキャッシュ・フローで18億12百万円を獲得し
た。これは放送事業を中心に営業利益を確保したことが要因である。また、投資活動では設備投資を適正に管理した。グループ各社ともに
必要以上に借入金に依存することなく与信状況も良好であることから、今後も資金の高い流動性を保ちながら経営を継続することが可能と
判断している。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表の
作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っているが、連結財務諸表
の作成において使用される見積りに関して重要な見積りはない。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況
1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」にて記載している。

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