有価証券報告書-第37期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
4.8.金融商品
(1)財務上のリスク管理
NTTグループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・市場リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。また、NTTグループでは、主要な財務上のリスク管理の状況について、NTTグループの経営陣に報告しています。
① 信用リスク管理
NTTグループの営業活動から生ずる債権は、顧客の信用リスクに晒されています。また、主に、余資運用のため保有している債券等及び政策的な目的のため保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されています。さらに、NTTグループが為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されています。
NTTグループは、与信管理規程等に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクを適切に管理すべく、与信限度額又は取引条件を定めることを原則としているほか、信用リスクの高い取引先については債権残高のモニタリングを行っています。あわせて、特定の信用エクスポージャーに対し、担保又は信用補完を有しています。また、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、グループ財務規程等に基づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としており、その状況をモニタリングしています。NTTグループは、単独の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクのエクスポージャーを有していません。
NTTグループにおける信用リスクの最大エクスポージャー
(i)営業債権及びその他の債権等(リース債権、契約資産を含む)
営業債権及びその他の債権等に係る信用リスクに対するエクスポージャーと損失評価引当金
※上表には、顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の総額での帳簿価額が合計で1,579,311百万円含まれています。
※上表には、顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の総額での帳簿価額が合計で1,575,325百万円含まれています。
(ⅱ)その他の金融資産(負債証券等)
償却原価で測定するその他の金融資産(負債証券等)に係る信用リスクに対するエクスポージャー
上表のうち、外部格付を取得しているものは、投資適格相当の格付を取得しています。外部格付を取得していないものについて、債務者の財務内容、信用調査機関の情報等に基づき、投資適格相当であることを検証しており、延滞が発生しているものはありません。
上表の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
(ⅲ)その他の金融資産(営業貸付金)
NTTグループでは、延滞期間の情報だけでなく、入手可能な外部格付等の情報を勘案の上、実質的判断に基づき下記信用エクスポージャーの区分を決定しています。
営業貸付金に係る信用リスクに対するエクスポージャー
上記の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
売却目的で保有する資産に含まれる営業貸付金に係る信用リスクに対するエクスポージャー
上記の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
(ⅳ)貸出コミットメント及び金融保証契約
NTTグループは、クレジットカード事業に付帯するキャッシング業務や一定の限度額まで資金を貸付けることを約する貸付契約を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ当該業務における貸出コミットメントに係る貸出未実行残高の信用リスクエクスポージャーは378,775百万円及び336,982百万円(内、クレジットカード事業に係るものは326,746百万円及び336,982百万円)です。
また、NTTグループは第三者への債権に対する金融保証業務を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ当該金融保証契約の信用リスクエクスポージャーは13,675百万円及び14,272百万円(内、共同支配企業に係る金額は、13,675百万円及び14,272百万円)です。これらの貸出コミットメント及び金融保証契約が行使される可能性のある最も早い期間は1年以内です。
なお、当該貸出コミットメントと金融保証契約のエクスポージャーについては、12ヶ月の予想信用損失と同額で計上するものに該当し、履行可能性を勘案のうえ損失評価引当金の要引当額は僅少です。
損失評価引当金の期中における増減額
※ 顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の損失評価引当金が含まれています。
※ 顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の損失評価引当金が含まれています。
金融資産の種類ごとの主な形態別担保
以下は主に12ヶ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金が計上される金融資産に対応するものとなっています。
② 流動性リスク管理
流動性リスクとは、主にNTTグループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に、困難に直面するリスクのことです。NTTグループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、NTTグループは、事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、NTTグループの現預金及び現金同等物はそれぞれ935,727百万円及び834,564百万円となっています。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。
金融負債(リースに係る債務を除く)の支払期限別の内訳
短期借入債務のうち1年内返済長期借入金及び1年内償還社債は、長期借入債務に含めて表示しています。
公正価値ヘッジ会計による公正価値への調整は含まれていません。
リースに係る債務の支払期限別の内訳については、「注記3.6.リース」に記載しています。
③ 市場リスク管理
市場リスクとは、外国為替相場、金利、株価等、市場価格の変動に関するリスクであり、NTTグループの収益又はその保有する金融商品の価値に影響を及ぼすものです。市場リスク管理の目的は、リターンを最大限にすると同時に、市場リスクエクスポージャーを許容範囲のパラメーター内で管理することにより、コントロールすることです。
為替と金利変動リスク管理
NTTグループは、外国為替相場及び金利の変動から発生しうる、債務及び資産の損失に係わるエクスポージャーを限定するため、先物為替予約、金利スワップ契約、通貨スワップ契約、金利オプション契約といった、デリバティブを随時利用しています。NTTグループは売買目的でデリバティブ取引を行うことはありません。デリバティブ取引は内部規則に従い行われ、NTTグループの関連部署にて管理されています。
(i)為替変動リスクの管理
NTTグループは、グローバルに企業活動を行っており、各社の機能通貨以外の通貨による取引、ファイナンス、投資に伴う為替変動リスクに晒されていますが、主として外貨建長期借入債務に関する外国為替相場の変動リスクをヘッジするため、先物為替予約、通貨スワップ契約及び通貨オプション契約を締結しています。その場合の契約では、原債務と同じ満期が設定されます。NTTグループは、これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺していると判断しています。これらのヘッジの関係性において非有効性が生じる主な発生原因としては、通貨ベーシス・スプレッド、為替予約の直先差額、カウンター・パーティーの信用リスク等があります。通貨ベーシス・スプレッド及び為替予約の直先差額については、ヘッジ手段の指定から除外しています。ヘッジ対象となる主な通貨は、米ドル、ユーロです。
(a)為替リスクのエクスポージャー
主な為替リスクのエクスポージャー(純額)
デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
(b)為替変動リスクの感応度分析
日本円が1円円安になると仮定した場合の税引前利益の増加額の概算
日本円が1円円高になると仮定した場合の税引前利益の減少額も同額です。
日本円が1円円安になると仮定した場合の資本の増加額の概算
日本円が1円円高になると仮定した場合の資本の減少額も同額です。
外貨為替換算額は除いています。
(ii)金利リスク管理
NTTグループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っています。通常それらの借入債務については、将来キャッシュ・フローを固定化する方針をとっており、NTTグループは主として固定金利での借入を行っています。変動金利での借入を行っている場合は、利息は市場金利の変動の影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動するリスクに晒されています。このため、NTTグループは、変動金利の長期借入について、金利の上昇による利息支払額の増加を抑えるために、利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約、金利通貨スワップ契約を金融機関と締結しています。なお、これらの商品については、信用力の高い金融機関と契約を行っています。
その結果、市場金利の変動がNTTグループに与える影響は低く、金利リスクはNTTグループにとって重要ではありません。
公正価値ヘッジ
該当はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格
前連結会計年度末(2021年3月31日)
※1 金利スワップの主な金利条件は、変動受取金利が米ドルLIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が0.5%~2.0%となっています。
※2 通貨スワップの主な金利条件は、変動受取金利が米ドルLIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が△0.6%~0.5%となっています。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
※1 金利スワップの主な金利条件は、変動受取金利が全銀協日本円TIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が0.5%~1.9%となっています。
※2 通貨スワップの主な金利条件は、米ドル固定受取金利が0.4%~2.1%に対して、円固定支払金利が△0.6%~0.5%となっています。
ヘッジ手段として指定されたもの
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
※1 税効果調整前の金額です。
※2 「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」、「その他の金融負債(非流動)」
※3 「金融収益」又は「金融費用」
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
※1 税効果調整前の金額です。
※2 「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」、「その他の金融負債(非流動)」
※3 「金融収益」又は「金融費用」
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金及びヘッジ・コストについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳
前連結会計年度末(2021年3月31日)
当連結会計年度末(2022年3月31日)
当期利益への組替修正額の主な内容は、ヘッジ対象に係る損益が認識された会計期間におけるその他の資本の構成要素から損益への振替です。
株価変動リスク管理
NTTグループは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、取引先や関連会社を中心にそれぞれ約982,619百万円、約793,751百万円(全て公正価値ベース)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。NTTグループは、リスク管理戦略に基づき、出資先ごとの公正価値や未実現損益について定期的にモニタリングを行うことにより、株価変動リスクを管理しています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、株価指数が10%上昇又は下落すると仮定した場合、資本合計の増加又は減少額はそれぞれ約95,895百万円、約76,777百万円です。
(2)認識の中止をした金融資産に対する継続的関与
クレジット未収債権
NTTグループは、2023年3月31日までの間、クレジット未収債権(営業債権及びその他の債権)からのキャッシュ・フローを受け取る権利を第三者へ譲渡する契約を締結しており、当連結会計年度においては2021年6月29日、2021年9月29日、2021年12月27日及び2022年3月30日に譲渡しています。
譲渡対象のクレジット未収債権は、貸倒リスクに応じて、優先部分、中間(メザニン)部分、劣後部分に区分しています。中間(メザニン)部分は、譲渡先の第三者に対して現金預託を行っており、NTTグループが信用リスクを負担しています。
上記のとおり、中間(メザニン)部分について信用リスクを負担していますが、劣後部分で貸倒リスクを吸収できる可能性が極めて高いため、NTTグループが負担している信用リスクについては、僅少です。また、譲渡した債権に係る回収実績について適宜把握することで、貸倒リスクを適切にモニタリングしています。なお、現金預託部分の第三者に対する請求権を連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」に計上しています。なお、現金預託部分の公正価値は帳簿価額と同等です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、NTTグループは、譲渡資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを第三者に移転したことから譲渡資産の認識の中止を行っています。なお、最大の譲渡取引は2022年3月30日に実施され、以下のとおり、本譲渡取引を売却処理しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識の中止を行った金融資産の公正価値は、帳簿価額と同等です。
本譲渡取引により認識した損失に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該事項に係る損失の最大エクスポージャー額はそれぞれ33,000百万円、47,859百万円であり、これはNTTグループが第三者に対して行っている現金預託の合計金額です。前連結会計年度及び当連結会計年度において発生した信用損失の負担はありません。
携帯端末等割賦債権
NTTグループは、当連結会計年度において、携帯端末等割賦債権に関する金融資産を2021年9月17日及び2022年3月30日に第三者へ譲渡する契約を締結しています。
譲渡対象の携帯端末等割賦債権は、貸倒リスクに応じて、優先部分、中間(メザニン)部分、劣後部分に区分しています。中間(メザニン)部分は、NTTグループが保有しており、信用リスクを負担しています。
上記のとおり、中間(メザニン)部分について信用リスクを負担していますが、劣後部分で貸倒リスクを吸収できる可能性が極めて高いため、NTTグループが負担している信用リスクについては、僅少です。また、譲渡した債権に係る回収実績について適宜把握することで、貸倒リスクを適切にモニタリングしています。なお、NTTグループが保有している中間(メザニン)部分を連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産」に計上しています。なお、NTTグループが保有している中間(メザニン)部分の公正価値は帳簿価額と同等です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、NTTグループは、譲渡資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを第三者に移転したことから譲渡資産の認識の中止を行っています。なお、最大の譲渡取引は2021年9月17日に実施され、以下のとおり、本譲渡取引を売却処理しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識の中止を行った金融資産の公正価値は、帳簿価額と同等です。
本譲渡取引により認識した損失に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該事項に係る損失の最大エクスポージャー額はそれぞれ5,744百万円、34,889百万円であり、これはNTTグループが保有している中間(メザニン)部分の合計金額です。前連結会計年度及び当連結会計年度において発生した信用損失の負担はありません。
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値で測定されない金融商品の公正価値
公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額及び見積公正価値
上記の項目は「注記1.3.重要な会計方針 (3)公正価値」で定義されている公正価値の測定に使用される仮定(インプット)の区分はレベル2に分類しています。
上記の項目を除き、帳簿価額は概ね公正価値に相当しているため、表中には含めていません。また、「長期借入債務」(1年以内返済又は償還予定の残高を含む)の公正価値は、帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利債務を除き、NTTグループにおける同種の負債の新規借入利回りを使用した割引率で将来キャッシュ・フローを割り引く方法により、測定されています。
② 公正価値の測定
公正価値で測定している資産及び負債
前連結会計年度末(2021年3月31日)
当連結会計年度において、重要なレベル間の振替はありません。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
当連結会計年度において、重要なレベル間の振替はありません。
経常的に公正価値で測定されるレベル3の資産及び負債の調整表
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
1.「購入等による増加」及び「売却等による減少」には新規連結、連結除外による増減、及び他勘定からの(への)振替による増減が含まれています。
2.「当期利益」に含まれる利得又は損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含まれています。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
1.「購入等による増加」及び「売却等による減少」には新規連結、連結除外による増減、及び他勘定からの(への)振替による増減が含まれています。
2.「当期利益」に含まれる利得又は損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含まれています。
金融商品に関する公正価値の評価技法
連結財政状態計算書上、公正価値で測定される金融商品のうち、レベル2及びレベル3に分類される金融商品の公正価値測定に用いられる評価技法は以下のとおりです。
(i)負債証券
負債証券は社債等であり、その公正価値は、金融機関等の独自の価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率等の市場で観察可能な基礎条件を用いて測定しています。
(ⅱ)貸付金
貸付金の公正価値は、主に同様の新規取引を行った場合に想定される利率で元利金の合計を割り引いて測定しています。
(ⅲ)デリバティブ
デリバティブは、主に為替予約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約で構成されています。為替予約の公正価値は、為替レート等の市場で観察可能な基礎条件に基づいて測定しています。通貨スワップ契約及び金利スワップ契約の公正価値は、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)やスワップレート、為替レート等の市場で観察可能な基礎条件を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。
(ⅳ)持分証券及び出資金
持分証券及び出資金の公正価値は、インプットの合理的な見積りを含め投資先の状況に適合する評価モデルを適切なプロセスを経て選択しています。その結果、これらの公正価値の測定に際しては、主に修正純資産法により測定しています。
(見積り及び見積りを伴う判断) 償却原価で測定する金融資産の償却期間及び減損に関する見積りを行っています。 |
(1)財務上のリスク管理
NTTグループは、経営活動を行う過程において、財務上のリスク(信用リスク・流動性リスク・市場リスク)に晒されており、当該リスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。また、NTTグループでは、主要な財務上のリスク管理の状況について、NTTグループの経営陣に報告しています。
① 信用リスク管理
NTTグループの営業活動から生ずる債権は、顧客の信用リスクに晒されています。また、主に、余資運用のため保有している債券等及び政策的な目的のため保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されています。さらに、NTTグループが為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、これら取引の相手方である金融機関の信用リスクに晒されています。
NTTグループは、与信管理規程等に基づき、営業債権について、取引先の信用リスクを適切に管理すべく、与信限度額又は取引条件を定めることを原則としているほか、信用リスクの高い取引先については債権残高のモニタリングを行っています。あわせて、特定の信用エクスポージャーに対し、担保又は信用補完を有しています。また、余資運用・デリバティブ取引について、信用リスクの発生を未然に防止すべく、グループ財務規程等に基づき、一定の格付基準を満たす債券等での運用、あるいは高い格付を有する金融機関との取引を基本としており、その状況をモニタリングしています。NTTグループは、単独の相手先又はその相手先が所属するグループについて、過度に集中した信用リスクのエクスポージャーを有していません。
NTTグループにおける信用リスクの最大エクスポージャー
(i)営業債権及びその他の債権等(リース債権、契約資産を含む)
営業債権及びその他の債権等に係る信用リスクに対するエクスポージャーと損失評価引当金
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
延滞期間 | 総額での帳簿価額 | 損失評価引当金 | 信用減損の有無 |
30日以内 | 3,662,579 | (13,192) | 無 |
30日超90日以内 | 118,036 | (4,542) | 無 |
90日超 | 231,896 | (69,162) | 有 |
合計 | 4,012,511 | (86,896) |
※上表には、顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の総額での帳簿価額が合計で1,579,311百万円含まれています。
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
延滞期間 | 総額での帳簿価額 | 損失評価引当金 | 信用減損の有無 |
30日以内 | 3,678,909 | (17,791) | 無 |
30日超90日以内 | 168,392 | (8,264) | 無 |
90日超 | 196,278 | (67,353) | 有 |
合計 | 4,043,579 | (93,408) |
※上表には、顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の総額での帳簿価額が合計で1,575,325百万円含まれています。
(ⅱ)その他の金融資産(負債証券等)
償却原価で測定するその他の金融資産(負債証券等)に係る信用リスクに対するエクスポージャー
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
外部格付 | 償却原価法 | |
12ヵ月の 予想信用損失と同額で計上されるもの | 全期間の 予想信用損失と同額で計上されるもの | |
外部格付あり | 11,182 (-) | 3,162 (3,162) |
外部格付なし | 97,820 (958) | 8,623 (8,623) |
合計 | 109,002 (958) | 11,785 (11,785) |
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
外部格付 | 償却原価法 | |
12ヵ月の 予想信用損失と同額で計上されるもの | 全期間の 予想信用損失と同額で計上されるもの | |
外部格付あり | 15,164 (-) | - (-) |
外部格付なし | 129,762 (785) | 12,243 (12,243) |
合計 | 144,926 (785) | 12,243 (12,243) |
上表のうち、外部格付を取得しているものは、投資適格相当の格付を取得しています。外部格付を取得していないものについて、債務者の財務内容、信用調査機関の情報等に基づき、投資適格相当であることを検証しており、延滞が発生しているものはありません。
上表の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
(ⅲ)その他の金融資産(営業貸付金)
NTTグループでは、延滞期間の情報だけでなく、入手可能な外部格付等の情報を勘案の上、実質的判断に基づき下記信用エクスポージャーの区分を決定しています。
営業貸付金に係る信用リスクに対するエクスポージャー
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 12ヵ月の 予想信用損失 と同額で計上 されるもの | 全期間の予想信用損失と同額で 計上されるもの | 購入又は組成 した信用減損 金融資産に 係るもの | 合計 | |
信用減損金融 資産でない 資産に係るもの | 信用減損金融 資産に係るもの | ||||
営業貸付金 | |||||
30日以内 | 27,630 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 27,630 (-) |
30日超90日以内 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
90日超 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
合計 | 27,630 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 27,630 (-) |
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 12ヵ月の 予想信用損失 と同額で計上 されるもの | 全期間の予想信用損失と同額で 計上されるもの | 購入又は組成 した信用減損 金融資産に 係るもの | 合計 | |
信用減損金融 資産でない 資産に係るもの | 信用減損金融 資産に係るもの | ||||
営業貸付金 | |||||
30日以内 | 4,775 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 4,775 (-) |
30日超90日以内 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
90日超 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
合計 | 4,775 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 4,775 (-) |
上記の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
売却目的で保有する資産に含まれる営業貸付金に係る信用リスクに対するエクスポージャー
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 12ヵ月の 予想信用損失 と同額で計上 されるもの | 全期間の予想信用損失と同額で 計上されるもの | 購入又は組成 した信用減損 金融資産に 係るもの | 合計 | |
信用減損金融 資産でない 資産に係るもの | 信用減損金融 資産に係るもの | ||||
営業貸付金 | |||||
30日以内 | 19,563 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 19,563 (-) |
30日超90日以内 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
90日超 | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) | - (-) |
合計 | 19,563 (-) | - (-) | - (-) | - (-) | 19,563 (-) |
上記の金額は総額での帳簿価額であり、( )内に損失評価引当金の金額を記載しています。
(ⅳ)貸出コミットメント及び金融保証契約
NTTグループは、クレジットカード事業に付帯するキャッシング業務や一定の限度額まで資金を貸付けることを約する貸付契約を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ当該業務における貸出コミットメントに係る貸出未実行残高の信用リスクエクスポージャーは378,775百万円及び336,982百万円(内、クレジットカード事業に係るものは326,746百万円及び336,982百万円)です。
また、NTTグループは第三者への債権に対する金融保証業務を行っています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ当該金融保証契約の信用リスクエクスポージャーは13,675百万円及び14,272百万円(内、共同支配企業に係る金額は、13,675百万円及び14,272百万円)です。これらの貸出コミットメント及び金融保証契約が行使される可能性のある最も早い期間は1年以内です。
なお、当該貸出コミットメントと金融保証契約のエクスポージャーについては、12ヶ月の予想信用損失と同額で計上するものに該当し、履行可能性を勘案のうえ損失評価引当金の要引当額は僅少です。
損失評価引当金の期中における増減額
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 12ヵ月の 予想信用損失 と同額で計上 されるもの | 全期間の予想信用損失と同額で計上されるもの | 購入又は組成 した信用減損 金融資産 | 合計 | ||
信用減損金融 資産でない 資産 | 信用減損金融 資産 | 営業債権、契約資産又はリース資産※ | ||||
2020年4月1日 | 1,048 | - | 12,019 | 82,763 | - | 95,830 |
当期増加額 | 56 | - | 2,663 | 65,676 | - | 68,395 |
当期減少額 | △146 | - | △2,897 | △61,543 | - | △64,586 |
当連結会計年度末 (2021年3月31日) | 958 | - | 11,785 | 86,896 | - | 99,639 |
※ 顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の損失評価引当金が含まれています。
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 12ヵ月の 予想信用損失 と同額で計上 されるもの | 全期間の予想信用損失と同額で計上されるもの | 購入又は組成 した信用減損 金融資産 | 合計 | ||
信用減損金融 資産でない 資産 | 信用減損金融 資産 | 営業債権、契約資産又はリース資産※ | ||||
2021年4月1日 | 958 | - | 11,785 | 86,896 | - | 99,639 |
当期増加額 | 15 | - | 458 | 67,334 | - | 67,807 |
当期減少額 | △188 | - | - | △60,822 | - | △61,010 |
当連結会計年度末 (2022年3月31日) | 785 | - | 12,243 | 93,408 | - | 106,436 |
※ 顧客との契約から生じたもの以外の債権である未収入金、端末割賦債権の損失評価引当金が含まれています。
金融資産の種類ごとの主な形態別担保
以下は主に12ヶ月の予想信用損失と同額で損失評価引当金が計上される金融資産に対応するものとなっています。
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 帳簿価額 | 保有している担保の主な形態 |
その他の金融資産 | ||
営業貸付金 | 22,702 | 不動産、航空機 |
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
区分 | 帳簿価額 | 保有している担保の主な形態 |
その他の金融資産 | ||
営業貸付金 | 4,777 | 航空機 |
売却目的で保有する資産 | ||
その他の金融資産 | ||
営業貸付金 | 19,100 | 不動産 |
② 流動性リスク管理
流動性リスクとは、主にNTTグループが現金又はその他の金融資産により決済する金融負債に関連する債務を履行する際に、困難に直面するリスクのことです。NTTグループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、NTTグループは、事業活動を支える資金調達に際して、低コストでかつ安定的に資金が確保できることを目標として取り組んでいます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、NTTグループの現預金及び現金同等物はそれぞれ935,727百万円及び834,564百万円となっています。現金同等物とは、負債の返済や投資等に利用される予定の一時的な余剰金のことで、運転資金として使用されます。したがって、現金同等物の残高は、その時点の資金調達や運転資金の状況に応じて毎年度変化します。
金融負債(リースに係る債務を除く)の支払期限別の内訳
前連結会計年度末(2021年3月31日) | (単位:百万円) |
1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | 合計 | |
短期借入債務 | 2,766,748 | - | - | 2,766,748 |
営業債務及びその他の債務 | 2,356,705 | - | - | 2,356,705 |
長期借入債務 | 431,046 | 2,392,374 | 2,220,283 | 5,043,703 |
その他の金融負債 | 29,680 | 81,972 | 54,302 | 165,954 |
デリバティブ | 1,811 | 8,329 | 16,073 | 26,213 |
デリバティブ以外 | 27,869 | 73,643 | 38,229 | 139,741 |
当連結会計年度末(2022年3月31日) | (単位:百万円) |
1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | 合計 | |
短期借入債務 | 926,741 | - | - | 926,741 |
営業債務及びその他の債務 | 2,500,341 | - | - | 2,500,341 |
長期借入債務 | 758,830 | 2,979,837 | 2,916,488 | 6,655,155 |
その他の金融負債 | 31,953 | 83,756 | 49,543 | 165,252 |
デリバティブ | 890 | 1,834 | 10,179 | 12,903 |
デリバティブ以外 | 31,063 | 81,922 | 39,364 | 152,349 |
短期借入債務のうち1年内返済長期借入金及び1年内償還社債は、長期借入債務に含めて表示しています。
公正価値ヘッジ会計による公正価値への調整は含まれていません。
リースに係る債務の支払期限別の内訳については、「注記3.6.リース」に記載しています。
③ 市場リスク管理
市場リスクとは、外国為替相場、金利、株価等、市場価格の変動に関するリスクであり、NTTグループの収益又はその保有する金融商品の価値に影響を及ぼすものです。市場リスク管理の目的は、リターンを最大限にすると同時に、市場リスクエクスポージャーを許容範囲のパラメーター内で管理することにより、コントロールすることです。
為替と金利変動リスク管理
NTTグループは、外国為替相場及び金利の変動から発生しうる、債務及び資産の損失に係わるエクスポージャーを限定するため、先物為替予約、金利スワップ契約、通貨スワップ契約、金利オプション契約といった、デリバティブを随時利用しています。NTTグループは売買目的でデリバティブ取引を行うことはありません。デリバティブ取引は内部規則に従い行われ、NTTグループの関連部署にて管理されています。
(i)為替変動リスクの管理
NTTグループは、グローバルに企業活動を行っており、各社の機能通貨以外の通貨による取引、ファイナンス、投資に伴う為替変動リスクに晒されていますが、主として外貨建長期借入債務に関する外国為替相場の変動リスクをヘッジするため、先物為替予約、通貨スワップ契約及び通貨オプション契約を締結しています。その場合の契約では、原債務と同じ満期が設定されます。NTTグループは、これらの取引が為替変動による影響を有効に相殺していると判断しています。これらのヘッジの関係性において非有効性が生じる主な発生原因としては、通貨ベーシス・スプレッド、為替予約の直先差額、カウンター・パーティーの信用リスク等があります。通貨ベーシス・スプレッド及び為替予約の直先差額については、ヘッジ手段の指定から除外しています。ヘッジ対象となる主な通貨は、米ドル、ユーロです。
(a)為替リスクのエクスポージャー
主な為替リスクのエクスポージャー(純額)
通貨 | 前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) |
米ドル(千米ドル) | 990,624 | 913,679 |
ユーロ(千ユーロ) | 591,980 | 367,334 |
デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
(b)為替変動リスクの感応度分析
日本円が1円円安になると仮定した場合の税引前利益の増加額の概算
(単位:百万円) |
通貨 | 前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) |
米ドル | 716 | 847 |
ユーロ | 592 | 367 |
日本円が1円円高になると仮定した場合の税引前利益の減少額も同額です。
日本円が1円円安になると仮定した場合の資本の増加額の概算
(単位:百万円) |
通貨 | 前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) |
米ドル | 679 | 626 |
ユーロ | 406 | 252 |
日本円が1円円高になると仮定した場合の資本の減少額も同額です。
外貨為替換算額は除いています。
(ii)金利リスク管理
NTTグループは、事業活動を進める上で、運転資金及び設備投資等に必要となる資金を調達することに伴い発生する利息を支払っています。通常それらの借入債務については、将来キャッシュ・フローを固定化する方針をとっており、NTTグループは主として固定金利での借入を行っています。変動金利での借入を行っている場合は、利息は市場金利の変動の影響を受けることから、利息の将来キャッシュ・フローが変動するリスクに晒されています。このため、NTTグループは、変動金利の長期借入について、金利の上昇による利息支払額の増加を抑えるために、利息の受取額を変動金利、利息の支払額を固定金利としてその差額を授受する金利スワップ契約、金利通貨スワップ契約を金融機関と締結しています。なお、これらの商品については、信用力の高い金融機関と契約を行っています。
その結果、市場金利の変動がNTTグループに与える影響は低く、金利リスクはNTTグループにとって重要ではありません。
公正価値ヘッジ
該当はありません。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
主なヘッジ手段の想定元本及び平均価格
前連結会計年度末(2021年3月31日)
区分 | 内容 | 想定元本及び平均価格 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | 合計 |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 変動金利を固定化する金利スワップ※1 | 想定元本(百万円) | 20,830 | 36,324 | 21,100 | 78,254 |
中国人民元の為替予約・予定取引 | 想定元本(百万人民元) | 654 | 556 | - | 1,210 | |
平均価格(円/人民元) | 14.94 | 14.61 | - | - | ||
米ドルの通貨スワップ・借入※2 | 想定元本(百万米ドル) | 850 | 3,572 | 5,780 | 10,202 | |
平均価格(円/米ドル) | 105.55 | 108.88 | 106.98 | - | ||
ユーロの通貨スワップ・借入※2 | 想定元本(百万ユーロ) | - | 1,000 | 1,000 | 2,000 | |
平均価格(円/ユーロ) | - | 129.04 | 129.04 | - |
※1 金利スワップの主な金利条件は、変動受取金利が米ドルLIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が0.5%~2.0%となっています。
※2 通貨スワップの主な金利条件は、変動受取金利が米ドルLIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が△0.6%~0.5%となっています。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
区分 | 内容 | 想定元本及び平均価格 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | 合計 |
キャッシュ・フロー・ヘッジ | 変動金利を固定化する金利スワップ※1 | 想定元本(百万円) | - | 37,245 | 84,895 | 122,140 |
中国人民元の為替予約・予定取引 | 想定元本(百万人民元) | 715 | 618 | - | 1,333 | |
平均価格(円/人民元) | 15.41 | 15.69 | - | - | ||
米ドルの為替予約・予定取引 | 想定元本(百万米ドル) | 7 | 22 | 9 | 38 | |
平均価格(円/米ドル) | 112.44 | 108.57 | 101.84 | - | ||
ユーロの為替予約・予定取引 | 想定元本(百万ユーロ) | 300 | - | - | 300 | |
平均価格(円/ユーロ) | 131.30 | - | - | - | ||
米ドルの通貨スワップ・借入※2 | 想定元本(百万米ドル) | 1,500 | 5,072 | 2,780 | 9,352 | |
平均価格(円/米ドル) | 106.10 | 108.06 | 107.92 | - | ||
ユーロの通貨スワップ・借入 | 想定元本(百万ユーロ) | - | 1,650 | 1,850 | 3,500 | |
平均価格(円/ユーロ) | - | 128.63 | 128.56 | - |
※1 金利スワップの主な金利条件は、変動受取金利が全銀協日本円TIBOR(3ヶ月物及び6ヶ月物)に対して、固定支払金利が0.5%~1.9%となっています。
※2 通貨スワップの主な金利条件は、米ドル固定受取金利が0.4%~2.1%に対して、円固定支払金利が△0.6%~0.5%となっています。
ヘッジ手段として指定されたもの
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
想定元本 | 帳簿価額 | 連結財政 状態計算書 の表示科目 | その他の 包括利益に 認識した 報告期間の ヘッジ損益 ※1 | キャッシュ・ フロー・ヘッジ 剰余金から 損益に組替 調整額として 振り替えた金額 ※1 | 組替調整額の 連結損益計算書 の主な表示科目 | ||
資産 | 負債 | ||||||
金利スワップ | 78,254 | - | 2,572 | ※2 | 495 | 900 | ※3 |
為替予約 | 18,157 | 853 | - | ※2 | 991 | △121 | ※3 |
通貨スワップ | 1,354,956 | 22,215 | 20,891 | ※2 | 10,860 | △39,588 | ※3 |
※1 税効果調整前の金額です。
※2 「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」、「その他の金融負債(非流動)」
※3 「金融収益」又は「金融費用」
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
想定元本 | 帳簿価額 | 連結財政 状態計算書 の表示科目 | その他の 包括利益に 認識した 報告期間の ヘッジ損益 ※1 | キャッシュ・ フロー・ヘッジ 剰余金から 損益に組替 調整額として 振り替えた金額 ※1 | 組替調整額の 連結損益計算書 の主な表示科目 | ||
資産 | 負債 | ||||||
金利スワップ | 122,140 | - | 2,314 | ※2 | 1,964 | 842 | ※3 |
為替予約 | 64,219 | 4,240 | - | ※2 | 4,119 | △2,112 | ※3 |
通貨スワップ | 1,457,225 | 88,662 | 9,126 | ※2 | 83,043 | △140,622 | ※3 |
※1 税効果調整前の金額です。
※2 「その他の金融資産(流動)」、「その他の金融資産(非流動)」、「その他の金融負債(流動)」、「その他の金融負債(非流動)」
※3 「金融収益」又は「金融費用」
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金及びヘッジ・コストについて、連結財政状態計算書上、その他の資本の構成要素に計上された金額の増減の内訳
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円) |
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金 | ヘッジ・コスト | ||||
金利スワップ | 為替予約 | 通貨スワップ | 為替予約 | 通貨スワップ | |
期首残高 | △2,404 | △29 | △3,524 | 17 | 425 |
当期発生額 | △121 | 280 | 24,664 | 165 | △17,320 |
当期利益への組替修正額 | 624 | 57 | △28,215 | △135 | 713 |
期末残高 | △1,901 | 308 | △7,075 | 47 | △16,182 |
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円) |
キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金 | ヘッジ・コスト | ||||
金利スワップ | 為替予約 | 通貨スワップ | 為替予約 | 通貨スワップ | |
期首残高 | △1,901 | 308 | △7,075 | 47 | △16,182 |
当期発生額 | 1,668 | 1,972 | 58,621 | 243 | △1,200 |
当期利益への組替修正額 | 610 | △1,290 | △113,021 | △176 | 15,505 |
期末残高 | 377 | 990 | △61,475 | 114 | △1,877 |
当期利益への組替修正額の主な内容は、ヘッジ対象に係る損益が認識された会計期間におけるその他の資本の構成要素から損益への振替です。
株価変動リスク管理
NTTグループは、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、取引先や関連会社を中心にそれぞれ約982,619百万円、約793,751百万円(全て公正価値ベース)の市場性のある株式を保有しており、株価変動のリスクを負っています。NTTグループは、リスク管理戦略に基づき、出資先ごとの公正価値や未実現損益について定期的にモニタリングを行うことにより、株価変動リスクを管理しています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、株価指数が10%上昇又は下落すると仮定した場合、資本合計の増加又は減少額はそれぞれ約95,895百万円、約76,777百万円です。
(2)認識の中止をした金融資産に対する継続的関与
クレジット未収債権
NTTグループは、2023年3月31日までの間、クレジット未収債権(営業債権及びその他の債権)からのキャッシュ・フローを受け取る権利を第三者へ譲渡する契約を締結しており、当連結会計年度においては2021年6月29日、2021年9月29日、2021年12月27日及び2022年3月30日に譲渡しています。
譲渡対象のクレジット未収債権は、貸倒リスクに応じて、優先部分、中間(メザニン)部分、劣後部分に区分しています。中間(メザニン)部分は、譲渡先の第三者に対して現金預託を行っており、NTTグループが信用リスクを負担しています。
上記のとおり、中間(メザニン)部分について信用リスクを負担していますが、劣後部分で貸倒リスクを吸収できる可能性が極めて高いため、NTTグループが負担している信用リスクについては、僅少です。また、譲渡した債権に係る回収実績について適宜把握することで、貸倒リスクを適切にモニタリングしています。なお、現金預託部分の第三者に対する請求権を連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」に計上しています。なお、現金預託部分の公正価値は帳簿価額と同等です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、NTTグループは、譲渡資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを第三者に移転したことから譲渡資産の認識の中止を行っています。なお、最大の譲渡取引は2022年3月30日に実施され、以下のとおり、本譲渡取引を売却処理しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | |
認識中止済のクレジット未収債権の金額 | 333,333 | 483,420 |
現金預託部分の金額 | 33,000 | 47,859 |
受領した譲渡対価の金額 | 299,964 | 435,074 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識の中止を行った金融資産の公正価値は、帳簿価額と同等です。
本譲渡取引により認識した損失に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該事項に係る損失の最大エクスポージャー額はそれぞれ33,000百万円、47,859百万円であり、これはNTTグループが第三者に対して行っている現金預託の合計金額です。前連結会計年度及び当連結会計年度において発生した信用損失の負担はありません。
携帯端末等割賦債権
NTTグループは、当連結会計年度において、携帯端末等割賦債権に関する金融資産を2021年9月17日及び2022年3月30日に第三者へ譲渡する契約を締結しています。
譲渡対象の携帯端末等割賦債権は、貸倒リスクに応じて、優先部分、中間(メザニン)部分、劣後部分に区分しています。中間(メザニン)部分は、NTTグループが保有しており、信用リスクを負担しています。
上記のとおり、中間(メザニン)部分について信用リスクを負担していますが、劣後部分で貸倒リスクを吸収できる可能性が極めて高いため、NTTグループが負担している信用リスクについては、僅少です。また、譲渡した債権に係る回収実績について適宜把握することで、貸倒リスクを適切にモニタリングしています。なお、NTTグループが保有している中間(メザニン)部分を連結財政状態計算書上、「営業債権及びその他の債権」及び「その他の金融資産」に計上しています。なお、NTTグループが保有している中間(メザニン)部分の公正価値は帳簿価額と同等です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、NTTグループは、譲渡資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを第三者に移転したことから譲渡資産の認識の中止を行っています。なお、最大の譲渡取引は2021年9月17日に実施され、以下のとおり、本譲渡取引を売却処理しています。
(単位:百万円)
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | |
認識中止済の携帯端末等割賦債権の金額 | 56,020 | 247,721 |
NTTグループが保有している中間(メザニン)部分の金額 | 5,744 | 25,232 |
受領した譲渡対価の金額 | 50,088 | 220,458 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識の中止を行った金融資産の公正価値は、帳簿価額と同等です。
本譲渡取引により認識した損失に重要性はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該事項に係る損失の最大エクスポージャー額はそれぞれ5,744百万円、34,889百万円であり、これはNTTグループが保有している中間(メザニン)部分の合計金額です。前連結会計年度及び当連結会計年度において発生した信用損失の負担はありません。
(3)金融商品の公正価値
(見積り及び見積りを伴う判断) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の公正価値 デリバティブの公正価値測定 |
① 公正価値で測定されない金融商品の公正価値
公正価値で測定されない金融商品の帳簿価額及び見積公正価値
(単位:百万円) |
前連結会計年度末 (2021年3月31日) | 当連結会計年度末 (2022年3月31日) | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
長期借入債務(1年以内返済又は償還予定の残高を含む) | 4,857,589 | 4,841,728 | 6,437,530 | 6,325,007 |
上記の項目は「注記1.3.重要な会計方針 (3)公正価値」で定義されている公正価値の測定に使用される仮定(インプット)の区分はレベル2に分類しています。
上記の項目を除き、帳簿価額は概ね公正価値に相当しているため、表中には含めていません。また、「長期借入債務」(1年以内返済又は償還予定の残高を含む)の公正価値は、帳簿価額と公正価値がほぼ同額であるとみなされる変動金利債務を除き、NTTグループにおける同種の負債の新規借入利回りを使用した割引率で将来キャッシュ・フローを割り引く方法により、測定されています。
② 公正価値の測定
公正価値で測定している資産及び負債
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円) |
区分 | 公正価値 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産: | ||||
損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
出資金 | - | 4,852 | 44,650 | 49,502 |
貸付金 | - | 11,670 | - | 11,670 |
デリバティブ金融資産 | ||||
ヘッジ会計を適用しているもの | - | 23,068 | - | 23,068 |
ヘッジ会計を適用していないもの | - | 1,973 | - | 1,973 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
持分証券 | 982,619 | - | 60,762 | 1,043,381 |
合計 | 982,619 | 41,563 | 105,412 | 1,129,594 |
金融負債: | ||||
損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ金融負債 | ||||
ヘッジ会計を適用しているもの | - | 23,463 | - | 23,463 |
ヘッジ会計を適用していないもの | - | 2,729 | - | 2,729 |
合計 | - | 26,192 | - | 26,192 |
当連結会計年度において、重要なレベル間の振替はありません。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円) |
区分 | 公正価値 | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
金融資産: | ||||
損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
出資金 | - | 8,314 | 53,575 | 61,889 |
デリバティブ金融資産 | ||||
ヘッジ会計を適用しているもの | - | 92,902 | - | 92,902 |
ヘッジ会計を適用していないもの | - | 4,054 | - | 4,054 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||||
持分証券 | 793,751 | - | 131,356 | 925,107 |
合計 | 793,751 | 105,270 | 184,931 | 1,083,952 |
金融負債: | ||||
損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||||
デリバティブ金融負債 | ||||
ヘッジ会計を適用しているもの | - | 11,440 | - | 11,440 |
ヘッジ会計を適用していないもの | - | 1,463 | - | 1,463 |
合計 | - | 12,903 | - | 12,903 |
当連結会計年度において、重要なレベル間の振替はありません。
経常的に公正価値で測定されるレベル3の資産及び負債の調整表
前連結会計年度末(2021年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 期首残高 | 利得/(損失) | 購入等による増加 | 売却等による減少 | その他の 増減 | 期末残高 | 期末で保有する資産に関連する報告期間中の利得/(損失) | |
当期利益 | その他の包括利益 | 当期利益 | ||||||
金融資産: | ||||||||
出資金 | 38,338 | 34 | - | 6,802 | △1,571 | 1,047 | 44,650 | △56 |
持分証券 | 56,175 | - | △4,424 | 16,234 | △4,547 | △2,676 | 60,762 | - |
1.「購入等による増加」及び「売却等による減少」には新規連結、連結除外による増減、及び他勘定からの(への)振替による増減が含まれています。
2.「当期利益」に含まれる利得又は損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含まれています。
当連結会計年度末(2022年3月31日)
(単位:百万円)
区分 | 期首残高 | 利得/(損失) | 購入等による増加 | 売却等による減少 | その他の 増減 | 期末残高 | 期末で保有する資産に関連する報告期間中の利得/(損失) | |
当期利益 | その他の包括利益 | 当期利益 | ||||||
金融資産: | ||||||||
出資金 | 44,650 | 6,828 | - | 8,042 | △1,157 | △4,788 | 53,575 | 6,552 |
持分証券 | 60,762 | - | 16,882 | 82,453 | △16,043 | △12,698 | 131,356 | - |
1.「購入等による増加」及び「売却等による減少」には新規連結、連結除外による増減、及び他勘定からの(への)振替による増減が含まれています。
2.「当期利益」に含まれる利得又は損失は、連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含まれています。
金融商品に関する公正価値の評価技法
連結財政状態計算書上、公正価値で測定される金融商品のうち、レベル2及びレベル3に分類される金融商品の公正価値測定に用いられる評価技法は以下のとおりです。
(i)負債証券
負債証券は社債等であり、その公正価値は、金融機関等の独自の価格決定モデルに基づき、信用格付けや割引率等の市場で観察可能な基礎条件を用いて測定しています。
(ⅱ)貸付金
貸付金の公正価値は、主に同様の新規取引を行った場合に想定される利率で元利金の合計を割り引いて測定しています。
(ⅲ)デリバティブ
デリバティブは、主に為替予約、通貨スワップ契約及び金利スワップ契約で構成されています。為替予約の公正価値は、為替レート等の市場で観察可能な基礎条件に基づいて測定しています。通貨スワップ契約及び金利スワップ契約の公正価値は、ロンドン銀行間貸出金利(LIBOR)やスワップレート、為替レート等の市場で観察可能な基礎条件を使用し、将来のキャッシュ・フローを現在価値に割引くことによって測定しています。
(ⅳ)持分証券及び出資金
持分証券及び出資金の公正価値は、インプットの合理的な見積りを含め投資先の状況に適合する評価モデルを適切なプロセスを経て選択しています。その結果、これらの公正価値の測定に際しては、主に修正純資産法により測定しています。