有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 11:22
【資料】
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【項目】
186項目

有報資料

(1)経営環境及び経営方針等
当社グループを取り巻く経営環境は、省エネルギーの進展等により国内エネルギー需要の減少傾向が続くなか、電力・ガスの小売全面自由化による競争が一層激化するなど、引き続き厳しい状況にある。当社グループは、2017年5月に公表した「新々・総合特別事業計画(第三次計画)」(新々・総特)に基づき、福島への責任を貫徹するとともに、非連続の経営改革をやり遂げ、企業価値の向上を実現していく。(http://www.meti.go.jp/press/2017/05/20170518004/20170518004-1.pdf)
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
新々・総特のとおり、賠償・廃炉に必要な資金を確保しつつ、2026年度以内に連結経常利益で3,000億円/年超、2027年度以降には4,500億円規模の利益水準を達成することを目指す。
(3)経営環境及び対処すべき課題等
当社グループは、福島への責任を貫徹するため、新々・総特において高い利益水準の目標を掲げている。
これを実現するため、福島事業を着実にすすめながら、経済事業においては、非連続の経営改革により既存事業の一層の生産性向上をはかるとともに、エネルギー利用における新たな付加価値の提供や電化の推進に取り組んでいく。加えて、再生可能エネルギー事業をはじめとした成長事業を着実に推進するなど、事業環境の変化に応じた最適な事業ポートフォリオを構築していく。グループの総力をあげて厳しい競争環境を勝ち抜き、低廉で安定的な電気をお届けする使命を果たし続けるとともに、新たな価値の創造に挑戦していく。
[ホールディングス]
<福島事業>①福島復興に向けた取り組み
被害者の方々への賠償については、個別のご事情をお伺いしながら、引き続ききめ細やかな対応を徹底し、最後のお一人まで賠償を貫徹する。
地域の復興に向け、さまざまな事業者や自治体にもご協力をいただきつつ,環境回復につながる活動や新たな事業の創出などを通じて、産業・農業の活性化やまち機能の回復に貢献していく。また、大熊町の一部における避難指示解除などにあわせ、地域のみなさまのご要望をしっかりとお伺いしながら、地域行事のお手伝いなど、地域の活性化やコミュニティの再生に向けた活動をすすめていく。
加えて、福島県産品を取り扱う小売店や飲食店等の店舗数の拡大や、フェアの開催による福島県産品の認知度向上などの取り組みを生産者とも連携しながら推進していくことにより、風評被害払拭に尽力していく。
これらの取り組みをグループ一丸となってすすめ、福島復興の一層の加速化をはかっていく。
②福島第一原子力発電所の廃炉
汚染水対策については、建屋に滞留する汚染水の浄化をすすめるとともに、汚染水発生量のさらなる抑制のため、雨水侵入防止などの対策を実施していく。多核種除去設備等処理水の扱いについては、今後国から示される方向性も踏まえ、地元をはじめ関係者のみなさまからのご意見を伺うなど丁寧なプロセスを踏みながら、適切に対応していく。
使用済燃料プールからの燃料取り出しについては、3号機の燃料取扱装置の不具合対策が完了し、本年4月より燃料取り出しを開始するとともに、1号機、2号機についても、ガレキ撤去や線量低減などの準備作業を、引き続き安全を最優先に慎重に実施していく。
また、2021年内を目標とする燃料デブリの取り出し開始に向け、格納容器内の状況やデブリの性状を確認する調査を継続し、工法や必要な装置の検討などを着実にすすめていく。さらに,リスクの一層の低減に向け、1・2号機の排気筒の解体作業に着手するほか、体制面においても、廃炉作業全体において、品質管理能力・エンジニアリング能力の強化や人財の確保・育成をはかっていく。
長期間にわたる廃炉作業においては、地域や社会のみなさまのご理解のもとで実施していくことが不可欠であることから、廃炉資料館での展示や発電所構内の視察に加え、情報誌やポータルサイトを活用した情報発信など、コミュニケーション活動についても、引き続き重点的に取り組んでいく。
<経済事業>③原子力発電事業の取り組み
原子力安全改革プランのもと、世界最高水準の安全の確立に向け、発電所の運営に関わる業務のすすめ方をとりまとめた「マネジメントモデル」を用いて、安全意識・技術力・対話力の向上に取り組むとともに、さまざまな課題に一元的に対応できる安全最優先・地元本位の事業運営体制を構築していく。
柏崎刈羽原子力発電所の再稼働にむけた取り組みについては、引き続き、耐震補強などの安全対策工事や、7号機の工事計画認可の取得に向けた対応、6号機の審査に向けた準備を着実にすすめていく。また、地域のみなさまの「声」をしっかりと伺いながら、理解活動や地域貢献活動を実施するとともに、支援拠点の整備などの避難支援策の検討等にも取り組んでいく。
東通原子力発電所については、他事業者との共同事業化に係る枠組みのなかで検討をすすめ、本格的な地質調査と並行して、パートナー候補と丁寧に協議していく。また、地域の一員として地域の未来に貢献していくため、本年3月に公表した青森行動計画を具体化していく組織として青森事業本部を2019年度上期中に設置する。これにより地域とさらなる信頼関係を構築するとともに、より主体的かつ責任を持って事業を推進していく。
なお、福島第二原子力発電所の扱いについては、引き続き、全号機を廃炉する方向で検討をすすめていく。
④当社グループの事業運営と「稼ぐ力」向上のための取り組み
今後も厳しい経営環境が継続するなか、再生可能エネルギーをはじめとした分散型電源の増加などの事業環境の変化に加え、ESGに代表される企業の環境・社会への責任に対する関心が一層高まることが見込まれる。当社グループとしては、これらの環境変化を踏まえた最適な事業ポートフォリオを構築し、重点施策へ集中的に経営資源を投入していく。
特に、成長事業の柱の一つである再生可能エネルギー事業については、国内外の水力発電事業や洋上風力発電事業を中心に、パートナーと連携してサプライチェーンの構築や知見の獲得をはかるとともに、事業を強力に推進するための事業体等のあり方についても検討していく。また、電気自動車の普及拡大を促進するなどの電化の推進や、データセンター等の産業誘致に積極的に取り組むことにより、電力需要の底上げをはかると同時に、脱炭素化や災害時におけるインフラの維持などの社会的課題の解決に貢献し、それによりさらなる事業機会を創出するという投資の好循環をめざしていく。
さらに、人財面においても、ダイバーシティや働き方改革の推進による社員活力の向上に加えて、生産性向上を通じて得られた人財資源の成長領域への優先的・機動的な配置や、「稼ぐ力」を有する人財の育成と戦略的な確保に取り組んでいく。
[フュエル&パワー]
中部電力株式会社との包括的アライアンスについては、本年4月1日、株式会社JERAにおける事業統合が完了し、これにより燃料上流・調達から発電、電力・ガスの卸販売にいたる一貫したバリューチェーンを確立した。今後、国内最大の発電事業者となった株式会社JERAを通じて、お客さまに対して競争力のあるエネルギーを安定的にお届けするという重要な責務を果たし続けるとともに、企業価値の向上を実現していく。
具体的には、カイゼン活動などによるO&Mモデルの効率化や、電源ポートフォリオの最適化などの統合効果の早期発揮、LNGバリューチェーン等を活用した海外事業の拡大や再生可能エネルギー事業への取り組みなどにより、2025年度に2,000億円の連結純利益達成を目標として事業を展開していく。
株式会社JERAの事業活動に対しては、自律的かつ迅速な事業運営を尊重しながら、中部電力株式会社と協調して事業計画策定に関与するとともに、定期的なミーティングや四半期ごとの事業計画のモニタリングなどを通じて、企業価値の持続的向上に向けた事業運営を実現する適切なガバナンスを行っていく。
[パワーグリッド]
電力供給の信頼度を確保したうえで、世界最高水準の品質と低コストを実現することにより、お客さまの利便性の向上や社会的な価値を創造し続け、国内はもとより、成長する世界エネルギー市場への展開につなげていく。
当面の施策としては、最新のICT技術の導入による設備保全の高度化、生産性倍造に向けたカイゼン活動の全社的な展開、グローバルな調達手段の導入などに取り組むとともに、スマートメーターシステムの構築を推進していく。また、広域送電ネットワークの統合的運用に向けた検討や再生可能エネルギーの連系拡大に向けた系統増強をはかっていく。こうした取り組みを推しすすめることで、財務基盤や技術力をさらに強化し、プラットフォームサービスや海外送配電事業など、国内外での事業展開を加速していく。
また、近年の自然災害の多発により電力レジリエンスの向上が求められるなか、災害への対応力のさらなる強化策を検討していくとともに、2020年度より導入される第3段階の電力システム改革に向けて、送配電部門における一層の中立性の確保に配慮した事業運営体制の構築をすすめていく。
[エナジーパートナー]
国内エネルギー需要の減少や競争の激化がすすむなか、単なる価格競争ではなくお客さまが真に求める価値を提供していくことにより、「稼ぐ」総合エネルギーサービス企業に進化していく。
法人分野のお客さま向けには、電気事業で長年培ったノウハウを最大限活用し、エネルギー供給だけでなく、高効率なエネルギーマネジメントシステムの導入などの幅広い付加価値をワンストップかつオーダーメイドで提供していくことを通じて、競合他社との差別化をはかっていく。
ご家庭分野のお客さま向けには、2019年度中にアライアンス・パートナーによる販売分も含めたガス契約軒数200万軒という目標の達成をめざし、電気とのセット販売を行う体制をさらに強化していく。また、本年2月に業務提携したKDDI株式会社などの異業種パートナーとのアライアンスを一層深化・拡大させるなど、さらなる顧客獲得に向けた基盤の拡充をはかっていく。
加えて、新たな収益機会の獲得に向け、中部・関西地域における都市ガス事業を加速させるとともに、再生可能エネルギーによる電気の販売拡大、省エネルギーやくらしの安心に関連するサービスの充実などに積極的に取り組んでいく。
(注) 本項においては、将来に関する事項が含まれているが、当該事項は提出日現在において判断したものである。

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