有価証券報告書-第97期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1)経営方針、経営環境
当社グループは、当社の役員等が社外の関係者から金品を受け取っていた問題および役員退任後の嘱託等の報酬に係る問題(以下、金品受取り問題等)により、お客さまや社会のみなさまから賜わる信頼を失墜させた。
本問題については、第三者委員会を設置し、2020年3月14日に調査報告書を受領した。その報告書の内容を厳粛かつ真摯に受け止め、電気事業法に基づく業務改善命令に対する業務改善計画を取りまとめ、2020年3月30日に経済産業大臣に提出した。
その後、2020年6月に指名委員会等設置会社に移行し、外部の客観的な視点を取り入れた新たな経営管理体制のもと、ガバナンス改革をはじめとする業務改善計画に掲げた全ての項目を実行に移すなど、再発防止に向けた取組みにグループの総力を結集して取り組んできた。また、その実行状況を、2020年6月29日、10月13日および2021年3月2日に経済産業大臣へ報告した。
今後も取組みを確実に実行するとともに、外部の客観的な視点を踏まえ実行状況を検証し、必要に応じて改善策を加えるなど、引き続き、新たな関西電力グループの創生に向け、全力で取り組んでいく。
この金品受取り問題等を踏まえ、2021年3月には、新たに「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を策定した。今後、健全な組織風土の醸成に向けて、理解・浸透・実践に努めていく。
また、この経営理念のもと、変化する事業環境にも対応し、持続的成長を遂げていくため、5ヵ年の実行計画である「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提とし、2021年2月に策定した「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた「ゼロカーボンへの挑戦」、「サービス・プロバイダーへの転換」および「強靭な企業体質への改革」に全力で取り組み、成長軌道にのせていく。
(経営理念)
これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、本年3月に「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を新たに策定した。
新たな経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての『「あたりまえ」を守り、創る』という存在意義のもと、『「公正」「誠実」「共感」「挑戦」』という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。
(ゼロカーボンビジョン2050)
当社グループは、地球温暖化問題への対応を重要な経営課題の1つに位置付け、「低炭素のリーディングカンパニー」として、原子力や再生可能エネルギーを両輪に、環境負荷低減に努めるとともに、火力発電においては熱効率の維持・向上など、低炭素社会の実現に貢献してきた。
その上で、国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があると考え、本年2月、当社グループは新たに「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定した。本ビジョンにおいて、当社グループは「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとするとともに、お客さまや社会のゼロカーボン化に向けて、当社グループのリソースを結集することを宣言し、その実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。
(中期経営計画(2021-2025))
当社グループは、2019年3月に「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」を策定し、その実現に向けてグループ一丸となって取り組んできた。
一方で、脱炭素化の潮流の加速や新型コロナウイルスの感染拡大を契機とするデジタル化の進展など、大きな環境変化に直面している。エネルギー事業においても、再生可能エネルギーの大量導入や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、電力取引市場の価格が下落したことにより、新電力との競争がさらに激化している。その結果、販売電力量と単価が低下し、収支が大幅に悪化したことから、中期経営計画で掲げた財務目標の達成が困難な状況となった。
こうした中、当社グループが持続的成長を遂げていくためには、中期経営計画を見直す必要があると判断し、新たに5ヵ年の実行計画として、「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。
2021年度から2023年度にかけて収支の悪化を見込むなか、事業構造改革を完遂するとともに、将来の成長に向けた投資を行い、2025年度には、当社グループを成長軌道にのせ、次なる飛躍に挑む。
(2)財務目標(連結)(2021年3月公表)
(注)事業利益[経常利益+支払利息]÷総資産[期首・期末平均]
(3)経営課題
(中期経営計画(2021-2025))
「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」は、ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提と位置付けるとともに、次の3つの取組みの柱を掲げている。これらを実行することで、当社グループの一大改革「Kanden Transformation(KX)」を成し遂げる。
①ゼロカーボンへの挑戦(EX: Energy Transformation)
脱炭素化の潮流が世界規模で加速し、持続可能な社会の実現への貢献が期待されるなか、関西電力グループ「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた取組みを推進する
②サービス・プロバイダーへの転換(VX: Value Transformation)
従来の大規模アセット中心のビジネスに留まらず、徹底してお客さま視点に立ち、ニーズや課題と向き合うことで、お客さまに新たな価値を提供し続ける企業グループに生まれ変わる
③強靭な企業体質への改革(BX: Business Transformation)
コスト構造改革やイノベーション、デジタル化、そして働き方改革を加速する
これら3つの取組みの柱のもと、各事業セグメントにおいては、以下の具体的な取組みを展開する。
[エネルギー事業]
①徹底したコスト構造改革を推進し、エネルギー事業の収益力を回復する
②原子力・再エネに加え、ゼロカーボン火力も含めた「電源のゼロカーボン化」、および水素社会に向けた検討・実証に取り組む
③「電化の推進」に取り組むとともに、多様なソリューションを通じた新たな価値の提供により、収益を拡大する
(参考)エネルギー事業の海外展開
①海外各地域のゼロカーボン化に貢献するエネルギー事業を推進する
②お客さまのエネルギー利用に関するソリューションを提供する
③これまで培った事業ノウハウとネットワークを活かし、収益性の向上を図る
[送配電事業]
①業界トップレベルのコスト構造の実現、生産性の向上を図る
②ゼロカーボン化の基盤となる電力ネットワークの次世代化を進める
③電力託送サービスに加え、新たな領域での事業を展開する
④2023年度導入予定の新託送料金制度へ適切に対応する
[情報通信事業]
①関西地域における情報通信インフラサービスでの圧倒的な競争力を発揮し、収益の維持・拡大を図る
②情報通信インフラサービスの価値向上や関西域外への展開に資する高付加価値サービスの提供、新たなソリューションの創出を推進する
[生活・ビジネスソリューション事業]
①分譲住宅・賃貸・フィービジネスをバランスよく組み合わせ、あらゆる不動産ニーズにお応えする総合不動産事業に取り組み、収益の拡大を目指す
②不動産以外でも、当社グループの強みが活かせる競争力の高い事業において、さらなる収益の拡大を目指し、サービスの高付加価値化を図る
(1)経営方針、経営環境
当社グループは、当社の役員等が社外の関係者から金品を受け取っていた問題および役員退任後の嘱託等の報酬に係る問題(以下、金品受取り問題等)により、お客さまや社会のみなさまから賜わる信頼を失墜させた。
本問題については、第三者委員会を設置し、2020年3月14日に調査報告書を受領した。その報告書の内容を厳粛かつ真摯に受け止め、電気事業法に基づく業務改善命令に対する業務改善計画を取りまとめ、2020年3月30日に経済産業大臣に提出した。
その後、2020年6月に指名委員会等設置会社に移行し、外部の客観的な視点を取り入れた新たな経営管理体制のもと、ガバナンス改革をはじめとする業務改善計画に掲げた全ての項目を実行に移すなど、再発防止に向けた取組みにグループの総力を結集して取り組んできた。また、その実行状況を、2020年6月29日、10月13日および2021年3月2日に経済産業大臣へ報告した。
今後も取組みを確実に実行するとともに、外部の客観的な視点を踏まえ実行状況を検証し、必要に応じて改善策を加えるなど、引き続き、新たな関西電力グループの創生に向け、全力で取り組んでいく。
この金品受取り問題等を踏まえ、2021年3月には、新たに「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を策定した。今後、健全な組織風土の醸成に向けて、理解・浸透・実践に努めていく。
また、この経営理念のもと、変化する事業環境にも対応し、持続的成長を遂げていくため、5ヵ年の実行計画である「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提とし、2021年2月に策定した「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた「ゼロカーボンへの挑戦」、「サービス・プロバイダーへの転換」および「強靭な企業体質への改革」に全力で取り組み、成長軌道にのせていく。
(経営理念)
これまで、「安全最優先」と「社会的責任の全う」を経営の基軸に位置付け、「お客さまと社会のお役に立ち続ける」ことを使命とする経営理念のもと、事業活動を展開してきたが、金品受取り問題等では、「社会的責任の全う」という点について、社内外から厳しいご指摘をいただいた。これを受け、新しい関西電力グループとして創生し、持続的に成長していくための指針として、本年3月に「関西電力グループ経営理念 Purpose & Values」を新たに策定した。
新たな経営理念は、当社グループの最上位概念として、お客さまや社会にとっての『「あたりまえ」を守り、創る』という存在意義のもと、『「公正」「誠実」「共感」「挑戦」』という価値観を大切にして事業活動を行い、持続可能な社会を実現することを掲げている。
(ゼロカーボンビジョン2050)
当社グループは、地球温暖化問題への対応を重要な経営課題の1つに位置付け、「低炭素のリーディングカンパニー」として、原子力や再生可能エネルギーを両輪に、環境負荷低減に努めるとともに、火力発電においては熱効率の維持・向上など、低炭素社会の実現に貢献してきた。
その上で、国における2050年カーボンニュートラル宣言など地球温暖化対策への社会的な要請が一層高まる中、さらなる地球温暖化問題への対応を自主的かつ積極的に推進していく必要があると考え、本年2月、当社グループは新たに「関西電力グループ『ゼロカーボンビジョン2050』」を策定した。本ビジョンにおいて、当社グループは「ゼロカーボンエネルギーのリーディングカンパニー」として、事業活動に伴うCO2排出を2050年までに全体としてゼロとするとともに、お客さまや社会のゼロカーボン化に向けて、当社グループのリソースを結集することを宣言し、その実現に向けた取組みの3つの柱として、「①デマンドサイドのゼロカーボン化」、「②サプライサイドのゼロカーボン化」、「③水素社会への挑戦」を掲げている。
(中期経営計画(2021-2025))
当社グループは、2019年3月に「関西電力グループ中期経営計画(2019-2021)」を策定し、その実現に向けてグループ一丸となって取り組んできた。
一方で、脱炭素化の潮流の加速や新型コロナウイルスの感染拡大を契機とするデジタル化の進展など、大きな環境変化に直面している。エネルギー事業においても、再生可能エネルギーの大量導入や新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、電力取引市場の価格が下落したことにより、新電力との競争がさらに激化している。その結果、販売電力量と単価が低下し、収支が大幅に悪化したことから、中期経営計画で掲げた財務目標の達成が困難な状況となった。
こうした中、当社グループが持続的成長を遂げていくためには、中期経営計画を見直す必要があると判断し、新たに5ヵ年の実行計画として、「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」を策定した。
2021年度から2023年度にかけて収支の悪化を見込むなか、事業構造改革を完遂するとともに、将来の成長に向けた投資を行い、2025年度には、当社グループを成長軌道にのせ、次なる飛躍に挑む。
(2)財務目標(連結)(2021年3月公表)
| 項目 | 2021-2023年度 | 2025年度 |
| 経常利益 | 3ヵ年平均 1,000億円 以上 | 2,500億円 以上 |
| FCF | 3ヵ年平均 △500億円 未満 | 2,000億円 以上 |
| 2021-2025年度合計で黒字化 | ||
| 自己資本比率 | 20% 以上 | 23% 以上 |
| ROA(注) | 3ヵ年平均 1.5% 以上 | 3.5% 以上 |
(注)事業利益[経常利益+支払利息]÷総資産[期首・期末平均]
(3)経営課題
(中期経営計画(2021-2025))
「関西電力グループ中期経営計画(2021-2025)」は、ガバナンス確立とコンプライアンス推進を事業運営の大前提と位置付けるとともに、次の3つの取組みの柱を掲げている。これらを実行することで、当社グループの一大改革「Kanden Transformation(KX)」を成し遂げる。
①ゼロカーボンへの挑戦(EX: Energy Transformation)
脱炭素化の潮流が世界規模で加速し、持続可能な社会の実現への貢献が期待されるなか、関西電力グループ「ゼロカーボンビジョン2050」の実現に向けた取組みを推進する
②サービス・プロバイダーへの転換(VX: Value Transformation)
従来の大規模アセット中心のビジネスに留まらず、徹底してお客さま視点に立ち、ニーズや課題と向き合うことで、お客さまに新たな価値を提供し続ける企業グループに生まれ変わる
③強靭な企業体質への改革(BX: Business Transformation)
コスト構造改革やイノベーション、デジタル化、そして働き方改革を加速する
これら3つの取組みの柱のもと、各事業セグメントにおいては、以下の具体的な取組みを展開する。
[エネルギー事業]
①徹底したコスト構造改革を推進し、エネルギー事業の収益力を回復する
②原子力・再エネに加え、ゼロカーボン火力も含めた「電源のゼロカーボン化」、および水素社会に向けた検討・実証に取り組む
③「電化の推進」に取り組むとともに、多様なソリューションを通じた新たな価値の提供により、収益を拡大する
(参考)エネルギー事業の海外展開
①海外各地域のゼロカーボン化に貢献するエネルギー事業を推進する
②お客さまのエネルギー利用に関するソリューションを提供する
③これまで培った事業ノウハウとネットワークを活かし、収益性の向上を図る
[送配電事業]
①業界トップレベルのコスト構造の実現、生産性の向上を図る
②ゼロカーボン化の基盤となる電力ネットワークの次世代化を進める
③電力託送サービスに加え、新たな領域での事業を展開する
④2023年度導入予定の新託送料金制度へ適切に対応する
[情報通信事業]
①関西地域における情報通信インフラサービスでの圧倒的な競争力を発揮し、収益の維持・拡大を図る
②情報通信インフラサービスの価値向上や関西域外への展開に資する高付加価値サービスの提供、新たなソリューションの創出を推進する
[生活・ビジネスソリューション事業]
①分譲住宅・賃貸・フィービジネスをバランスよく組み合わせ、あらゆる不動産ニーズにお応えする総合不動産事業に取り組み、収益の拡大を目指す
②不動産以外でも、当社グループの強みが活かせる競争力の高い事業において、さらなる収益の拡大を目指し、サービスの高付加価値化を図る