有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
2018年度においては、泊発電所の長期停止に加え、電力小売全面自由化以降の競争激化に伴う販売電力量の減少など、厳しい経営環境が続いている。また、「平成30年北海道胆振東部地震」(以下、「胆振東部地震」という。)の影響から北海道全域にわたる停電が発生し、お客さまには大変なご不便をおかけした。
このような状況の中、ほくでんグループは、「2018~2020年度3ヵ年の利益について、平均で小売全面自由化後の実績(2016~2017年度平均160億円程度)を上回る水準を目指す」との経営目標を掲げ、競争力の向上や収支改善などによる経営基盤の強化に重点的に取り組んできた。
2018年度の連結経常利益については、胆振東部地震に伴う石油火力発電所の焚き増しなどはあったが、豊水による水力発電量の増加に加え、経営基盤強化推進委員会のもとでのさらなる効率化・コストダウンの成果の上積みなどにより、301億円となった。
2019年度以降の経営目標については、厳しい経営環境下において、経営基盤強化の取り組みにより収入の拡大と費用の低減を進め、自己資本の回復や競争力の向上を図っていくことを念頭に、次なるステップとして連結ベースで東日本大震災前2ヵ年の実績である経常利益230億円/年を上回る水準を目指す。
電力小売における厳しい競争や2020年4月からの送配電部門の別会社化(法的分離)に向けた対応など、事業環境が大きく変化するなか、泊発電所の再稼働前においても安定して利益を生み出し、財務基盤の強化を図るとともに、さらなる成長を遂げていくためグループ一体となって中長期を見据えて下記の施策に取り組んでいく。
[重点的に取り組む項目]
(1) 経営基盤の強化
① 収入拡大に向けた取り組み
北海道内の電力小売については、競争力のある料金メニューを充実させ、対面営業を中心とした営業活動を強力に展開し、当社からの契約切り替えに歯止めをかけるとともに、契約を切り替えられたお客さまにも改めて当社を選択いただけるよう取り組む。
加えて、価格以外のお客さまニーズにお応えできるよう、ご家庭向けには最新のデジタル技術を活用した省エネ、安心、快適な暮らしに役立つ「エネモLIFE」や他企業との提携によるさまざまな商品やサービスを提供する。法人のお客さまには省エネや省CO2に資するソリューションなど、お客さまのニーズにお応えする付加価値を合わせて提案し、契約の獲得に努める。
また、首都圏での電力小売を積極的に展開するとともに、2020年に運転を開始する福島天然ガス発電所の供給力も活用し、さらなる収益拡大を目指す。
ガス供給事業については、昨年12月に石狩LNG基地からタンクローリーによるLNG供給を開始した。今後もLNG販売を強化するとともに、都市ガス事業への参入や電気とガスのセット販売に向けた検討も進める。
さらに、ほくでんグループ各社の事業を組み合わせたソリューション営業を展開し、グループ全体の収益拡大を図る。
国内外の水力発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電事業にも積極的に取り組み、事業機会の拡大につなげていく。
② 費用低減に向けた取り組み
資機材調達コストの低減や創意工夫による工事工程の見直しなど、経営基盤強化推進委員会のもとでの費用低減の取り組みが、着実に成果として現れてきており、収支改善の一翼を担っている。
新技術の活用により設備保守の高度化・効率化を図り、設備関連費用を低減するなど、これまでの取り組みをさらに深化させていくとともに、昨年12月に導入した「カイゼン活動」の取り組み状況も踏まえながら、抜本的な効率化・コスト低減を進める。
本年4月には、北海電気工事株式会社に北海道計器工業株式会社を合併し、ほくでんサービス株式会社の配電事業を統合した。配電事業を1社に集約することにより、配電設備の設計・施工の一体的業務運営を行うとともに、新規事業領域の拡大を目指す。
今後もグループ一体となって、効率性の高いスリムで強靭な業務運営体制のもと労働生産性の向上と要員の適正化を図り、競争力のある事業構造を実現する。
(2) 泊発電所の早期再稼働と安全性向上
泊発電所の早期再稼働の実現に向けて、新規制基準適合性審査における最優先課題である敷地内断層の活動性評価については、新たに追加調査を行い、得られたデータに基づき、できるだけ早く検討結果を取りまとめ、審査会合で説明していく。また、残る課題についても原子力規制委員会の理解を得られるよう、総力をあげて取り組んでいく。
福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、原子力のリスクを一層低減させるため、「泊発電所安全性向上計画」を策定している。新規制基準への適合はもとより、「世界最高水準の安全性(エクセレンス)」を目指し、不断の努力を重ねるとともに、北海道のみなさまに泊発電所の安全性をご理解いただけるよう努めていく。
(3) 電力の安定供給確保に向けた取り組み
胆振東部地震の影響により離島を除く北海道全域が停電したことについては、社内外の検証を踏まえて策定した「アクションプラン」に基づき、再発防止に取り組むとともに、PDCAを展開しながら具体的な対策を進めていく。
また、本年2月には、北海道初の大型LNGコンバインドサイクル発電所である石狩湾新港発電所1号機(56.94万キロワット)が営業運転を開始した。発電効率が高く、環境特性に優れた電源であり、既設火力発電設備の経年化へ対応するとともに、燃料種の多様化や電源の分散化に寄与する。さらに、北海道内電源の緊急停止リスクへの対応力を高めることを目的に新北海道本州間連系設備(30万キロワット)が本年3月に運転を開始し、北海道本州間の連系容量は60万キロワットから90万キロワットに増加した。これらの設備を活用しながら、引き続き、電力の安定供給の確保及び信頼度の向上に取り組んでいく。
発電・流通設備の保全にあたっては、適切なリスク管理により、安定供給と低コスト化の両立を図り、電気事業者としての使命を全うしていく。
[引き続き取り組む項目]
(4) 送配電部門の分社化への対応
2015年6月改正の電気事業法において、送配電事業の中立性を一層高めるとの目的から、2020年4月までに送配電部門の別会社化(法的分離)の実施を求められている。当社は、昨年4月に「送配電カンパニー」を設置する社内分社化を実施し、本年4月には北海道電力送配電事業分割準備株式会社を設置するなど、円滑な体制移行に向けた準備を着実に進めている。
法的分離の実施にあたっては、法の趣旨を踏まえつつ、コーポレート機能(グループにおける本社機能)及び発電・小売電気事業を保有する事業持株会社のもとに2020年4月に100%出資会社として送配電会社を設置し、グループの総合力・効率性を発揮していく。送配電事業については、安定供給を確保しつつ、効率的な事業運営に取り組み、低廉な託送料金の実現を図る。また、発電・小売電気事業については、経営資源を効率的に活用しつつ、両事業が一体となって競争力の確保・強化に取り組み、利益拡大を図り、法的分離後もグループ全体の企業価値の持続的な向上を目指していく。
会社分割は、当社の一般送配電事業を分割準備会社に承継させる吸収分割により行うこととし、本年6月26日開催の第95回定時株主総会において吸収分割契約の承認に関する議案を上程し、同定時株主総会にて承認可決された。
(5) ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)への取り組み
環境負荷の低減に向けては、本年5月に下川町のバイオマス発電所が運転を開始するなど、国内外問わず積極的に再生可能エネルギー発電事業を展開するとともに、電力系統への再生可能エネルギーの接続量の最大化と道内の電力品質の維持の両立に取り組んでいく。また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO2排出原単位の低減に努める。
業務効率化への取り組み、適正な労働時間管理及び休暇取得の推進を通じた「働き方改革」を進め、健康の保持・増進や従業員の働きがいの向上を図る。また、人材の多様化や女性の活躍推進などを通じて、従業員の能力を最大限に活用できる職場作りを進める。
北海道とともに歩む企業として、エネルギー分野に関する自治体等の取り組みに協力するとともに、当社総合研究所のノウハウを活用した農水産業への支援など、北海道の経済発展に向けたさまざまな取り組みを進めていく。
「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に則り、透明・公正かつ迅速果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンスのさらなる充実を図る。
当社は今後も、経営理念である「人間尊重」「地域への寄与」「効率的経営」のもと、「ほくでんグループが目指す企業像」を全従業員が共有し、以上の取り組みを進めながら、総合エネルギー企業として新たな「ほくでんブランド」を創り上げ、持続的な企業価値の向上を図る。
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである。
このような状況の中、ほくでんグループは、「2018~2020年度3ヵ年の利益について、平均で小売全面自由化後の実績(2016~2017年度平均160億円程度)を上回る水準を目指す」との経営目標を掲げ、競争力の向上や収支改善などによる経営基盤の強化に重点的に取り組んできた。
2018年度の連結経常利益については、胆振東部地震に伴う石油火力発電所の焚き増しなどはあったが、豊水による水力発電量の増加に加え、経営基盤強化推進委員会のもとでのさらなる効率化・コストダウンの成果の上積みなどにより、301億円となった。
2019年度以降の経営目標については、厳しい経営環境下において、経営基盤強化の取り組みにより収入の拡大と費用の低減を進め、自己資本の回復や競争力の向上を図っていくことを念頭に、次なるステップとして連結ベースで東日本大震災前2ヵ年の実績である経常利益230億円/年を上回る水準を目指す。
電力小売における厳しい競争や2020年4月からの送配電部門の別会社化(法的分離)に向けた対応など、事業環境が大きく変化するなか、泊発電所の再稼働前においても安定して利益を生み出し、財務基盤の強化を図るとともに、さらなる成長を遂げていくためグループ一体となって中長期を見据えて下記の施策に取り組んでいく。
[重点的に取り組む項目]
(1) 経営基盤の強化
① 収入拡大に向けた取り組み
北海道内の電力小売については、競争力のある料金メニューを充実させ、対面営業を中心とした営業活動を強力に展開し、当社からの契約切り替えに歯止めをかけるとともに、契約を切り替えられたお客さまにも改めて当社を選択いただけるよう取り組む。
加えて、価格以外のお客さまニーズにお応えできるよう、ご家庭向けには最新のデジタル技術を活用した省エネ、安心、快適な暮らしに役立つ「エネモLIFE」や他企業との提携によるさまざまな商品やサービスを提供する。法人のお客さまには省エネや省CO2に資するソリューションなど、お客さまのニーズにお応えする付加価値を合わせて提案し、契約の獲得に努める。
また、首都圏での電力小売を積極的に展開するとともに、2020年に運転を開始する福島天然ガス発電所の供給力も活用し、さらなる収益拡大を目指す。
ガス供給事業については、昨年12月に石狩LNG基地からタンクローリーによるLNG供給を開始した。今後もLNG販売を強化するとともに、都市ガス事業への参入や電気とガスのセット販売に向けた検討も進める。
さらに、ほくでんグループ各社の事業を組み合わせたソリューション営業を展開し、グループ全体の収益拡大を図る。
国内外の水力発電や風力発電などの再生可能エネルギー発電事業にも積極的に取り組み、事業機会の拡大につなげていく。
② 費用低減に向けた取り組み
資機材調達コストの低減や創意工夫による工事工程の見直しなど、経営基盤強化推進委員会のもとでの費用低減の取り組みが、着実に成果として現れてきており、収支改善の一翼を担っている。
新技術の活用により設備保守の高度化・効率化を図り、設備関連費用を低減するなど、これまでの取り組みをさらに深化させていくとともに、昨年12月に導入した「カイゼン活動」の取り組み状況も踏まえながら、抜本的な効率化・コスト低減を進める。
本年4月には、北海電気工事株式会社に北海道計器工業株式会社を合併し、ほくでんサービス株式会社の配電事業を統合した。配電事業を1社に集約することにより、配電設備の設計・施工の一体的業務運営を行うとともに、新規事業領域の拡大を目指す。
今後もグループ一体となって、効率性の高いスリムで強靭な業務運営体制のもと労働生産性の向上と要員の適正化を図り、競争力のある事業構造を実現する。
(2) 泊発電所の早期再稼働と安全性向上
泊発電所の早期再稼働の実現に向けて、新規制基準適合性審査における最優先課題である敷地内断層の活動性評価については、新たに追加調査を行い、得られたデータに基づき、できるだけ早く検討結果を取りまとめ、審査会合で説明していく。また、残る課題についても原子力規制委員会の理解を得られるよう、総力をあげて取り組んでいく。
福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないとの強い決意のもと、原子力のリスクを一層低減させるため、「泊発電所安全性向上計画」を策定している。新規制基準への適合はもとより、「世界最高水準の安全性(エクセレンス)」を目指し、不断の努力を重ねるとともに、北海道のみなさまに泊発電所の安全性をご理解いただけるよう努めていく。
(3) 電力の安定供給確保に向けた取り組み
胆振東部地震の影響により離島を除く北海道全域が停電したことについては、社内外の検証を踏まえて策定した「アクションプラン」に基づき、再発防止に取り組むとともに、PDCAを展開しながら具体的な対策を進めていく。
また、本年2月には、北海道初の大型LNGコンバインドサイクル発電所である石狩湾新港発電所1号機(56.94万キロワット)が営業運転を開始した。発電効率が高く、環境特性に優れた電源であり、既設火力発電設備の経年化へ対応するとともに、燃料種の多様化や電源の分散化に寄与する。さらに、北海道内電源の緊急停止リスクへの対応力を高めることを目的に新北海道本州間連系設備(30万キロワット)が本年3月に運転を開始し、北海道本州間の連系容量は60万キロワットから90万キロワットに増加した。これらの設備を活用しながら、引き続き、電力の安定供給の確保及び信頼度の向上に取り組んでいく。
発電・流通設備の保全にあたっては、適切なリスク管理により、安定供給と低コスト化の両立を図り、電気事業者としての使命を全うしていく。
[引き続き取り組む項目]
(4) 送配電部門の分社化への対応
2015年6月改正の電気事業法において、送配電事業の中立性を一層高めるとの目的から、2020年4月までに送配電部門の別会社化(法的分離)の実施を求められている。当社は、昨年4月に「送配電カンパニー」を設置する社内分社化を実施し、本年4月には北海道電力送配電事業分割準備株式会社を設置するなど、円滑な体制移行に向けた準備を着実に進めている。
法的分離の実施にあたっては、法の趣旨を踏まえつつ、コーポレート機能(グループにおける本社機能)及び発電・小売電気事業を保有する事業持株会社のもとに2020年4月に100%出資会社として送配電会社を設置し、グループの総合力・効率性を発揮していく。送配電事業については、安定供給を確保しつつ、効率的な事業運営に取り組み、低廉な託送料金の実現を図る。また、発電・小売電気事業については、経営資源を効率的に活用しつつ、両事業が一体となって競争力の確保・強化に取り組み、利益拡大を図り、法的分離後もグループ全体の企業価値の持続的な向上を目指していく。
会社分割は、当社の一般送配電事業を分割準備会社に承継させる吸収分割により行うこととし、本年6月26日開催の第95回定時株主総会において吸収分割契約の承認に関する議案を上程し、同定時株主総会にて承認可決された。
(5) ESG(Environment:環境、Social:社会、Governance:ガバナンス)への取り組み
環境負荷の低減に向けては、本年5月に下川町のバイオマス発電所が運転を開始するなど、国内外問わず積極的に再生可能エネルギー発電事業を展開するとともに、電力系統への再生可能エネルギーの接続量の最大化と道内の電力品質の維持の両立に取り組んでいく。また、全国の電気事業者からなる「電気事業低炭素社会協議会」の一員としてCO2排出原単位の低減に努める。
業務効率化への取り組み、適正な労働時間管理及び休暇取得の推進を通じた「働き方改革」を進め、健康の保持・増進や従業員の働きがいの向上を図る。また、人材の多様化や女性の活躍推進などを通じて、従業員の能力を最大限に活用できる職場作りを進める。
北海道とともに歩む企業として、エネルギー分野に関する自治体等の取り組みに協力するとともに、当社総合研究所のノウハウを活用した農水産業への支援など、北海道の経済発展に向けたさまざまな取り組みを進めていく。
「コーポレートガバナンス・コード」の趣旨に則り、透明・公正かつ迅速果断な意思決定を支えるコーポレートガバナンスのさらなる充実を図る。
当社は今後も、経営理念である「人間尊重」「地域への寄与」「効率的経営」のもと、「ほくでんグループが目指す企業像」を全従業員が共有し、以上の取り組みを進めながら、総合エネルギー企業として新たな「ほくでんブランド」を創り上げ、持続的な企業価値の向上を図る。
| <ほくでんグループが目指す企業像>・「ともに輝く明日のために。Light up your future.」をコーポレート・スローガンに掲げ、責任あるエ ネルギー供給の担い手としての役割を全うすることで、地域の持続的な発展を支えていきます。 ・総合エネルギー企業として、さらなる成長と発展を遂げるために、新たな視点を取り込みながら、果敢 にチャレンジしていきます。 ・スピード感や柔軟性のある事業運営を進め、事業基盤をゆるぎないものとし、ステークホルダーのみな さまのご期待に応えていきます。 |
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものである。