有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 11:24
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有報資料

2025年度のわが国経済は、米国の通商政策等の影響を受け、企業収支の改善に足踏みがみられたが、個人消費に持ち直しの動きがみられる等、緩やかに回復した。北海道経済については、物価上昇の影響から個人消費等に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直した。
当社においては、卸電力市場価格が低位で推移し厳しい競争環境にあったことに加え、労務費・物価の上昇が進む等、事業環境は厳しさを増した。このような状況のもと、2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」で掲げた経営目標の達成に向け、泊発電所の再稼働や新たなエネルギーサプライチェーンの構築に向けた取り組みを進めるとともに、カイゼンやDX(デジタルトランスフォーメーション)及び資機材調達の工夫等を通じた効率化・コスト低減を図ってきた。
[ほくでんグループ経営ビジョン2035]
(1) ほくでんグループの経営テーマ
ほくでんグループが事業基盤とする北海道では、人口減少や少子高齢化による地域活力の低下等の社会課題がある一方で、次世代半導体工場やデータセンターといったGX※産業立地が着実に進展しており、減少傾向であった電力需要が反転し、中長期的には大きく増加していく見通しとなっている。
2025年3月に策定した「ほくでんグループ経営ビジョン2035」では、北海道の持つポテンシャルを活かしながらほくでんグループが地域の発展に貢献し、力強く成長していく姿を示しており、経営テーマとして掲げた「北海道の発展に向けたGX実現への挑戦」「新たな価値創造に向けた挑戦」「持続的な成長に向けた経営基盤の強化」に着実に取り組むことで、ほくでんグループの事業成長と北海道の発展の両立を目指している。
※ GX(グリーントランスフォーメーション):カーボンニュートラルの実現に向けた対応を成長の機会と捉え国際的な産業競争力を高めていくために、経済社会システム全体を変革させることを目指すもの。
< 2035年に向けたほくでんグループの経営テーマ >
(2) 経営目標の進捗状況
経営目標に対する2025年度実績は以下のとおり。
引き続き、泊3号機再稼働前、2030年度、2035年度の各時点における目標の達成を目指していく。

※1 未確定の諸元があるため、速報値を記載。
※2 泊発電所再稼働に伴う料金値下げを考慮。
[2026年度の取り組み事項]
(1)北海道の発展に向けたGX実現への挑戦
①泊発電所の再稼働とさらなる安全性向上に向けた取り組み
原子力発電は、燃料供給の安定性や長期的な価格安定性、発電時にCO2を排出しない等の特長があり、電力の安定供給の確保とカーボンニュートラルの実現を支える重要な電源である。
泊発電所3号機については、2027年のできるだけ早期の再稼働に向け、設計及び工事の計画の認可や保安規定変更認可の審査、使用前事業者検査、防潮堤等の安全対策工事に総力を挙げて取り組んでいく。また、再稼働後には、再稼働に伴う費用の低減効果を反映したうえで、カイゼンやDXの推進等の経営効率化のさらなる深掘りによる費用の削減効果を最大限織り込み、電気料金の値下げを実施する。
福島第一原子力発電所のような事故を決して起こさないという強い決意のもと、これまでの安全対策にとどまることなく、重大事故リスクの一層の低減に取り組んでいる。「世界最高水準の安全性」を目指し、継続的に技術力の維持・向上を図るとともに、さまざまな機会を捉えて安全性向上の取り組みについて分かりやすくお伝えし、みなさまから信頼いただけるよう努めていく。
②再生可能エネルギー電源の導入拡大に向けた取り組み
再生可能エネルギー(再エネ)電源については、「2035年度までに300万kW以上の増(開発規模ベース)」という目標を掲げている。目標の達成に向けて、新規地点の開発や出資参画、水力発電所のリプレース等を着実に進めていく。
③火力発電の脱炭素化に向けた取り組み
中長期的な北海道エリアの電力需要増加を見据えた供給力の確保のため、LNG火力発電所である石狩湾新港発電所2号機及び3号機(計画出力:各58万kW、運転開始予定:2号機は2030年度、3号機は2033年度)の運転開始に向けて着実に取り組んでいく。また、次期LNG火力発電所の設置についても、発電出力等の詳細な検討を進めていく。
さらに、火力発電所については、燃焼時にCO2を排出しないアンモニアや水素等の脱炭素燃料への転換や
CCUS※の導入による脱炭素化を目指していく。石炭を燃料とする苫東厚真発電所4号機では、アンモニアへの燃料転換やCCUS技術の活用等による脱炭素化を進めることとしており、燃料転換については、2030年度に燃料の20%(熱量比)をアンモニアに転換し、その後、段階的に拡大していく計画としている。LNGを燃料とする石狩湾新港発電所2号機及び3号機においては、水素への燃料転換を進めていく。
※ CCUS:Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage(CO2の回収・有効活用・貯留)の略。
④新たなエネルギーサプライチェーン構築に向けた取り組み
北海道では、最終エネルギー消費に占める石油・石炭の比率が高く、カーボンニュートラルの実現に向けては、電力やガスへのエネルギー転換により低炭素化・脱炭素化を進めていく必要がある。加えて、北海道では、将来的なエネルギー需要の大幅な増加が見込まれている。
当社は、泊発電所の再稼働や再エネの導入拡大、電化の推進に加え、ガス事業への本格的な参入、次期LNG電源・LNG基地の整備、水素・アンモニア・e-メタン※といった次世代エネルギーやCCUSの社会実装に向けた取り組みを進め、苫小牧・厚真地域を起点とした新たなエネルギーサプライチェーンを構築し、多様な脱炭素ソリューションを提供することで、2050年の北海道のカーボンニュートラル実現に貢献していく。
※ e-メタン:脱炭素製造された水素とCO2を原料として製造するメタン。
⑤送配電事業における取り組み
北海道電力ネットワーク㈱※では、北海道の豊富な再エネポテンシャルの最大限の活用に向け、新たな技術・知見をもとに北海道の電力系統における安定供給の確保と再エネの導入拡大の両立に努めている。
再エネのさらなる導入拡大による脱炭素化、大規模・長時間停電を回避するためのレジリエンス強化を図るとともに、大規模需要の進出等に適切に対応するため、中長期を見据えた次世代型電力ネットワークの構築に向けた取り組みを進めていく。
自然災害が激甚化する中においても、大規模災害を想定した訓練の実施や停電予防等の取り組みを通じて、ほくでんグループ一体となって電力インフラのレジリエンス強化を含めた安定供給に努めている。
※ 送配電事業は、2020年4月以降、中立性を高める観点から100%子会社である北海道電力ネットワーク㈱が実施。
(2)新たな価値創造に向けた挑戦
①お客さまの幅広いニーズに応えるソリューション・サービスの提供
ESP(エネルギーサービスプロバイダ)事業によるエネルギー利用の最適化や再エネの活用等、お客さまの幅広いニーズに応えるソリューションを提供している。
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準を満たす住宅に、高効率ヒートポンプシステムを導入した「スマートエネルギー住宅」の普及促進等を通じ、お客さまの省エネやCO2排出量の削減に貢献していく。
②快適・あんしんな暮らしにつながる多様なサービスの提供
当社が提供するウェブサービス「ほくでんエネモール」を起点とした、お客さまや地域とのコミュニケーションを通じて、お困りごとや社会課題の解決等につながるサービスラインアップの拡充を進めている。
そのサービスとして、光回線インターネットサービス「ほくでん光」や住まい修理サポート、ヘルスケア関連サービスの提供、ECサイト「きらめくストア」の運営等を行っている。
③事業共創の取り組み
北海道の持続的な発展に貢献するため、北海道が有する強み・ポテンシャルや地域社会が抱える課題を把握するとともに、そこから事業機会を見出し、農林水産業、観光・食、福祉等のさまざまな分野において共創の取り組みを進めることで新たな価値を創出していく。
(3)持続的な成長に向けた経営基盤の強化
①カイゼン・DXの推進による事業変革
ほくでんグループはカイゼンやDXの推進を通じて、従来の枠組みにとらわれず業務や価値観を変革し、生産性や付加価値の向上、持続的な成長を目指していく。
②人的資本経営の推進
ほくでんグループの持続的な成長を支える原動力は「人」であるとの認識のもと、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、一層成長し活躍できるよう、「ほくでんグループ人材戦略」に基づき、人材育成や環境整備を進めていく。
事業変革や持続的な成長には、多様な視点や価値観が重要であるとの認識のもと、性別等にとらわれず多様な人材が、能力を十分に発揮するための取り組みを進めている。女性の活躍推進に向けては、女性管理職・管理職候補者のキャリア形成意識の醸成を目的とした社内セミナーや他社・他業種との懇談会等を実施している。
また、従業員が活き活きと働ける環境をつくることを経営の柱として推進する「健康経営」に取り組んでいる。
③地域・社会に関する取り組み
ほくでんグループは、経営環境が絶えず変化する中においても地域のみなさまとともに発展していけるよう、地域社会に根差した取り組みを通じて、地域との結びつきを強めている。
北海道で生まれ育った若き“どさんこアスリート”の挑戦を応援するどさんこアスリートRISEプロジェクトや植樹活動、SDGs教育支援等に取り組んでいる。
④コンプライアンス・リスク管理の徹底
透明・公正な事業活動を確実に継続していくため、コンプライアンスを徹底する組織風土を醸成するとともに、内外の環境変化を踏まえて、事業に関わるリスクを的確に認識し、リスク管理の徹底に努めていく。
2025年7月、当社及び北海道電力ネットワーク㈱は、非公開情報を含む資料を当社従業員が所持・閲覧し、発電事業の業務において利用した事案に関し、経済産業省電力・ガス取引監視等委員会より業務改善勧告を受けた。当社及び北海道電力ネットワーク㈱では、本事案を重く受け止めており、同様の事案を二度と起こさないという強い決意のもと、再発防止に取り組んでいる。引き続き、再発させないという意識を強く持ち、取り組みを進めていく。
なお、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであるが、将来に関する事項については、有価証券
報告書提出日(2026年6月23日)現在において判断したものである。

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