有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 14:22
【資料】
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【項目】
186項目
(1) 【人材戦略に関する基本方針等】
① 事業戦略と結びついた人財※戦略
当社企業グループは、電気・エネルギーを中心に据えた5領域10事業において、各事業が自律的に収益と成長を追求しております。また、CN・DXを成長機会として捉えるとともに、イノベーションを通じて既存事業の強化・拡張及び新たな事業領域の拡大に挑戦することで、中長期的な企業価値の向上を目指しております。
この事業戦略を実行する源泉は人財であり、当社企業グループでは「事業戦略の実行を起点として必要となる人財像を定義し、その獲得・育成・活躍を通じて成果を創出する」ことを人財戦略の基本的な考え方としております。
この考え方に基づき、人財ポートフォリオの策定により将来の事業展開に必要な人員数とスキルを可視化し、現状とのギャップを定量的に把握した上で、最適化に向けて採用、育成、評価・処遇及び配置を一体的に運用する人財マネジメントサイクルを確立しております。
そのために必要な3つの能力・マインドを持つ人財の育成・強化に取り組んでおります。
●安定供給を支えるちから
電力の安定供給という当社企業グループの根幹を支える技術力と使命感を持ち、社会的信頼の維持及び事業継続性に直結する人財
●成長に向けてチャレンジするちから
社会変化への果敢な挑戦と生産性向上につながる業務改善・変革力を備え、CN・DX領域で成長を牽引し、競争環境下における収益力の確保と成長投資の実行を支える人財
地域社会・お客さまとの信頼関係を構築しながら、電力の販売と課題解決に資するサービスの提供に果敢に挑戦し、持続的な利益創出を牽引する人財
●経営・マネジメント力
複雑な事業環境に対応し、経営目標を自らの組織に落とし込み、目標達成に向けて戦略を立案・実行することで、組織の総合力を高め、企業価値を創造する人財
※ 当社企業グループでは「人は財(たから)である」との考えのもと、「人財」という文言を使用しております。
② ガバナンス体制
人財戦略については、常務執行役員に人財戦略担当を委嘱するとともに、社長執行役員を委員長とし当社及び東北電力ネットワーク株式会社の両社で構成する人財戦略委員会において、人財戦略の考え方に基づいた各種取組について議論しております。2025年度は人財ポートフォリオや従業員エンゲージメント、人事・賃金制度、採用計画、教育訓練計画等について議論しました。
また、マテリアリティへの取組状況を始めとした人財戦略上の重要事項について、人財戦略委員会で継続的にモニタリングするとともに、サステナビリティ推進会議を通して取締役会へ報告しております。
③ 対処すべきリスク・機会
当社企業グループでは、事業戦略と人的資本の相互関係を踏まえて、人的資本を取り巻くリスク及び機会を認識し、人財戦略に反映しております。
●労働力不足(リスク)
当社企業グループが基盤とする東北・新潟地域では、人口減少や若年層の域外流出が進行しており、電力の安定供給を支える技術人財の確保と育成が不可欠となっております。当社企業グループの強みである「電力のプロフェッショナル」を維持するため、新卒採用・中途採用に加えて離職防止や計画的な人財育成、技術継承にも取り組んでおります。
●新技術・環境変化への対応(リスク・機会)
CNやDXを成長機会として活かすためには、新技術への対応力や環境変化に柔軟に対応できる人財の育成が必要です。リスキリング等による能力強化を行わない場合、事業機会逸失のリスクがあります。一方、DXの推進により生産性や労働安全の向上、業務高度化や新規ビジネスの加速といった成長機会の創出が期待できると認識しております。
●価値観の多様化(リスク・機会)
人財の多様化が進む中、労働力確保に向け、多様な人財が能力を発揮できる環境整備が重要となっております。心理的安全性の確保や柔軟な働き方の推進を通じてイキイキと働くことができる職場作りを進め、人財不足のリスクに備えております。また、 人財の流動化が進む中で、中途採用や副業・兼業等を通じて外部の知見を取り込み、事業領域の拡大やイノベーション創出につなげております。あわせて、多様な価値観を受け入れながらも、経営理念や電力の安定供給に対する使命感など、当社企業グループとして大切にすべき価値観の共有・浸透を図っております。
●コミュニケーション(リスク・機会)
組織内におけるコミュニケーションが低下した場合、法令違反や内部規程逸脱の兆候を早期に把握できず、コンプライアンス上のリスクが高まります。さらに、事業間の連携が不足することで、経営判断の整合性が損なわれる可能性があります。当社企業グループでは、規制・制度環境への的確な対応を前提に、組織内及び事業間のコミュニケーションの充実を図り、リスクの回避と事業機会の最大化に取り組んでおります。
④ 戦略と指標・目標
当社企業グループは、事業戦略の実行に必要な人財を持続的に確保するとともに、「多様な人財がイキイキと働く職場作り」を「マテリアリティ」として特定しております。
この課題解決に向け、「働きがい」「働きやすさ」「能力伸長」の向上を通じてエンゲージメントを高めることが、企業価値向上に資すると考えております。
以下の4つの切り口で人財戦略の施策に取り組むとともに、各取組に紐づく指標により、人財戦略が事業戦略の実行及び企業価値創出にどの程度寄与しているかを継続的にモニタリングしております。


●人財の確保
採用環境の変化や人財の流動性の高まりを踏まえ、新卒採用、中途採用を組み合わせ、人財の安定的な確保に取り組んでおります。
具体的には、企業説明会・各種セミナーへの出展や学校訪問を通じた求職者との接点拡大、採用媒体の更新による機動的な情報発信を組み合わせることで、多様な人財の確保を推進しております。
また、当社及び東北電力ネットワーク株式会社を退職した人財との関係維持・強化のためアルムナイネットワークを構築し、即戦力としての再入社などの機会を創出しております。
あわせて、タレントマネジメントシステムを活用し、従業員の希望や適性を踏まえた配置及び戦略的なジョブローテーションを実施することで、適材適所の人財配置を推進し、人財の定着と業務を通じた従業員本人の持続的な成長を図っております。
指標(範囲(注))2023年度2024年度2025年度目標目標年度
新卒採用人数/計画人数
(TD・TN)
-216名/220名程度273名/250名程度270名程度2026
280名程度2027
中途採用人数
(TD・TN)
-26名35名80名程度2026~2027
自己都合離職率
(TD・TN)(%)
1.010.870.68--

(注) TD:東北電力株式会社、TN:東北電力ネットワーク株式会社
●人財育成と自律的なキャリア形成
当社及び東北電力ネットワーク株式会社では、事業戦略の実現に資する人財像を明確化するとともに、その実現に向けて、OJT、Off-JT、学習プラットフォームの活用による自律学習を組み合わせ、一人ひとりの能力開発及びスキルの向上を支援しております。
また、従業員一人ひとりが自律的にキャリアを形成していくことを基本的な考え方とし、人財育成に取り組んでおります。具体的には、1on1ミーティングの実施やキャリアに関する自己開示の促進、キャリア相談窓口の設置、社内公募制度の活用等を通じて、従業員のキャリア形成に対する主体的な意識の醸成を図っております。
指標(範囲(注)1)2023年度2024年度2025年度目標目標年度
1人あたり年間学習時間
(TD・TN)
(注)2、3
-30.2時間31.1時間40時間以上2030
東北電力グループ
DX人財数
(G)(注)3、4
--5,803名グループ内に
3割以上
(7,400名)
2030
キャリアデザイン・チャレンジ制度
応募者数/合格者数
(TD・TN)(注)5
21名/16名98名/40名72名/34名--

(注)1 TD:東北電力株式会社、TN:東北電力ネットワーク株式会社、G:東北電力株式会社及び連結子会社
2 学習時間には、社員が参加している研修時間の他、自己啓発として自主的に学習しているeラーニングの学習時間を含みます。
3 マテリアリティの指標・目標
4 対象範囲は、東北電力株式会社及び連結子会社に、株式会社ユアテック、相馬共同火力発電株式会社、常磐共同火力株式会社を含みます。DX人財育成を含むDX戦略については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ共通」に記載しております。
5 社内公募ニーズがある部署を対象に実施する社内公募制度。2024年度より、公募回数を年1回から年2回へ変更しております。
●人と働き方の多様性
多様な人財が能力を十分に発揮できるよう、DE&Iを推進しております。その一環として女性活躍推進に取り組み、ライフイベントと仕事の両立や柔軟な働き方を支援する制度を整備するとともに、研修等によりキャリア形成意識を醸成しております。
加えて、専門性や経験を活かす人事制度や、管理職のマネジメント力強化を通じて、従業員一人ひとりが能力伸長し活躍できる環境づくりを進めております。
指標(範囲(注)1)2023年度2024年度2025年度目標目標年度
女性管理職比率
(TD・TN)(%)(注)2、3
2.873.063.375以上2035
男性育児休業取得率
(TD・TN)(%)(注)4
TD 102
TN 89
TD 104
TN 98
TD 103
TN 97
1002029
男女間賃金差異
(TD・TN)(%)(注)5
TD 65.5
TN 49.2
TD 65.7
TN 52.1
TD 69.4
TN 56.7
--
普通休暇(時間休暇含む)
及び季節休暇平均取得率
(TD・TN)(%)(注)3
--TD 81.4
TN 88.0
8割以上2029
障がい者雇用率
(TD・TN・TFP)(%)(注)3
2.522.542.65法定雇用率の
遵守
毎年

(注)1 TD:東北電力株式会社、TN:東北電力ネットワーク株式会社、TFP:東北電力フレンドリー・パートナーズ株式会社
2 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(平成27年法律第64号)の規定に基づく「課長級」以上に限らず、全ての管理職のうち女性社員が占める割合。
3 マテリアリティの指標・目標
4 前事業年度以前に配偶者が出産した従業員が、当事業年度に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。
5 全労働者を対象としております。
また、多様な人財が活躍できる基盤として、安全で健康に働く環境を整備しております。
当社企業グループは、「東北電力グループ安全・保安方針」のもと、中期的かつ具体的な現場の状況や働く人の気づきを活かした「現場起点」の取組として「安全管理の考え方」を制定しております。これを踏まえ、これまでの安全活動に加え、リスクの想定、危険な作業の取止めや設備面での安全対策をより意識した安全活動を推進しております。
当社及び東北電力ネットワーク株式会社では、疾病の予防及び改善に向けた早期対応の充実を図ることで、「従業員一人ひとりが健康でイキイキと働く元気な会社」を目指し、社長執行役員を責任者とした体制のもと、2023年7月に東北電力グループ「健康経営宣言」を公表し、健康経営を推進しております。「こころ」と「からだ」両面にわたる健康づくりやヘルスリテラシーの向上に取り組んだ結果、当社は2026年3月に東北6県・新潟県に本社を置く企業として初めて、「健康経営銘柄」に選定されました。
指標(範囲(注)1)2023年度2024年度2025年度目標目標年度
死亡災害件数(請負・委託業務等を含む)(G)(注)2、43件2件0件発生件数ゼロ毎年
プレゼンティーイズム
(TD・TN)(%)(注)3、4
17.818.018.015.12026
アブセンティーイズム
(TD・TN)(%)(注)3、4
1.731.731.911.202026

(注)1 TD:東北電力株式会社、TN:東北電力ネットワーク株式会社、G:東北電力株式会社及び連結子会社
2 対象範囲は、東北電力株式会社、連結子会社及び持分法適用会社に、一部の関連会社を含みます。
3 プレゼンティーイズムとは、出勤はしているが、何らかの疾患や症状によって業務遂行能力や労働生産性が低下している状態、アブセンティーイズムとは、心身の不調により連続して休務をしている状態をいいます。それぞれ低値の方がより良い状態です。
4 マテリアリティの指標・目標
●組織文化・組織風土
コンプライアンス遵守のためには、コミュニケーションが重要であることから、心理的安全性の高い職場作りに取り組んでおります。管理職研修等を通じてリーダーシップやマネジメント力を強化するとともに、経営層の事業所訪問やメッセージ発信により、経営理念や電力の安定供給に対する使命感の浸透を図っております。加えて、挑戦や変革を評価する制度や表彰等、従業員のモチベーション向上につながる取組を進めております。
これにより、働きやすさと働きがいを感じられる組織文化を醸成し、従業員のエンゲージメント向上と、組織と個人の持続的な成長を目指しております。
指標(範囲(注)1)2023年度2024年度2025年度目標目標年度
重大なコンプライアンス
違反件数
(G)(注)2、5
0件0件1件
(注)3
コンプライアンスの
徹底
毎年
エンゲージメントスコア
(TD・TN)(注)4、5
3.543.563.643.8以上2030

(注)1 TD:東北電力株式会社、TN:東北電力ネットワーク株式会社、G:東北電力株式会社及び連結子会社
2 対象範囲は、東北電力株式会社、連結子会社、持分法適用会社及び関連会社を含みます。
3 重大なコンプライアンス違反については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 東通原子力発電所の核物質防護設備における性能試験等の未実施及び不適切な試験記録等作成に係る再発防止に向けた取組」で説明しております。
4 エンゲージメントスコアは、「この会社を素晴らしい会社として知人に勧めたいか」の設問で、「勧めたい」を5、「どちらかといえば勧めたい」を4、「どちらかといえば勧めたくない」を2、「勧めたくない」を1とした平均スコア。
5 マテリアリティの指標・目標
⑤上記を踏まえた給与等決定方針
当社従業員の給与等の決定にあたっては、中長期の企業価値向上に資する事業戦略と連動した人財戦略を前提に、能力や職務・役割、個人の成果・業績に応じた処遇を行うことを基本方針としております。
具体的には、職務遂行能力に加え、役割や昇進と連動した賃金体系を構築することで、従業員の働きがいの実感を高めるとともに、自律的な役割発揮を促す賃金制度としております。また、従業員の士気高揚と組織の活性化を促進するために、半期又は年度単位に仕事の成果・業績を評価し、処遇に反映させております。さらに、高度な専門知識・スキル・経験を有する従業員に対しては、職責の重さや能力の発揮度合いを総合的に勘案して加算を行い、能力開発・人財育成施策と一体となった報酬設計を行っております。
賃金の引き上げについては、経営状況や社会情勢、人財確保・定着の観点等を踏まえながら労使での対話を重ね、従業員の努力と成果に報いるよう取り組んでいくこととしております。
これらの取組を通じて、従業員一人ひとりが持てる力を最大限発揮し、働きがいを実感しながら事業戦略の実行に向けて活躍し続けることにより、持続的な企業価値の向上と利益創出を目指しております。
  • 有価証券報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

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