有価証券報告書-第137期(2025/03/01-2026/02/28)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により景気は緩やかに回復しているものの、物価上昇や米国の通商政策動向などの景気の下押しリスク、金融資本市場の変動、中東情勢の影響を注視する必要があるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下にあって当社グループでは、2025年4月に策定した「中期経営計画 2028」で掲げた数値目標の達成に向け、計画に基づく各事業の推進と業績の向上に努めました。当連結会計年度における経営成績は、営業収入は3606億6千3百万円(前年度比15.2%増)、営業利益は678億8千9百万円(同5.0%増)、経常利益は701億4千万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は517億6千8百万円(同19.4%増)となりました。なお、当社の連結子会社であるスバル興業㈱が公正取引委員会による立入検査を受けたことに伴い、「独占禁止法関連損失」を特別損失に計上しております。
報告セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分及び顧客との契約から生じる収益を分解した情報の表示区分を変更しております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)[セグメント情報]」の「1 報告セグメントの概要」及び「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](収益認識関係)の「1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。前連結会計年度の数値については変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
映画事業
映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」のメガヒットや22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を塗り替え興行収入200億円を突破した「国宝」が大きな話題となり、好調に推移いたしました。また、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」が大ヒット、「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』」「8番出口」「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」「ほどなく、お別れです」「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」「ブラック・ショーマン」「秒速5センチメートル」「#真相をお話しします」「ドールハウス」「劇場版『緊急取調室 THE FINAL』」「映画『教場 Requiem』」もヒットいたしました。東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となりました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は64,368百万円(前年度比34.5%増)、営業利益は18,731百万円(同7.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は47,862百万円、営業利益は17,397百万円となっております。営業収入の主な内訳として、映画館への国内配給が55,057百万円(前年度比61.1%増)、映像の利用・許諾が7,788百万円(同36.8%減)となりました。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品が興行を牽引した他、「ズートピア2」「リロ&スティッチ」「マインクラフト/ザ・ムービー」等の幅広いジャンルの話題作を上映し、大変好調に推移いたしました。また、飲食売店において積極的な営業施策を展開いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は49,002千人と前年度比27.6%の増加となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は97,585百万円(前年度比29.0%増)、営業利益は16,579百万円(同69.7%増)となりました。なお、当連結会計年度中の劇場の異動はありません。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で717スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像関連事業では、TOHOスタジオ㈱において、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、原価管理に努めながら、映画やTV・ライブイベント等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務、大規模改修工事等を受注いたしました。これらの結果、映像関連事業の営業収入は20,663百万円(前年度比26.3%増)、営業利益は1,991百万円(同36.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は16,366百万円、営業利益は1,456百万円となっております。営業収入の主な内訳は、映像作品等に係る美術製作が10,617百万円(前年度比8.5%増)であります。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は182,617百万円(前年度比30.6%増)、営業利益は37,302百万円(同30.3%増)となりました。
IP・アニメ事業
IP・アニメ事業では、東宝㈱において、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「薬屋のひとりごと」「ハイキュー!!」「Dr.STONE」「葬送のフリーレン」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信利用、各種配分金収入が大きく貢献いたしました。また、「呪術廻戦」「ハイキュー!!」に加え、「ゴジラ」等の国内外における商品化権収入が伸長いたしました。劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいては「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」「名探偵コナン 隻眼の残像」「国宝」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」をはじめとする当社配給作品の販売が好調に推移いたしました。「ゴジラ カードゲーム」等の「ゴジラ」商品の販売も伸長した他、「ゴジラ・ストア」の新規出店がありました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社では、当社グループの扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組んでおります。
以上の結果、IP・アニメ事業の営業収入は75,265百万円(前年度比8.5%増)、営業利益は17,296百万円(同22.2%減)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映像の利用・許諾が34,112百万円(前年度比24.9%増)、商品化権等の利用・許諾が15,905百万円(同9.0%増)、商品の販売が18,054百万円(同18.2%減)となりました。
演劇事業
演劇事業では、2025年2月28日をもって東宝㈱の帝国劇場が休館となっております。シアタークリエにおいて「ボニー&クライド」「陽気な幽霊」「Nostalgic Cabaret」「Only 1, NOT No.1」「ジャージー・ボーイズ」「エノケン」「バグダッド・カフェ」「Yuichiro & Friends 2」「ダディ・ロング・レッグズ」「ピアフ」「2時22分 ゴーストストーリー」等を上演いたしました。また、「二都物語(明治座)」「ダンス オブ ヴァンパイア(東京建物 Brillia HALL)」「梨泰院クラス(東京建物 Brillia HALL)」「『レ・ミゼラブル』ワールドツアースペクタキュラー(東急シアターオーブ、フェスティバルホール、他)」「Once(日生劇場)」「SPY×FAMILY(ウェスタ川越、日生劇場)」「キャッシュ・オン・デリバリー(THEATER MILANO-Za)」「十二国記 -月の影 影の海-(日生劇場)」等を外部の劇場にて上演して公演数の確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。その他、「レ・ミゼラブル」「エリザベート」の社外公演や「舞台『千と千尋の神隠し』」海外公演等を展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に稼働いたしました。
以上の結果、演劇事業の営業収入は22,310百万円(前年度比2.5%減)、営業利益は3,463百万円(同16.1%減)となりました。
不動産事業
不動産賃貸事業では、全国に所有する不動産が堅調に稼働いたしました。保有物件の有効活用に努めつつ、テナントに対するきめ細やかな対応により、賃貸用不動産の空室率は、当連結会計年度末において0.4%となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は37,779百万円(前年度比0.4%減)、営業利益は12,881百万円(同19.9%増)となりました。
道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、慢性的な建設技能者不足や労務費・資機材価格の上昇等により、引き続き厳しい事業環境となりました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、各種工事の受注に努めましたが、大型工事案件の減少や一部作業の発注抑制等もあり、道路事業の営業収入は29,611百万円(前年度比2.2%減)、営業利益は4,863百万円(同1.2%増)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等27,242百万円(前年度比2.9%減)であり、またその他の収益1,001百万円(同2.2%増)が含まれております。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、資材価格や労務費が上昇する中、新規受注や既存取引先との請負金額の改定等に努めた他、大型案件の受注もありました。その結果、営業収入は11,788百万円(前年度比3.1%増)、営業利益は1,284百万円(同0.3%増)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は79,179百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は19,030百万円(同13.1%増)となりました。
(財政状態の概況)
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は49,865百万円増加し、702,934百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)で4,672百万円の減少がありましたが、現金及び預金で8,065百万円、受取手形、売掛金及び契約資産で3,168百万円、有価証券で22,402百万円、建設仮勘定で5,185百万円、投資有価証券で10,439百万円の増加があったこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から11,690百万円増加し、169,943百万円となりました。これは主に、買掛金で2,804百万円の減少がありましたが、未払金で2,941百万円、未払費用で2,005百万円、未払法人税等で1,868百万円、繰延税金負債で4,962百万円の増加があったこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により利益剰余金が843百万円減少しましたが、自己株式が25,401百万円の減少、その他有価証券評価差額金で14,526百万円の増加があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,074百万円増加し、86,683百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が75,903百万円、減価償却費が13,872百万円ありましたが、法人税等の支払額が24,518百万円あったこと等により、65,334百万円の資金の増加(前年度比13,717百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が59,110百万円、投資有価証券の売却による収入が10,555百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が72,828百万円、有形固定資産の取得による支出が15,438百万円あったこと等により、24,904百万円の資金の減少(前年度比6,438百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が14,969百万円、配当金の支払額が15,663百万円あったこと等により、31,326百万円の資金の減少(前年度比7,971百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。
a. 受注実績
(注)1 映画事業に含まれる映像関連事業のうちテーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業におけ
る受注実績を記載しております。
2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ
グメントの区分に基づき作成しております。
b. 販売実績
(注)1 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性の
ある相手先がないため記載を省略しております。
映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、IP・アニメ事業及び不動
産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ
グメントの区分に基づき作成しております。
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度は、2025年4月に公表した「中期経営計画 2028」の初年度にあたり、重点領域として掲げた「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」を軸に各事業を推進してまいりました。主力の映画事業においては、メガヒットとなった「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を更新し大きな話題となった「国宝」のほか、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」等も大ヒットいたしました。加えて、東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となり、当社グループ配給作品が業績に大きく寄与いたしました。TOHOシネマズ㈱では、上記配給作品や「ズートピア2」等の豊富な話題作が興行を牽引し、映画事業の業績に大きく貢献いたしました。IP・アニメ事業では、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「ハイキュー!!」等のTOHO animation作品の配信・商品化権収入が国内外で大きく貢献したほか、「ゴジラ」の商品化権収入及び商品販売も伸長いたしました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社は、当社グループが扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組みました。演劇事業では、帝国劇場が休館となる中、シアタークリエや外部劇場を積極的に活用して主催公演の回数確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。不動産事業では、労務費等のコスト上昇による影響はあったものの、テナントに対するきめ細やかな対応により、全国に保有する物件は低い空室率を維持し、堅調に稼働いたしました。
この結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増益の67,889百万円となり、いずれも過去最高値を更新する事ができました。
(a) 営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円となりました。
(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ32,458百万円増加の201,069百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ11,829百万円増加の91,704百万円となりました。これは人件費が2,894百万円、借地借家料が1,695百万円、賞与引当金繰入額が1,075百万円、広告宣伝費が583百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増加の67,889百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ8,676百万円増益の37,302百万円、「IP・アニメ事業」で前連結会計年度と比べ4,942百万円減益の17,296百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ666百万円減益の3,463百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ2,203百万円増益の19,030百万円でした。
なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ440百万円増加の4,528百万円となりました。これは主として、補助金収入が前連結会計年度に比べ653百万円増加したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ2,040百万円減少の2,276百万円となりました。これは主として、持分法による投資損失が前連結会計年度に比べ2,097百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ5,685百万円増加の70,140百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて5,637百万円増加の9,113百万円となりました。これは主として、投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ6,054百万円増加したこと等によるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ1,485百万円増加の3,350百万円となりました。これは主として、減損損失が前連結会計年度と比べ1,108百万円減少しましたが、当連結会計年度に固定資産解体費用を1,449百万円、独占禁止法関連損失を1,317百万円計上したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税26,315百万円、法人税等調整額△3,491百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,310百万円を計上し、前連結会計年度と比べ8,411百万円増加の51,768百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の50.95円から61.20円に増加しました。
なお、当社は、2026年3月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
2) 財政状態の分析
(a) 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ49,865百万円増加して702,934百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ31,985百万円増加して234,036百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ有価証券は22,402百万円増加し61,439百万円、現金及び預金は8,065百万円増加し50,970百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ4,425百万円増加の247,927百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建設仮勘定は5,185百万円増加し8,880百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ11百万円減少の30,739百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ13,466百万円増加し190,230百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ10,439百万円増加し164,204百万円となったこと等によるものであります。
(b) 負債
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ11,690百万円増加の169,943百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,310百万円増加の95,252百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払金は2,941百万円増加して18,716百万円、買掛金は2,804百万円減少して32,651百万円、未払費用は2,005百万円増加して7,570百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて7,379百万円増加して74,691百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が4,962百万円増加して32,849百万円となったこと等によるものであります。
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が843百万円減少、自己株式が25,401百万円減少、その他有価証券評価差額金が14,526百万円増加したこと等によるものです。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.0ポイント増加し、73.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としておりましたが、今後、コンテンツ・IP関連の成長投資及び不動産事業の再開発等は必要に応じて機動的に金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達を行ってまいります。また、グループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。
(資金需要の内容及び経営資源の配分)
当社グループは、2025年に策定した「中期経営計画 2028」において成長投資を掲げており、2028年までの3年間の資金需要の主な内容は、成長投資1,200億円程度(コンテンツ・IP領域のM&Aや戦略出資等1,000億円、新規シネコン出店・既存館への設備投資/デジタル関連投資等200億円)、不動産関連投資として400億円程度の計1,600億円程度を見込んでおります。また、年間85円(2026年3月より株式分割の実施により17円)の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得の実施により株主還元の充実に努めることとしております。
(資金調達)
当社グループでは、短期及び中期の投資資金としては自己資金を充てることを前提としつつ、必要に応じて銀行借入等金融機関からの調達を行います。また、政策保有株式や保有不動産の売却も検討、実施してまいります。一方、投資回収が長期にわたる大型M&Aに要する資金や大規模な設備投資資金については、案件の特性に応じて社債等の最適な手法により資金調達を行います。そのため、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。なお、当社グループは当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高86,683百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,273百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しておりますが、今後のさらなる成長投資に向け有利子負債の活用も行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により景気は緩やかに回復しているものの、物価上昇や米国の通商政策動向などの景気の下押しリスク、金融資本市場の変動、中東情勢の影響を注視する必要があるなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような情勢下にあって当社グループでは、2025年4月に策定した「中期経営計画 2028」で掲げた数値目標の達成に向け、計画に基づく各事業の推進と業績の向上に努めました。当連結会計年度における経営成績は、営業収入は3606億6千3百万円(前年度比15.2%増)、営業利益は678億8千9百万円(同5.0%増)、経常利益は701億4千万円(同8.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は517億6千8百万円(同19.4%増)となりました。なお、当社の連結子会社であるスバル興業㈱が公正取引委員会による立入検査を受けたことに伴い、「独占禁止法関連損失」を特別損失に計上しております。
報告セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分及び顧客との契約から生じる収益を分解した情報の表示区分を変更しております。詳細は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](セグメント情報等)[セグメント情報]」の「1 報告セグメントの概要」及び「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](収益認識関係)の「1 顧客との契約から生じる収益を分解した情報」をご参照ください。前連結会計年度の数値については変更後の区分に組み替えた数値で比較しております。
映画事業
映画営業事業では、東宝㈱において、共同製作や配給した作品のうち、「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」のメガヒットや22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を塗り替え興行収入200億円を突破した「国宝」が大きな話題となり、好調に推移いたしました。また、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」が大ヒット、「劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~南海ミッション』」「8番出口」「映画ドラえもん のび太の絵世界物語」「ほどなく、お別れです」「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」「ブラック・ショーマン」「秒速5センチメートル」「#真相をお話しします」「ドールハウス」「劇場版『緊急取調室 THE FINAL』」「映画『教場 Requiem』」もヒットいたしました。東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となりました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は64,368百万円(前年度比34.5%増)、営業利益は18,731百万円(同7.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は47,862百万円、営業利益は17,397百万円となっております。営業収入の主な内訳として、映画館への国内配給が55,057百万円(前年度比61.1%増)、映像の利用・許諾が7,788百万円(同36.8%減)となりました。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、上記配給作品が興行を牽引した他、「ズートピア2」「リロ&スティッチ」「マインクラフト/ザ・ムービー」等の幅広いジャンルの話題作を上映し、大変好調に推移いたしました。また、飲食売店において積極的な営業施策を展開いたしました。当連結会計年度における映画館入場者数は49,002千人と前年度比27.6%の増加となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は97,585百万円(前年度比29.0%増)、営業利益は16,579百万円(同69.7%増)となりました。なお、当連結会計年度中の劇場の異動はありません。当企業集団の経営するスクリーン数は全国で717スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像関連事業では、TOHOスタジオ㈱において、制作及びスタジオ事業の一体運営を図り、堅調に稼働いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、原価管理に努めながら、映画やTV・ライブイベント等での舞台製作・美術製作やテーマパークにおける展示物の製作業務、大規模改修工事等を受注いたしました。これらの結果、映像関連事業の営業収入は20,663百万円(前年度比26.3%増)、営業利益は1,991百万円(同36.7%増)となりました。なお、変更後の区分に組み替えた前連結会計年度の営業収入は16,366百万円、営業利益は1,456百万円となっております。営業収入の主な内訳は、映像作品等に係る美術製作が10,617百万円(前年度比8.5%増)であります。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は182,617百万円(前年度比30.6%増)、営業利益は37,302百万円(同30.3%増)となりました。
IP・アニメ事業
IP・アニメ事業では、東宝㈱において、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「SPY×FAMILY」「薬屋のひとりごと」「ハイキュー!!」「Dr.STONE」「葬送のフリーレン」等、製作出資いたしましたTOHO animation作品の国内外の配信利用、各種配分金収入が大きく貢献いたしました。また、「呪術廻戦」「ハイキュー!!」に加え、「ゴジラ」等の国内外における商品化権収入が伸長いたしました。劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいては「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」「名探偵コナン 隻眼の残像」「国宝」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」をはじめとする当社配給作品の販売が好調に推移いたしました。「ゴジラ カードゲーム」等の「ゴジラ」商品の販売も伸長した他、「ゴジラ・ストア」の新規出店がありました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社では、当社グループの扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組んでおります。
以上の結果、IP・アニメ事業の営業収入は75,265百万円(前年度比8.5%増)、営業利益は17,296百万円(同22.2%減)となりました。なお、上記営業収入の主な内訳として、映像の利用・許諾が34,112百万円(前年度比24.9%増)、商品化権等の利用・許諾が15,905百万円(同9.0%増)、商品の販売が18,054百万円(同18.2%減)となりました。
演劇事業
演劇事業では、2025年2月28日をもって東宝㈱の帝国劇場が休館となっております。シアタークリエにおいて「ボニー&クライド」「陽気な幽霊」「Nostalgic Cabaret」「Only 1, NOT No.1」「ジャージー・ボーイズ」「エノケン」「バグダッド・カフェ」「Yuichiro & Friends 2」「ダディ・ロング・レッグズ」「ピアフ」「2時22分 ゴーストストーリー」等を上演いたしました。また、「二都物語(明治座)」「ダンス オブ ヴァンパイア(東京建物 Brillia HALL)」「梨泰院クラス(東京建物 Brillia HALL)」「『レ・ミゼラブル』ワールドツアースペクタキュラー(東急シアターオーブ、フェスティバルホール、他)」「Once(日生劇場)」「SPY×FAMILY(ウェスタ川越、日生劇場)」「キャッシュ・オン・デリバリー(THEATER MILANO-Za)」「十二国記 -月の影 影の海-(日生劇場)」等を外部の劇場にて上演して公演数の確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。その他、「レ・ミゼラブル」「エリザベート」の社外公演や「舞台『千と千尋の神隠し』」海外公演等を展開いたしました。東宝芸能㈱では、所属俳優がCM出演等で好調に稼働いたしました。
以上の結果、演劇事業の営業収入は22,310百万円(前年度比2.5%減)、営業利益は3,463百万円(同16.1%減)となりました。
不動産事業
不動産賃貸事業では、全国に所有する不動産が堅調に稼働いたしました。保有物件の有効活用に努めつつ、テナントに対するきめ細やかな対応により、賃貸用不動産の空室率は、当連結会計年度末において0.4%となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は37,779百万円(前年度比0.4%減)、営業利益は12,881百万円(同19.9%増)となりました。
道路事業では、公共投資が底堅く推移しましたが、慢性的な建設技能者不足や労務費・資機材価格の上昇等により、引き続き厳しい事業環境となりました。このような状況の中、スバル興業㈱と同社の連結子会社は、各種工事の受注に努めましたが、大型工事案件の減少や一部作業の発注抑制等もあり、道路事業の営業収入は29,611百万円(前年度比2.2%減)、営業利益は4,863百万円(同1.2%増)となりました。なお、営業収入の主な内訳は、道路の維持管理・清掃等27,242百万円(前年度比2.9%減)であり、またその他の収益1,001百万円(同2.2%増)が含まれております。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、資材価格や労務費が上昇する中、新規受注や既存取引先との請負金額の改定等に努めた他、大型案件の受注もありました。その結果、営業収入は11,788百万円(前年度比3.1%増)、営業利益は1,284百万円(同0.3%増)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は79,179百万円(前年度比0.6%減)、営業利益は19,030百万円(同13.1%増)となりました。
(財政状態の概況)
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は49,865百万円増加し、702,934百万円となりました。これは主に、建物及び構築物(純額)で4,672百万円の減少がありましたが、現金及び預金で8,065百万円、受取手形、売掛金及び契約資産で3,168百万円、有価証券で22,402百万円、建設仮勘定で5,185百万円、投資有価証券で10,439百万円の増加があったこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から11,690百万円増加し、169,943百万円となりました。これは主に、買掛金で2,804百万円の減少がありましたが、未払金で2,941百万円、未払費用で2,005百万円、未払法人税等で1,868百万円、繰延税金負債で4,962百万円の増加があったこと等によるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により利益剰余金が843百万円減少しましたが、自己株式が25,401百万円の減少、その他有価証券評価差額金で14,526百万円の増加があったこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,074百万円増加し、86,683百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が75,903百万円、減価償却費が13,872百万円ありましたが、法人税等の支払額が24,518百万円あったこと等により、65,334百万円の資金の増加(前年度比13,717百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が59,110百万円、投資有価証券の売却による収入が10,555百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が72,828百万円、有形固定資産の取得による支出が15,438百万円あったこと等により、24,904百万円の資金の減少(前年度比6,438百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が14,969百万円、配当金の支払額が15,663百万円あったこと等により、31,326百万円の資金の減少(前年度比7,971百万円の増加)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。
a. 受注実績
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) |
| 映画事業 | 4,892 | 23.7 | 339 | △19.1 |
| IP・アニメ事業 | - | - | - | - |
| 演劇事業 | - | - | - | - |
| 不動産事業 | 30,518 | 9.2 | 10,668 | 44.3 |
| その他事業 | - | - | - | - |
| 合計 | 35,410 | 11.0 | 11,008 | 40.9 |
(注)1 映画事業に含まれる映像関連事業のうちテーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業におけ
る受注実績を記載しております。
2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ
グメントの区分に基づき作成しております。
b. 販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年3月1日 至 2026年2月28日) (百万円) | 前年同期比(%) |
| 映画事業 | 182,617 | 30.6 |
| IP・アニメ事業 | 75,265 | 8.5 |
| 演劇事業 | 22,310 | △2.5 |
| 不動産事業 | 79,179 | △0.6 |
| その他事業 | 1,291 | △5.9 |
| 合計 | 360,663 | 15.2 |
(注)1 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性の
ある相手先がないため記載を省略しております。
映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、IP・アニメ事業及び不動
産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
2 当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セ
グメントの区分に基づき作成しております。
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度は、2025年4月に公表した「中期経営計画 2028」の初年度にあたり、重点領域として掲げた「人材」「コンテンツ・IP」「デジタル」「海外」を軸に各事業を推進してまいりました。主力の映画事業においては、メガヒットとなった「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」や22年ぶりに邦画実写の興行収入記録を更新し大きな話題となった「国宝」のほか、「名探偵コナン 隻眼の残像」「劇場版『チェンソーマン レゼ篇』」等も大ヒットいたしました。加えて、東宝東和㈱等が配給した「ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング」「ジュラシック・ワールド/復活の大地」「ウィキッド ふたりの魔女」も高稼働となり、当社グループ配給作品が業績に大きく寄与いたしました。TOHOシネマズ㈱では、上記配給作品や「ズートピア2」等の豊富な話題作が興行を牽引し、映画事業の業績に大きく貢献いたしました。IP・アニメ事業では、「僕のヒーローアカデミア」「呪術廻戦」「ハイキュー!!」等のTOHO animation作品の配信・商品化権収入が国内外で大きく貢献したほか、「ゴジラ」の商品化権収入及び商品販売も伸長いたしました。また、海外事業の統括会社であるTOHO Global㈱と同社の連結子会社は、当社グループが扱うIP及び映像作品の積極的な海外展開に取り組みました。演劇事業では、帝国劇場が休館となる中、シアタークリエや外部劇場を積極的に活用して主催公演の回数確保に努め、「『ナイツ・テイル-騎士物語-』ARENA LIVE(東京ガーデンシアター)」「エリザベート(東急シアターオーブ)」は大入りとなりました。不動産事業では、労務費等のコスト上昇による影響はあったものの、テナントに対するきめ細やかな対応により、全国に保有する物件は低い空室率を維持し、堅調に稼働いたしました。
この結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増益の67,889百万円となり、いずれも過去最高値を更新する事ができました。
(a) 営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ47,491百万円増収の360,663百万円となりました。
(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ32,458百万円増加の201,069百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ11,829百万円増加の91,704百万円となりました。これは人件費が2,894百万円、借地借家料が1,695百万円、賞与引当金繰入額が1,075百万円、広告宣伝費が583百万円、それぞれ増加したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ3,204百万円増加の67,889百万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ8,676百万円増益の37,302百万円、「IP・アニメ事業」で前連結会計年度と比べ4,942百万円減益の17,296百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ666百万円減益の3,463百万円、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ2,203百万円増益の19,030百万円でした。
なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ440百万円増加の4,528百万円となりました。これは主として、補助金収入が前連結会計年度に比べ653百万円増加したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ2,040百万円減少の2,276百万円となりました。これは主として、持分法による投資損失が前連結会計年度に比べ2,097百万円減少したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ5,685百万円増加の70,140百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて5,637百万円増加の9,113百万円となりました。これは主として、投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ6,054百万円増加したこと等によるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ1,485百万円増加の3,350百万円となりました。これは主として、減損損失が前連結会計年度と比べ1,108百万円減少しましたが、当連結会計年度に固定資産解体費用を1,449百万円、独占禁止法関連損失を1,317百万円計上したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税26,315百万円、法人税等調整額△3,491百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,310百万円を計上し、前連結会計年度と比べ8,411百万円増加の51,768百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の50.95円から61.20円に増加しました。
なお、当社は、2026年3月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。
2) 財政状態の分析
(a) 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ49,865百万円増加して702,934百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ31,985百万円増加して234,036百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ有価証券は22,402百万円増加し61,439百万円、現金及び預金は8,065百万円増加し50,970百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ4,425百万円増加の247,927百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建設仮勘定は5,185百万円増加し8,880百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ11百万円減少の30,739百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ13,466百万円増加し190,230百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ10,439百万円増加し164,204百万円となったこと等によるものであります。
(b) 負債
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ11,690百万円増加の169,943百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ4,310百万円増加の95,252百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、未払金は2,941百万円増加して18,716百万円、買掛金は2,804百万円減少して32,651百万円、未払費用は2,005百万円増加して7,570百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて7,379百万円増加して74,691百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が4,962百万円増加して32,849百万円となったこと等によるものであります。
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて38,175百万円増加し、532,990百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益51,768百万円の計上、剰余金の配当15,684百万円及び自己株式の消却等に伴う資本剰余金への振替37,046百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が843百万円減少、自己株式が25,401百万円減少、その他有価証券評価差額金が14,526百万円増加したこと等によるものです。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.0ポイント増加し、73.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としておりましたが、今後、コンテンツ・IP関連の成長投資及び不動産事業の再開発等は必要に応じて機動的に金融機関からの借入及び社債発行等による資金調達を行ってまいります。また、グループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。
(資金需要の内容及び経営資源の配分)
当社グループは、2025年に策定した「中期経営計画 2028」において成長投資を掲げており、2028年までの3年間の資金需要の主な内容は、成長投資1,200億円程度(コンテンツ・IP領域のM&Aや戦略出資等1,000億円、新規シネコン出店・既存館への設備投資/デジタル関連投資等200億円)、不動産関連投資として400億円程度の計1,600億円程度を見込んでおります。また、年間85円(2026年3月より株式分割の実施により17円)の配当を下限に配当性向35%以上かつ機動的な自己株式取得の実施により株主還元の充実に努めることとしております。
(資金調達)
当社グループでは、短期及び中期の投資資金としては自己資金を充てることを前提としつつ、必要に応じて銀行借入等金融機関からの調達を行います。また、政策保有株式や保有不動産の売却も検討、実施してまいります。一方、投資回収が長期にわたる大型M&Aに要する資金や大規模な設備投資資金については、案件の特性に応じて社債等の最適な手法により資金調達を行います。そのため、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。なお、当社グループは当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高86,683百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,273百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しておりますが、今後のさらなる成長投資に向け有利子負債の活用も行ってまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。