有価証券報告書-第132期(令和2年3月1日-令和3年2月28日)

【提出】
2021/05/27 16:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
164項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の概況)
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により個人消費や企業活動が著しく制限され、景気は急速に悪化しました。昨年春の緊急事態宣言解除後は、経済活動の再開に伴い持ち直しの動きが続いているものの、一部に弱さがみられ依然として先行き不透明な状況が続いております。
映画業界におきましても、2020年の興行収入は1432億8千5百万円と前年から45.1%減となり、前年の歴代最高記録から一転し大幅な減少となりました。
このような情勢下にあって当社グループでは、映画の配給作品の公開延期や演劇公演の中止を余儀なくされたほか、昨年春の緊急事態宣言を受けて全国の劇場が一斉休業に追い込まれる等、かつてない事態に陥り、緊急事態宣言解除後は、政府、自治体及び関係団体からのガイドラインに基づき、適切な感染予防の取り組みを講じたうえで環境変化に対応し、順次営業を開始いたしましたが、座席販売の制限や邦洋画の公開延期等の影響が依然として残り、また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部の演劇公演が中止となる等、厳しい経営環境が続いております。そのような状況下で、10月公開の「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が、社会現象を巻き起こし、歴史的な大ヒットとなり、業績に寄与いたしました。これらの結果、営業収入は1919億4千8百万円(前年度比27.0%減)、営業利益は224億4千7百万円(同57.5%減)、経常利益は241億9千5百万円(同56.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は146億8千8百万円(同59.9%減)となりました。なお、劇場や商業施設等の臨時休業期間中の人件費・借家料・減価償却費等、ならびに昨年春の緊急事態宣言発出以後、解除されるまでの期間に中止を決定した、演劇公演に係る製作費用等を臨時休業による損失として特別損失に、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例措置の適用を受けた雇用調整助成金等を助成金収入として特別利益に計上しております。
セグメントごとの経営成績は以下のとおりです。
映画事業
映画営業事業では、予定していた配給作品が相次いで公開延期となりましたが、東宝㈱において、昨年春の緊急事態宣言解除後に座席制限の中で公開となりましたスタジオジブリの長編アニメーション4作品のリバイバル上映が映画館に活気を取り戻し、新作映画「今日から俺は!!劇場版」の大ヒットに繋げました。続く「コンフィデンスマンJP プリンセス編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」「糸」も好調で、座席制限解除後の10月には、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が記録的な大ヒットスタートとなりました。その後も「STAND BY ME ドラえもん2」「新解釈・三國志」「映画 えんとつ町のプペル」とヒット作が続きました。また、東宝㈱において劇場用映画「ブレイブ -群青戦記-」等を制作いたしました。東宝東和㈱等においては、「ドクター・ドリトル」等を配給いたしましたが、洋画話題作品が軒並み次期以降に公開延期となった影響により減収となりました。これらの結果、映画営業事業の営業収入は39,840百万円(前年度比18.4%減)、営業利益は6,478百万円(同47.8%減)となりました。
なお、東宝㈱における映画営業部門・国際部門を合わせた収入は、内部振替額(3,024百万円、前年度比28.8%減)控除前で49,426百万円(同8.9%減)であり、その内訳は、国内配給収入が39,841百万円(同3.0%減)、製作出資に対する受取配分金収入が626百万円(同78.8%減)、輸出収入が2,012百万円(同51.3%減)、テレビ放映収入が1,364百万円(同7.7%減)、ビデオ収入が1,141百万円(同15.1%増)、その他の収入が4,439百万円(同22.5%増)でした。また、映画企画部門の収入は、内部振替額(527百万円、前年度比67.2%減)控除前で950百万円(同75.2%減)でした。
映画興行事業では、TOHOシネマズ㈱等において、「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」の大ヒットがあり回復基調ではありますが、4月中旬から5月中旬にかけて全劇場で休館したことや、劇場再開にあたっては感染予防措置として間隔を確保した座席販売の措置を施していたこと、また、洋画の期待作が公開延期や配信限定へ転換したこと等もあり、当連結会計年度における映画館入場者数は、25,325千人と前年度比49.3%の大幅減となりました。これらの結果、映画興行事業の営業収入は46,242百万円(前年度比49.3%減)、営業損益は1,100百万円の損失(前年度は14,948百万円の営業利益)となりました。
なお、当連結会計年度中の劇場の異動ですが、TOHOシネマズ㈱が、7月3日に東京都豊島区に「TOHOシネマズ 池袋」(10スクリーン)、9月10日に東京都立川市に「TOHOシネマズ 立川立飛」(9スクリーン)をそれぞれオープンし、11月30日に愛知県名古屋市港区の「TOHOシネマズ 名古屋ベイシティ」(12スクリーン)を閉館しました。これにより、当企業集団の経営するスクリーン数は全国で7スクリーン増の702スクリーン(共同経営56スクリーンを含む)となっております。
映像事業では、東宝㈱のパッケージ事業において、DVD、Blu-rayにて「天気の子」「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」等を提供いたしました。出版・商品事業は劇場用パンフレット、キャラクターグッズにおいて「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」「映画ドラえもん のび太の新恐竜」をはじめとする当社配給作品の販売が伸長しましたが、邦洋画の話題作が公開延期となったことが引き続き影響し、前年度比では減収となりました。アニメ製作事業では、TVアニメ「呪術廻戦」等に製作出資いたしました。アニメ製作事業・実写製作事業におきましては、「僕のヒーローアカデミア」や「東宝怪獣キャラクター」等の商品化権収入に加え、製作出資いたしました作品の各種配分金収入がありました。ODS事業では、「Endless SHOCK」「僕たちの嘘と真実 Documentary of 欅坂46」「映画『映像研には手を出すな!』」等を提供いたしました。㈱東宝映像美術及び東宝舞台㈱では、映画やTV・CM等での舞台製作・美術製作で稼働を再開したものの、ライブイベントやテーマパークにおける展示物の製作業務や大規模改修工事等に関して、開催の中止や延期、見直しが相次いだため、減収となりました。これらの結果、映像事業の営業収入は30,114百万円(前年度比8.5%減)、営業利益は4,973百万円(同25.1%減)となりました。
なお、東宝㈱における映像事業部門の収入は、内部振替額(4,554百万円、前年度比0.5%増)控除前で27,589百万円(同0.1%増)であり、その内訳は、パッケージ事業収入が8,236百万円(同14.7%増)、出版・商品事業収入が4,402百万円(同17.6%減)、アニメ製作事業収入が12,870百万円(同26.5%増)、実写製作事業収入が1,441百万円(同25.2%減)、ODS事業収入が637百万円(同78.2%減)等でした。
以上の結果、映画事業全体では、営業収入は116,197百万円(前年度比32.8%減)、営業利益は10,351百万円(同69.5%減)となりました。(㈱東宝映画は12月1日を効力発生日として、非連結子会社の㈱東宝スタジオサービスを吸収合併し「TOHOスタジオ㈱」に商号変更しております。)
演劇事業
演劇事業では、東宝㈱におきまして、緊急事態宣言が発出された4月以降、東京公演及びそれらの全国ツアー公演をすべて中止しておりましたが、7月より順次公演を再開いたしました。再開にあたっては、劇場の消毒や換気の強化等の感染予防の取り組みを実施しております。公演再開後、帝国劇場においては「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」「THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE」「ローマの休日」「ビューティフル」「DREAM BOYS」「Endless SHOCK -Eternal-」等を上演、シアタークリエにおきましては「メイビー、ハッピーエンディング」「Gang Showman」「おかしな二人」「オトコ・フタリ」等を上演いたしましたが、間隔を確保した座席販売や公演関係者の新型コロナウイルス感染による一部公演中止等もあり、減収となりました。また、有料のライブ映像配信やアーカイブ配信を実施し、新たな収益源の確保に努めました。東急シアターオーブでは新作ミュージカル「プロデューサーズ」や「マリー・アントワネット」を上演し好評を博しました。東宝芸能㈱では、映像作品の撮影中止や延期、舞台やコンサートの公演中止等の影響を受け減収となりました。以上の結果、演劇事業の営業収入は7,948百万円(前年度比54.7%減)、営業損益は1,066百万円の損失(前年度は4,082百万円の営業利益)となりました。
なお、東宝㈱における演劇事業部門の収入は、内部振替額(179百万円、前年度比8.1%増)控除前で6,226百万円(同60.0%減)であり、その内訳は、興行収入が5,283百万円(同58.2%減)、外部公演収入が772百万円(同71.9%減)、その他の収入が171百万円(同17.5%減)でした。
不動産事業
不動産賃貸事業では、昨年春の緊急事態宣言を受けて商業施設の臨時休館を実施したことに伴う賃料の免除や歩合家賃の減少、保有する物件の入居テナントに対しても賃料減額の措置を講じたこと等もあり、前年度比で減収となりました。これらの結果、不動産賃貸事業の営業収入は27,913百万円(前年度比5.9%減)、営業利益は12,329百万円(同9.4%減)となりました。
企業集団の保有する賃貸用不動産の空室率につきましては、一時的なテナントの入れ替えにより、1.0%台で推移しております。企業集団の固定資産の含み益については、2020年1月1日の固定資産課税台帳の固定資産税評価額を市場価額として、税効果を考慮した後の評価差額のうちの東宝の持分は約2862億円となっております。(当該含み益の開示は、「賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準」に基づくものではなく、当会計基準とは別に、開示情報の充実性の観点から従来より引き続き自主的に行うものです。)
なお、東宝㈱における土地建物賃貸部門の収入は、内部振替額(813百万円、前年度比6.0%減)控除前で29,594百万円(同8.1%減)でした。
道路事業では、公共投資が堅調に推移しましたが、建設技能者の不足による労務費の上昇や資機材価格の高騰もあり、依然として予断を許さない状況が継続したなか、スバル興業㈱と同社の連結子会社が、新型コロナウイルス感染防止策を講じながら安全管理の徹底を図り、技術提案等を通じた積極的な営業活動により新規受注や既存工事の追加受注に努めました。その結果、道路事業の営業収入は27,460百万円(前年度比0.9%増)、営業利益は4,048百万円(同1.0%減)となりました。
不動産保守・管理事業では、東宝ビル管理㈱及び東宝ファシリティーズ㈱において、ホテルや劇場等、商業施設の経済活動が再開し、受注回復の動きがみられますが、昨年春の緊急事態宣言時の臨時休業による休業手当等の負担が営業利益を圧迫したことなどから減益となりました。その結果、営業収入は9,750百万円(前年度比10.0%減)、営業利益は684百万円(同29.4%減)となりました。
以上の結果、不動産事業全体では、営業収入は65,124百万円(前年度比3.8%減)、営業利益は17,062百万円(同8.6%減)となっております。
その他事業
娯楽事業及び物販・飲食事業は、昨年春の緊急事態宣言等を踏まえた臨時休業後、東宝共榮企業㈱の「東宝調布スポーツパーク」において利用者数が回復しておりますが、TOHOリテール㈱の飲食店舗・劇場売店等においては、営業時間の短縮等や外食需要の厳しい状況が続き、減収となりました。その結果、その他事業の営業収入は2,678百万円(前年度比41.1%減)、営業損益は320百万円の損失(前年度は78百万円の営業利益)となりました。
(財政状態の概況)
当連結会計年度末における財政状態は、前連結会計年度末と比較して、総資産は16,478百万円減少し、473,804百万円となりました。これは現金及び預金で8,165百万円、投資有価証券で19,908百万円増加がありましたが、受取手形及び売掛金で4,797百万円、現先短期貸付金で39,499百万円の減少したこと等によるものです。
負債では前連結会計年度末から17,277百万円減少し、84,792百万円となりました。これは主に、未払法人税等で9,005百万円、未払費用で3,656百万円、買掛金で2,679百万円減少したことによるものです。
純資産は前連結会計年度末と比較して799百万円増加し、389,011百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益14,688百万円の計上及び剰余金の配当9,863百万円等による利益剰余金4,896百万円の増加の他に、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が6,868百万円増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が2,453百万円増加したこと等によるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ32,617百万円減少し、85,827百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益が23,738百万円、減価償却費が8,797百万円、売上債権の減少が4,771百万円ありましたが、仕入債務の減少が2,679百万円、未払消費税等の減少が3,181百万円、法人税等の支払額が18,877百万円あったこと等により、12,512百万円の資金の増加(前年度比43,380百万円の減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、有価証券の売却による収入が52,100百万円ありましたが、有価証券の取得による支出が41,395百万円、有形固定資産の取得による支出が9,517百万円、投資有価証券の取得による支出が26,993百万円あったこと等により、27,226百万円の資金の減少(前年度比19,873百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、自己株式の取得による支出が6,872百万円、配当金の支払額が9,860百万円あったこと等により、17,220百万円の資金の減少(前年度比8,812百万円の減少)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当企業集団の事業について生産実績を定義することが困難なため「生産の状況」は記載しておりません。
a. 受注実績
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
映画事業2,911△46.1211△63.7
演劇事業----
不動産事業25,11514.55,1576.7
その他事業----
合計28,0262.55,368△0.9

(注) 1 当企業集団では映画事業に含まれる映像事業の内テーマパーク関連事業及び不動産事業に含まれる道路事業以外は、受注生産を行っておりません。
2 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。
b. 販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年3月1日
至 2021年2月28日)
(百万円)
前年同期比(%)
映画事業116,197△32.8
演劇事業7,948△54.7
不動産事業65,124△3.8
その他事業2,678△41.1
合計191,948△27.0

(注) 1 上記金額には消費税及び地方消費税は含まれておりません。
2 当企業集団の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、重要性のある相手先がないため記載を省略しております。
映画事業、演劇事業及びその他事業の販売の相手先は主に不特定の個人であり、不動産事業についても総販売実績の100分の10以上を占める相手先はありません。
(2) 経営者の視点による当該経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループを巡る経営環境は、新型コロナウイルスの感染拡大により、好調だった前連結会計年度と比べ一変いたしました。緊急事態宣言の発出や政府・自治体からの要請により、主要な事業場である映画館や演劇劇場が全面休業、時間短縮、座席制限等の大きな制約を受けることとなり、特に映画・演劇の両興行部門(映画興行事業及び演劇事業)において営業損失を計上するなど、大幅な業績悪化を余儀なくされました。その結果、当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ70,818百万円(27.0%)減収の191,948百万円、営業利益は、前連結会計年度と比べ30,409百万円(57.5%)減益の22,447百万円となり、大幅な減収減益となりました。
当社グループでは、経営の目標として重視する指標を「営業利益」とし、中期経営戦略「TOHO VISION 2021」においては、連結営業利益について「巡航高度」(標準的に維持すべき水準)を400億円としておりましたが、新型コロナウイルスの多大な影響を受けた当連結会計年度は、その数値目標を大きく下回りました。
一方で、お客様の安心・安全と従業員の健康を確保すべく感染防止対策の徹底を図り、コロナ禍においても魅力的なコンテンツを可能な限り継続して提供することに努力した結果、映画事業において「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が歴代興行成績の新記録となる大ヒットとなるなど、今後の業績回復への道筋をつける一定の成果を得ることもできました。また、主力の映画事業と演劇事業が厳しい環境下に置かれる中、不動産事業が比較的堅調な成績で推移するとともに、キャッシュ・フローの安定的創出にも貢献し、当社グループの経営全体を下支えしました。
現時点でも、新型コロナウイルス感染症の状況は予断を許さない状況が続いており、次連結会計年度においても一定程度の影響が残ることが予想されますが、事業活動の制約が段階的に縮小されるに連れ、当社グループの業績は徐々に改善・回復していくものと考えております。
(a) 営業収入
当連結会計年度の営業収入は、前連結会計年度と比べ70,818百万円(27.0%)減収の191,948百万円となりました。
(b) 営業原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度の営業原価は、前連結会計年度と比べ25,849百万円(17.3%)減少の123,485百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比べ14,558百万円(24.0%)減少の46,014百万円となりました。これは広告宣伝費が5,158百万円、借地借家料が2,806百万円、人件費が2,709百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(c) 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ30,409百万円(57.5%)減少の22,447万円となりました。その内訳は、「映画事業」で前連結会計年度と比べ23,638百万円(69.5%)減益の10,351百万円、「演劇事業」で前連結会計年度と比べ5,149百万円減益の1,066百万円の営業損失、「不動産事業」で前連結会計年度と比べ1,608百万円(8.6%)減益の17,062百万円、「その他事業」では前連結会計年度と比べ399百万円減益の320百万円の営業損失でした。
なお、上記事項を含む報告セグメントごとの詳細については、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要」に記載しております。
(d) 営業外収益、営業外費用及び経常利益
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度と比べ305百万円(13.2%)減少の2,007百万円となりました。これは主として、持分法による投資利益が前連結会計年度に比べ267百万円減少したこと等によるものであります。
また、営業外費用は、前連結会計年度と比べ158百万円(155.1%)増加の260百万円となりました。これは主として、為替差損が前連結会計年度に比べ152百万円増加したこと等によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ30,872百万円(56.1%)減少の24,195百万円となりました。
(e) 特別利益、特別損失
当連結会計年度の特別利益は、前連結会計年度と比べて1,820百万円(221.2%)増加の2,643百万円となりました。これは、当連結会計年度に助成金収入を952百万円計上したことや投資有価証券売却益が前連結会計年度と比べ472百万円増加したことによるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ2,903百万円増加の3,100百万円となりました。これは主に、当連結会計年度に臨時休業による損失を2,211百万円計上したことや前連結会計年度と比べ減損損失が585百万円増加したこと等によるものであります。
(f) 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税、住民税及び事業税8,082百万円、法人税等調整額△345百万円、非支配株主に帰属する当期純利益1,312百万円を計上し、前連結会計年度と比べ21,920百万円(59.9%)減少の14,688百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の203.77円から82.54円に減少しました。
2) 財政状態の分析
(a) 資産
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ16,478百万円(3.4%)減少して473,804百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末と比べ35,842百万円(16.3%)減少して184,028百万円となりました。このうち、現金及び預金は前連結会計年度末と比べ8,165百万円(27.8%)増加し37,530百万円、受取手形及び売掛金が4,797百万円(19.1%)減少し20,345百万円、現先短期貸付金が39,499百万円(45.1%)減少し47,999百万円となりました。
有形固定資産は、前連結会計年度末と比べ95百万円(0.1%)減少の151,626百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、建物及び構築物は竣工と減損損失計上及び減価償却額の差額等で2,516百万円(3.1%)減少し79,482百万円、機械装置及び運搬具は300百万円(5.4%)増加し5,848百万円、工具、器具及び備品が156百万円(5.8%)減少し2,556百万円、リース資産が6百万円(138.8%)増加し11百万円、土地は取得と売却の差額等により2,626百万円(4.5%)増加し61,620百万円、建設仮勘定が356百万円(14.5%)減少し2,106百万円となりました。
無形固定資産は、前連結会計年度末と比べ693百万円(10.3%)減少の6,066百万円となりました。
投資その他の資産は、前連結会計年度末と比べ20,153百万円(18.0%)増加し132,083百万円となりました。これは主に、投資有価証券が前連結会計年度末と比べ19,908百万円(21.3%)増加し113,400百万円となったこと等によるものであります。
(b) 負債
当連結会計年度末の流動負債及び固定負債合計額は、前連結会計年度末と比ベ17,277百万円(16.9%)減少の84,792百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末と比べ17,158百万円(30.3%)減少の39,473百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べて、買掛金が2,679百万円(12.7%)減少して18,397百万円、未払法人税等が9,005百万円(79.9%)減少して2,258百万円、未払費用が3,656百万円(56.6%)減少して2,807百万円となりました。
固定負債は、前連結会計年度末と比べて119百万円(0.3%)減少して45,319百万円となりました。このうち、前連結会計年度末と比べ、繰延税金負債が1,301百万円(12.4%)増加して11,762百万円、長期預り保証金が892百万円(3.8%)減少して22,600百万円、退職給付に係る負債が215百万円(5.8%)減少して3,489百万円となりました。
(c) 純資産
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末と比べて799百万円(0.2%)増加し、389,011百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益14,688百万円の計上及び剰余金の配当9,863百万円等により前連結会計年度末と比べて利益剰余金が4,896百万円(1.4%)増加、取締役会決議に基づく自己株式の取得等によって自己株式が6,868百万円(40.6%)増加したこと、また、その他有価証券評価差額金が2,453百万円(14.6%)増加したこと等によるものであります。なお、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ2.6ポイント増加し、79.3%となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
(財務戦略の基本的な考え方)
当社グループは、持続的な成長と企業価値の向上を進めるにあたり、事業運営上必要な運転資金、設備投資等の資金は、自己資金を原則としており、不確実性が高い事業を運営するため、十分な手許資金が必要であると考えております。そのためグループ内の資金効率を向上させるべく、当社は、資金余剰が生じている子会社から借り入れる一方、資金需要のある子会社に対しては、貸付を行うことがあります。当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高85,827百万円に対し、有利子負債(リース債務含む)残高は3,479百万円と、自己資金での投資余力を高いレベルで維持しております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮しても、現時点で予測可能な将来の資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないと判断しております。
(資金需要の内容及び経営資源の配分)
当社グループの資金需要の主な内容は、営業活動の支出として、劇場用映画の製作、出資やシネコンの運営資金、新規事業場の開設費、演劇興行における運営資金、製作費等及び不動産事業における設備投資及び物件の新規取得費等であります。戦略的に経営資源を配分し成長分野への投資を促進し、持続的な企業価値向上と長期的・安定的な株主還元の充実に努めております。
(資金調達)
短期的・中長期的な投資資金については、自己資金を前提としており、中長期的な投資資金については、事業機会に即した資金調達の安定性向上に努めており、財務健全性や資金調達手段の多様化を考慮し、高い信用格付の維持向上を目指して、㈱格付投資情報センターより「AA-」の格付を取得しております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響による事業環境の変化を慎重に見極め、今後の経営課題に柔軟に対応するため、機動的な資金調達に努めております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。
連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響についての考え方は、「「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](追加情報)」に記載しております。
1) 有形固定資産及び無形固定資産の減損
当社グループは、市場価額が著しく下落したものや営業活動から生ずる損益が継続してマイナスで、かつ、業績回復の見通しが立たない資産又は資産グループについて、資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。回収可能価額の測定は、使用価値と正味売却価額のいずれか高い金額によっております。回収可能価額の測定に用いた前提条件や仮定が変更された場合には、減損処理を行う可能性があります。
2) 繰延税金資産の評価
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。しかし、回収可能性の検討にあたって用いた前提条件や仮定が変更された場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により利益が変動する可能性があります。
3) 退職給付債務及び費用
当社グループは、数理計算上で設定される前提条件に基づいて、退職給付費用及び退職給付債務を算出しております。これらの前提条件には、割引率、予想昇給率、長期期待運用収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合には、退職給付に係る負債(又は資産)及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
なお、退職給付債務等の計算の基礎に関する事項は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項](退職給付関係)」に記載のとおりであります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおりであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。