有価証券報告書-第71期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 10:31
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、創業以来、「“食”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を基本理念として、お客様の食生活への貢献を企業目的として取り組んでまいりました。また2012年度からは、ホテル事業の伸張を受け、 「“食”&“ホスピタリティ”を通じて国民生活の向上に寄与すること」を基本理念として、事業ごとにコア戦略を明確にし、長期的かつ安定的な企業価値の向上を図ることを企業目的として取り組んでまいりました。今後におきましては、引き続き持続性のある成長に向けて対応すべく、如何なる時代においても経営基本理念を礎として、企業価値向上に向けて全社一丸となって取り組んでまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2017年11月に2018年1月から2020年12月までの3年間を対象とする中期経営計画「Beyond 2020」を策定し、その最終年度である2020年度において、売上高1,500億円、連結経常利益75億円、連結経常利益率5.0%、ROA(総資産経常利益率)7.0%、ROE(株主資本利益率)8.0%をそれぞれ達成することを具体的な数値目標としております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社グループは、2010年9月に2020年度を最終年度とする長期ビジョン「ロイヤルグループ経営ビジョン2020」を策定し、その最終年度である2020年度において「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”グループ」を目指しております。この期間においては、消費増税による消費低迷の懸念、引き続きの少子高齢化の進行による外食マーケット規模の縮小や労働力不足が起こることが想定される一方で、同業種のみならず他業種との競合激化や、原材料及び物流費等の上昇、食の安全安心に対する規制の強化、加えて海外における各地域に依然として残る地政学リスク、貿易摩擦の激化や中国経済の減速リスクなど、更なる外部環境の変化が想定されます。このような経営環境の中、当社グループが生き残りを図り、持続的な成長を確保するため、中長期的に以下の点を主たる重点施策としております。
① 生産性の向上
人材投資や既存店改装投資等を積極的に行うことで、質の成長、すなわち付加価値の向上を推進いたします。また、「てんや」を中心とした国内外での出店や、「ロイヤルホスト」、「リッチモンドホテル」等を出店することで、規模の成長を図ってまいります。加えて新商品、新業態、ロボティクス、ITの活用等の研究開発にも取り組むことで、現場の省人化を実現させ、規模の成長と効率性向上を進めてまいります。さらに、グループ内でのシナジーを発揮することにより、原材料及び物流費上昇を抑制いたします。
② 次の10年を見据えた企業価値向上
日本国内における人材採用は年々厳しさを増す中、当社グループでは従業員が誇りを持って働ける企業グループを目指し、従業員への健康投資や、働く環境の整備、多様な働き方への対応等に取り組んでまいります。また、地域になくてはならない店づくりはもとより、社会における「人」と「食」に係る課題については当社グループにおける最重要課題と認識し、これらの課題に率先的に対応することで持続的成長につなげてまいります。
なお、成長戦略の一環として位置づけてきたM&A戦略については、今後の環境変化に対応可能な“食”&“ホスピタリティ”に係る事業や、持続性のある差異化要因を有する事業、ロイヤル経営理念と合致したモデルを基本方針として検討してまいります。これらの施策を着実に実行することにより、今後見込まれる経営環境の変化及び経営課題にしなやかに対応し、「日本で一番質の高い“食”&“ホスピタリティ”グループ」の実現を目指してまいります。また、食品企業として食の安全安心を第一に考え、企業の社会的責任を誠実に果たすことで、全てのステークホルダーに支持される企業グループを目指してまいります。