有価証券報告書-第60期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
金融商品関係
(金融商品関係)
1 金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、リース、延払、営業貸付等の金融サービス事業を行っております。
これらの事業を行うため、金融機関からの借入である間接金融並びにコマーシャル・ペーパーや社債発行等の直接金融によって資金調達を行っております。
また、ALM(資産と負債を総合的に管理する手法)の運営により金利変動リスクや為替変動リスクを適切に管理しており、当社グループの事業における営業資産の取得及び資金調達から生じる金利・為替変動リスクに対するヘッジを目的としてデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有するリース投資資産、リース債権、延払債権、営業貸付債権等の営業資産は、取引先の破綻等により回収不能となる信用リスクを有しております。また、有価証券及び投資有価証券は、株式、債券、出資金等であり、営業取引における政策目的並びに金融収益を得るために保有しており、市場価格の変動リスクや発行体や出資先の信用リスクを有しております。
借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債等の資金調達では、金融環境の急激な悪化や当社グループの信用力の低下により、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、又は、十分な資金調達ができなくなる流動性リスクを有しております。
また、営業資産の多くは契約時点の金利水準をもとに回収金額が決まる固定金利の金融資産であり、これらの営業資産に対して固定金利と変動金利の資金調達を行うことにより資金原価を低減させ、利鞘収益の拡大を図っております。このため、金利水準が上昇した場合には資金原価が増加する金利変動リスクを有しております。
この金利変動リスクのヘッジ手段として、金利スワップ取引等のデリバティブ取引を行っております。ヘッジ対象である予定取引及び借入金等に関わる金利の変動リスクに対してヘッジ会計を適用しており、ヘッジ開始時から連結決算日までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、ヘッジの有効性を評価しています。また、振当処理の要件を満たす為替予約等については振当処理を、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を行うこととしております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスクの管理
当社グループは、クレジットポリシーの総則において与信業務の普遍的かつ基本的な理念・指針・規範を定め、その運営基準において具体的な運営基準を定めております。
管理体制としましては、信用リスクに関する業務をリスク管理部、審査各部及び債権業務部の各部が所管し、リスク管理部が信用リスク管理制度、与信リスク評価手法の企画立案及び信用リスクの計量化、リスク資本管理の統括を行っております。審査各部は所管する与信取引の審査、営業部店の監督・指導、保全対策立案及び実行管理等を行っております。債権業務部は問題債権の管理・問題債権の効率的な削減を図っております。また、他の部門から独立した監査部が信用リスク管理の正確性、信用リスク評価基準・計量化モデルや信用リスク管理状況の適切性等の監査を行い、経営会議・取締役会に監査結果の報告を行っております。
② 市場リスク・資金調達に係る流動性リスクの管理
当社グループは、市場リスク・流動性リスク管理規程においてリスク管理の基本的枠組みを定め、市場リスク・流動性リスク管理規則においてリスク管理に関する運営体制並びに管理の体系・手法・ルール等について定めております。
管理体制としましてはリスク管理部が市場リスク・流動性リスクを統括的に管理し、リスク管理に係るリスクの限度額、ガイドライン等の設定及びモニタリングを行うとともに、定例的に市場リスク・流動性リスクの現況を経営会議に報告しております。
a 金利リスクの管理
金利変動リスクにつきましては、ALMにより固定金利ベースの資産・負債の状況を的確に把握し、金融環境や金利動向を注視しながら適宜ヘッジオペレーションを行い、金利変動に伴うリスク量を適切に管理しております。
b 為替リスクの管理
為替リスクにつきましては、原則負わない方針としております。外貨建資産・負債の為替リスクに関しては個別の案件ごとにヘッジオペレーションを行うなど適切に管理しております。
c 株価変動リスクの管理
当社グループの株価変動リスクを有する株式は、営業取引における政策目的として保有するものであります。このため、価格変動によって機動的に売買及びリスクコントロールすることが困難であることから、上場株式についての評価損益を計測してモニタリングを実施しております。
d デリバティブ取引
デリバティブ取引につきましては、デリバティブ取引細則、ヘッジ会計細則において取引の基本方針、決裁権限、報告等を定めております。取組については資金調達、資金運用及び営業資産の取得から生じる金利・為替変動リスクに対するヘッジを目的としております。取引の執行部門である財務部と検証部門である経理部が内部牽制機能を確保し、適切な実行・管理を行っております。
e 流動性リスクの管理
流動性リスクにつきましては、的確な資金繰り並びに長期借入金や短期借入金のバランスに留意するなど適切なALM等の管理を行うことにより、資金の流動性確保を図っております。
f 市場リスクに係る定量的情報
当社グループにおいて、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権等の営業資産のほか、社債、長期借入金、デリバティブ取引のうちの金利スワップ取引等の金融負債であります。同様に金利リスクの影響を受ける主たる非金融商品として、オペレーティング・リース取引に係る未経過リース料等があります。当社グループでは、これらの非金融商品を含む営業資産及び金融負債についてALMを行っており、定期的にBPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が1bp(0.01%)変動した場合の金利関連ポジションの現在価値変化額(含み損益増減額))を算出し、あらかじめ設定した限度額と比較することで、極度管理を実施しております。金利以外のすべてのリスク変数が一定であると仮定し、2022年3月31日現在、円金利が1bp(0.01%)上昇したものと想定した場合には、金利関連ポジション全体の現在価値額は452百万円(2021年3月31日現在は402百万円)減少し、1bp(0.01%)下落したものと想定した場合には452百万円(2021年3月31日現在は402百万円)増加するものと把握しております。当該影響額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数との相関を考慮しておりません。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては、一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等につきましては、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項
2022年3月31日(当連結会計年度の決算日)における連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額、レベルごとの時価は次のとおりであります。なお、企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(以下、「時価算定適用指針」という。)第26項に従い経過措置を適用した投資信託、市場価格のない株式等及び、時価算定適用指針第27項に従い経過措置を適用した組合出資金等は、次表には含めておりません。
金融商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1)時価をもって連結貸借対照表価額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2021年3月31日)
(※1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は本計数の残高には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は19,057百万円となります。
(※2)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
(※3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△42,080百万円となります。ヘッジ会計を適用している取引は、ヘッジ対象である予定取引及び借入金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号2020年9月29日)を適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(※1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は本計数の残高には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は32,157百万円となります。
(※2)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
(※3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△12,399百万円となります。ヘッジ会計を適用している取引は、ヘッジ対象である予定取引及び借入金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号2022年3月17日)を適用しております。
(2)時価をもって連結貸借対照表価額としない金融資産及び金融負債
現金及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似する預金、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、債権流動化に伴う支払債務は、注記を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
(※1)連結貸借対照表計上額は、延払未実現利益を控除しております。
(※2)延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権、固定化営業債権に対応する貸倒引当金として、それぞれ1,321百万円、5,681百万円、1,061百万円、21,976百万円を控除しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(※1)連結貸借対照表計上額は、延払未実現利益を控除しております。
(※2)延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権、固定化営業債権に対応する貸倒引当金として、それぞれ1,526百万円、6,009百万円、1,333百万円、11,791百万円を控除しております。
(注1)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
有価証券及び投資有価証券
取引所の価格又は情報ベンダー等から提示された相場価格のうち、活発な市場における無調整の相場価格を利用できるもの(上場株式等)はレベル1の時価に分類しています。
また、残存期間が短期の債券や短期間で市場金利を反映する変動金利の債券等の時価については、帳簿価額と近似していることから当該帳簿価額によっており、レベル2の時価に分類しています。
延払債権、リース債権及びリース投資資産及び営業貸付債権
取引相手先別の内部格付、内部格付に基づく予想デフォルト確率、担保及び保証等に基づくデフォルト時の予想回収不能率等を加味した見積将来キャッシュ・フローを市場金利等で割り引く方法により算出しており、観察できないインプットによる影響額が重要であるため、レベル3の時価に分類しています。
固定化営業債権
固定化営業債権の時価については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は決算期末日における連結貸借対照表価額から現在の貸倒見積高を控除した金額にほぼ等しいことから、当該価額によっており、観察できないインプットによる影響額が重要であるため、レベル3の時価に分類しています。
社債、長期借入金、債権流動化に伴う長期支払債務、リース債務及び預り保証金
これらのうち、業界団体等より価格が公表されている社債については、公表されている価格情報等を基に算定しております。それ以外の変動金利によるものの時価については、短期間で市場金利を反映し、また当社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額にほぼ等しいと考えられるため、当該帳簿価額によっております。一方、固定金利によるものの時価については、期限までの残存期間に応じ、新規に市場調達を行った場合に想定される利率で割り引く方法により算出しております。
いずれの時価についても観察できないインプットによる影響額が重要でないため、レベル2の時価に分類しています。
デリバティブ取引の時価については、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。なお、為替予約等の振当処理及び金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている社債及び長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該社債及び長期借入金の時価に含めて記載しております。
また、デリバティブ取引に関する事項については、注記事項「デリバティブ取引関係」をご参照ください。
(注2)時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報には含まれておりません。
「有価証券及び投資有価証券」に含まれていないもの
前連結会計年度(2021年3月31日)
(※1) 非上場株式については、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、時価開示の対象とはしておりません。なお、非上場株式は関連会社株式を含んでおります。
(※2) 組合出資金等については、将来キャッシュ・フローが約定されておらず、時価を把握することが極めて困難と認められることから、時価開示の対象とはしておりません。
市場価格のない株式等及び組合出資金等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報には含まれておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(※1) 市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれております。
(注3)金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
(※1)リース債権及びリース投資資産のうち、見積残存価額79,506百万円は含まれておりません。
(※2)有価証券及び投資有価証券のうち、償還予定額が見込めない0百万円は含まれておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
(※1)リース債権及びリース投資資産のうち、見積残存価額59,342百万円は含まれておりません。
(※2)有価証券及び投資有価証券のうち、償還予定額が見込めない0百万円は含まれておりません。
(注4)社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
当連結会計年度(2022年3月31日)
1 金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、リース、延払、営業貸付等の金融サービス事業を行っております。
これらの事業を行うため、金融機関からの借入である間接金融並びにコマーシャル・ペーパーや社債発行等の直接金融によって資金調達を行っております。
また、ALM(資産と負債を総合的に管理する手法)の運営により金利変動リスクや為替変動リスクを適切に管理しており、当社グループの事業における営業資産の取得及び資金調達から生じる金利・為替変動リスクに対するヘッジを目的としてデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有するリース投資資産、リース債権、延払債権、営業貸付債権等の営業資産は、取引先の破綻等により回収不能となる信用リスクを有しております。また、有価証券及び投資有価証券は、株式、債券、出資金等であり、営業取引における政策目的並びに金融収益を得るために保有しており、市場価格の変動リスクや発行体や出資先の信用リスクを有しております。
借入金、コマーシャル・ペーパー及び社債等の資金調達では、金融環境の急激な悪化や当社グループの信用力の低下により、通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされる、又は、十分な資金調達ができなくなる流動性リスクを有しております。
また、営業資産の多くは契約時点の金利水準をもとに回収金額が決まる固定金利の金融資産であり、これらの営業資産に対して固定金利と変動金利の資金調達を行うことにより資金原価を低減させ、利鞘収益の拡大を図っております。このため、金利水準が上昇した場合には資金原価が増加する金利変動リスクを有しております。
この金利変動リスクのヘッジ手段として、金利スワップ取引等のデリバティブ取引を行っております。ヘッジ対象である予定取引及び借入金等に関わる金利の変動リスクに対してヘッジ会計を適用しており、ヘッジ開始時から連結決算日までの期間において、ヘッジ対象とヘッジ手段のキャッシュ・フロー変動の累計を比較し、ヘッジの有効性を評価しています。また、振当処理の要件を満たす為替予約等については振当処理を、特例処理の要件を満たす金利スワップについては特例処理を行うこととしております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
① 信用リスクの管理
当社グループは、クレジットポリシーの総則において与信業務の普遍的かつ基本的な理念・指針・規範を定め、その運営基準において具体的な運営基準を定めております。
管理体制としましては、信用リスクに関する業務をリスク管理部、審査各部及び債権業務部の各部が所管し、リスク管理部が信用リスク管理制度、与信リスク評価手法の企画立案及び信用リスクの計量化、リスク資本管理の統括を行っております。審査各部は所管する与信取引の審査、営業部店の監督・指導、保全対策立案及び実行管理等を行っております。債権業務部は問題債権の管理・問題債権の効率的な削減を図っております。また、他の部門から独立した監査部が信用リスク管理の正確性、信用リスク評価基準・計量化モデルや信用リスク管理状況の適切性等の監査を行い、経営会議・取締役会に監査結果の報告を行っております。
② 市場リスク・資金調達に係る流動性リスクの管理
当社グループは、市場リスク・流動性リスク管理規程においてリスク管理の基本的枠組みを定め、市場リスク・流動性リスク管理規則においてリスク管理に関する運営体制並びに管理の体系・手法・ルール等について定めております。
管理体制としましてはリスク管理部が市場リスク・流動性リスクを統括的に管理し、リスク管理に係るリスクの限度額、ガイドライン等の設定及びモニタリングを行うとともに、定例的に市場リスク・流動性リスクの現況を経営会議に報告しております。
a 金利リスクの管理
金利変動リスクにつきましては、ALMにより固定金利ベースの資産・負債の状況を的確に把握し、金融環境や金利動向を注視しながら適宜ヘッジオペレーションを行い、金利変動に伴うリスク量を適切に管理しております。
b 為替リスクの管理
為替リスクにつきましては、原則負わない方針としております。外貨建資産・負債の為替リスクに関しては個別の案件ごとにヘッジオペレーションを行うなど適切に管理しております。
c 株価変動リスクの管理
当社グループの株価変動リスクを有する株式は、営業取引における政策目的として保有するものであります。このため、価格変動によって機動的に売買及びリスクコントロールすることが困難であることから、上場株式についての評価損益を計測してモニタリングを実施しております。
d デリバティブ取引
デリバティブ取引につきましては、デリバティブ取引細則、ヘッジ会計細則において取引の基本方針、決裁権限、報告等を定めております。取組については資金調達、資金運用及び営業資産の取得から生じる金利・為替変動リスクに対するヘッジを目的としております。取引の執行部門である財務部と検証部門である経理部が内部牽制機能を確保し、適切な実行・管理を行っております。
e 流動性リスクの管理
流動性リスクにつきましては、的確な資金繰り並びに長期借入金や短期借入金のバランスに留意するなど適切なALM等の管理を行うことにより、資金の流動性確保を図っております。
f 市場リスクに係る定量的情報
当社グループにおいて、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権等の営業資産のほか、社債、長期借入金、デリバティブ取引のうちの金利スワップ取引等の金融負債であります。同様に金利リスクの影響を受ける主たる非金融商品として、オペレーティング・リース取引に係る未経過リース料等があります。当社グループでは、これらの非金融商品を含む営業資産及び金融負債についてALMを行っており、定期的にBPV(ベーシス・ポイント・バリュー:金利が1bp(0.01%)変動した場合の金利関連ポジションの現在価値変化額(含み損益増減額))を算出し、あらかじめ設定した限度額と比較することで、極度管理を実施しております。金利以外のすべてのリスク変数が一定であると仮定し、2022年3月31日現在、円金利が1bp(0.01%)上昇したものと想定した場合には、金利関連ポジション全体の現在価値額は452百万円(2021年3月31日現在は402百万円)減少し、1bp(0.01%)下落したものと想定した場合には452百万円(2021年3月31日現在は402百万円)増加するものと把握しております。当該影響額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数との相関を考慮しておりません。
(4)金融商品の時価等に関する事項についての補足説明
金融商品の時価の算定においては、一定の前提条件等を採用しているため、異なる前提条件等によった場合、当該価額が異なることもあります。
また、「デリバティブ取引関係」注記におけるデリバティブ取引に関する契約額等につきましては、その金額自体がデリバティブ取引に係る市場リスクを示すものではありません。
2 金融商品の時価等及び時価のレベルごとの内訳等に関する事項
2022年3月31日(当連結会計年度の決算日)における連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額、レベルごとの時価は次のとおりであります。なお、企業会計基準適用指針第31号「時価の算定に関する会計基準の適用指針」(以下、「時価算定適用指針」という。)第26項に従い経過措置を適用した投資信託、市場価格のない株式等及び、時価算定適用指針第27項に従い経過措置を適用した組合出資金等は、次表には含めておりません。
金融商品の時価は、時価の算定に用いたインプットの観察可能性及び重要性に応じて、以下の3つのレベルに分類しています。
レベル1の時価:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)相場価格により算定した時価
レベル2の時価:レベル1のインプット以外の直接又は間接的に観察可能なインプットを用いて算定した時価
レベル3の時価:重要な観察できないインプットを使用して算定した時価
時価の算定に重要な影響を与えるインプットを複数使用している場合には、それらのインプットがそれぞれ属するレベルのうち、時価の算定における優先順位が最も低いレベルに時価を分類しております。
(1)時価をもって連結貸借対照表価額とする金融資産及び金融負債
前連結会計年度(2021年3月31日)
区分 | 連結貸借対照表 計上額 (百万円) |
有価証券及び投資有価証券 | |
その他有価証券(※1) | 62,544 |
デリバティブ取引(※2)(※3) | |
金利関連取引 | △41,085 |
通貨関連取引 | △567 |
合計 | 20,891 |
(※1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は本計数の残高には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は19,057百万円となります。
(※2)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
(※3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△42,080百万円となります。ヘッジ会計を適用している取引は、ヘッジ対象である予定取引及び借入金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号2020年9月29日)を適用しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
区分 | 連結貸借対照表計上額(百万円) | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |
有価証券及び投資有価証券 | ||||
その他有価証券(※1) | 54,129 | 2,531 | - | 56,661 |
デリバティブ取引(※2)(※3) | ||||
金利関連取引 | - | △11,795 | - | △11,795 |
通貨関連取引 | - | △478 | - | △478 |
合計 | 54,129 | △9,741 | - | 44,387 |
(※1)時価算定適用指針第26項に従い、経過措置を適用した投資信託は本計数の残高には含めておりません。連結貸借対照表における当該投資信託の金額は32,157百万円となります。
(※2)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しております。
(※3)デリバティブ取引のうち、ヘッジ会計を適用している取引の連結貸借対照表計上額は△12,399百万円となります。ヘッジ会計を適用している取引は、ヘッジ対象である予定取引及び借入金等のキャッシュ・フローの固定化のためにヘッジ手段として指定した金利スワップ等であり、主に繰延ヘッジを適用しております。なお、これらのヘッジ関係に、「LIBORを参照する金融商品に関するヘッジ会計の取扱い」(実務対応報告第40号2022年3月17日)を適用しております。
(2)時価をもって連結貸借対照表価額としない金融資産及び金融負債
現金及び短期間で決済されるため時価が帳簿価額に近似する預金、支払手形及び買掛金、短期借入金、コマーシャル・ペーパー、債権流動化に伴う支払債務は、注記を省略しております。
前連結会計年度(2021年3月31日)
連結貸借対照表 計上額 (百万円) | 時価 (百万円) | 差額 (百万円) | |
延払債権(※1)(※2) | 504,504 | 521,211 | 16,707 |
リース債権及びリース投資資産(※2) | 2,112,694 | 2,215,075 | 102,381 |
営業貸付債権(※2) | 499,806 | 506,199 | 6,393 |
固定化営業債権(※2) | 13,517 | 13,517 | - |
資産計 | 3,130,521 | 3,256,003 | 125,481 |
社債 | 820,639 | 834,330 | 13,691 |
長期借入金 | 2,625,795 | 2,758,720 | 132,925 |
債権流動化に伴う長期支払債務 | 43,062 | 43,646 | 584 |
リース債務 | 44,751 | 44,870 | 119 |
預り保証金 | 127,762 | 124,139 | △3,622 |
負債計 | 3,662,010 | 3,805,708 | 143,698 |
(※1)連結貸借対照表計上額は、延払未実現利益を控除しております。
(※2)延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権、固定化営業債権に対応する貸倒引当金として、それぞれ1,321百万円、5,681百万円、1,061百万円、21,976百万円を控除しております。
当連結会計年度(2022年3月31日)
区分 | 時価(百万円) | 連結 貸借対照表 計上額 (百万円) | 差額 (百万円) | |||
レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 | |||
延払債権(※1)(※2) | - | - | 554,682 | 554,682 | 543,183 | 11,499 |
リース債権及びリース投資資産(※2) | - | - | 2,237,701 | 2,237,701 | 2,166,284 | 71,417 |
営業貸付債権(※2) | - | - | 608,259 | 608,259 | 603,317 | 4,941 |
固定化営業債権(※2) | - | - | 16,451 | 16,451 | 16,451 | - |
資産計 | - | - | 3,417,095 | 3,417,095 | 3,329,237 | 87,857 |
社債 | - | 898,547 | - | 898,547 | 899,760 | △1,212 |
長期借入金 | - | 3,099,364 | - | 3,099,364 | 2,982,927 | 116,437 |
債権流動化に伴う長期支払債務 | - | 63,073 | - | 63,073 | 62,506 | 566 |
リース債務 | - | 38,153 | - | 38,153 | 38,279 | △125 |
預り保証金 | - | 136,799 | - | 136,799 | 142,923 | △6,124 |
負債計 | - | 4,235,938 | - | 4,235,938 | 4,126,397 | 109,540 |
(※1)連結貸借対照表計上額は、延払未実現利益を控除しております。
(※2)延払債権、リース債権及びリース投資資産、営業貸付債権、固定化営業債権に対応する貸倒引当金として、それぞれ1,526百万円、6,009百万円、1,333百万円、11,791百万円を控除しております。
(注1)時価の算定に用いた評価技法及び時価の算定に係るインプットの説明
資 産 |
有価証券及び投資有価証券
取引所の価格又は情報ベンダー等から提示された相場価格のうち、活発な市場における無調整の相場価格を利用できるもの(上場株式等)はレベル1の時価に分類しています。
また、残存期間が短期の債券や短期間で市場金利を反映する変動金利の債券等の時価については、帳簿価額と近似していることから当該帳簿価額によっており、レベル2の時価に分類しています。
延払債権、リース債権及びリース投資資産及び営業貸付債権
取引相手先別の内部格付、内部格付に基づく予想デフォルト確率、担保及び保証等に基づくデフォルト時の予想回収不能率等を加味した見積将来キャッシュ・フローを市場金利等で割り引く方法により算出しており、観察できないインプットによる影響額が重要であるため、レベル3の時価に分類しています。
固定化営業債権
固定化営業債権の時価については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は決算期末日における連結貸借対照表価額から現在の貸倒見積高を控除した金額にほぼ等しいことから、当該価額によっており、観察できないインプットによる影響額が重要であるため、レベル3の時価に分類しています。
負 債 |
社債、長期借入金、債権流動化に伴う長期支払債務、リース債務及び預り保証金
これらのうち、業界団体等より価格が公表されている社債については、公表されている価格情報等を基に算定しております。それ以外の変動金利によるものの時価については、短期間で市場金利を反映し、また当社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額にほぼ等しいと考えられるため、当該帳簿価額によっております。一方、固定金利によるものの時価については、期限までの残存期間に応じ、新規に市場調達を行った場合に想定される利率で割り引く方法により算出しております。
いずれの時価についても観察できないインプットによる影響額が重要でないため、レベル2の時価に分類しています。
デリバティブ取引 |
デリバティブ取引の時価については、金利や為替レート等の観察可能なインプットを用いて割引現在価値法により算定しており、レベル2の時価に分類しています。なお、為替予約等の振当処理及び金利スワップの特例処理によるものは、ヘッジ対象とされている社債及び長期借入金と一体として処理されているため、その時価は、当該社債及び長期借入金の時価に含めて記載しております。
また、デリバティブ取引に関する事項については、注記事項「デリバティブ取引関係」をご参照ください。
(注2)時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報には含まれておりません。
「有価証券及び投資有価証券」に含まれていないもの
前連結会計年度(2021年3月31日)
区分 | 連結貸借対照表 計上額 (百万円) |
非上場株式(※1) | 51,949 |
組合出資金等(※2) | 64,417 |
合計 | 116,367 |
(※1) 非上場株式については、市場価格がなく、時価を把握することが極めて困難と認められることから、時価開示の対象とはしておりません。なお、非上場株式は関連会社株式を含んでおります。
(※2) 組合出資金等については、将来キャッシュ・フローが約定されておらず、時価を把握することが極めて困難と認められることから、時価開示の対象とはしておりません。
市場価格のない株式等及び組合出資金等の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報には含まれておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
区分 | 連結貸借対照表 計上額 (百万円) |
市場価格のない株式等(※1) | 11,812 |
組合出資金等 | 56,982 |
合計 | 68,794 |
(※1) 市場価格のない株式等には非上場株式等が含まれております。
(注3)金銭債権及び満期がある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
1年以内 (百万円) | 1年超 2年以内 (百万円) | 2年超 3年以内 (百万円) | 3年超 4年以内 (百万円) | 4年超 5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
延払債権 | 237,347 | 114,069 | 82,478 | 50,996 | 25,922 | 14,043 |
リース債権及び リース投資資産 (※1) | 593,177 | 473,210 | 361,531 | 243,295 | 158,889 | 208,763 |
営業貸付債権 | 262,461 | 66,651 | 34,495 | 24,411 | 40,702 | 73,948 |
有価証券及び 投資有価証券(※2) | 4,958 | 5,488 | 2,110 | 50 | 5,316 | 19,217 |
その他有価証券のうち満期のあるもの | 4,958 | 5,488 | 2,110 | 50 | 5,316 | 19,217 |
合計 | 1,097,945 | 659,420 | 480,615 | 318,754 | 230,831 | 315,973 |
(※1)リース債権及びリース投資資産のうち、見積残存価額79,506百万円は含まれておりません。
(※2)有価証券及び投資有価証券のうち、償還予定額が見込めない0百万円は含まれておりません。
当連結会計年度(2022年3月31日)
1年以内 (百万円) | 1年超 2年以内 (百万円) | 2年超 3年以内 (百万円) | 3年超 4年以内 (百万円) | 4年超 5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
延払債権 | 304,976 | 109,242 | 70,754 | 42,088 | 22,478 | 15,294 |
リース債権及び リース投資資産 (※1) | 635,671 | 480,050 | 345,598 | 242,259 | 182,554 | 226,818 |
営業貸付債権 | 317,298 | 37,345 | 41,846 | 64,228 | 45,275 | 100,465 |
有価証券及び 投資有価証券(※2) | 2,635 | 36,642 | 49 | 4,724 | 6,802 | 20,268 |
その他有価証券のうち満期のあるもの | 2,635 | 36,642 | 49 | 4,724 | 6,802 | 20,268 |
合計 | 1,260,581 | 663,281 | 458,249 | 353,300 | 257,109 | 362,847 |
(※1)リース債権及びリース投資資産のうち、見積残存価額59,342百万円は含まれておりません。
(※2)有価証券及び投資有価証券のうち、償還予定額が見込めない0百万円は含まれておりません。
(注4)社債、長期借入金、リース債務及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2021年3月31日)
1年以内 (百万円) | 1年超 2年以内 (百万円) | 2年超 3年以内 (百万円) | 3年超 4年以内 (百万円) | 4年超 5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
社債 | 133,274 | 107,370 | 135,373 | 201,469 | 181,752 | 61,398 |
長期借入金 | 454,577 | 387,099 | 286,641 | 322,966 | 410,872 | 763,637 |
債権流動化に伴う 長期支払債務 | 14,906 | 9,390 | 8,484 | 2,765 | 945 | 6,570 |
リース債務 | 16,173 | 12,159 | 8,187 | 4,829 | 2,389 | 1,012 |
合計 | 618,931 | 516,019 | 438,686 | 532,031 | 595,959 | 832,618 |
当連結会計年度(2022年3月31日)
1年以内 (百万円) | 1年超 2年以内 (百万円) | 2年超 3年以内 (百万円) | 3年超 4年以内 (百万円) | 4年超 5年以内 (百万円) | 5年超 (百万円) | |
社債 | 144,905 | 141,205 | 214,143 | 186,296 | 92,005 | 121,205 |
長期借入金 | 481,290 | 373,527 | 411,512 | 485,093 | 371,345 | 860,157 |
債権流動化に伴う 長期支払債務 | 21,045 | 18,606 | 10,182 | 3,343 | 1,676 | 7,652 |
リース債務 | 13,694 | 9,989 | 6,653 | 3,924 | 2,385 | 1,632 |
合計 | 660,935 | 543,328 | 642,492 | 678,657 | 467,411 | 990,647 |