半期報告書-第60期(2025/10/01-2026/09/30)
Ⅰ 経営成績
(経営成績の概要)
当中間連結会計期間(以下、当第2四半期)における株式会社TKCとその連結子会社等6社を含む連結グループの経営成績は、売上高が46,825百万円(前期比19.4%増)、営業利益は11,126百万円(同28.2%増)、経常利益は11,437百万円(同29.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は7,961百万円(同26.1%増)となり、いずれも過去最高を記録しました。
この大幅な増収増益は、地方公共団体事業部門における標準仕様準拠システムへの対応とガバメントクラウドへの移行支援(96団体)に伴う一時的な収益(以下「標準化特需」)を主因とするものです。標準化特需は、国が定める移行期限(令和8年3月末)に対応するもので、当社顧客164団体(48市、99町、17村)の移行をすべて完了したことから、当第2四半期をピークに収束します。
なお、第60期通期における業績の見通しは、令和8年9月期第1四半期決算短信(令和8年2月13日)の開示内容から変更はございません。
(第61期以降の経営計画)
一方で、標準化特需を除いた恒常的な事業基盤は引き続き拡大基調にあり、会計事務所事業部門においてはクラウド系システム(OMSクラウド、FXクラウドシリーズ)の利用社数増加を計画し、地方公共団体事業部門においてはガバメントクラウド運用管理補助業務やTASKクラウド公会計システム等のサブスクリプション収益の積み上げを計画しています。
ただし、第61期は恒常的な事業基盤の成長による増収だけでは標準化特需の反動減を補いきれないため、減収となる見通しです。なお、具体的な経営計画は、令和7年9月期決算短信(令和7年11月12日)で開示したとおりです。
(事業環境)
当第2四半期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化に伴う資源の価格高騰や供給不安、金利上昇など先行き不透明な状況が続いています。一方、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要、電子帳簿保存法・インボイス制度等の法律改正への対応、地方公共団体における行政手続きのデジタル化への要請、社会的な生成AIおよびAIエージェントの実装需要など、当社の事業領域に関連するIT投資需要は引き続き旺盛です。
(基本方針)
このような事業環境のもと、会計事務所事業部門においてはTKC会員事務所による関与先指導の基本方針を「黒字決算と適正申告の実現」に、地方公共団体事業部門の基本方針を「スマート行政DXの実現」と定め、(1)クラウド系システムへの移行加速によるストック収益基盤の拡大、(2)生成AI技術を活用した業務革新支援、(3)税務コンプライアンスとガバナンスを両立させた「デジタルシームレス」の社会実装を推進しています。
会計事務所事業部門では、基本方針「黒字決算と適正申告の実現」を支援するために、巡回監査と月次決算の実施を奨励するとともに、関与先企業における業績管理ツールとして財務会計システム「FXクラウドシリーズ」の活用を推進しています。
FXクラウドシリーズは、本年3月に公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)から、「デジタルシームレスソフト法的要件認証」の国内第1号の認定を受けました(この詳細は、2.(1)③)に記載しております)。これによりFXクラウドシリーズを利用している顧客は、証憑の発行・保管から日々の仕訳、毎月の試算表、決算書と税務申告書の作成、さらには電子申告・電子納税に至るまでをデジタルシームレスで一気通貫に行えていることが認証されたことになります。当社は、FXクラウドシリーズのさらなる機能拡張によって、関与先企業における入力業務の省力化のみならず、電子帳簿保存法が定める証憑と帳簿のトレーサビリティの確保、そして税務コンプライアンスの向上を支援してまいります。
地方公共団体事業部門では、政府の「地方公共団体情報システム標準化基本方針」にもとづき、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行支援に取り組んでまいりました。前期の68団体に続き、当期は96団体の移行を予定どおり支援した結果、顧客である164団体(48市、99町、17村)の標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を、国が定める期限(令和8年3月末)までに完了しました。現在、当社の顧客市町村では、ガバメントクラウド上で標準仕様準拠システムが安定的に稼働しています。今後は当社が掲げる「スマート行政DX」の実現に向けて、機能強化と活用支援をさらに進めてまいります。
(生成AI戦略の進捗)
当社は本年1月、全エンジニアにAIコーディングアシスタントのライセンスを付与し、体系的な研修とハンズオン支援を繰り返しながら、AI駆動開発体制への転換に取り組んでいます。さらに、本年7月以降、当社の会計事務所事業部門が提供するシステムにAIエージェントを順次搭載してまいります。
当第2四半期における事業部門別の売上高の推移は以下のとおりです。
1.第2四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
会計事務所事業部門における売上高は26,508百万円(前期比3.9%増)、営業利益は5,443百万円(同22.2%減)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①コンピューターサービス売上高は、前期比5.7%増となりました。これは、新規入会者の増加に伴って、会計事務所の基幹システムである「OMSクラウド」と会計事務所業務の生産性向上を支援するOMSのオプションシステムの利用が増加したこと、さらに経理事務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業や、クラウド環境を活用して自社の業績管理に取り組む経営者が増加し、「FXクラウドシリーズ」の新規利用が拡大したことよります。
②ソフトウエア売上高は前期比0.5%増となりました。これは、FXクラウドシリーズの新規受注の拡大に加え、スタンドアロン版からクラウド版への移行が順調に進んだことによるものです。
③コンサルティングサービス売上高は前期比5.7%増となりました。これは、中堅企業向け財務会計システム「FX4クラウド」の新規受注に伴い、立ち上げ支援サービスの実施件数が増加したことによります。
④ハードウエア売上高は、前期比13.2%増となりました。これは、Microsoft社がWindows10のサポートを昨年10月に終了したことに伴い、パソコンのリプレースが大幅に進んだことによります。
⑤なお、営業利益は前期比22.2%減となりました。これは、人件費の増加(全社的な業績連動賞与の引き上げおよび採用の強化)によるものです。限界利益率は概ね前年同期並みを維持しており、事業の収益力が低下したというものではありません。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
地方公共団体事業部門における売上高は18,789百万円(前期比54.6%増)、営業利益は5,671百万円(同237.5%増)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①コンピューターサービス売上高は、前期比5.4%減となりました。これは、従前は当社のデータセンターである
TISC(TKCインターネット・サービスセンター)で稼働させていたTASKクラウドの運用環境をガバメントクラウドに移行したことにより、データセンター利用料およびネットワーク回線利用料売上が減少したことによるものです。
②ソフトウエア売上高は、前期比9.8%増となりました。これは、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行に伴い、ガバメントクラウド運用管理補助業務を新たに受託したことによるものです。また、「TASKクラウド公会計システム」等の新規受託によりサブスクリプション型のソフトウエア利用料も増加しています。
③コンサルティングサービス売上高は、前期比1,029.1%増(7,231百万円の増加)となりました。これは、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を支援した顧客団体が、前年同期は2団体であったものが当期は96団体となり、それに伴うシステム移行支援料が増加したことによるものです。
④ハードウエア売上高は、前期比24.6%減となりました。これは、標準仕様準拠システムへの移行にむけた庁内設置用サーバーの導入や住基ネット関連ハードウエア機器の更改が前年同期に集中し、当期はこれらの受注が減少したことによるものです。
⑤なお、営業利益の伸びが売上高の伸びを上回った理由は、利益率の低いハードウエア売上高が前年同期よりも減少した一方で、利益率の高いシステム移行支援に係るコンサルティングサービス売上高が大幅に増加したことによります。
顧客164団体すべての標準化対応完了に伴い、令和9年9月期 (第61期)以降、システム移行支援に係るコンサルティングサービス売上は段階的に縮小します。一方で、1)ガバメントクラウド運用管理補助業務(サブスクリプション型)、2)スマート行政DXに関する各種SaaS(かんたん窓口、スマート申請、コンビニ交付等)、3)令和8年9月開始の公金納付デジタル化対応、4)TASKクラウド公会計システムの機能拡充、を成長ドライバーとして位置付けており、ストック収益のさらなる積み上げを図ってまいります。
(3)印刷事業部門(子会社:株式会社TLP)の売上高の推移
印刷事業部門における売上高は1,527百万円(前期比1.9%減)、営業利益は3百万円(前期は営業損失9百万円)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①データ・プリント・サービス(以下、DPS)関連商品の売上高は、前期比0.1%減となりました。
これは、主要顧客から新たな販促DM作成業務や調査票(事業活動調査等)印刷業務の受注、アウトソーシングとして年末調整に係る必要書類の発行・回収業務の新規受注、令和8年2月の衆議院選挙に係る通知業務の受託があったものの、一部顧客のDM等の発送中止による売上減少を補いきれなかったことによるものです。
②ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比2.3%減となりました。これは、デジタル化の進展により顧客企業における帳票・伝票等印刷業務の需要が減少傾向にあることによります。
③商業美術印刷(カタログ、書籍等)関連の売上高は、前期比0.1%増となりました。これは、新たに冊子および季刊誌等の印刷業務を受注したことによります。
2.会計事務所事業部門の営業活動と経営成績
会計事務所事業部門では、TKC会員事務所とその関与先企業の持続的な発展を支援するために、TKC会員1万1,600名(令和8年3月末日現在)が組織するTKC全国会と密接に連携し、「黒字決算と適正申告」を実現するためのシステムやサービスの開発に取り組んでいます。
また、上場企業などの大企業や法律事務所、大学・法科大学院等に対しても各種クラウドサービスを提供しています。
(1)「黒字決算と適正申告の実現」に向けた活動
①月次決算の実施を前提とし、遡及的な訂正加除の処理を禁止するTKCシステム
当社が提供する財務会計システムの最大の特長は、TKC会員事務所が関与先企業に毎月実施する巡回監査と月次決算を前提とし、巡回監査実施後の取引データについて、遡及的な訂正加除の処理を禁止しているところにあります。この特長を生かし、当社が無償で発行している「記帳適時性証明書」は、TKC会員が関与先企業を毎月訪問し、正しい会計記帳を指導(巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを一気通貫で適時に完了したことを当社が第三者として証明しています。また、記帳適時性証明書に加え、TKC会員が実践する「税理士法第33条の2に基づく添付書面」や日本税理士会連合会、全国信用保証協会連合会が制定した「中小会計要領チェックリスト」を税務申告時に提出することで、決算書の信頼性が高まります。こうした活動の結果、TKCシステムの利用による法人税の電子申告件数は65万4,000社を超えました。
②「FXクラウドシリーズ」の推進
当社の財務会計システムである「FXクラウドシリーズ」は「黒字決算と適正申告」を支援する、経営者のための最強の業績管理ツールです。当システムの業績管理機能(365日変動損益計算書、得意先・仕入先順位月報等)を毎月確認している企業の黒字割合は60%を超えていることを確認しています。こうしたエビデンスに基づいて、当社はTKC会員事務所による巡回監査と月次決算の実施を奨励すると共に、関与先企業における業績管理ツールとしてFXクラウドシリーズの活用を推進しています。その結果、FXシリーズの利用社数は33万5,000社を超えています。
③「FXクラウドシリーズ」がJIIMAによるデジタルシームレスの第1号認証を取得
令和8年2月20日付で「FXクラウドシリーズ」は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)から、「デジタルシームレスソフト法的要件認証」の国内第1号として認定を受けました。デジタルシームレスは、請求・決済から会計処理、税務申告・納税に至るまで、各種データを一気通貫で連携し、デジタルデータのまま処理・保存する仕組みです。これにより、事業者の入力業務の省力化、業務品質の向上、税務コンプライアンスの強化が期待されます。また、認証取得ソフトの導入により、電子取引データの改ざん防止や適正な記帳、電子帳簿との相互関連性の確保など、制度上の要件適合性を個別に確認する負担が軽減され、安心して利用できる環境が整います。今回の認定により、当社システムにおける会計処理から電子申告・納税までの一気通貫処理の仕組みが、第三者機関により客観的に評価されたことになります。当社は今後も、デジタルシームレスの実現を通じてトレーサビリティの確保と企業経営の健全な発展に貢献してまいります。
④500以上の金融機関が「TKCモニタリング情報サービス(MIS)」を採用
「TKCモニタリング情報サービス(以下、MIS)」は、関与先企業の経営者の依頼に基づきTKC会員事務所が当該関与先の決算書、税務申告書などを、国税の電子申告と同時に、金融機関に対して開示するための無償のクラウドサービスです。令和8年1月にMISを利用する金融機関が500を超え、メガバンク、地銀、第2地銀、信用金庫の9割超で融資判断や融資先のモニタリングに活用されています。また全国の信用保証協会(51協会)のうち47協会でも利用されています。MISは、経営者保証ガイドラインで示された経営者保証を解除するための3つの要件(1)法人と個人の取引を適正に区分経理、2)一定以上の財務基盤の保持、3)財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示による経営の透明性の確保)を確認できるツールとして、中小企業の経営支援に取り組む金融機関や信用保証協会から高く評価されており、その利用件数は37万件を超えました。
⑤日本政策金融公庫とTKC全国会、(株)TKCの連携による災害ファストリンクを開始
令和8年3月、当社はTKC全国会および株式会社日本政策金融公庫と「危機事象発生における業務連携・協力に関する覚書」を締結しました。近年、自然災害の頻発・激甚化や感染症の発生等により、中小企業は平時からの事業継続体制の整備が強く求められています。本覚書は、危機事象発生時に3者が連携し、被災事業者に対する迅速な資金繰り支援、経営相談、必要情報の提供等を行う体制を構築するものです。あわせて、日本政策金融公庫と
TKC全国会が進める融資スキーム「TKCファストリンク」の実績を踏まえ、災害時に必要書類をワンストップで提出できる「災害ファストリンク」も運用を開始します。当社は、MISにより蓄積・提供される信頼性の高い財務情報を基盤として、日本政策金融公庫との連携強化を図り、中小企業の事業継続を支援してまいります。
(2)大企業市場への展開
当社は、連結会計システム(平成11年)および連結納税システム(平成15年)の開発を契機として、上場企業を中心とした大企業向けの営業を展開することになりました。ただし、この事業は、すべてTKC全国会との共同事業として行っており、その目的は、大企業の税務・会計業務のコンプライアンスの向上と事務の合理化に貢献するとともに、これらの大企業およびその関係会社をTKC会員の関与先企業とすることを究極の目標としています。
①デジタルインボイスの推進
当社はデジタルインボイス推進協議会(EIPA)の代表幹事法人として、約160の協議会加盟会社とともに、デジタルインボイスの普及活動に取り組んでいます。TKCシステムは、Peppolインボイスの利活用により取引から会計・税務までの事務処理をデジタルデータにより一気通貫で処理することが可能であり、前述の通り「デジタルシームレス」の認証を受けています。「デジタルシームレス」とは、Peppolインボイスの利活用などにより取引から会計・税務までの事務処理をデジタルデータにより一気通貫で処理することを指しており、人手による入力作業を介さないため事業者の事務負担の軽減や税務コンプライアンスの向上を図ることが可能です。当社では今後もPeppolインボイスの利活用と機能拡充を進め「デジタルシームレス」の実現を通じて、国際的なデジタル化への対応を支援してまいります。
②新リース会計基準への対応支援
令和6年9月13日に企業会計基準委員会より、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等が公表され、上場企業では令和9年4月から強制適用されることになりました。当社では主に上場企業を対象に新リース会計基準対応を支援しており、令和8年2月にはファーストアカウンティング株式会社と、同社が提供する経理AIエージェントと固定資産管理システム(FAManager)の連携に向けた協業を開始しました。これによりリース判定プロセスの自動化に加え、リース管理台帳登録、会計システム連携、税務申告まで一気通貫を実現します。今後も新リース会計基準対応に関する情報発信を強化するとともに固定資産管理システム(FAManager)の販売促進を強化し、上場企業における新リース会計基準対応を支援します。
③大企業市場でのシェア拡大
当社が提供する「グループ通算申告システム(e-TAXグループ通算)」は、市場からの評価が高く、グループ通算制度を採用する80%超の企業に利用されています。また、資本金1億円超の企業に法人税の電子申告が義務化されたことを背景に、2万社(令和8年3月末日現在)あると言われている資本金1億円超企業に電子申告の提案を行い、その約46%において「法人電子申告システム(ASP1000R)」や「グループ通算申告システム(e-TAXグループ通算)」をご利用いただいています。令和8年3月には新たなラインアップとして事業所税の申告書作成から電子申告・納税までを一気通貫で支援するクラウドシステムである「e-TAX事業所税」を提供開始し、さらなる大企業における決算、申告業務の効率化の支援を図っています。
こうした活動の結果、「TKC連結グループソリューション」の利用企業グループ数は、令和8年3月末日現在で約6,200企業グループとなりました。現在、日本の上場企業における市場シェアは44%に達しており、日本の上場企業の売上高トップ100社のうち94社(94%)が当社のシステムを利用して消費税、法人税、地方税等の電子申告を行っています。
(3)法律情報データベースの市場拡大
当社は、税務判例データベースの構築という税理士事務所を支援するために開始した事業が各方面から注目されたことにより、今日ではわが国の法曹界、大学等のアカデミック市場、企業法務部門、官公庁・自治体、さらには海外の機関や大学などを対象に広く法律情報サービスを提供するに至っています。以下は昨今の業況です。
①「TKCローライブラリー」の収録数やコンテンツの拡充
当社は、業界最大の判例収録数(36万2,000件超)を誇るとともに、最新情報をタイムリーに追録する法律情報データベース「TKCローライブラリー」を提供し、利用者から頼りになる情報源として高い評価を得ています。判例情報(LEX/DB)を中心に、法令、文献情報、法律専門誌と専門書籍、関連する付加情報を網羅するとともに、常時ライブラリーのコンテンツ拡充および収集活動に注力し、利用者の利用価値を高められるよう活動しております。
当期においては、TKC会員事務所をはじめ大学や法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部、海外の研究機関などでの利用が進み、令和8年3月末日現在、3万1,000の諸機関で7万5,000IDの登録に至っています。
②アカデミック市場への展開
当社が提供する「TKC法科大学院教育研究支援システム」は、いつでもどこでもオンラインで利用できること、他社をしのぐ多様なコンテンツを収録していること、さらにレポート提出・オンライン演習・テスト機能等を搭載し、授業と自学自習を支援する仕組みとなっていることが特長です。令和8年度の契約でも160を超える大学で採用され、教員、学生から高く評価されています。
また、司法試験受験を目指す法科大学院生や修了生、予備試験合格者に対する模擬試験サービス「TKC全国統一模試」を展開し、司法試験への対応を支援しています。法務省は、令和8年7月に始まる司法試験のCBT試験(コンピューターを利用する試験方式)への移行準備を進めており、当社はこれに対応すべく、令和7年7月以降、「TKCデジタルテスト」の開発・導入による環境整備に取り組んでいます。令和8年1月以降は複数の法科大学院の定期試験で本サービスが利用されています。また、今年度のTKC全国統一模試は、令和8年3月から5月にかけて本番同様に全国のテストセンターで実施することから多くの受験生の支持を得ており、今年の司法試験受験予定者の7割を超える約2,800名の申し込みをいただいています。今後も業界1位の受験数を誇るスタンダード模試としてサービスの充実をはかってまいります。
3.地方公共団体事業部門の営業活動と経営成績
地方公共団体事業部門は、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、地方公共団体に専門特化した情報サービスを展開しています。当社が地方公共団体に対して提供する「TKC行政クラウドサービス」は、令和8年3月末日現在で1,150を超える地方公共団体(都道府県、市区町村等)に採用されています。
(1)顧客164団体において地方公共団体情報システム標準化を完了
地方公共団体は、デジタル庁および所管省庁が定めた標準仕様準拠システムの利用が義務付けられ、ガバメントクラウド環境での利用も努力義務とされました。当社は、令和6年12月23日にガバメントクラウド環境での標準仕様準拠システムの稼働を開始した栃木県真岡市を皮切りに、前期末までに68団体、そして今期は、96団体の標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を支援しました。その結果、令和8年3月末日現在、当社の基幹業務システムを利用する顧客164団体(48市、99町、17村)がガバメントクラウド環境で標準仕様準拠システムを稼働させています。
(2)行政サービスのデジタル化支援サービスを推進
当社は、窓口業務のデジタル化「3ない窓口(行かない・待たない・書かない)」の実現を支援する「行政サービス・デジタル化支援ソリューション」を開発・提供しています。
当期においては、「TASKクラウドかんたん窓口システム」がデジタル庁の「令和8年度ガバメントクラウドにおける地方公共団体への窓口DXSaaS提供事業者」に認定されました。その結果、令和8年3月末日現在、「TASKクラウドスマート申請システム」は、大阪市や横浜市など政令指定都市を含む70団体、「TASKクラウドかんたん窓口システム」は130団体、「TASKクラウドマイナンバーカード交付予約・管理システム」は200団体、「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」は280団体に採用されています。なお、兵庫県神戸市からの委託を受けて「パーソナルデータを活用したオンライン申請」の実証実験を令和7年10月から開始しました。
(3)令和8年9月開始の公金納付のデジタル化に向けた対応準備
当社は、地方税共同機構の認定委託先事業者として、同機構が運営するeLTAX(地方税ポータルシステム)審査システムを当社のデータセンターであるTISC(TKCインターネット・サービスセンター)においてクラウド方式で提供しています。あわせて審査システムと各市区町村の税務システムを接続する独自の「データ連携サービス」を開発・提供しています。本サービスの推進に当たっては、約50社のパートナー企業とアライアンス契約を締結し、提案活動を展開しています。その結果、「TASKクラウド地方税電子申告支援サービス」は、令和8年3月末日現在で全都道府県・市区町村の4割以上に当たる約790団体に採用されています。
また、令和8年9月から開始される公金納付のデジタル化に向けてプロジェクトを編成し、システム開発を進めるとともに顧客団体向けに説明会を実施するなど対応準備を進めています。
(4)内部事務のデジタル化支援活動によりTASKクラウド公会計システムが400団体超で採用
当社は、自治体向けの財務会計システム(歳入・歳出・予算・決算等)と固定資産台帳システム、および財務書類作成システムを一体型で管理可能な「TASKクラウド公会計システム」を開発・提供しています。
当期は、電子決裁システムの機能強化に加え、公会計システムと連携する文書管理システムおよび人事給与システムのリニューアルに取り組みました。この結果、「TASKクラウド公会計システム」は、令和8年3月末日現在、410団体の顧客に採用されています。今後は、既に搭載済みのPeppolインボイスへの対応を含め、内部事務のデジタル化に資するサービスをさらに拡充してまいります。
4.印刷事業部門の営業活動と経営成績
当社グループの印刷事業を担う株式会社TLPでは、会計事務所事業部門の統合情報センターで使用するTKCコンピューター用連続帳票や地方公共団体事業部門のアウトソーシングサービスにおける税務関係帳票等の印刷・印字をはじめ、当社顧客に提供する印刷物等を手掛けています。
また、一般企業および官公庁、市区町村等に対しては、DPSやビジネスフォーム印刷および商業美術印刷を基軸に事業を展開しています。
DPS分野では、一般企業へのDM印刷サービス、調査会社への調査票印刷サービス、および総務、経理、人事部門の通知関連業務の合理化を目的としたビジネスプロセスアウトソーシングサービス(BPO)を提供しています。特に、QRコードの活用によりDMの効果を測定するサービスなど、顧客利用価値の向上に取り組んでいます。市区町村に対しては、各種税務関係帳票や投票所入場券などの住民に対する通知業務を支援しています。また、音声コードUni-Voice(特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会提供)を採用することで、二次元コードをスマートフォンで読み込むことにより印刷された文字情報を音声として聞き取ることが可能となります。DPS分野では、こうして付加価値の高いサービスの提供に取り組んでいます。
一方、金融庁は、サプライチェーン全体のCO2排出量(スコープ3)の開示を各企業に求めています。それに対応するためTLPでは、作成した通知物等が、材料の調達・製造・納品・廃棄の過程でどれだけCO2を排出したのかを測り提示できるサービス「CFP(カーボン・フット・プリント)算定サービス」の構築を進めています。当サービスは本年5月の提供開始を予定しています。
ビジネスフォーム印刷分野では、ペーパーレス化の進展により、ビジネス帳票・伝票類の使用量が減少傾向にあるものの、手書き帳票や特定帳票の需要は健在であり、フォーム印刷の強みを生かした営業活動を展開しています。
商業美術印刷分野(カタログ、書籍等)では、顧客企業の周年行事における印刷物や、法律改正による専門書籍の改版など顧客企業が求める出版物をタイムリーに提供するなどの支援をしています。
5.中東情勢による業績への影響
中東不安の長期化により、各種資材の調達困難な状況が懸念されています。印刷事業においては、受注済み案件への影響を抑え安定供給を図るため、仕入先各社から原材料、各種資材の調達に関する情報を収集するとともに、供給交渉を継続しています。
また、当社のデータセンターであるTISCと、コールセンター業務を請け負うTCSSでは、安定稼働に向けてIT投資の前倒しと、緊急時に備えて備蓄している重油の安定確保に取り組んでいます。
Ⅱ 財政状態
当第2四半期末における資産・負債および純資産の状況は次の通りです。
1.資産の部について
当第2四半期末における資産合計は、131,574百万円となり、前連結会計年度末129,817百万円と比較して1,756百万円増加しました。
(1)流動資産
当第2四半期末における流動資産は、53,684百万円となり、前連結会計年度末52,513百万円と比較して1,171百万円増加しました。
その主な理由は、受取手形、売掛金及び契約資産が616百万円減少したものの、現金及び預金が2,263百万円増加したことによります。
(2)固定資産
当第2四半期末における固定資産は、77,889百万円となり、前連結会計年度末77,303百万円と比較して585百万円増加しました。
その主な理由は、長期預金が1,000百万円減少したものの、投資有価証券が827百万円、その他に含まれる長期繰延税金資産が549百万円増加したことによります。
2.負債の部について
当第2四半期末における負債合計は、23,499百万円となり、前連結会計年度末21,320百万円と比較して2,179百万円増加しました。
(1)流動負債
当第2四半期末における流動負債は、20,336百万円となり、前連結会計年度末18,349百万円と比較して1,987百万円増加しました。
その主な理由は、契約負債が596百万円減少したものの、未払法人税等が1,988百万円、賞与引当金が810百万円増加したことによります。
(2)固定負債
当第2四半期末における固定負債は、3,163百万円となり、前連結会計年度末2,971百万円と比較して191百万円増加しました。
その主な理由は、その他に含まれる長期リース債務が249百万円増加したことによります。
3.純資産の部について
当第2四半期末における純資産合計は、108,074百万円となり、前連結会計年度末108,497百万円と比較して422百万円減少しました。
その主な理由は、その他有価証券評価差額金が559百万円増加し、自己株式が1,704百万円減少したことにより純資産が増加したものの、利益剰余金が2,771百万円減少したことによります。
なお、当第2四半期末における自己資本比率は、82.1%となり、前連結会計年度末83.6%と比較して1.4ポイント減少しました。
Ⅲ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ136百万円減少し、33,444百万円になりました。
当第2四半期における各キャッシュ・フローの概況とその主な理由は次のとおりです。
(1)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローについては、12,574百万円増加(前年同期比9,285百万円収入増)しました。これは、税金等調整前中間純利益11,410百万円、減価償却費2,282百万円の計上、賞与引当金810百万円の増加、売上債権495百万円の減少および法人税等の支払2,435百万円などによるものです。
(2)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローについては、3,607百万円減少(前年同期比6,048百万円支出増)しました。これは、定期預金の預入3,000百万円の支出、定期預金の払戻1,600百万円の収入、有形固定資産の取得988百万円の支出および無形固定資産の取得1,199百万円の支出などによるものです。
(3)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローについては、9,103百万円減少(前年同期比2,831百万円支出増)しました。これは、自己株式の取得5,952百万円の支出および令和7年9月期期末配当3,086百万円(1株当たり配当60円)の支払いなどによるものです。
Ⅳ 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅴ 研究開発活動
当第2四半期における当社グループの研究開発費はありません。
なお、当第2四半期において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(経営成績の概要)
当中間連結会計期間(以下、当第2四半期)における株式会社TKCとその連結子会社等6社を含む連結グループの経営成績は、売上高が46,825百万円(前期比19.4%増)、営業利益は11,126百万円(同28.2%増)、経常利益は11,437百万円(同29.0%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は7,961百万円(同26.1%増)となり、いずれも過去最高を記録しました。
この大幅な増収増益は、地方公共団体事業部門における標準仕様準拠システムへの対応とガバメントクラウドへの移行支援(96団体)に伴う一時的な収益(以下「標準化特需」)を主因とするものです。標準化特需は、国が定める移行期限(令和8年3月末)に対応するもので、当社顧客164団体(48市、99町、17村)の移行をすべて完了したことから、当第2四半期をピークに収束します。
なお、第60期通期における業績の見通しは、令和8年9月期第1四半期決算短信(令和8年2月13日)の開示内容から変更はございません。
(第61期以降の経営計画)
一方で、標準化特需を除いた恒常的な事業基盤は引き続き拡大基調にあり、会計事務所事業部門においてはクラウド系システム(OMSクラウド、FXクラウドシリーズ)の利用社数増加を計画し、地方公共団体事業部門においてはガバメントクラウド運用管理補助業務やTASKクラウド公会計システム等のサブスクリプション収益の積み上げを計画しています。
ただし、第61期は恒常的な事業基盤の成長による増収だけでは標準化特需の反動減を補いきれないため、減収となる見通しです。なお、具体的な経営計画は、令和7年9月期決算短信(令和7年11月12日)で開示したとおりです。
| 事業年度 | 連結売上高 | 前期比 | 連結経常利益 | 前期比 |
| 百万円 | % | 百万円 | % | |
| 第60期業績予想 | 85,500 | 2.4 | 17,100 | 3.1 |
| 第61期計画 | 82,200 | △3.9 | 17,100 | 0.0 |
| 第62期計画 | 83,900 | 2.1 | 17,350 | 1.5 |
(事業環境)
当第2四半期におけるわが国経済は、緩やかな回復基調にあるものの、中東情勢の緊迫化に伴う資源の価格高騰や供給不安、金利上昇など先行き不透明な状況が続いています。一方、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)需要、電子帳簿保存法・インボイス制度等の法律改正への対応、地方公共団体における行政手続きのデジタル化への要請、社会的な生成AIおよびAIエージェントの実装需要など、当社の事業領域に関連するIT投資需要は引き続き旺盛です。
(基本方針)
このような事業環境のもと、会計事務所事業部門においてはTKC会員事務所による関与先指導の基本方針を「黒字決算と適正申告の実現」に、地方公共団体事業部門の基本方針を「スマート行政DXの実現」と定め、(1)クラウド系システムへの移行加速によるストック収益基盤の拡大、(2)生成AI技術を活用した業務革新支援、(3)税務コンプライアンスとガバナンスを両立させた「デジタルシームレス」の社会実装を推進しています。
会計事務所事業部門では、基本方針「黒字決算と適正申告の実現」を支援するために、巡回監査と月次決算の実施を奨励するとともに、関与先企業における業績管理ツールとして財務会計システム「FXクラウドシリーズ」の活用を推進しています。
FXクラウドシリーズは、本年3月に公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)から、「デジタルシームレスソフト法的要件認証」の国内第1号の認定を受けました(この詳細は、2.(1)③)に記載しております)。これによりFXクラウドシリーズを利用している顧客は、証憑の発行・保管から日々の仕訳、毎月の試算表、決算書と税務申告書の作成、さらには電子申告・電子納税に至るまでをデジタルシームレスで一気通貫に行えていることが認証されたことになります。当社は、FXクラウドシリーズのさらなる機能拡張によって、関与先企業における入力業務の省力化のみならず、電子帳簿保存法が定める証憑と帳簿のトレーサビリティの確保、そして税務コンプライアンスの向上を支援してまいります。
地方公共団体事業部門では、政府の「地方公共団体情報システム標準化基本方針」にもとづき、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行支援に取り組んでまいりました。前期の68団体に続き、当期は96団体の移行を予定どおり支援した結果、顧客である164団体(48市、99町、17村)の標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を、国が定める期限(令和8年3月末)までに完了しました。現在、当社の顧客市町村では、ガバメントクラウド上で標準仕様準拠システムが安定的に稼働しています。今後は当社が掲げる「スマート行政DX」の実現に向けて、機能強化と活用支援をさらに進めてまいります。
(生成AI戦略の進捗)
当社は本年1月、全エンジニアにAIコーディングアシスタントのライセンスを付与し、体系的な研修とハンズオン支援を繰り返しながら、AI駆動開発体制への転換に取り組んでいます。さらに、本年7月以降、当社の会計事務所事業部門が提供するシステムにAIエージェントを順次搭載してまいります。
当第2四半期における事業部門別の売上高の推移は以下のとおりです。
1.第2四半期業績の推移
(1)会計事務所事業部門の売上高の推移
会計事務所事業部門における売上高は26,508百万円(前期比3.9%増)、営業利益は5,443百万円(同22.2%減)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①コンピューターサービス売上高は、前期比5.7%増となりました。これは、新規入会者の増加に伴って、会計事務所の基幹システムである「OMSクラウド」と会計事務所業務の生産性向上を支援するOMSのオプションシステムの利用が増加したこと、さらに経理事務のデジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む企業や、クラウド環境を活用して自社の業績管理に取り組む経営者が増加し、「FXクラウドシリーズ」の新規利用が拡大したことよります。
②ソフトウエア売上高は前期比0.5%増となりました。これは、FXクラウドシリーズの新規受注の拡大に加え、スタンドアロン版からクラウド版への移行が順調に進んだことによるものです。
③コンサルティングサービス売上高は前期比5.7%増となりました。これは、中堅企業向け財務会計システム「FX4クラウド」の新規受注に伴い、立ち上げ支援サービスの実施件数が増加したことによります。
④ハードウエア売上高は、前期比13.2%増となりました。これは、Microsoft社がWindows10のサポートを昨年10月に終了したことに伴い、パソコンのリプレースが大幅に進んだことによります。
⑤なお、営業利益は前期比22.2%減となりました。これは、人件費の増加(全社的な業績連動賞与の引き上げおよび採用の強化)によるものです。限界利益率は概ね前年同期並みを維持しており、事業の収益力が低下したというものではありません。
(2)地方公共団体事業部門の売上高の推移
地方公共団体事業部門における売上高は18,789百万円(前期比54.6%増)、営業利益は5,671百万円(同237.5%増)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①コンピューターサービス売上高は、前期比5.4%減となりました。これは、従前は当社のデータセンターである
TISC(TKCインターネット・サービスセンター)で稼働させていたTASKクラウドの運用環境をガバメントクラウドに移行したことにより、データセンター利用料およびネットワーク回線利用料売上が減少したことによるものです。
②ソフトウエア売上高は、前期比9.8%増となりました。これは、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行に伴い、ガバメントクラウド運用管理補助業務を新たに受託したことによるものです。また、「TASKクラウド公会計システム」等の新規受託によりサブスクリプション型のソフトウエア利用料も増加しています。
③コンサルティングサービス売上高は、前期比1,029.1%増(7,231百万円の増加)となりました。これは、標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を支援した顧客団体が、前年同期は2団体であったものが当期は96団体となり、それに伴うシステム移行支援料が増加したことによるものです。
④ハードウエア売上高は、前期比24.6%減となりました。これは、標準仕様準拠システムへの移行にむけた庁内設置用サーバーの導入や住基ネット関連ハードウエア機器の更改が前年同期に集中し、当期はこれらの受注が減少したことによるものです。
⑤なお、営業利益の伸びが売上高の伸びを上回った理由は、利益率の低いハードウエア売上高が前年同期よりも減少した一方で、利益率の高いシステム移行支援に係るコンサルティングサービス売上高が大幅に増加したことによります。
顧客164団体すべての標準化対応完了に伴い、令和9年9月期 (第61期)以降、システム移行支援に係るコンサルティングサービス売上は段階的に縮小します。一方で、1)ガバメントクラウド運用管理補助業務(サブスクリプション型)、2)スマート行政DXに関する各種SaaS(かんたん窓口、スマート申請、コンビニ交付等)、3)令和8年9月開始の公金納付デジタル化対応、4)TASKクラウド公会計システムの機能拡充、を成長ドライバーとして位置付けており、ストック収益のさらなる積み上げを図ってまいります。
(3)印刷事業部門(子会社:株式会社TLP)の売上高の推移
印刷事業部門における売上高は1,527百万円(前期比1.9%減)、営業利益は3百万円(前期は営業損失9百万円)となりました。売上高の主な内訳は以下のとおりです。
①データ・プリント・サービス(以下、DPS)関連商品の売上高は、前期比0.1%減となりました。
これは、主要顧客から新たな販促DM作成業務や調査票(事業活動調査等)印刷業務の受注、アウトソーシングとして年末調整に係る必要書類の発行・回収業務の新規受注、令和8年2月の衆議院選挙に係る通知業務の受託があったものの、一部顧客のDM等の発送中止による売上減少を補いきれなかったことによるものです。
②ビジネスフォーム関連の売上高は、前期比2.3%減となりました。これは、デジタル化の進展により顧客企業における帳票・伝票等印刷業務の需要が減少傾向にあることによります。
③商業美術印刷(カタログ、書籍等)関連の売上高は、前期比0.1%増となりました。これは、新たに冊子および季刊誌等の印刷業務を受注したことによります。
2.会計事務所事業部門の営業活動と経営成績
会計事務所事業部門では、TKC会員事務所とその関与先企業の持続的な発展を支援するために、TKC会員1万1,600名(令和8年3月末日現在)が組織するTKC全国会と密接に連携し、「黒字決算と適正申告」を実現するためのシステムやサービスの開発に取り組んでいます。
また、上場企業などの大企業や法律事務所、大学・法科大学院等に対しても各種クラウドサービスを提供しています。
(1)「黒字決算と適正申告の実現」に向けた活動
①月次決算の実施を前提とし、遡及的な訂正加除の処理を禁止するTKCシステム
当社が提供する財務会計システムの最大の特長は、TKC会員事務所が関与先企業に毎月実施する巡回監査と月次決算を前提とし、巡回監査実施後の取引データについて、遡及的な訂正加除の処理を禁止しているところにあります。この特長を生かし、当社が無償で発行している「記帳適時性証明書」は、TKC会員が関与先企業を毎月訪問し、正しい会計記帳を指導(巡回監査)しながら、月次決算、確定決算ならびに電子申告に至るまでの全ての業務プロセスを一気通貫で適時に完了したことを当社が第三者として証明しています。また、記帳適時性証明書に加え、TKC会員が実践する「税理士法第33条の2に基づく添付書面」や日本税理士会連合会、全国信用保証協会連合会が制定した「中小会計要領チェックリスト」を税務申告時に提出することで、決算書の信頼性が高まります。こうした活動の結果、TKCシステムの利用による法人税の電子申告件数は65万4,000社を超えました。
②「FXクラウドシリーズ」の推進
当社の財務会計システムである「FXクラウドシリーズ」は「黒字決算と適正申告」を支援する、経営者のための最強の業績管理ツールです。当システムの業績管理機能(365日変動損益計算書、得意先・仕入先順位月報等)を毎月確認している企業の黒字割合は60%を超えていることを確認しています。こうしたエビデンスに基づいて、当社はTKC会員事務所による巡回監査と月次決算の実施を奨励すると共に、関与先企業における業績管理ツールとしてFXクラウドシリーズの活用を推進しています。その結果、FXシリーズの利用社数は33万5,000社を超えています。
③「FXクラウドシリーズ」がJIIMAによるデジタルシームレスの第1号認証を取得
令和8年2月20日付で「FXクラウドシリーズ」は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)から、「デジタルシームレスソフト法的要件認証」の国内第1号として認定を受けました。デジタルシームレスは、請求・決済から会計処理、税務申告・納税に至るまで、各種データを一気通貫で連携し、デジタルデータのまま処理・保存する仕組みです。これにより、事業者の入力業務の省力化、業務品質の向上、税務コンプライアンスの強化が期待されます。また、認証取得ソフトの導入により、電子取引データの改ざん防止や適正な記帳、電子帳簿との相互関連性の確保など、制度上の要件適合性を個別に確認する負担が軽減され、安心して利用できる環境が整います。今回の認定により、当社システムにおける会計処理から電子申告・納税までの一気通貫処理の仕組みが、第三者機関により客観的に評価されたことになります。当社は今後も、デジタルシームレスの実現を通じてトレーサビリティの確保と企業経営の健全な発展に貢献してまいります。
④500以上の金融機関が「TKCモニタリング情報サービス(MIS)」を採用
「TKCモニタリング情報サービス(以下、MIS)」は、関与先企業の経営者の依頼に基づきTKC会員事務所が当該関与先の決算書、税務申告書などを、国税の電子申告と同時に、金融機関に対して開示するための無償のクラウドサービスです。令和8年1月にMISを利用する金融機関が500を超え、メガバンク、地銀、第2地銀、信用金庫の9割超で融資判断や融資先のモニタリングに活用されています。また全国の信用保証協会(51協会)のうち47協会でも利用されています。MISは、経営者保証ガイドラインで示された経営者保証を解除するための3つの要件(1)法人と個人の取引を適正に区分経理、2)一定以上の財務基盤の保持、3)財務状況の正確な把握と適時適切な情報開示による経営の透明性の確保)を確認できるツールとして、中小企業の経営支援に取り組む金融機関や信用保証協会から高く評価されており、その利用件数は37万件を超えました。
⑤日本政策金融公庫とTKC全国会、(株)TKCの連携による災害ファストリンクを開始
令和8年3月、当社はTKC全国会および株式会社日本政策金融公庫と「危機事象発生における業務連携・協力に関する覚書」を締結しました。近年、自然災害の頻発・激甚化や感染症の発生等により、中小企業は平時からの事業継続体制の整備が強く求められています。本覚書は、危機事象発生時に3者が連携し、被災事業者に対する迅速な資金繰り支援、経営相談、必要情報の提供等を行う体制を構築するものです。あわせて、日本政策金融公庫と
TKC全国会が進める融資スキーム「TKCファストリンク」の実績を踏まえ、災害時に必要書類をワンストップで提出できる「災害ファストリンク」も運用を開始します。当社は、MISにより蓄積・提供される信頼性の高い財務情報を基盤として、日本政策金融公庫との連携強化を図り、中小企業の事業継続を支援してまいります。
(2)大企業市場への展開
当社は、連結会計システム(平成11年)および連結納税システム(平成15年)の開発を契機として、上場企業を中心とした大企業向けの営業を展開することになりました。ただし、この事業は、すべてTKC全国会との共同事業として行っており、その目的は、大企業の税務・会計業務のコンプライアンスの向上と事務の合理化に貢献するとともに、これらの大企業およびその関係会社をTKC会員の関与先企業とすることを究極の目標としています。
①デジタルインボイスの推進
当社はデジタルインボイス推進協議会(EIPA)の代表幹事法人として、約160の協議会加盟会社とともに、デジタルインボイスの普及活動に取り組んでいます。TKCシステムは、Peppolインボイスの利活用により取引から会計・税務までの事務処理をデジタルデータにより一気通貫で処理することが可能であり、前述の通り「デジタルシームレス」の認証を受けています。「デジタルシームレス」とは、Peppolインボイスの利活用などにより取引から会計・税務までの事務処理をデジタルデータにより一気通貫で処理することを指しており、人手による入力作業を介さないため事業者の事務負担の軽減や税務コンプライアンスの向上を図ることが可能です。当社では今後もPeppolインボイスの利活用と機能拡充を進め「デジタルシームレス」の実現を通じて、国際的なデジタル化への対応を支援してまいります。
②新リース会計基準への対応支援
令和6年9月13日に企業会計基準委員会より、企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等が公表され、上場企業では令和9年4月から強制適用されることになりました。当社では主に上場企業を対象に新リース会計基準対応を支援しており、令和8年2月にはファーストアカウンティング株式会社と、同社が提供する経理AIエージェントと固定資産管理システム(FAManager)の連携に向けた協業を開始しました。これによりリース判定プロセスの自動化に加え、リース管理台帳登録、会計システム連携、税務申告まで一気通貫を実現します。今後も新リース会計基準対応に関する情報発信を強化するとともに固定資産管理システム(FAManager)の販売促進を強化し、上場企業における新リース会計基準対応を支援します。
③大企業市場でのシェア拡大
当社が提供する「グループ通算申告システム(e-TAXグループ通算)」は、市場からの評価が高く、グループ通算制度を採用する80%超の企業に利用されています。また、資本金1億円超の企業に法人税の電子申告が義務化されたことを背景に、2万社(令和8年3月末日現在)あると言われている資本金1億円超企業に電子申告の提案を行い、その約46%において「法人電子申告システム(ASP1000R)」や「グループ通算申告システム(e-TAXグループ通算)」をご利用いただいています。令和8年3月には新たなラインアップとして事業所税の申告書作成から電子申告・納税までを一気通貫で支援するクラウドシステムである「e-TAX事業所税」を提供開始し、さらなる大企業における決算、申告業務の効率化の支援を図っています。
こうした活動の結果、「TKC連結グループソリューション」の利用企業グループ数は、令和8年3月末日現在で約6,200企業グループとなりました。現在、日本の上場企業における市場シェアは44%に達しており、日本の上場企業の売上高トップ100社のうち94社(94%)が当社のシステムを利用して消費税、法人税、地方税等の電子申告を行っています。
(3)法律情報データベースの市場拡大
当社は、税務判例データベースの構築という税理士事務所を支援するために開始した事業が各方面から注目されたことにより、今日ではわが国の法曹界、大学等のアカデミック市場、企業法務部門、官公庁・自治体、さらには海外の機関や大学などを対象に広く法律情報サービスを提供するに至っています。以下は昨今の業況です。
①「TKCローライブラリー」の収録数やコンテンツの拡充
当社は、業界最大の判例収録数(36万2,000件超)を誇るとともに、最新情報をタイムリーに追録する法律情報データベース「TKCローライブラリー」を提供し、利用者から頼りになる情報源として高い評価を得ています。判例情報(LEX/DB)を中心に、法令、文献情報、法律専門誌と専門書籍、関連する付加情報を網羅するとともに、常時ライブラリーのコンテンツ拡充および収集活動に注力し、利用者の利用価値を高められるよう活動しております。
当期においては、TKC会員事務所をはじめ大学や法科大学院、官公庁、法律事務所、特許事務所、企業法務部、海外の研究機関などでの利用が進み、令和8年3月末日現在、3万1,000の諸機関で7万5,000IDの登録に至っています。
②アカデミック市場への展開
当社が提供する「TKC法科大学院教育研究支援システム」は、いつでもどこでもオンラインで利用できること、他社をしのぐ多様なコンテンツを収録していること、さらにレポート提出・オンライン演習・テスト機能等を搭載し、授業と自学自習を支援する仕組みとなっていることが特長です。令和8年度の契約でも160を超える大学で採用され、教員、学生から高く評価されています。
また、司法試験受験を目指す法科大学院生や修了生、予備試験合格者に対する模擬試験サービス「TKC全国統一模試」を展開し、司法試験への対応を支援しています。法務省は、令和8年7月に始まる司法試験のCBT試験(コンピューターを利用する試験方式)への移行準備を進めており、当社はこれに対応すべく、令和7年7月以降、「TKCデジタルテスト」の開発・導入による環境整備に取り組んでいます。令和8年1月以降は複数の法科大学院の定期試験で本サービスが利用されています。また、今年度のTKC全国統一模試は、令和8年3月から5月にかけて本番同様に全国のテストセンターで実施することから多くの受験生の支持を得ており、今年の司法試験受験予定者の7割を超える約2,800名の申し込みをいただいています。今後も業界1位の受験数を誇るスタンダード模試としてサービスの充実をはかってまいります。
3.地方公共団体事業部門の営業活動と経営成績
地方公共団体事業部門は、行政効率の向上による住民福祉の増進を支援することを目的として、地方公共団体に専門特化した情報サービスを展開しています。当社が地方公共団体に対して提供する「TKC行政クラウドサービス」は、令和8年3月末日現在で1,150を超える地方公共団体(都道府県、市区町村等)に採用されています。
(1)顧客164団体において地方公共団体情報システム標準化を完了
地方公共団体は、デジタル庁および所管省庁が定めた標準仕様準拠システムの利用が義務付けられ、ガバメントクラウド環境での利用も努力義務とされました。当社は、令和6年12月23日にガバメントクラウド環境での標準仕様準拠システムの稼働を開始した栃木県真岡市を皮切りに、前期末までに68団体、そして今期は、96団体の標準仕様準拠システムおよびガバメントクラウドへの移行を支援しました。その結果、令和8年3月末日現在、当社の基幹業務システムを利用する顧客164団体(48市、99町、17村)がガバメントクラウド環境で標準仕様準拠システムを稼働させています。
(2)行政サービスのデジタル化支援サービスを推進
当社は、窓口業務のデジタル化「3ない窓口(行かない・待たない・書かない)」の実現を支援する「行政サービス・デジタル化支援ソリューション」を開発・提供しています。
当期においては、「TASKクラウドかんたん窓口システム」がデジタル庁の「令和8年度ガバメントクラウドにおける地方公共団体への窓口DXSaaS提供事業者」に認定されました。その結果、令和8年3月末日現在、「TASKクラウドスマート申請システム」は、大阪市や横浜市など政令指定都市を含む70団体、「TASKクラウドかんたん窓口システム」は130団体、「TASKクラウドマイナンバーカード交付予約・管理システム」は200団体、「TASKクラウド証明書コンビニ交付システム」は280団体に採用されています。なお、兵庫県神戸市からの委託を受けて「パーソナルデータを活用したオンライン申請」の実証実験を令和7年10月から開始しました。
(3)令和8年9月開始の公金納付のデジタル化に向けた対応準備
当社は、地方税共同機構の認定委託先事業者として、同機構が運営するeLTAX(地方税ポータルシステム)審査システムを当社のデータセンターであるTISC(TKCインターネット・サービスセンター)においてクラウド方式で提供しています。あわせて審査システムと各市区町村の税務システムを接続する独自の「データ連携サービス」を開発・提供しています。本サービスの推進に当たっては、約50社のパートナー企業とアライアンス契約を締結し、提案活動を展開しています。その結果、「TASKクラウド地方税電子申告支援サービス」は、令和8年3月末日現在で全都道府県・市区町村の4割以上に当たる約790団体に採用されています。
また、令和8年9月から開始される公金納付のデジタル化に向けてプロジェクトを編成し、システム開発を進めるとともに顧客団体向けに説明会を実施するなど対応準備を進めています。
(4)内部事務のデジタル化支援活動によりTASKクラウド公会計システムが400団体超で採用
当社は、自治体向けの財務会計システム(歳入・歳出・予算・決算等)と固定資産台帳システム、および財務書類作成システムを一体型で管理可能な「TASKクラウド公会計システム」を開発・提供しています。
当期は、電子決裁システムの機能強化に加え、公会計システムと連携する文書管理システムおよび人事給与システムのリニューアルに取り組みました。この結果、「TASKクラウド公会計システム」は、令和8年3月末日現在、410団体の顧客に採用されています。今後は、既に搭載済みのPeppolインボイスへの対応を含め、内部事務のデジタル化に資するサービスをさらに拡充してまいります。
4.印刷事業部門の営業活動と経営成績
当社グループの印刷事業を担う株式会社TLPでは、会計事務所事業部門の統合情報センターで使用するTKCコンピューター用連続帳票や地方公共団体事業部門のアウトソーシングサービスにおける税務関係帳票等の印刷・印字をはじめ、当社顧客に提供する印刷物等を手掛けています。
また、一般企業および官公庁、市区町村等に対しては、DPSやビジネスフォーム印刷および商業美術印刷を基軸に事業を展開しています。
DPS分野では、一般企業へのDM印刷サービス、調査会社への調査票印刷サービス、および総務、経理、人事部門の通知関連業務の合理化を目的としたビジネスプロセスアウトソーシングサービス(BPO)を提供しています。特に、QRコードの活用によりDMの効果を測定するサービスなど、顧客利用価値の向上に取り組んでいます。市区町村に対しては、各種税務関係帳票や投票所入場券などの住民に対する通知業務を支援しています。また、音声コードUni-Voice(特定非営利活動法人日本視覚障がい情報普及支援協会提供)を採用することで、二次元コードをスマートフォンで読み込むことにより印刷された文字情報を音声として聞き取ることが可能となります。DPS分野では、こうして付加価値の高いサービスの提供に取り組んでいます。
一方、金融庁は、サプライチェーン全体のCO2排出量(スコープ3)の開示を各企業に求めています。それに対応するためTLPでは、作成した通知物等が、材料の調達・製造・納品・廃棄の過程でどれだけCO2を排出したのかを測り提示できるサービス「CFP(カーボン・フット・プリント)算定サービス」の構築を進めています。当サービスは本年5月の提供開始を予定しています。
ビジネスフォーム印刷分野では、ペーパーレス化の進展により、ビジネス帳票・伝票類の使用量が減少傾向にあるものの、手書き帳票や特定帳票の需要は健在であり、フォーム印刷の強みを生かした営業活動を展開しています。
商業美術印刷分野(カタログ、書籍等)では、顧客企業の周年行事における印刷物や、法律改正による専門書籍の改版など顧客企業が求める出版物をタイムリーに提供するなどの支援をしています。
5.中東情勢による業績への影響
中東不安の長期化により、各種資材の調達困難な状況が懸念されています。印刷事業においては、受注済み案件への影響を抑え安定供給を図るため、仕入先各社から原材料、各種資材の調達に関する情報を収集するとともに、供給交渉を継続しています。
また、当社のデータセンターであるTISCと、コールセンター業務を請け負うTCSSでは、安定稼働に向けてIT投資の前倒しと、緊急時に備えて備蓄している重油の安定確保に取り組んでいます。
Ⅱ 財政状態
当第2四半期末における資産・負債および純資産の状況は次の通りです。
1.資産の部について
当第2四半期末における資産合計は、131,574百万円となり、前連結会計年度末129,817百万円と比較して1,756百万円増加しました。
(1)流動資産
当第2四半期末における流動資産は、53,684百万円となり、前連結会計年度末52,513百万円と比較して1,171百万円増加しました。
その主な理由は、受取手形、売掛金及び契約資産が616百万円減少したものの、現金及び預金が2,263百万円増加したことによります。
(2)固定資産
当第2四半期末における固定資産は、77,889百万円となり、前連結会計年度末77,303百万円と比較して585百万円増加しました。
その主な理由は、長期預金が1,000百万円減少したものの、投資有価証券が827百万円、その他に含まれる長期繰延税金資産が549百万円増加したことによります。
2.負債の部について
当第2四半期末における負債合計は、23,499百万円となり、前連結会計年度末21,320百万円と比較して2,179百万円増加しました。
(1)流動負債
当第2四半期末における流動負債は、20,336百万円となり、前連結会計年度末18,349百万円と比較して1,987百万円増加しました。
その主な理由は、契約負債が596百万円減少したものの、未払法人税等が1,988百万円、賞与引当金が810百万円増加したことによります。
(2)固定負債
当第2四半期末における固定負債は、3,163百万円となり、前連結会計年度末2,971百万円と比較して191百万円増加しました。
その主な理由は、その他に含まれる長期リース債務が249百万円増加したことによります。
3.純資産の部について
当第2四半期末における純資産合計は、108,074百万円となり、前連結会計年度末108,497百万円と比較して422百万円減少しました。
その主な理由は、その他有価証券評価差額金が559百万円増加し、自己株式が1,704百万円減少したことにより純資産が増加したものの、利益剰余金が2,771百万円減少したことによります。
なお、当第2四半期末における自己資本比率は、82.1%となり、前連結会計年度末83.6%と比較して1.4ポイント減少しました。
Ⅲ キャッシュ・フローの状況
当第2四半期末における「現金及び現金同等物」の残高は、前連結会計年度末に比べ136百万円減少し、33,444百万円になりました。
当第2四半期における各キャッシュ・フローの概況とその主な理由は次のとおりです。
(1)営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローについては、12,574百万円増加(前年同期比9,285百万円収入増)しました。これは、税金等調整前中間純利益11,410百万円、減価償却費2,282百万円の計上、賞与引当金810百万円の増加、売上債権495百万円の減少および法人税等の支払2,435百万円などによるものです。
(2)投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローについては、3,607百万円減少(前年同期比6,048百万円支出増)しました。これは、定期預金の預入3,000百万円の支出、定期預金の払戻1,600百万円の収入、有形固定資産の取得988百万円の支出および無形固定資産の取得1,199百万円の支出などによるものです。
(3)財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローについては、9,103百万円減少(前年同期比2,831百万円支出増)しました。これは、自己株式の取得5,952百万円の支出および令和7年9月期期末配当3,086百万円(1株当たり配当60円)の支払いなどによるものです。
Ⅳ 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
Ⅴ 研究開発活動
当第2四半期における当社グループの研究開発費はありません。
なお、当第2四半期において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。