訂正有価証券報告書-第49期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種経済対策や日本銀行による金融緩和策・金利政策を背景に、緩やかな回復基調が続いていたものと考えられます。
具体的には、生産活動が持ち直す中、企業収益は改善しており、また、雇用情勢の改善、実質総雇用者所得の緩やかな増加もあり、景気動向は総じて改善基調にあったものと判断しております。
景気の先行きにつきましては、足元においても雇用・所得環境の改善が続く中、これまでの回復基調が今後も継続するものと期待しております。ただし、予測の難しい米国新政権の政策運営をはじめとして、中東・東アジア地域における地政学上のリスク、さらには、英国のEU離脱問題やアジア他の新興国・資源国における景気下振れ懸念等、世界の政治経済情勢における先行き不透明感が拭いきれない状況が続いており、今後慎重な景気動向判断が求められる状況にあると考えております。
このような経済環境の下、ITサービス市場においては、顧客企業における生産性向上や効率化を目的とした従来型の更新投資需要に加え、戦略的事業の強化や競争優位性の確保といった、いわゆる戦略的IT投資需要が高まってきており、全般的にIT投資需要は増加基調にあったものと考えられます。
製造業においては、今後本格的な普及期を迎えると予想されるIoTへの対応や戦略的なグローバル化対応、さらには、より高度化する製品開発時の製品検証や製品サービスに対するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス等、また、流通業においては、デジタルマーケティング強化・オムニチャネル化に向けてのEC・CRM領域やビッグデータ分析関連の投資等、戦略的なIT投資及びITサービス需要が増加基調にあり、ディールフローは堅調に推移しております。
金融業においては、銀行業や保険業等の大手金融機関を中心に、事業強化・業務効率化を目的にした業務システム再構築意欲は堅調であり、また、競争力強化を目的とする、例えば、FinTech・AI等の新しいIT技術を活用したリテールビジネスの開拓や決済システム高度化に向けた対応等、システム開発を中心にIT投資需要が順調に増加しております。
加えて、顧客企業経営層の事業強化・業務効率向上に対しての強い意欲、顧客企業のIT人材不足を背景に、IaaS・PaaS他のITインフラ領域での各種クラウド型ITサービスへの需要、さらには、まだ一部ではありますが、業務システム領域での各種ITサービス需要が増加基調にあったものと考えております。
当連結会計年度の業績につきまして、売上高は、証券業顧客向けのシステム開発や通信業顧客向けのシステム販売案件といった大型案件の反動減影響があったものの、製造業及び金融業顧客向けのシステム開発需要が堅調に推移し、また、保守運用・サービス売上高が製造業や流通業、金融業顧客向けを中心に増加したこと等により、前期比1.7%増の329,303百万円となりました。
営業利益は、外形標準課税や退職給付費用の増加といった制度的・環境的要因による費用増、さらには事業投資関連の費用増加等各種費用増があったものの、増収による増益に加え、業務品質向上・効率化施策の着実な遂行による開発生産性の向上等もあり、前期比6.1%増の33,714百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加・投資収益の計上等により、前期比7.5%増の36,121百万円となり、また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業収益等の増加に加えて、各種投資収益及び税効果の計上もあり、前期比5.6%増の28,458百万円となりました。
セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高については外部顧客への売上高を表示しております。
(単位:百万円)
(製造システム)
自動車及び電子部品メーカー向け案件等が第3四半期に引き続いて堅調に推移し、売上高は前期比5.5%増の42,694百万円、セグメント利益は前期比9.6%増の3,290百万円となりました。
(通信システム)
大手通信キャリア向け他のシステム開発案件等が堅調に推移し、売上高は前期比6.9%増の26,248百万円、セグメント利益は前期比23.6%増の5,206百万円となりました。
(流通システム)
前期からの中小型のシステム開発案件が複数完了したことによる反動減もあり、売上高は前期比0.6%減の48,280百万円となりましたが、不採算案件の減少等による収益性の改善により、セグメント利益は前期比4.6%増の7,133百万円となりました。
(金融システム)
銀行業・保険業向け等堅調でありましたが、証券業向け大型案件の反動減があり、売上高は前期並みの70,529百万円、セグメント利益は、前期に収益性の高い案件があったことに加え、当期の新規事業立ち上げや採算低下・不採算案件の影響等により、前期比12.7%減の7,296百万円となりました。
(ソリューション)
ERP関連案件が堅調に推移し、売上高は前期比1.2%増の19,289百万円となりました。セグメント利益は、生産性が改善したこと、また当期案件の収益性が比較的高かったこと等により、前期比31.0%増の2,087百万円となりました。
(ビジネスサービス)
製造業向けにおける製品サポートや製品検証、流通業向け各種アウトソーシングサービスに対するニーズ等、各種BPO関連のサービス需要は強く、売上高は前期比9.0%増の42,811百万円、セグメント利益は前期比16.3%増の3,303百万円となりました。
(プラットフォームソリューション)
売上高は、通信業顧客向け大型案件の反動減影響により、前期比2.3%減の75,379百万円となりましたが、セグメント利益は、一部のITプロダクト販売事業の利益率改善等もあり、前期比13.0%増の7,138百万円となりました。
(プリペイドカード)
プリペイドカードの発行及び関連ビジネスが堅調に推移し、売上高は前期比2.6%増の3,302百万円、セグメント利益は前期比23.5%増の278百万円となりました。
(その他)
売上高(保有施設の賃貸収入等)は、前期比1.0%減の766百万円、セグメント利益は前期比16.9%減の260百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25,489百万円増加し、123,935百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は37,161百万円(前期比2,431百万円増加)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益35,827百万円、減価償却費8,972百万円、仕入債務の増加による資金の増加1,689百万円によるものであります。主な減少要因は、差入保証金の増加による資金の減少7,927百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は11,982百万円(前期比2,509百万円減少)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得7,876百万円、無形固定資産の取得6,725百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は476百万円(前期比12,815百万円増加)となりました。
主な増加要因は、社債の発行による収入10,000百万円によるものであります。主な減少要因は、平成28年3月期期末配当金(1株当たり40円)4,160百万円及び平成29年3月期中間配当金(1株当たり42.5円)4,421百万円の支払によるものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による各種経済対策や日本銀行による金融緩和策・金利政策を背景に、緩やかな回復基調が続いていたものと考えられます。
具体的には、生産活動が持ち直す中、企業収益は改善しており、また、雇用情勢の改善、実質総雇用者所得の緩やかな増加もあり、景気動向は総じて改善基調にあったものと判断しております。
景気の先行きにつきましては、足元においても雇用・所得環境の改善が続く中、これまでの回復基調が今後も継続するものと期待しております。ただし、予測の難しい米国新政権の政策運営をはじめとして、中東・東アジア地域における地政学上のリスク、さらには、英国のEU離脱問題やアジア他の新興国・資源国における景気下振れ懸念等、世界の政治経済情勢における先行き不透明感が拭いきれない状況が続いており、今後慎重な景気動向判断が求められる状況にあると考えております。
このような経済環境の下、ITサービス市場においては、顧客企業における生産性向上や効率化を目的とした従来型の更新投資需要に加え、戦略的事業の強化や競争優位性の確保といった、いわゆる戦略的IT投資需要が高まってきており、全般的にIT投資需要は増加基調にあったものと考えられます。
製造業においては、今後本格的な普及期を迎えると予想されるIoTへの対応や戦略的なグローバル化対応、さらには、より高度化する製品開発時の製品検証や製品サービスに対するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)サービス等、また、流通業においては、デジタルマーケティング強化・オムニチャネル化に向けてのEC・CRM領域やビッグデータ分析関連の投資等、戦略的なIT投資及びITサービス需要が増加基調にあり、ディールフローは堅調に推移しております。
金融業においては、銀行業や保険業等の大手金融機関を中心に、事業強化・業務効率化を目的にした業務システム再構築意欲は堅調であり、また、競争力強化を目的とする、例えば、FinTech・AI等の新しいIT技術を活用したリテールビジネスの開拓や決済システム高度化に向けた対応等、システム開発を中心にIT投資需要が順調に増加しております。
加えて、顧客企業経営層の事業強化・業務効率向上に対しての強い意欲、顧客企業のIT人材不足を背景に、IaaS・PaaS他のITインフラ領域での各種クラウド型ITサービスへの需要、さらには、まだ一部ではありますが、業務システム領域での各種ITサービス需要が増加基調にあったものと考えております。
当連結会計年度の業績につきまして、売上高は、証券業顧客向けのシステム開発や通信業顧客向けのシステム販売案件といった大型案件の反動減影響があったものの、製造業及び金融業顧客向けのシステム開発需要が堅調に推移し、また、保守運用・サービス売上高が製造業や流通業、金融業顧客向けを中心に増加したこと等により、前期比1.7%増の329,303百万円となりました。
営業利益は、外形標準課税や退職給付費用の増加といった制度的・環境的要因による費用増、さらには事業投資関連の費用増加等各種費用増があったものの、増収による増益に加え、業務品質向上・効率化施策の着実な遂行による開発生産性の向上等もあり、前期比6.1%増の33,714百万円となりました。
経常利益は、営業利益の増加・投資収益の計上等により、前期比7.5%増の36,121百万円となり、また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業収益等の増加に加えて、各種投資収益及び税効果の計上もあり、前期比5.6%増の28,458百万円となりました。
セグメント別業績の概要は次のとおりとなっております。なお、売上高については外部顧客への売上高を表示しております。
(単位:百万円)
前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 前期比 | ||||||||||
( | 自 平成27年4月1日 | ( | 自 平成28年4月1日 | |||||||||
至 平成28年3月31日 | ) | 至 平成29年3月31日 | ) | |||||||||
売上高 | セグメント 利益 | 売上高 | セグメント 利益 | 売上高 | セグメント 利益 | |||||||
製造システム | 40,481 | 3,001 | 42,694 | 3,290 | 2,212 | 288 | ||||||
通信システム | 24,545 | 4,212 | 26,248 | 5,206 | 1,703 | 993 | ||||||
流通システム | 48,577 | 6,822 | 48,280 | 7,133 | △297 | 310 | ||||||
金融システム | 70,887 | 8,359 | 70,529 | 7,296 | △358 | △1,063 | ||||||
ソリューション | 19,052 | 1,592 | 19,289 | 2,087 | 237 | 494 | ||||||
ビジネスサービス | 39,273 | 2,840 | 42,811 | 3,303 | 3,538 | 462 | ||||||
プラットフォーム ソリューション | 77,135 | 6,316 | 75,379 | 7,138 | △1,755 | 822 | ||||||
プリペイドカード | 3,217 | 225 | 3,302 | 278 | 85 | 53 | ||||||
その他 | 774 | 313 | 766 | 260 | △8 | △53 | ||||||
調整額 | ― | △1,898 | ― | △2,278 | ― | △379 | ||||||
合 計 | 323,945 | 31,785 | 329,303 | 33,714 | 5,358 | 1,928 |
(製造システム)
自動車及び電子部品メーカー向け案件等が第3四半期に引き続いて堅調に推移し、売上高は前期比5.5%増の42,694百万円、セグメント利益は前期比9.6%増の3,290百万円となりました。
(通信システム)
大手通信キャリア向け他のシステム開発案件等が堅調に推移し、売上高は前期比6.9%増の26,248百万円、セグメント利益は前期比23.6%増の5,206百万円となりました。
(流通システム)
前期からの中小型のシステム開発案件が複数完了したことによる反動減もあり、売上高は前期比0.6%減の48,280百万円となりましたが、不採算案件の減少等による収益性の改善により、セグメント利益は前期比4.6%増の7,133百万円となりました。
(金融システム)
銀行業・保険業向け等堅調でありましたが、証券業向け大型案件の反動減があり、売上高は前期並みの70,529百万円、セグメント利益は、前期に収益性の高い案件があったことに加え、当期の新規事業立ち上げや採算低下・不採算案件の影響等により、前期比12.7%減の7,296百万円となりました。
(ソリューション)
ERP関連案件が堅調に推移し、売上高は前期比1.2%増の19,289百万円となりました。セグメント利益は、生産性が改善したこと、また当期案件の収益性が比較的高かったこと等により、前期比31.0%増の2,087百万円となりました。
(ビジネスサービス)
製造業向けにおける製品サポートや製品検証、流通業向け各種アウトソーシングサービスに対するニーズ等、各種BPO関連のサービス需要は強く、売上高は前期比9.0%増の42,811百万円、セグメント利益は前期比16.3%増の3,303百万円となりました。
(プラットフォームソリューション)
売上高は、通信業顧客向け大型案件の反動減影響により、前期比2.3%減の75,379百万円となりましたが、セグメント利益は、一部のITプロダクト販売事業の利益率改善等もあり、前期比13.0%増の7,138百万円となりました。
(プリペイドカード)
プリペイドカードの発行及び関連ビジネスが堅調に推移し、売上高は前期比2.6%増の3,302百万円、セグメント利益は前期比23.5%増の278百万円となりました。
(その他)
売上高(保有施設の賃貸収入等)は、前期比1.0%減の766百万円、セグメント利益は前期比16.9%減の260百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ25,489百万円増加し、123,935百万円となりました。各キャッシュ・フローの増減状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は37,161百万円(前期比2,431百万円増加)となりました。
主な増加要因は、税金等調整前当期純利益35,827百万円、減価償却費8,972百万円、仕入債務の増加による資金の増加1,689百万円によるものであります。主な減少要因は、差入保証金の増加による資金の減少7,927百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は11,982百万円(前期比2,509百万円減少)となりました。
主な減少要因は、有形固定資産の取得7,876百万円、無形固定資産の取得6,725百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は476百万円(前期比12,815百万円増加)となりました。
主な増加要因は、社債の発行による収入10,000百万円によるものであります。主な減少要因は、平成28年3月期期末配当金(1株当たり40円)4,160百万円及び平成29年3月期中間配当金(1株当たり42.5円)4,421百万円の支払によるものであります。