有価証券報告書-第51期(平成29年10月1日-平成30年9月30日)

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2018/12/25 12:56
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下第51期)における世界経済は、国際通貨基金(IMF)が2018年4月に経済成長率を3.9%と発表するなど、世界的な貿易の堅調さや先進国による投資の回復、またEU圏内やASEAN諸国での成長の持続など、グローバルな成長基調を保っています。その一方で、米国政権の保護主義的政策がもたらす米中貿易摩擦の緊張の高まりや中国経済の成長の鈍化、またアジア圏では朝鮮半島の不安定さなど、依然として不透明な状況が続いています。
国内経済は、世界経済の緩やかな成長基調のもと、輸出の増加など外需による景況感が継続するとともに、個人消費や企業の設備投資など内需も順調に拡大しており、頻発する豪雨、地震災害による景況感の一時的な悪化の懸念が残るものの、大きくは世界経済同様緩やかに成長基調が続いています。
建設コンサルタント業界では、近年益々顕在化する自然災害リスクに備える国土強靭化の推進や社会資本の老朽化に対する適切な維持管理、長寿命化、更新への危急的な対応が求められています。また、急速に高度化するICTによる社会インフラ分野での事業構造の進化や、AIや自動運転技術に裏打ちされるモビリティサービスの高度化、また、急速に進む少子高齢化への備えや実効ある地方創生への対応、さらには、現在大きな変革期にある国内エネルギーの需要、供給政策への対応など、これまでに無いスピードで進化する社会への対応、コミットが求められています。これらは、いずれも安全安心な社会の根幹部分であり、その実現に向けた建設コンサルタントの果たすべき役割は益々大きくなっています。
このような中、政府の平成30年度当初予算が3月に成立し、厳しい財政状況下においても公共事業関係費は前年同水準の約6兆円が確保されるなど、堅調に推移しています。
上記背景のもと、当社グループにおきましては、前連結会計年度(以下第50期)に中期計画である「長大持続成長プラン2016」を策定し新たな取組みを開始しております。
その中間期となる第51期では、当社および当社グループいずれも当初業績予想を大幅に上回り、第50期に引き続き売上高、利益ともに高水準で推移いたしました。
業務としては、基幹事業である構造、道路、交通、ITS、環境などに加え、災害復旧復興事業、維持管理やインフラ老朽化対策事業、PPP/PFIに代表される地方創生事業、エネルギー関連事業などに積極的に取組みました。
構造事業では、橋梁設計の他、地震や台風による被害の復旧事業関連業務や耐震補強業務を多く実施しました。また、大学との共同研究による橋梁点検ロボットの実用化、大手電気メーカーとの共同研究による高精度動画(4K/8K)を用いた新たな点検技術の開発など、次世代の橋梁点検技術開発に積極的に取組みました。さらに今後の設計手法を大きく変えるCIM(三次元モデルによる計画、設計、管理システム)の開発を含め、国が進めるi-Constructionの進展に携わり業界をリードしました。
インフラマネジメント事業では、道路構造物の維持管理、更新に向けた各種点検業務や道路管理DB構築業務、交通需要予測や事業評価業務などに加え、自動車の移動情報,挙動情報に関するビッグデータの処理プログラムを自社開発し渋滞や事故評価に活用した交通計画業務についても多く取組みました。
社会事業では、基幹事業である環境事業、ITS、情報/電気通信事業の他、PPP/PFIや建築計画・設計等のまちづくり事業や港湾、河川防災事業においても安定的に売上を伸ばしました。ITS、情報/電気通信事業では、連結子会社である順風路株式会社との共同によるAIや自動運転に関連する技術開発、情報/通信技術を活用した首都高速道路における道路交通情報提供事業(mew-ti)などに取組みました。さらに、今後の当社グループの環境・新エネルギー分野の大きな足がかりとして、環境とまちづくりの各部門共同による風力、地熱、バイオマスなど再生可能エネルギー事業へのコンサルティング展開などに積極的に取組んでいます。また、第50期から本格的にスタートした防衛関連事業においても、交通、環境分野から建築分野まで幅広く受注するなど、積極的な展開を図っています。
海外事業では、橋梁設計、施工監理業務の他、鉄道関連の設計業務においても積極的に取組むことで、基幹事業を橋梁、鉄道の二本柱とし、技術営業力を駆使し非ODA系事業などにも幅広く受注活動を行うなど、新たな市場へと展開しています。
比国ミンダナオ島における「カラガ総合地域経済開発プロジェクト」についても着実に進展しています。第51期間中には、アシガ川小水力発電所が竣工し、併せてタギボ川上水供給コンセッション事業が本格稼動いたしました。
これらは、当社が行う同開発プロジェクトのうち、次のステップである電力供給事業、工業団地開発事業、同インフラ整備事業に大きく弾みがつくものです。
当社グループである基礎地盤コンサルタンツ株式会社、株式会社長大テック、順風路株式会社におきましてもグループ連結業績に大きく貢献しました。中でも、基礎地盤コンサルタンツ株式会社では、再生可能エネルギー関連事業、特に洋上風力調査、解析に社をあげて取組み、その結果、更なる顧客の獲得につなげ、関連する調査業務の受注、売上を大きく伸ばすことができました。
また、当社では、「コーポレートガバナンスにかかわる方針と取組み」を公表していますが、この基本方針のもと、今後もより一層、透明、公正な意思決定を行い、持続的成長に向けた取り組みを着実に実施してまいります。
この結果、当連結会計年度における当社グループ全体の経営成績といたしましては、受注高は298億80百万円(前連結会計年度比2.4%増)、売上高は289億69百万円(同8.7%増)となりました。
利益面では、営業利益17億9百万円(同11.6%増)、経常利益17億16百万円(同1.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が10億71百万円(同1.0%増)といずれも前連結会計年度を上回りました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
[コンサルタント事業]
当連結会計年度の受注高は290億81百万円(前連結会計年度比3.2%増)、売上高は281億41百万円(同8.0%増)となりました。
[サービスプロバイダ事業]
当連結会計年度の受注高は3億95百万円(前連結会計年度比30.9%減)、売上高は4億60百万円(同40.0%増)となりました。
[プロダクツ事業]
当連結会計年度の受注高は4億3百万円(前連結会計年度比7.1%減)、売上高は3億68百万円(同35.3%増)となりました。
当連結会計年度末における財政状態は以下の通りであります。
[資産]
資産合計は238億97百万円(前連結会計年度末229億90百万円)となり、9億6百万円の増加となりました。流動資産は164億86百万円(前連結会計年度末157億17百万円)となり、7億69百万円の増加、固定資産は(前連結会計年度末72億72百万円)となり、1億37百万円の増加となりました。
流動資産が増加となった主な要因は、受取手形及び完成業務未収入金が前連結会計年度より4億円、未成業務支出金が2億35百万円、繰延税金資産が1億74百万円それぞれ増加したことによるものです。
固定資産が増加となった主な要因は、投資有価証券が1億23百万円増加したことによるものです。
[負債]
負債合計は108億46百万円(前連結会計年度末107億84百万円)となり、61百万円の増加となりました。流動負債は76億34百万円(前連結会計年度末77億14百万円)となり、80百万円の減少、固定負債は32億11百万円(前連結会計年度末30億69百万円)となり、1億42百万円の増加となりました。
流動負債が減少となった主な要因は、賞与引当金が2億16百万円、受注損失引当金が3億76百万円増加したものの、未成業務受入金が4億87百万円、未払法人税等が2億95百万円それぞれ減少したことによるものです。
固定負債が増加となった主な要因は、長期借入金が1億16百万円、退職給付に係る負債が94百万円それぞれ増加したことによるものです。
[純資産]
当連結会計年度末の純資産合計は130億51百万円(前連結会計年度末122億5百万円)となり、8億45百万円の増加となりました。増加となった主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を10億71百万円計上したこと等により利益剰余金が9億36百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は前連結会計年度の52.7%から54.2%となっております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は64億58百万円(前連結会計年度末の資金残高は64億72百万円で、前連結会計年度末と比べ14百万円の減少)となりました。
また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な内訳は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果取得した資金は8億67百万円(前連結会計年度は25億52百万円の取得で、前連結会計年度と比べ16億85百万円の収入の減少)となりました。
これは主に法人税等の支払額9億94百万円、未成受入金の減少額4億87百万円があったものの、税金等調整前当期純利益16億80百万円の計上、受注損失引当金の増加額3億76百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は5億12百万円(前連結会計年度は62百万円の使用で、前連結会計年度と比べ4億50百万円の支出の増加)となりました。
これは主に有形固定資産の取得により2億14百万円、投資有価証券の取得により1億36百万円支出したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は3億62百万円(前連結会計年度は3億79百万円の使用で、前連結会計年度と比べ16百万円の支出の減少)となりました。
これは主に自己株式の取得に2億27百万円、配当金の支払に1億35百万円支出したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
前年同期比(%)
コンサルタント事業(百万円)20,308107.4
サービスプロバイダ事業(百万円)30998.0
プロダクツ事業(百万円)371101.8
合計(百万円)20,989107.1

(注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
コンサルタント事業29,081103.221,158104.6
サービスプロバイダ事業39569.184892.8
プロダクツ事業40392.9564106.7
合計29,880102.422,571104.2

(注)金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
前年同期比(%)
コンサルタント事業(百万円)28,141108.0
サービスプロバイダ事業(百万円)460140.0
プロダクツ事業(百万円)368135.3
合計(百万円)28,969108.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.前連結会計年度及び当連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2016年10月1日
至 2017年9月30日)
当連結会計年度
(自 2017年10月1日
至 2018年9月30日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
国土交通省8,81433.18,85630.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われており、資産・負債や損益の状況に反映しています。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行なっておりますが、見積りには不確実性が伴うため実際の結果は見積りとは異なることがあります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の売上高は289億69百万円となり、前連結会計年度と比べて23億8百万円の増収、また前連結会計年度比で108.7%となりました。これは主に国内コンサルタント事業のうち特に基幹事業の安定受注に加えて、国土強靭化に向けての災害対策事業や社会資本の老朽化対策事業、またPPP/PFIに代表される地域創生事業、更に再生可能エネルギー関連事業に対応し受注高・売上高を伸ばしたことによるものです。
売上原価は、受注増加や働き方改革への対応としての人件費並びに変動費の増加の影響を受け、207億63百万円と前連結会計年度比で109.3%となりました。この結果、売上総利益は82億6百万円となり、前連結会計年度と比べて5億35百万円の増益、また、売上総利益率は28.3%となりました。
販売費及び一般管理費は、64億96百万円となりました。前連結会計年度と比べて3億57百万円の増加となりましたが、売上高に対する比率では22.4%となり前連結会計年度に比べて0.6ポイントの減少となりました。これは受注・売上高の増加を受けて販売費は増加したものの、一般管理費での削減が進んだことによるものです。
これにより、営業利益は17億9百万円となり、前連結会計年度と比べて1億78百万円の増益、また売上高営業利益率は5.9%となり前連結会計年度に比べ0.2ポイントの上昇となりました。
営業外損益は、6百万円となり前連結会計年度と比べて1億50百万円の低減となりました。これは前連結会計年度で多額に生じていた投資事業組合運用益や為替差益が減少し、例年の水準に戻ったことによるものです。
この結果、経常利益は17億16百万円となり、前連結会計年度と比べて27百万円の増益、また売上高経常利益率は5.9%となりました。
特別損益は、関連会社であるCHODAI & BURO ENGINEERING PTE.LTD.の損失計上に伴う投資有価証券評価損として36百万円を計上しました。
これにより、税金等調整前当期純利益は16億80百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円の減益となりました。
法人税等合計は、6億6百万円となり前連結会計年度に比べ21百万円減少いたしました。これは法人税・住民税・事業税と法人税等調整額のいずれもが減少したことによります。
これにより、当期純利益は10億74百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10億71百万円となり、前連結会計年度と比べて10百万円の増益となりました。
以上より、当連結会計年度は前連結会計年度に比べ増収、増益であり、順調な経営成績が得られたと判断しております。
2)資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金の主な需要は、業務に関わる原価(固定費,変動費)、販売費、一般管理費等であります。事業の発展に向けての投資資金需要は、設備投資や研究開発投資に加え、事業案件(比国地域経済開発プロジェクト)等への事業投資によるものであります。
短期的運転資金は自己資金並びに金融機関からの短期借入金を、また事業投資等に関しては主に自己資金を基本としております。
当社グループは、上記のように資金の流動性を高めると共に、それら資本財源の安定的確保をより一層高めるよう目指して参ります。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は、7億48百万円となっております。
3)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年10月に中期経営計画である「長大持続成長プラン2016」を公表しております(対象期間は第50期~第52期)。その中で、目標とする経営指標を連結及び単体における売上高並びに営業利益と掲げております。
当連結会計年度におきましては、上記記述のとおり、業績は順調に推移していると認識しております。

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