有価証券報告書-第39期(平成31年4月1日-令和2年2月29日)
金融商品関係
(金融商品関係)
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、クレジットカード、住宅ローン、個品割賦等の各種金融サービス事業を行っております。また、銀行業を営む国内連結子会社では、有価証券等の運用業務も行っております。当該事業を行うため、市場の状況や長短のバランスを勘案して、顧客からの預金、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化等によって資金調達を行っております。また、一時的な資金の過不足に対応するため短期市場での資金運用及び資金調達を行っております。
なお、一部の子会社は海外子会社であり外貨建ベースで事業を行っております。
このように、主として金利変動、為替変動を伴う金融資産及び金融負債を有しているため、当社グループでは金利変動によるリスクを管理するために資産及び負債の総合的管理(ALM)を実施しております。また、金利変動リスク及び為替変動リスクのヘッジを目的としてデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有する金融資産は、主として個人に対する住宅ローン、クレジットカード等の貸出金及び割賦売掛金、事業者に対する貸出金であり、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスク及び金利変動リスクに晒されております。また、外国証券及び債券・株式等の有価証券、買入金銭債権については、主として市場リスク及び発行体の信用リスクに晒されております。
預金、借用金、社債等の金融負債は、金融情勢の変動や一定の環境下で当社グループが市場を利用できなくなる場合や財務内容の悪化などにより、支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクをはじめ、金利変動リスク及び為替変動リスクに晒されております。金利変動リスク及び為替変動リスクの一部は金利スワップ取引、通貨スワップ等のデリバティブ取引でヘッジしておりますが、こうしたデリバティブ取引は、取引先の契約不履行による信用リスクを有しております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当社は、当社グループのリスク管理を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、取締役会がリスク管理に係る最高決定機関として、定期的にリスク管理状況の報告を受け、基本的事項の決定を行う体制としています。さらに、当社は取締役会の決定した基本方針の下で全社的なリスク管理を行うため、内部統制推進委員会を設置するとともに、リスク管理の統括部署としてリスク管理部を設置しております。また、当社は、グループリスク管理における基本的事項を「リスク管理規程」に定め、グループとしてのリスク管理体制を整備しております。
これらのリスク管理体制は、その有効性、適切性を検証するために、被監査部門から独立した経営監査部による内部監査を受ける体制としております。
①信用リスクの管理
当社は、当社グループの信用リスクに関する管理諸規程に従い、適切な与信審査・管理を行うことにより信用リスク管理を行っております。これらの与信管理は、審査部門が新規与信実行時及び実行後に継続的に信用状況を把握すると共に、債権管理部門において分析・研究を行い審査部門と連携することにより実施しております。
銀行業を営む国内連結子会社は、リスク量として主にバリュー・アット・リスク(過去のデータ等に基づき、今後の一定期間において、特定の確率で、保有する金融商品に生じる損失額の推計値。以下「VaR」という。)を計測し、定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しております。
なお、デリバティブ取引における取引先の契約不履行リスクについては、信用度の高い金融機関に対して、分散して取引を行っていることから、リスクは限定的と認識しております。
②市場リスクの管理
当社は、当社グループの市場リスクに関する管理諸規程に従い、市場リスクについて、リスクの所在、規模等を把握し、適切な管理を行うとともに、管理状況等を定期的に内部統制推進委員会に報告しております。市場リスク管理に係る体制としては、収益部門から独立したリスク管理の組織・体制を整備することにより、業務上の相互牽制を確保しています。
銀行業を営む国内連結子会社は、原則保有する全ての金融商品について市場リスクに関する定量的分析を行っており、主にVaRを用いて市場リスク量を管理しております。具体的には、VaRが取締役会等で決議したリスク限度額(資本配賦額)を超過しないよう市場リスクをコントロールしております。
(イ)金利リスクの管理
当社は、当社グループの多様な金融サービスに対するお客さまのニーズに適切に対応するとともに、当社グループ全体の収益力向上に資するべく管理を行っております。
銀行業を営む国内連結子会社は、全社的な金利リスク管理の指標としてVaRを計測して管理するほか、ストレステストも併せて実施しており、定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しております。
(ロ)有価証券価格変動リスクの管理
有価証券及び買入金銭債権の保有については、「直面する様々なリスクについて、リスクカテゴリーごとに評価したリスクを可能な限り一貫した考え方に基づいて総体的に捉え、より確実かつ継続的な業績の達成に貢献すること」というリスク管理の基本方針に則り、リスク管理を行っております。
銀行業を営む国内連結子会社は、有価証券価格変動リスクの計測を、VaRによって行っており、リスク限度額に対するVaR及びストレステストの結果を定期的にモニタリングし、健全性の確保及び収益の獲得の両立に努めております。また、有価証券の発行体等の信用力の変化も価格変動に影響を与えることから、発行体等の業績モニタリングを行っております。
(ハ)為替変動リスクの管理
当社グループの市場リスクのうち、外貨建資産の為替変動リスクについては、外貨資金の調達や通貨スワップ取引等により、それぞれ当該影響額の一部を回避しております。
(ニ)デリバティブ取引
当社グループは、資金調達に係る金利変動リスク及び為替変動リスクをデリバティブ取引によりヘッジしております。デリバティブ契約締結時には、取引枠・期間・取引のタイミング等の内容につき内規に基づいて執行し、取引を行う部門と管理する部門を分離しております。
(ホ)市場リスクの定量的情報等について
銀行業を営む国内連結子会社の金融商品にかかる市場リスクについては、モンテカルロシミュレーション(保有期間120日、観測期間3年、信頼区間99%値)によりVaRを計測しており、2020年2月29日現在(当期の連結決算日)で、その金額は5,952百万円(2019年3月31日現在は10,656百万円)であります。
なお、当該影響額は、過去の相場等の変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③流動性リスクの管理
当社は、当社グループの継続的なキャッシュ・フローのモニタリングを通して、適時に資金管理を行うほか、資金調達手段の多様化、市場環境を考慮した長短の調達バランスの調整等により、流動性リスクを管理しております。
また、銀行業を営む国内連結子会社は、流動性リスク管理として、支払準備資産保有比率及び資金ギャップ枠を設定し、リスク管理部がモニタリングを行い、その結果を定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しています。また、運営にあたっては資金効率を考慮しつつも流動性確保にウェイトを置いた管理を行っています。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次のとおりであります。なお、時価を把握することが極めて困難と認められるものは、次表には含めておりません((注)2.参照)。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(*1)割賦売掛金、営業貸付金、銀行業における貸出金に対応する貸倒引当金を控除しております。
(*2)連結貸借対照表上、流動資産の「その他」に含めて表示しております。
(*3)1年内償還予定の社債を含めております。
(*4)1年内償還予定の新株予約権付社債を含めております。
(*5)1年内返済予定の長期借入金を含めております。
(*6)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については()で示しております。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(*1)割賦売掛金、営業貸付金、銀行業における貸出金に対応する貸倒引当金を控除しております。
(*2)連結貸借対照表上、流動資産の「その他」に含めて表示しております。
(*3)1年内償還予定の社債を含めております。
(*4)1年内返済予定の長期借入金を含めております。
(*5)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については()で示しております。
(注)1.金融商品の時価の算定方法
資 産
(1)現金及び預金
これらは短期間で決済されるものであるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(2)コールローン
約定期間が短期間(1年以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(3)割賦売掛金
割賦売掛金の種類及び期間に基づく区分ごとに信用リスクを反映した将来キャッシュ・フローを算定し、リスクフリーレートに債権の回収コスト(経費率)を加味した利率で割り引いて算定しております。
(4)営業貸付金
貸出金の種類及び期間に基づく区分ごとに信用リスクを反映した将来キャッシュ・フローを算定し、リスクフリーレートに債権の回収コスト(経費率)を加味した利率で割り引いて算定しております。
(5)銀行業における貸出金
貸出金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、貸出金の種類及び内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計額を同様の新規貸出を行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
(6)銀行業における有価証券、(10)投資有価証券
株式は取引所の価格、債券は、業界団体の公表する価格、取引金融機関から提示された価格又は割引現在価値により算定された価額によっております。
(7)買入金銭債権
買入金銭債権は、取引金融機関から提示された価格又は割引現在価値により算定された価額によっております。
(8)金銭の信託
信託財産を構成している金銭債権の評価は、前述の「(5)銀行業における貸出金」と同様の方法により行っております。
(9)外国為替
外国為替は、他の銀行に対する外貨預け金(外国他店預け)であります。これらは満期のない預け金であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
負 債
(11)買掛金
これらは短期間で決済されるものであるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(12)銀行業における預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金の時価は、一定の期間ごとに区分して、将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定しております。その割引率は、新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。なお、預入期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(13)短期借入金、(17)長期借入金
時価は、固定金利によるものは一定の期間ごとに区分した当該借用金の元利金の合計額をリスクフリーレートに当社グループの信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値、変動金利によるものは短期間で市場金利を反映し当社及び連結子会社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似しているとして帳簿価額、その他取引金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(14)コマーシャル・ペーパー
約定期間が短期間(1年以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(15)社債、(16)新株予約権付社債
時価は、市場価格に基づき算定しております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ等)、通貨関連取引(通貨スワップ等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
(注)2.時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報「資産(4)営業貸付金」及び「資産(10)投資有価証券」には含まれておりません。
(単位:百万円)
これらについては、市場価格がなく時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(注)3.金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
(*1)延滞、和解交渉中等により具体的な償還予定日が特定できない債権65,400百万円については本表には含めておりません。
(*2)破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない金額4,262百万円、期間の定めがないもの55,862百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)
(*1)延滞、和解交渉中等により具体的な償還予定日が特定できない債権69,789百万円については本表には含めておりません。
(*2)破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない金額4,701百万円、期間の定めがないもの54,875百万円は含めておりません。
(注)4.社債、借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
(*)要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)
(*)要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
1.金融商品の状況に関する事項
(1)金融商品に対する取組方針
当社グループは、クレジットカード、住宅ローン、個品割賦等の各種金融サービス事業を行っております。また、銀行業を営む国内連結子会社では、有価証券等の運用業務も行っております。当該事業を行うため、市場の状況や長短のバランスを勘案して、顧客からの預金、金融機関からの借入、社債やコマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化等によって資金調達を行っております。また、一時的な資金の過不足に対応するため短期市場での資金運用及び資金調達を行っております。
なお、一部の子会社は海外子会社であり外貨建ベースで事業を行っております。
このように、主として金利変動、為替変動を伴う金融資産及び金融負債を有しているため、当社グループでは金利変動によるリスクを管理するために資産及び負債の総合的管理(ALM)を実施しております。また、金利変動リスク及び為替変動リスクのヘッジを目的としてデリバティブ取引を行っております。
(2)金融商品の内容及びそのリスク
当社グループが保有する金融資産は、主として個人に対する住宅ローン、クレジットカード等の貸出金及び割賦売掛金、事業者に対する貸出金であり、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスク及び金利変動リスクに晒されております。また、外国証券及び債券・株式等の有価証券、買入金銭債権については、主として市場リスク及び発行体の信用リスクに晒されております。
預金、借用金、社債等の金融負債は、金融情勢の変動や一定の環境下で当社グループが市場を利用できなくなる場合や財務内容の悪化などにより、支払期日にその支払いを実行できなくなる流動性リスクをはじめ、金利変動リスク及び為替変動リスクに晒されております。金利変動リスク及び為替変動リスクの一部は金利スワップ取引、通貨スワップ等のデリバティブ取引でヘッジしておりますが、こうしたデリバティブ取引は、取引先の契約不履行による信用リスクを有しております。
(3)金融商品に係るリスク管理体制
当社は、当社グループのリスク管理を経営の最重要課題のひとつと位置づけ、取締役会がリスク管理に係る最高決定機関として、定期的にリスク管理状況の報告を受け、基本的事項の決定を行う体制としています。さらに、当社は取締役会の決定した基本方針の下で全社的なリスク管理を行うため、内部統制推進委員会を設置するとともに、リスク管理の統括部署としてリスク管理部を設置しております。また、当社は、グループリスク管理における基本的事項を「リスク管理規程」に定め、グループとしてのリスク管理体制を整備しております。
これらのリスク管理体制は、その有効性、適切性を検証するために、被監査部門から独立した経営監査部による内部監査を受ける体制としております。
①信用リスクの管理
当社は、当社グループの信用リスクに関する管理諸規程に従い、適切な与信審査・管理を行うことにより信用リスク管理を行っております。これらの与信管理は、審査部門が新規与信実行時及び実行後に継続的に信用状況を把握すると共に、債権管理部門において分析・研究を行い審査部門と連携することにより実施しております。
銀行業を営む国内連結子会社は、リスク量として主にバリュー・アット・リスク(過去のデータ等に基づき、今後の一定期間において、特定の確率で、保有する金融商品に生じる損失額の推計値。以下「VaR」という。)を計測し、定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しております。
なお、デリバティブ取引における取引先の契約不履行リスクについては、信用度の高い金融機関に対して、分散して取引を行っていることから、リスクは限定的と認識しております。
②市場リスクの管理
当社は、当社グループの市場リスクに関する管理諸規程に従い、市場リスクについて、リスクの所在、規模等を把握し、適切な管理を行うとともに、管理状況等を定期的に内部統制推進委員会に報告しております。市場リスク管理に係る体制としては、収益部門から独立したリスク管理の組織・体制を整備することにより、業務上の相互牽制を確保しています。
銀行業を営む国内連結子会社は、原則保有する全ての金融商品について市場リスクに関する定量的分析を行っており、主にVaRを用いて市場リスク量を管理しております。具体的には、VaRが取締役会等で決議したリスク限度額(資本配賦額)を超過しないよう市場リスクをコントロールしております。
(イ)金利リスクの管理
当社は、当社グループの多様な金融サービスに対するお客さまのニーズに適切に対応するとともに、当社グループ全体の収益力向上に資するべく管理を行っております。
銀行業を営む国内連結子会社は、全社的な金利リスク管理の指標としてVaRを計測して管理するほか、ストレステストも併せて実施しており、定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しております。
(ロ)有価証券価格変動リスクの管理
有価証券及び買入金銭債権の保有については、「直面する様々なリスクについて、リスクカテゴリーごとに評価したリスクを可能な限り一貫した考え方に基づいて総体的に捉え、より確実かつ継続的な業績の達成に貢献すること」というリスク管理の基本方針に則り、リスク管理を行っております。
銀行業を営む国内連結子会社は、有価証券価格変動リスクの計測を、VaRによって行っており、リスク限度額に対するVaR及びストレステストの結果を定期的にモニタリングし、健全性の確保及び収益の獲得の両立に努めております。また、有価証券の発行体等の信用力の変化も価格変動に影響を与えることから、発行体等の業績モニタリングを行っております。
(ハ)為替変動リスクの管理
当社グループの市場リスクのうち、外貨建資産の為替変動リスクについては、外貨資金の調達や通貨スワップ取引等により、それぞれ当該影響額の一部を回避しております。
(ニ)デリバティブ取引
当社グループは、資金調達に係る金利変動リスク及び為替変動リスクをデリバティブ取引によりヘッジしております。デリバティブ契約締結時には、取引枠・期間・取引のタイミング等の内容につき内規に基づいて執行し、取引を行う部門と管理する部門を分離しております。
(ホ)市場リスクの定量的情報等について
銀行業を営む国内連結子会社の金融商品にかかる市場リスクについては、モンテカルロシミュレーション(保有期間120日、観測期間3年、信頼区間99%値)によりVaRを計測しており、2020年2月29日現在(当期の連結決算日)で、その金額は5,952百万円(2019年3月31日現在は10,656百万円)であります。
なお、当該影響額は、過去の相場等の変動をベースに統計的に算出した一定の発生確率での市場リスク量を計測しており、通常では考えられないほど市場環境が激変する状況下におけるリスクは捕捉できない場合があります。
③流動性リスクの管理
当社は、当社グループの継続的なキャッシュ・フローのモニタリングを通して、適時に資金管理を行うほか、資金調達手段の多様化、市場環境を考慮した長短の調達バランスの調整等により、流動性リスクを管理しております。
また、銀行業を営む国内連結子会社は、流動性リスク管理として、支払準備資産保有比率及び資金ギャップ枠を設定し、リスク管理部がモニタリングを行い、その結果を定期的に内部統制推進委員会及び取締役会に報告しています。また、運営にあたっては資金効率を考慮しつつも流動性確保にウェイトを置いた管理を行っています。
2.金融商品の時価等に関する事項
連結貸借対照表計上額、時価及びこれらの差額は、次のとおりであります。なお、時価を把握することが極めて困難と認められるものは、次表には含めておりません((注)2.参照)。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円) |
連結貸借対照表計上額 | 時価 | 差額 | |
(1)現金及び預金 | 644,502 | 644,502 | - |
(2)コールローン | 30,496 | 30,496 | - |
(3)割賦売掛金 | 1,453,160 | ||
貸倒引当金(*1) | △37,106 | ||
1,416,053 | 1,431,129 | 15,075 | |
(4)営業貸付金 | 844,750 | ||
貸倒引当金(*1) | △62,985 | ||
781,765 | 872,001 | 90,236 | |
(5)銀行業における貸出金 | 1,584,990 | ||
貸倒引当金(*1) | △2,667 | ||
1,582,322 | 1,609,220 | 26,898 | |
(6)銀行業における有価証券 | 324,946 | 324,946 | - |
(7)買入金銭債権 | 13,316 | 13,316 | - |
(8)金銭の信託 | 22,406 | 22,406 | - |
(9)外国為替(*2) | 1,635 | 1,635 | - |
(10)投資有価証券 | 7,458 | 7,458 | - |
資産計 | 4,824,902 | 4,957,113 | 132,210 |
(11)買掛金 | 285,653 | 285,653 | - |
(12)銀行業における預金 | 3,469,134 | 3,472,233 | 3,098 |
(13)短期借入金 | 161,744 | 161,744 | - |
(14)コマーシャル・ペーパー | 102,079 | 102,079 | - |
(15)社債(*3) | 143,143 | 143,236 | 92 |
(16)新株予約権付社債(*4) | 29,946 | 30,155 | 209 |
(17)長期借入金(*5) | 383,078 | 381,794 | △1,283 |
負債計 | 4,574,780 | 4,576,898 | 2,118 |
デリバティブ取引(*6) | |||
ヘッジ会計が適用されていないもの | 3 | 3 | - |
ヘッジ会計が適用されているもの | (12,080) | (12,080) | - |
デリバティブ取引計 | (12,076) | (12,076) | - |
(*1)割賦売掛金、営業貸付金、銀行業における貸出金に対応する貸倒引当金を控除しております。
(*2)連結貸借対照表上、流動資産の「その他」に含めて表示しております。
(*3)1年内償還予定の社債を含めております。
(*4)1年内償還予定の新株予約権付社債を含めております。
(*5)1年内返済予定の長期借入金を含めております。
(*6)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については()で示しております。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円) |
連結貸借対照表計上額 | 時価 | 差額 | |
(1)現金及び預金 | 762,891 | 762,891 | - |
(2)コールローン | 53,773 | 53,773 | - |
(3)割賦売掛金 | 1,543,135 | ||
貸倒引当金(*1) | △43,847 | ||
1,499,288 | 1,517,434 | 18,146 | |
(4)営業貸付金 | 855,410 | ||
貸倒引当金(*1) | △67,651 | ||
787,759 | 878,640 | 90,881 | |
(5)銀行業における貸出金 | 1,674,786 | ||
貸倒引当金(*1) | △2,765 | ||
1,672,020 | 1,702,783 | 30,763 | |
(6)銀行業における有価証券 | 447,229 | 447,229 | - |
(7)買入金銭債権 | 14,823 | 14,823 | - |
(8)金銭の信託 | 50,308 | 50,308 | - |
(9)外国為替(*2) | 6,362 | 6,362 | - |
(10)投資有価証券 | 6,134 | 6,134 | - |
資産計 | 5,300,591 | 5,440,382 | 139,791 |
(11)買掛金 | 260,810 | 260,810 | - |
(12)銀行業における預金 | 3,790,240 | 3,792,093 | 1,852 |
(13)短期借入金 | 139,386 | 139,386 | - |
(14)コマーシャル・ペーパー | 160,151 | 160,151 | - |
(15)社債(*3) | 298,106 | 298,500 | 393 |
(16)新株予約権付社債 | - | - | - |
(17)長期借入金(*4) | 422,657 | 425,943 | 3,285 |
負債計 | 5,071,352 | 5,076,884 | 5,532 |
デリバティブ取引(*5) | |||
ヘッジ会計が適用されていないもの | 4 | 4 | - |
ヘッジ会計が適用されているもの | (12,657) | (12,657) | - |
デリバティブ取引計 | (12,653) | (12,653) | - |
(*1)割賦売掛金、営業貸付金、銀行業における貸出金に対応する貸倒引当金を控除しております。
(*2)連結貸借対照表上、流動資産の「その他」に含めて表示しております。
(*3)1年内償還予定の社債を含めております。
(*4)1年内返済予定の長期借入金を含めております。
(*5)デリバティブ取引によって生じた正味の債権・債務は純額で表示しており、合計で正味の債務となる項目については()で示しております。
(注)1.金融商品の時価の算定方法
資 産
(1)現金及び預金
これらは短期間で決済されるものであるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(2)コールローン
約定期間が短期間(1年以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(3)割賦売掛金
割賦売掛金の種類及び期間に基づく区分ごとに信用リスクを反映した将来キャッシュ・フローを算定し、リスクフリーレートに債権の回収コスト(経費率)を加味した利率で割り引いて算定しております。
(4)営業貸付金
貸出金の種類及び期間に基づく区分ごとに信用リスクを反映した将来キャッシュ・フローを算定し、リスクフリーレートに債権の回収コスト(経費率)を加味した利率で割り引いて算定しております。
(5)銀行業における貸出金
貸出金のうち、変動金利によるものは、短期間で市場金利を反映するため、貸出先の信用状態が実行後大きく異なっていない限り、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。固定金利によるものは、貸出金の種類及び内部格付、期間に基づく区分ごとに、元利金の合計額を同様の新規貸出を行った場合に想定される利率で割り引いて時価を算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
また、破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等については、担保及び保証による回収見込額等に基づいて貸倒見積高を算定しているため、時価は連結決算日における連結貸借対照表上の債権等計上額から貸倒引当金計上額を控除した金額に近似しており、当該価額を時価としております。
貸出金のうち、当該貸出を担保資産の範囲内に限るなどの特性により、返済期限を設けていないものについては、返済見込み期間及び金利条件等から、時価は帳簿価額と近似しているものと想定されるため、帳簿価額を時価としております。
(6)銀行業における有価証券、(10)投資有価証券
株式は取引所の価格、債券は、業界団体の公表する価格、取引金融機関から提示された価格又は割引現在価値により算定された価額によっております。
(7)買入金銭債権
買入金銭債権は、取引金融機関から提示された価格又は割引現在価値により算定された価額によっております。
(8)金銭の信託
信託財産を構成している金銭債権の評価は、前述の「(5)銀行業における貸出金」と同様の方法により行っております。
(9)外国為替
外国為替は、他の銀行に対する外貨預け金(外国他店預け)であります。これらは満期のない預け金であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
負 債
(11)買掛金
これらは短期間で決済されるものであるため、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額によっております。
(12)銀行業における預金
要求払預金については、連結決算日に要求された場合の支払額(帳簿価額)を時価とみなしております。また、定期預金の時価は、一定の期間ごとに区分して、将来のキャッシュ・フローを割り引いて現在価値を算定しております。その割引率は、新規に預金を受け入れる際に使用する利率を用いております。なお、預入期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(13)短期借入金、(17)長期借入金
時価は、固定金利によるものは一定の期間ごとに区分した当該借用金の元利金の合計額をリスクフリーレートに当社グループの信用リスクを加味した利率で割り引いた現在価値、変動金利によるものは短期間で市場金利を反映し当社及び連結子会社の信用状態は実行後大きく異なっていないことから、時価は帳簿価額と近似しているとして帳簿価額、その他取引金融機関から提示された価格等に基づき算定しております。なお、約定期間が短期間(1年以内)のものは、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(14)コマーシャル・ペーパー
約定期間が短期間(1年以内)であり、時価は帳簿価額と近似していることから、当該帳簿価額を時価としております。
(15)社債、(16)新株予約権付社債
時価は、市場価格に基づき算定しております。
デリバティブ取引
デリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ等)、通貨関連取引(通貨スワップ等)であり、取引所の価格、割引現在価値やオプション価格計算モデル等により算出した価額によっております。
(注)2.時価を把握することが極めて困難と認められる金融商品の連結貸借対照表計上額は次のとおりであり、金融商品の時価情報「資産(4)営業貸付金」及び「資産(10)投資有価証券」には含まれておりません。
(単位:百万円)
区分 | 前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年2月29日) |
非上場株式 | 2,322 | 2,309 |
信託受益権 | 5,757 | 5,162 |
組合出資金 | 4,198 | 4,624 |
合計 | 12,278 | 12,095 |
これらについては、市場価格がなく時価を把握することが極めて困難と認められることから時価開示の対象とはしておりません。
(注)3.金銭債権及び満期のある有価証券の連結決算日後の償還予定額
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
預金 | 579,814 | - | - | - | - | - |
コールローン | 30,496 | - | - | - | - | - |
割賦売掛金 (*1) | 934,001 | 116,484 | 94,658 | 73,794 | 53,330 | 150,815 |
営業貸付金 (*1) | 442,972 | 147,389 | 123,603 | 66,926 | 12,477 | 21,813 |
銀行業における貸出金(*2) | 147,007 | 92,225 | 84,857 | 59,884 | 65,689 | 1,075,290 |
銀行業における有価証券及び投資有価証券 | ||||||
その他有価証券のうち満期のあるもの | 25,610 | 16,700 | 9,300 | 1,000 | 200 | 88,471 |
うち国債 | 2,500 | - | - | - | - | 11,000 |
うち地方債 | - | - | - | 200 | 200 | 22,190 |
うち短期社債 | - | - | - | - | - | - |
うち社債 | 3,000 | 16,700 | 1,300 | 800 | - | 47,246 |
うち外国証券 | 20,110 | - | 8,000 | - | - | 8,035 |
買入金銭債権 | - | - | - | 126 | - | 13,145 |
金銭の信託 | 2,529 | 2,245 | 1,989 | 1,760 | 1,565 | 12,316 |
合計 | 2,162,432 | 375,045 | 314,409 | 203,493 | 133,262 | 1,361,851 |
(*1)延滞、和解交渉中等により具体的な償還予定日が特定できない債権65,400百万円については本表には含めておりません。
(*2)破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない金額4,262百万円、期間の定めがないもの55,862百万円は含めておりません。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
預金 | 675,068 | - | - | - | - | - |
コールローン | 53,773 | - | - | - | - | - |
割賦売掛金 (*1) | 959,176 | 143,824 | 89,855 | 79,158 | 54,534 | 182,598 |
営業貸付金 (*1) | 461,813 | 140,954 | 115,498 | 63,284 | 13,971 | 29,250 |
銀行業における貸出金(*2) | 207,292 | 97,182 | 76,622 | 72,621 | 64,572 | 1,096,917 |
銀行業における有価証券及び投資有価証券 | ||||||
その他有価証券のうち満期のあるもの | 139,341 | 9,300 | 2,696 | 2,454 | 4,102 | 86,837 |
うち国債 | - | - | - | - | - | 1,000 |
うち地方債 | - | - | 200 | 200 | - | - |
うち短期社債 | 121,000 | - | - | - | - | - |
うち社債 | 16,700 | 1,300 | 800 | - | - | 54,746 |
うち外国証券 | 1,641 | 8,000 | 1,696 | 2,254 | 4,102 | 31,091 |
買入金銭債権 | - | - | - | - | - | 14,691 |
金銭の信託 | 6,702 | 5,864 | 5,116 | 4,474 | 3,875 | 24,275 |
合計 | 2,503,168 | 397,125 | 289,789 | 221,992 | 141,055 | 1,434,570 |
(*1)延滞、和解交渉中等により具体的な償還予定日が特定できない債権69,789百万円については本表には含めておりません。
(*2)破綻先、実質破綻先及び破綻懸念先に対する債権等、償還予定額が見込めない金額4,701百万円、期間の定めがないもの54,875百万円は含めておりません。
(注)4.社債、借用金及びその他の有利子負債の連結決算日後の返済予定額
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
銀行業における預金 (*) | 3,124,114 | 209,749 | 76,333 | 40,376 | 18,559 | - |
短期借入金 | 161,744 | - | - | - | - | - |
コマーシャル・ペーパー | 102,079 | - | - | - | - | - |
社債 | 50,522 | 45,682 | 23,201 | 13,525 | 10,211 | - |
長期借入金 | 51,142 | 116,327 | 62,365 | 49,569 | 72,409 | 31,263 |
新株予約権付社債 | 29,946 | - | - | - | - | - |
リース債務 | 8,152 | 8,401 | 5,448 | 4,277 | 3,244 | 7,331 |
合計 | 3,527,703 | 380,160 | 167,350 | 107,749 | 104,425 | 38,594 |
(*)要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。
当連結会計年度(2020年2月29日)
(単位:百万円)
1年以内 | 1年超 2年以内 | 2年超 3年以内 | 3年超 4年以内 | 4年超 5年以内 | 5年超 | |
銀行業における預金 (*) | 3,601,056 | 93,091 | 46,608 | 29,027 | 20,456 | - |
短期借入金 | 139,386 | - | - | - | - | - |
コマーシャル・ペーパー | 160,151 | - | - | - | - | - |
社債 | 45,253 | 23,072 | 53,133 | 65,213 | 78,455 | 32,978 |
長期借入金 | 106,651 | 70,098 | 73,337 | 79,287 | 73,207 | 20,075 |
新株予約権付社債 | - | - | - | - | - | - |
リース債務 | 12,585 | 10,439 | 6,498 | 4,748 | 3,305 | 6,923 |
合計 | 4,065,085 | 196,701 | 179,577 | 178,276 | 175,425 | 59,977 |
(*)要求払預金については、「1年以内」に含めて開示しております。