四半期報告書-第29期第3四半期(平成30年1月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/05/14 16:32
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23項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び当社の関連会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、雇用情勢や所得環境、企業収益に改善傾向が見られ、緩やかな回復基調にあるものの、米国や欧州の政治情勢の不安定さや地政学的な不安の高まりなど、不確実性が増しており、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する美容業界におきましても、先行きの不安感などに起因する顧客の節約志向は少なからず影響を及ぼしており、それは来店周期の長期化、低価格サロンの増加による店舗間競争の激化等を招いております。また、美容業界はオーバーストア状態にあるなかで美容専門学校生は減少傾向にあり人材確保が業界全体の課題であり、経営環境は厳しい状況にあります。しかしながら一方では、男性顧客の美容室の利用率の増加、アジアをはじめとする海外での日本の美容サービス・商品に対するニーズは高まっております。そして近年髪に悩みを抱える顧客は増加傾向にあり、その期待に応えることができる信頼と専門性を備えたサロンの需要は増加することが見込まれます。
また、本年、当社グループが展開する「モッズ・ヘア」は、ブランド誕生50周年、日本上陸40周年の佳節を迎えることができました。これもひとえに株主様、お客様をはじめとする全てのステークホルダーの皆様のご支援の賜物と深く感謝いたします。これを機に更に皆様に必要とされるブランドとしての成長、且つ前連結会計年度より注力しておりますモッズ・ヘアサロン運営事業の再建の継続により経営基盤の強化を図ってまいります。
このような状況のもと、当社グループは、安易な安売り競争に走ることなく、従来通り教育により高い技術を有するスタッフを育成し、質の高いサービスを提供し続けることに重点を置いております。選別消費の傾向が強まるなか、当社がターゲットとする顧客層においては、ヘアケアサービス、ホームケア製品やヘアデザインの再現性を高めるスタイリング製品の購入件数増加など顧客単価は着実に上昇しております。しかし今後収益性を高める上では、リピート回数を増やし顧客として定着する割合を向上させなければなりません。こちらは、従前よりSPC(サービス・プロフィット・チェーン)のフレームワークに基づき、従業員満足度と顧客満足度を同時に高めることにより店舗の収益力を更に向上させるプログラムに取り組んでおり、今後もこれを継続してまいります。そして近年当社グループの新たな取り組みであるメンズ専門ヘアサロンは、既存のモッズ・ヘアサロンに比べ顧客単価は低いものの新たな顧客層の獲得につながっております。このメンズ専門ヘアサロンは直営サロン・BSサロンを問わず需要が高まることが見込まれます。また、業界全体においては美容師の人材不足により大型サロンを維持できず閉店するサロンや後継者不在のため閉店するサロンが増加しております。これは当社のBSサロンにおいても例外ではありません。当社グループのBSサロン運営事業においては、既存BSサロンの健全経営をサポートするとともに、業界を取り巻く環境を見極め戦略的な新規出店を実現することが重要な課題であります。また、前述のモッズ・ヘアサロン運営事業の再建において直営サロン運営事業ではその効果が表れております。他方、当期より既存コンテンツ強化策の一つとしてWEB通販の販路拡大を図っており、売上高は伸びておりますが、収益面においては広告宣伝費等の先行コストの回収途上の段階であります。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高1,576,477千円(前年同期比13.6%増)、営業利益26,690千円(前年同期は営業損失29,371千円)、経常利益26,648千円(前年同期は経常損失42,468千円)、親会社株主に帰属する四半期純利益14,589千円(前年同期は親会社株主に帰属する四半期純損失61,341千円)となりました。
セグメント別の状況については以下のとおりであります。
(直営サロン運営事業)
日本全国に展開するBSサロン(フランチャイズサロン)のフラッグシップサロンとして、首都圏主要地域を中心に直営サロン15店舗(モッズ・ヘアサロン14店舗、その他1店舗)を展開しております。当第3四半期連結累計期間におきましては、平成29年8月にモッズ・ヘア自由が丘店を閉店いたしました。
当第3四半期連結累計期間におきましては、不採算店舗であったモッズ・ヘア自由が丘店の閉店、前期より取り組んでいるモッズ・ヘアサロン運営事業の再建策が売上高の伸び、収益性の改善に表れた結果、前年同期に比べ増収増益となりました。
直営サロン運営事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高885,604千円(前年同期比9.6%増)、セグメント利益9,966千円(前年同期はセグメント損失46,433千円)となりました。
(BSサロン運営事業)
「モッズ・ヘア」では、本部、加盟店という従来のフランチャイズ関係ではなく、共に一つのブランドをシェアするという意味で、ブランドシェアサロン、BSサロンと呼んでおります。当第3四半期連結累計期間において国内では閉店3店舗、海外におきましては、韓国ではオープン2店舗、閉店2店舗、中国では9店舗をオープンし、1店舗を閉店いたしました。その結果、当第3四半期連結会計期間末日現在におきまして、国内49店舗、韓国23店舗、台湾3店舗及び中国22店舗の計97店舗となっております。
第2四半期連結会計期間より新体制のもと国内BSサロンの減少に歯止めをかけるべく既存店のフォローと新規開拓に注力しております。また、当期より既存コンテンツ強化策の一つとしてWEB通販における販路の拡大を図っております。当該WEB通販の売上高は伸びておりますが、広告宣伝費等の先行コストの回収途上の段階であります。
BSサロン運営事業の当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高439,208千円(前年同期比23.9%増)、セグメント利益132,706千円(前年同期比8.2%減)となりました。
(ヘアメイク事業)
当社は、「モッズ・ヘア」の原点であるフランス・パリのスタジオワーク専門のヘアメイクチームのプロフェッショナル精神を引き継いだ「モッズ・ヘア」ヘアメイクチームを有しております。
当社のヘアメイクチームは、ヘアメイクアーティストのエージェンシーとして「パリコレクション」や「東京コレクション」などへの参加や、CM・ファッション雑誌など年間2,000件を超える媒体を手掛けるなど、国内及び海外で高い評価を得ております。
ヘアメイク事業におきましては、売上高はスタジオ部門は好調に、ブライダル部門及びメディア部門は堅調に推移しました。また、将来の業績向上に向けたスタッフの増員により費用が先行したため、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高280,013千円(前年同期比3.7%増)、セグメント利益19,453千円(前年同期比8.2%減)となりました。
(美容室支援事業)
当社グループでは、日本国内でのモッズ・ヘアサロンの事業展開を通じて、様々なスケールメリットが創出されます。それをサービス化したクレジット手数料軽減サービス、株式会社ティビィシィ・スキヤツトとの提携による美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムを一般のサロンに提供する等の美容室支援事業を行っております。
美容室支援事業の主力であるクレジット手数料軽減サービスの契約件数、取扱高は堅調に推移しており、加えて美容サロン向けPOSレジ顧客管理システムの販売も寄与し、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高54,809千円(前年同期比5.4%増)、セグメント利益19,683千円(前年同期比37.4%増)となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ160,907千円増加し、1,524,473千円となりました。主な要因としましては、現金及び預金の増加58,052千円、売掛金の増加12,043千円、未収入金の増加124,772千円、有形固定資産の減少21,512千円、のれんの減少11,845千円などによるものです。
(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債につきましては、前連結会計年度末に比べ146,375千円増加し、923,618千円となりました。主な要因としましては、未払金の増加145,122千円、未払消費税等の増加16,494千円、社債の減少14,000千円などによるものであります。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ14,532千円増加し、600,854千円となりました。主な要因としましては、親会社株主に帰属する四半期純利益14,589千円などによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。