有価証券報告書-第23期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/27 13:02
【資料】
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【項目】
115項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産及び負債の報告数値、決算期間における収入及び費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、賞与引当金、退職給付に係る負債及び繰延税金資産等であり、継続して評価を行っております。なお、評価につきましては、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
当連結会計年度の売上高は、連結子会社でありました㈱ガーラウェブの譲渡に伴い同売上が無くなったこと、スマートフォンアプリ事業において、「Flyff All Stars (フリフオールスターズ)」の日本語版のダウンロード数が低調な推移となったこと、「Dungeons&Golf(ダンジョンズアンドゴルフ)」英語版を平成27年11月に終了したこと及びオンラインゲーム事業における既存タイトルの落ち込みにより464,175千円(前期比32.2%減)と減少いたしました。
② 売上原価
売上原価は、売上高の減少に伴い、前連結会計年度に比べて51.5%減の91,926千円となりました。
③ 売上総利益
売上総利益は前連結会計年度と比べて24.8%減少の372,249千円であり、売上高に対する割合は80.2%と前連結会計年度比で7.9ポイントの増加となりました。
④ 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べて1.9%増加の799,071千円となり、売上高に対する割合は172.1%と、前連結会計年度比で57.7ポイントの増加となりました。主な要因は「Flyff All Stars」日本語版のダウンロード配信開始に伴い、大幅増のマーケティング費用を計上したことによる広告宣伝費の増加によるものであります。なお、販売費及び一般管理費の主な内訳は給料及び手当213,070千円、賃借料148,546千円、役員報酬85,285千円、広告宣伝費176,874千円であります。
⑤ 営業外損益
a.営業外収益
営業外収益は4,819千円となりました。主な内訳は、受取利息2,882千円であります。
b.営業外費用
営業外費用は25,264千円となりました。主な内訳は、為替差損23,846千円であります。
⑥ 特別損益
a.特別利益
特別利益は5,077千円となりました。主な内訳は、新株予約権戻入益であります。
b.特別損失
特別損失は34,824千円となりました。内訳は、契約解除損失であります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、収益基盤の確立に取り組んでおり、当期はスマートフォンアプリ事業の拡大と収益獲得に注力いたしました。次期以降も当該事業拡大による影響が続くと認識しております。スマートフォンアプリ事業におけるライセンスの取得、開発の成否、サービス提供準備やダウンロード配信等のスケジュールが遅延する等の変動要因が、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。
また、スマートフォンアプリ事業確立に向けての資本提携により、当社グループの構成や損益構成の変化が、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
当社グループでは、「オンライン・コミュニティ」を中心としてビジネス展開を行い、継続的な収益の拡大を実現するため、オンラインゲーム事業を中心にグローバルなビジネス展開を推進し、世界規模のビジネスネットワークの構築にむけて取り組んでおります。
オンラインゲーム事業におきましては、当社グループは開発元として今後も既存タイトルのパブリッシャーへの提供を継続してまいります。しかしながら、主要市場である北米・欧州のPC向けオンラインゲーム市場は拡大が収束傾向にあることから、大幅な収益拡大は見込めないため、当社グループは早期にスマートフォンアプリ事業を新たな収益源の柱に成長させていく必要性があります。当社グループ各社でアプリの開発を進めるほか、積極的に優良アプリを発掘し、グローバルなサービス展開を行っていく予定であります。
また、インターネット環境の変化に適応し、既存のサービスネットワーク等の資源を活用した事業や未進出分野での事業展開も視野に入れて、新たな収益獲得基盤を構築すべく注力してまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
インターネット環境が日々進化し普及率が高まるにつれて、個人消費者におけるインターネット環境が向上し、人々の関わり方にも変化がもたらされています。
当社グループにおきましては、インターネットにおけるコミュニティ関連サービスの提供を通じて、世界中の人々の交流を促進し、地球規模での人と人との交流を大切にしたいと考えております。インターネットにおける人々のコミュニケーションの促進を図るソーシャルゲームアプリやオンラインゲームを中核とするオンライン・コミュニティを中心としたビジネスをグローバルに展開し、リーディングカンパニーとなるための競争優位性の確立期と認識しております。
中長期的には以下の戦略において事業展開を計画しております。
① スマートフォンアプリ事業
当社グループの主要事業に成長させるべく、第三者からの資本参加も含めて、アプリ開発及びライセンス取得に必要な資金を確保しながら、当社グループのグローバルなネットワークを活用し、アプリ開発及びライセンス取得に努めます。また、グローバルにサービス提供を行う体制を構築してまいります。
② オンラインゲーム事業
当社グループは開発元として、既存タイトルのアップデートを継続し、パブリッシャーからの安定的な収益獲得を目指します。
(7) 継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク (9)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当該状況等を解消し、又は改善するための対応策として、①スマートフォンゲームアプリの自社グループ開発及び提供、② グループ全体で組織体制の見直し実施、③ 資金繰りについて取り組んでおります。
当社グループの対応策の詳細は、「第5 経理の状況 継続企業の前提に関する事項」に記載しております。