有価証券報告書-第16期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:53
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【項目】
120項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得面において改善が続き、緩やかな回復基調にあるものの、個人の消費マインドにおいては力強さを欠く状況が続いております。また世界経済においても、中国や新興国経済の成長鈍化に加え、英国のEU離脱問題や米国新大統領の経済・貿易施策の動向等、不透明な状況の中、金融市場は不安定な状況で推移し、景気の先行きは依然として不透明感が続く状況となりました。このような経営環境のもと、当社グループは、“フードサービスから公共サービスまで提供可能な水平垂直統合型の企業構造”で他社との差別化を図り、プレミアムブランド戦略による高品質・高付加価値のサービスを提供するとともに、より一層の「安心・安全」な管理体制の強化、グループ総合力を活かしたトータルアウトソーシングによる営業拡大に努めてまいりました。また、収益構造の抜本的改善の実現に向けた事業ポートフォリオの再構築を推進すべく、不採算店舗の撤退等を積極的に推進するとともに、本部管理コスト削減による間接費の圧縮に取り組み、経営意思決定の早期化と事務処理効率化を目的とした本社機能の統合を行いました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高につきましては、グループ総合力を活かした「トータルアウトソーシングサービス」による効率的な出退店施策を実施してまいりましたが、レストランカラオケ事業において、個人消費の回復が依然として鈍い中、節約志向の高まりと同業他社との低価格競争激化に加え、平成28年3月31日付でシダックストラベラーズコミュニティー㈱を持分法適用関連会社へ移行したことなどにより、148,433百万円(前連結会計年度比7.1%減)となりました。利益面につきましては、全グループを挙げて赤字店舗の改善に向け、不採算店舗の早期撤退と早期黒字化に向けたコスト管理の徹底に注力した結果、営業利益は1,269百万円(前連結会計年度は771百万円の営業損失)と前期の赤字から黒字転換を果たし、大幅改善となりました。しかしながら、持分法適用関連会社の収益構造を再構築するために店舗の転貸あるいは譲渡による撤退コストを計上した結果、持分法による投資損失を3,477百万円計上した為、経常損失は2,966百万円(前連結会計年度は1,089百万円の経常損失)となりました。これは主にレストランカラオケ事業の不採算店舗の前倒し処理に伴う損失でありますが、当該処理によりレストランカラオケ事業の抜本的なリストラクチャリングをいたしました。また、前期比で減損損失を1,727百万円減少させた結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3,220百万円(前連結会計年度は7,120百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
(エスロジックス事業)
当社グループのスケールメリットを最大限に活かし、安全性・信頼性の高い商品を徹底した衛生管理体制で一括発注・配送を展開してまいりました。また、一元物流システムをより合理的に活用できるよう、標準メニュー導入の促進、調達コスト上昇の抑制、物流費の値上げ抑制などに努めるとともに、同業他社とのアライアンスによる共同購買機構によって、スケールメリットを最大限に活用し、収益性の向上にも努めてまいりました。また、健康効果が期待される食事メニューの開発、トレーサビリティ、アレルゲン関連など、付加価値の向上にも努め「安心・安全」な食材の供給を行ってまいりました。さらに、グループ外への食材・消耗品等の販売強化により、外部売上の増加を図ってまいりましたが、調達や物流のコストの高騰に加え、不採算店舗撤退の影響による内部売上の減少をカバーするには至りませんでした。
以上の結果、当連結会計年度の内部売上高を含めた売上高は39,980百万円(前連結会計年度比2.7%減)、セグメント利益は2,746百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。
(コントラクトフードサービス事業)
大手同業他社との競争激化に加え原材料価格の高騰、社会保険適用拡大など経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、季節に合わせたメニューフェアの実施、テイクアウト、ビュッフェスタイルの導入による売上向上策を実施するとともに、コスト管理の徹底、既存店舗の解約防止、赤字店舗の改善並びに撤退などによって既存店舗の活性化と収益力の強化に取り組んでまいりました。また、多様化するお客様のニーズを的確に捉え、グループ総合力を活かしたソリューションサービスの提案を行い、新規案件とも連動して営業開発を強化し事業拡大を図り、経営効率の改善に努めてまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は28,378百万円(前連結会計年度比3.5%減)、セグメント利益は1,661百万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。
(メディカルフードサービス事業)
大手同業他社との競争激化に加え原材料価格の高騰、社会保険適用拡大など経営環境は依然として厳しい状況にあります。このような環境のもと、マンスリースイーツ・食育イベントの実施、高品質なサービスの提供を行うとともに、セントラルキッチンを活用した「やわらかマザーフード」や、季節の彩り溢れる食材を重箱へ盛り付けし、高級感をアップした「御膳シリーズ」の商品提供を行うなど、お客様満足度の向上に努めてまいりました。また、院外調理品の充実、既存店舗の解約防止、赤字店舗の運営改善強化などによって既存店舗の活性化と収益性の向上に取り組んでまいりました。また、お客様のニーズを的確に捉え、グループ総合力を活かしたソリューションサービスの提案を行い、新規案件とも連動して営業を強化し事業拡大に努めるとともに、不採算店舗については、将来的な収益改善の可能性を慎重に見極めながら撤退を行い、収益力の強化と経営効率の改善を推進いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は33,250百万円(前連結会計年度比3.4%減)、セグメント利益は1,535百万円(前連結会計年度比46.2%増)となりました。
(レストランカラオケ事業)
個人消費が本格回復に至らない中、競合他社との低価格競争や娯楽の多様化による他業種との顧客獲得競争の激化など、本事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いております。このような環境のもと、春・夏グランドメニュー、「ゆったりランチ」の強化・推進、季節に応じたイベントの展開、マンスリースイーツがお楽しみ頂けるレディースデー、主菜とビールセットがお楽しみ頂けるメンズデーなどの様々な集客施策を行い、加えて宴会強化に係る法人営業を実施し、販売促進を強化するとともに、コスト削減を徹底し、収益性の向上に努めてまいりました。また、昨年4月に「レストランカラオケ・シダックス」アプリをリニューアルし、より使いやすいデザインに刷新するとともに、ケータイ会員を拡大(956万人突破)し集客を図り、ターゲットを明確にしたOne to Oneマーケティングによる個々の顧客へのアプローチを確立し、マーケティングの精度・効果の向上に努め、セグメント損益の改善を進めてまいりました。これら施策により前期比1,561百万円のセグメント収益改善を果たしました。なお、平成28年3月31日付でシダックストラベラーズコミュニティー㈱が持分法適用関連会社へ移行したことにより、当第1四半期連結累計期間より当該会社の売上高並びにセグメント利益はレストランカラオケ事業から除かれております。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は19,584百万円(前連結会計年度比35.1%減)、セグメント損失は583百万円(前連結会計年度は2,144百万円のセグメント損失)となりました。
(コンビニエンス中食事業)
同業他社・大手コンビニエンスストアとの出店競争が依然厳しい環境ではありますが、新規店舗を23店舗出店し、お客様の生活ニーズに応じた利便性向上・満足度向上の実現に取り組んでまいりました。新規顧客をはじめとした提案活動強化のため、大手コンビニFC、中堅コンビニモデル、小規模独自売店と3モデルによる営業展開、POS端末の入替えによるサービス向上を目指した、精神科病院向けの掛売りシステムのリニューアル、売店を中心とした病院向けの様々な外部委託サービスのコーディネートやアライアンス強化等を実施し、よりお客様のお役に立てるようなサービスメニューを拡充してまいりました。また、販促強化策として売店横での焼立てパン、カフェ、そば・うどん、軽食サービスコーナーなどの展開強化、及びクローズドマーケットである大規模マンション内売店・工場内売店・特種施設売店等の展開も強化してまいりました。
商品・サービス面においては、地域特産品やこだわりの逸品の品揃えを進めるとともに、季節ごとのイベント、催事のサポートなどを含めた販売促進、地域に愛される店づくりを推進しております。また、運営面では、労務費及び廃棄の適正化などの経費効率運用を行い、既存店のブラッシュアップと赤字店舗の改善に努めてまいりましたが、当期においては改善効果を上回るPOS端末の入替え等によるコスト増の影響がありました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,433百万円(前連結会計年度比1.6%減)、セグメント利益は290百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。
(トータルアウトソーシング事業)
政府が掲げる「地方創生」政策のもと、地方自治体においては財政再建と地域活性化へのニーズが高まっており、自治体が提供するサービスを民間に委託する流れが続いております。また、民間企業については、景気回復傾向にあるものの、世界情勢においてやや不透明な状況が続いており、なお一層のコスト削減が迫られている状況にあります。このような環境のもと、車両運行管理事業・社会サービス事業とも、現場でサービスにあたる社員の教育に力を入れ、お客様のニーズに応じた業務を適正な価格にて受託するように努めてまいりました。
車両運行管理事業においては、既存顧客の掘起しを中心に事業拡大を図り、黒塗役員車の他、スクールバス・福祉車両等の運行業務を受託するとともに、コスト管理を徹底し収益確保に努めてまいりました。しかしながら、貸切バス業務においては、訪日団体の送迎業務の受託拡大により売上高は増加致しましたが、業務拡大に伴う初期投資コスト増加の吸収には至りませんでした。
社会サービス事業においては、自治体を中心に新規案件の獲得に取り組み、従来の学校給食・施設管理に加え、学童保育・児童館業務等、多くの業務を受託し事業拡大に努めてまいりました。また、コスト管理の徹底、解約防止、不採算店舗の改善等を図りました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は41,620百万円(前連結会計年度比2.4%増)、セグメント利益は2,061百万円(前連結会計年度比33.7%減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,467百万円減少し7,894百万円(前連結会計年度末比23.8%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、1,783百万円の資金増加(前連結会計年度は469百万円の資金増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が2,969百万円計上されたほか、賞与引当金の減少額が309百万円、役員退職慰労引当金の減少額が672百万円、仲裁裁定に伴う特別利益が509百万円、仕入債務の減少額が620百万円及び未払金の減少額が996百万円あった一方、減価償却費が3,314百万円、減損損失が747百万円、持分法による投資損失が3,477百万円及び未収入金の減少額が149百万円あったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、2,913百万円の資金減少(前連結会計年度は1,400百万円の資金増加)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が1,096百万円、過年度子会社株式売却代金の回収による収入が486百万円、貸付金の回収による収入が305百万円及び保険積立金の解約による収入が316百万円あった一方、有形固定資産の取得による支出が2,263百万円及び貸付けによる支出が2,562百万円あったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、1,330百万円の資金減少(前連結会計年度は1,860百万円の資金減少)となりました。これは主に、短期借入れによる収入が9,573百万円、長期借入れによる収入が10,975百万円及びセール・アンド・割賦バックによる収入が402百万円あった一方、短期借入金の返済による支出が7,573百万円、リース債務の返済による支出が1,372百万円、長期借入金の返済による支出が11,520百万円、社債の償還による支出が560百万円、配当金の支払額が584百万円及び割賦債務の返済による支出が671百万円あったことによります。