有価証券報告書-第21期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 9:36
【資料】
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【項目】
136項目

研究開発活動

当連結会計年度における研究開発費は2,215百万円(前年同期比3億24百万円(△12.8%)の減少)となりました。
■HGF遺伝子治療用製品(一般名:ベペルミノゲンペルプラスミド、開発コード:AMG0001)(自社品)
⦅対象疾患:慢性動脈閉塞症⦆
慢性動脈閉塞症を対象疾患としたHGF遺伝子治療用製品の開発については、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」により再生医療等製品の早期実用化を目的とした「条件及び期限付承認制度」(2014年11月施行)を活用し、2018年1月に厚生労働省に対し再生医療等製品の製造販売承認申請を行い、2019年3月に国内初の遺伝子治療用製品「コラテジェン®」として、慢性動脈閉塞症の潰瘍の改善効能効果で条件及び期限付承認を取得し、9月10日より発売を開始いたしました。
田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」)と当社は、HGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の販売に関し、日本国内及び米国における末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結しており、田辺三菱製薬が販売を担当いたしております。今回の承認は、条件及び期限付であり、製造販売後承認条件評価を5年以内に行い、本承認取得を目指してまいります。
また、この「コラテジェン®」の適応拡大を目的として、慢性動脈閉塞症の安静時疼痛を有する患者を対象にした第Ⅲ相臨床試験を2019年10月より開始しております。試験期間は約2年間で、症例数は約40例を予定しています。
海外での開発については、米国において2020年より、下肢潰瘍を有する慢性動脈閉塞症を対象とした第Ⅱb相臨床試験を開始いたしました。また、2019年2月にイスラエルにおけるHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン®」の独占的販売権の許諾について同国Kamada社と基本合意書を締結しております。
■NF-κBデコイオリゴDNA
⦅対象疾患:椎間板性腰痛症(開発コード:AMG0103) (自社品)⦆
NF-κBデコイオリゴDNAについては椎間板性腰痛症を含む腰痛疾患を適応症とした開発を進めています。2018年2月より椎間板性腰痛症を対象とした第Ⅰb相臨床試験を実施し、2020年2月に予定した25例の患者投与が完了いたしました。
⦅その他⦆
デコイオリゴDNAのその他の開発については、これまでNF-κBデコイオリゴDNAの次世代型デコイの研究を行ってきましたが、NF-κBとSTAT6という2つの転写因子を同時に抑制する働きを持った「キメラデコイ」の開発を進めております。NF-κBのみをターゲットとした従来のデコイに比べ、炎症を抑える効果が格段に高いことが期待されます。
■高血圧DNAワクチン(開発コード:AGMG0201)(自社品)
当社は、遺伝子治療用製品、核酸医薬につづく遺伝子医薬の第三の事業として、DNAワクチンの開発を手がけており、最初の開発品として高血圧DNAワクチンの開発を進めています。2017年7月にオーストラリア規制当局(TGA)に治験届け(CTN)を提出し、2018年4月より第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験を実施しておりましたが、2020年3月に予定していた24例の患者投与が完了いたしました。
■バイカル社(現:Brickell Biotech社)との戦略的な事業協力
当社と2016年12月に戦略的事業提携を締結したバイカル社は、2019年8月にBrickell Biotech社との合併契約を締結し、合併後の新社名はBrickell Biotech社となりました。Brickell Biotech社とは今後の提携関係を精査中です。
■Vasomune社との提携
当社は、2018年7月にVasomune社と全世界を対象とした、急性呼吸不全など血管の不全を原因とする疾患を対象とした医薬品に関する共同開発に合意、契約締結したことを発表いたしました。現在、非臨床段階の共同開発を進めております。