有価証券報告書-第41期(平成30年10月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/12/20 15:02
【資料】
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【項目】
155項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、建設業界、製造業界及びIT業界を中心とした顧客企業に対し、必要とされる技術人材を提供すると同時に、雇用を創造し、仕事を通して社会に広く貢献できる人材を多く育てることを基本方針としております。よって、経営理念として、「みんなの輝ける雇用の創造」、「仕事を通じて夢を真にする喜びを」、「社会人の教育機関であり続ける」の3点を掲げております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは売上高、売上総利益及び営業利益を重要な経営指標としております。
また、永続的発展を果たすために、以下の項目を概念的な指標としております。
①高収益体質の実現
コスト意識を全従業員に浸透させるべく、ローコストオペレーションを徹底します。
②高成長の実現
成長分野への選択と集中を、スピードをもって実施します。
③健全な財務体質の確保
余剰な資産の売却、借入金の早期返済などにより、強固な財務体質を維持します。
④人材育成力の豊かな組織
自ら学び、教えあい、全従業員が日ごとに成長していく社風を作ります。
⑤強力な営業体制による組織力の強化
技術者の単価上昇及び多数の技術者の稼動を実現するため、営業員に対して、組織全体でのバックアップ体制及びグループ会社間での協力体制を構築します。
(3)経営環境と中長期的な経営戦略
①建設技術者派遣事業の飛躍的な拡大
建設技術者派遣事業において、徹底した人材採用及び営業力の強化により、首都圏をはじめとする全国の建設現場における旺盛な人材ニーズに対応し業容拡大を図ります。
建設業界は深刻な高齢化という構造的問題を抱えており、若手技術者の採用・育成が急務となっております。一方で、民間建設投資に関しましては、2010年を底とし力強い回復を見せており、首都圏における再開発案件や2025年開催予定の大阪万博、2027年開通予定のリニア中央新幹線関連工事などの長期的かつ大規模な工事も本格化しております。このような市場環境から、今後も建設現場での技術者派遣ニーズは、高い水準で継続するものと見込んでおり、当社はその需要を確実に取り込むべく、積極的な人材採用を行ってまいります。
②エンジニア派遣事業の採用基盤の確立
エンジニア派遣事業では、省人化及び自動化への設備投資が活況な製造業界や、技術進歩が加速度的に進んでいるIT業界を中心として、エンジニア需要は年々活況となっています。特にIT業界においては、業務効率化や商品・サービスの高付加価値化を背景として、今後もAIやIoT、RPAなどの活用が浸透してくことが見込まれています。
当社グループでは、グループ会社間で連携をとり、より効率的に高付加価値のエンジニアを育成するためのエコシステムの構築を進め、グループシナジーを発揮してまいります。
(4)対処すべき課題
当社グループの経営課題と認識している内容は以下のとおりであります。
①採用力の強化
当社グループの主要事業である技術者派遣事業における売上高の成長には、派遣技術者数の増員が必要不可欠となります。そのため、新卒・中途、国内外問わず積極的な採用活動を展開してまいります。具体的には、継続的な広告活動による応募母集団の確保、採用拠点の増設及び統廃合などの効率化並びに採用担当者のスキル向上による承諾率向上を図ります。また、海外人材の採用に関しては、世界各国に採用拠点を設けるだけでなく、日本語教室を開設するなどして、早期に年間1,000人程度の採用を実現するための基盤を築いてまいります。また、併せて、自社サイトの活用などを用いて1人あたりの採用コストの効率化を進めてまいります。
②技術力の強化
当社グループの主要事業である技術者派遣事業では、派遣技術者の技術力を向上させることが企業価値向上の源泉であると認識しております。そのため、顧客から信頼される知識・技術・人間力を兼ね備えた技術者の育成に努めてまいります。具体的には、入社後に行われる導入研修や定期研修を含む当社独自の研修プログラムを設ける他、定期的に技術者一人ひとりの技術水準をチェックしております。また、建設やIT関連の各種資格取得希望者のために特別講座を受講できる制度も設けております。さらに、座学による研修だけでなく、早期に実践的な技術を身につけるために、引き続きOJTの場を多く設け、技術力の向上を図ってまいります。
③営業力の強化
当社グループの主要事業である技術者派遣事業では、継続的成長及び利益率の維持・向上のため、適正な能力を有した技術者を、適正な価格でマッチングするための強力な営業部隊が必要となります。そのため、営業部門に目標達成度合いにより報酬が決定する成果主義を導入しており、一人ひとりが常に目標達成のため戦略的に行動できる強い営業部門の構築に取り組んでおります。
④定着率の改善
当社グループの主要事業である技術者派遣事業では、技術力向上のため、継続して学習し、実務経験を多く積むことが技術者としての価値を高め、ひいては企業価値の向上に繋がります。そのため、一定以上の在籍年数が必要不可欠となります。特に建設業界は他業種と比較し定着率が低い傾向にあることから、当社では、新人技術者一人ひとりのフォロー、定期的な技術研修制度や海外研修旅行の実施など、各種施策に継続的に取り組み定着率を安定した水準で維持できるように努めてまいります。