四半期報告書-第36期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/07 11:41
【資料】
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【項目】
24項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
<経済状況>当第3四半期連結累計期間(平成29年4月1日~平成29年12月31日)におけるわが国経済は、実質総雇用者所得が増加し、個人消費が緩やかに持ち直す等、景気は引き続き回復基調が続いております。先行きについては、雇用・所得環境が改善する中で、景気が持ち直していくことが期待されます。一方、中国を始めアジア新興国等の経済の動向、政策に関する不確実性による影響、金融資本市場の変動の影響等に留意する必要があり、先行きについては不透明な状況が続いております。
<業界動向>フィットネス業界においては、国民一人ひとりの健康増進意識の高まりとともに、利用目的や時間等の多様な顧客ニーズに対応した小型業態は引き続き積極的に展開されています。
企業の従業員への健康づくりは、健康経営の視点からも積極的に取り組まれており、働き方改革等の取り組みによって就業後の時間を活用した利用者は引き続き増加傾向にあります。
<当社グループの状況>当社グループは、「わたしたちルネサンスは『生きがい創造企業』としてお客様に健康で快適なライフスタイルを提案します。」の企業理念のもと、大型総合スポーツクラブ事業を中心に事業の成長を目指しております。
急速な少子高齢化が進む中、当社グループでは他社に先駆けて高齢者の健康づくりに役立つ多様なサービスを提案しております。また、小規模や特化型施設の増加等、事業環境の変化を踏まえ、平成29年度は、平成27年度を初年度とする中期経営計画の最終年度として、引き続き、以下の①~③に重点的に取り組んでおります。。
① スポーツクラブ事業の収益性の強化
② 新しい成長の柱を増やす
③ 持続的成長を可能とするヒトと組織づくり
当社グループは、持続的な成長を目指して、積極的な設備投資を実施しておりますが、当第3四半期連結累計期間には、4月に大型複合スポーツクラブの「ルネサンス北千住」(東京都足立区)、5月に都市型フィットネスクラブの新ブランドとなる「コクールルネサンス名古屋JRゲートタワー」(名古屋市中村区)がオープンし、8月に「ルネサンス福岡大橋」(福岡市南区)を建替えオープンしました。また、10月には、「ルネサンス竜ヶ崎ニュータウン」(茨城県龍ヶ崎市)を業務受託契約にてオープンしました。
既存店においては、施設のリニューアルを27施設において実施しました。また、スタジオにホットヨガプログラムに対応するための設備投資を実施し、施設環境の整備と競争力の向上に努めております。
新店4店舗の好調な入会が牽引し、全社の在籍会員数は408,002名と前年同期比1.4%増となりました。
在籍会員数の増加等により、当第3四半期連結累計期間の売上高は343億92百万円と前年同期比3.6%増加しました。一方、新店4店舗に加えて、平成30年1月開業の「ルネサンス・ユーカリが丘」(千葉県佐倉市)の開業費用の増加等により、営業利益は29億37百万円(同0.5%減)、経常利益は27億68百万円(同3.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は18億15百万円(同0.5%増)と前年同期に比べほぼ横ばいとなりました。
主なトピックスとしては、11月に、経済産業省が新たに創設したサービス品質を「見える化」し、サービス事業者の支援を通じて地域経済の活性化をはかる「おもてなし規格認証2017」の『★★(紺認証)』を98カ所全ての「スポーツクラブルネサンス」において取得しました。当社は、これまでも、ホスピタリティ精神を自らのアイデンティとして大切に考え行動することを心掛けてまいりましたが、規格認証に恥じぬよう、さらに多くの皆様におもてなしの思いが届くよう取り組んでまいります。
10月には、株式会社ジンズのセンシング・アイウエア「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を活用し、体軸の歪みやブレを測定し、それを解消する運動を提案するフィットネスサポートシステム「カラダ・ワカル・カワル」を全国の「スポーツクラブルネサンス」に導入しました。また、11月にトレーニングに励む方のため、水分補給と栄養補給を考えた当社オリジナルサプリメント「リチャージアップ」を全国で販売開始しております。
当社所属の競泳選手の強化においては、海外における高地トレーニング合宿を行う等、積極的に取り組んでおり、11月開催の「日本選手権(25m)水泳競技大会(FINAスイミングワールドカップ2017東京大会)」には、7選手が出場し、好成績をおさめました。
なお、池江璃花子選手(ルネサンス亀戸)は、同大会の100mバタフライで、自身の世界ジュニア記録を更新するとともに、2つの日本記録を更新しました。さらに、12月にスイスで開催された「ローザンヌ杯」、1月の「東京都新春水泳競技大会」でも次々と日本記録を更新し、今後の活躍が注目されています。
連結子会社のRENAISSANCE VIETNAM INC.では、ベトナム初の日本式スイミングスクールをフルシーズンで展開している「ルネサンス・ロンビエン」(ハノイ市)において、ジュニアスイミングスクールの会員数が1,000名を超え、活況を呈すとともに、水難事故が多発しているベトナム国の泳力向上に貢献しております。
また、新しい成長の柱を増やす取り組みとして3月にオープンしたブティック型スタジオの「CYCLE & STUDIO R Shibuya」(東京都渋谷区)は、バーチャルリアリティを活用した臨場感あふれるサイクルツアー”VR Cycle”が大きな反響を受けています。11月には、「美ップ女子(美しいヒップラインを目指す女性)」に向けたピラティス・ヨガ・フィットネスの効果効能をカバーした、今注目の体幹エクササイズの「BICORE(美コア)」イベントを各種メディアで活躍している山口絵里加氏ほか「BICORE」インストラクター総勢12名が集って開催しました。
施設の状況については、前述のスポーツクラブ4店舗のオープンのほか、9施設の業務受託を開始しました。また、「ルネサンス竜ヶ崎ニュータウン」のオープンに伴い、「ルネサンス竜ヶ崎」(茨城県龍ヶ崎市)を閉店しました。以上の結果、当第3四半期連結会計期間末の国内施設数は、スポーツクラブ133施設(直営95クラブ、業務受託38施設)、スタジオ業態施設12施設、リハビリ施設15施設の計160施設となりました。
持続的成長を可能とするヒトと組織づくりに関する取り組みについては、前年度に導入したICTを活用した健康ソリューションサービス『カラダかわるNavi』を活用し、当社が推進する健康経営の一環として、140チームのクラブ等及び本社部門が対抗するイベントレースを開催して、大いに盛り上がりました。
また、スポーツクラブにおける“ベストプラクティス"とそれを生み出す“マインド"を共有し、接客水準のレベルアップを図り、当社に関わる多くの方を幸せにすることを目的とした『ベストスタッフコンテスト』を開催し、全国から選抜され、予選を勝ち抜いたスタッフ達16名が、12月の最終コンテストで、感動的な指導とスピーチを行い、4名がベストスタッフとして表彰されました。
これらの取組みや従業員が積極的に競技スポーツに挑戦する環境づくりの取組みが評価され、12月に「東京都スポーツ推進企業認定制度」及びスポーツ庁の「スポーツエールカンパニー(全国スポーツ推進企業)」に認定されるとともに、「WELLNESS AWARD OF THE YEAR 2017」(健康サポート企業部門)を受賞しました。
当社グループの報告セグメントは「スポーツクラブ運営事業」のみであるため、セグメントごとの業績については記載しておりません。以下では、より詳細な区分に分類し開示を行っております。
区分当第3四半期
連結累計期間(千円)
前年同四半期比(%)
フィットネス部門合計17,757,537+1.7
スイミングスクール6,225,239+5.3
テニススクール3,019,945+5.9
その他スクール912,321△6.2
スクール部門合計10,157,507+4.3
プロショップ部門816,908△4.2
その他の収入(注)23,914,514+3.6
スポーツ施設売上高計32,646,467+2.5
業務受託990,462+51.5
その他売上755,979+8.8
売上高合計34,392,910+3.6

(注) 1. 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 「その他の収入」は、スポーツクラブ施設に付帯する駐車場、プライベートロッカー等の収入であります。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ14億12百万円増加し、349億60百万円となりました。これは主に、新株予約権の発行及び当該新株予約権の行使に伴う自己株式の処分に伴い現金及び預金が増加したことにより流動資産合計が12億12百万円増加したこと、新規出店に伴い有形固定資産が増加したことにより固定資産合計が1億99万円増加したことによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ35億78百万円減少し、207億円となりました。これは主に、短期借入金及び未払法人税等が減少したことにより流動負債合計が22億44百万円減少し、また、長期借入金が減少したことにより固定負債合計が13億33百万円減少したことによるものです。
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億90百万円増加し、142億60百万円となりました。これは主に、新株予約権の発行及び当該新株予約権の行使に伴う自己株式の処分により資本剰余金が19億50百万円増加したことに加え、自己株式が17億2百万円減少したこと、また、親会社株主に帰属する四半期純利益18億15百万円を計上したこと、配当金4億77百万円を支払ったことにより利益剰余金が13億37百万円増加したことによるものです。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べて13.2ポイント増加し40.8%となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
日本においては、少子化に伴う就業人口の減少、超高齢社会における社会保障費の増大等、人口動態の急激な変化に伴う社会不安が課題となっております。一方では、国民の健康意識の高まりや、スポーツ庁を中核にスポーツの強化やスポーツ・健康増進施策の積極的な推進等により、当社を取り巻く事業環境は、大きな成長の機会を迎えております。
当社は、この機会を新たなビジネスチャンスとして捉えており、当社の事業を通じて、「健康寿命の延伸」に向けたさまざまな社会的課題の解決に取り組むべく、「健康」をキーワードとした事業を有機的に展開してまいります。
スポーツクラブ事業については、地域特性に応じた個店マーケティングと施設環境の整備を基本戦略として、お客様に「感動」していただけるサービスを提供することで、収益基盤の強化を図るとともに、一人でも多くのお客様の健康づくりやスポーツ振興に貢献することを目指してまいります。
また、当社のスポーツクラブを地域全体の健康づくりに貢献するための拠点として活用し、国・地方自治体及び企業や健康保険組合等が推進する健康づくりの支援に全国規模で取り組んでまいります。
新業態施設については、年齢や性別、ライフスタイル、各種ニーズ特性を明確にし、限定したターゲットを対象とした魅力のある施設を展開し、新たな成長の柱となる事業の拡大に努めてまいります。
海外市場については、ベトナムでの事業基盤確立を最優先で進めるとともに、他のアジア地域における事業展開も継続して検討してまいります。
持続的に成長を可能とする組織を支える人材の確保及び育成については、従業員一人ひとりのワークライフマネジメントを可能とする施策として、女性やシニアの活躍推進策、育児や介護と仕事の両立支援策や勤務地限定の正社員制度など、多様で柔軟な働き方ができる環境づくりに積極的に取り組み、個人にとっての「生きがい」と「働きがい」が両立できる組織を目指します。そして、これらの働き方改革を通じて、生産性の向上に取り組んでまいります。
以上の他、引き続きコーポレートガバナンスの更なる充実を図り、全てのステークホルダーの「生きがい創造」に貢献できるよう、持続的に企業価値向上に努めてまいります。