有価証券報告書-第18期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

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2018/06/26 15:01
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における我が国経済は、タイトな雇用情勢にもかかわらず実質賃金に確固とした上昇が見られないこと等から個人消費に力強さはない一方、円安傾向により輸出企業を中心に企業業績は改善傾向を続ける等、緩やかな回復基調となりました。一方、目を海外に転じると、米国経済は法人税減税効果期待もあり回復傾向を持続させ、欧州経済は英国のEU離脱問題が引き続き影を落としたものの主要各国の総選挙等が無難に着地したことなどにも支えられ堅調に推移しました。また、原油価格の上昇で産油国経済の底割れは回避され、中国をはじめ新興国の景気も力強さはないものの回復基調を維持する等、総じて適温な経済状況のまま推移しました。
このような中、当社の主要顧客業界である電子機器関連業界は、事業の再編を進めつつも、新興国向けに機能・性能を絞った製品の開発を進める一方、競争力の源泉である優れたアルゴリズムを用いた映像・画像・音声の圧縮伸張技術を追求し続けております。
具体的には、携帯型端末においてはワンセグ機能に加え、より高画質、大画面の方向に向かっていることから、映像・画像の圧縮伸張コア技術であるビデオコーデックにおける優れたアルゴリズムを市場が求めております。また、デジタル情報家電においても、高画質化に加え高音質化が求められており、低消費電力と合わせてそれらを実現するオーディオコーデックが期待されてきております。さらに、動画像の配信・伝送分野においても、低ビット・レートでも高画質、高音質、低遅延を実現する圧縮伸張技術が必要不可欠のものとなっております。
このような状況下、DMNAアルゴリズムを用いて高画質、高音質、低遅延はもちろん、地球環境にやさしい省エネルギーなグリーン製品群を提供している当社は、国際標準規格に基づく圧縮伸張技術の機能強化ならびに受注活動を行うとともに、独自規格のオリジナル・コーデックや圧縮してもデータが劣化しないロスレス技術、ソリューション製品としての各種低遅延装置などをさらに国内外の市場に投入すべく営業努力を重ねてまいりました。
一方、費用・損益面では、売上高の伸び悩みにより販管費などのコストを賄うことができず、損失を計上することとなりました。
なお、当社の売上高は、主要顧客の決算期末(主として9月と3月)に集中する傾向がある一方、販管費等のコストは、各四半期とも大幅な変動はない、という特徴を有しております。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より61百万円減少し、2,773百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末より0百万円増加し、103百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末より61百万円減少し、2,670百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の売上高は651百万円(前期比3.5%増)となり、経常損失63百万円(前期は経常損失90百万円)、当期純損失69百万円(前期は当期純損失93百万円)となりました。
部門別の経営成績につきましては、次のとおりです。
(ソフトウェアライセンス事業)
営業活動におきましては、単体IPでのライセンス営業から複数IPをモジュール化してのライセンス営業や音声認識率向上ソフトウェアのライセンス営業に力をいれました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
《量産ライセンス》
・H.264デコーダ:監視システム向け
・HEVC MP エンコーダ/デコーダ他:サーバー機器向け
・MPEG4デコーダ:車載ナビシステム向け
・MPEG1オーディオデコーダ:産業機器向け
・風雑音低減ソフトウェア:スマートフォン向け
《評価ライセンス》
・HE-AAC v1デコーダ:住設機器向け
・ズームボイスソフトウェア:家電製品向け
・OPUSエンコーダ/デコーダ他:車載機器向け
・HEVCエンコーダ/デコーダ:プロジェクタ向け
以上の結果、当事業年度の売上高は254百万円となりました。
(ハードウェアライセンス事業)
営業活動におきましては、4K技術、ロスレス技術、H.265、スムージング技術を中心にライセンス営業活動、海外案件獲得活動を展開しました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
《量産ライセンス》
・固定長圧縮技術:スマホ向け
・バス帯域圧縮技術:デジカメ向け
・固定長圧縮技術:液晶ディスプレイ向け
・固定長圧縮技術:液晶パネル向け
・De-mura技術:液晶パネル向け
・JPEG(4Pxl版)エンコーダ:車載機器向け
《試作ライセンス》
・FRC(フレーム補間技術):プロジェクタ向け
以上の結果、当事業年度の売上高は183百万円となりました。
(ソリューション事業)
営業活動におきましては、H.264LSI搭載の準汎用ボード化製品(TM5184MJC)およびオリジナル・コーデックを用いて低遅延・高画質を両立させた小型版画像伝送システムや放送局向け低遅延送り返しシステムの販売活動を中心に展開しました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
・低遅延映像音声配信システム:地方自治体の防災システム向け
・低遅延映像伝送システム:車載装置向け
・HEVCコーデックモジュール開発:監視装置向け
・小型版低遅延伝送装置:放送局向け
・小型版低遅延伝送装置:ケーブルテレビ局向け
・小型版低遅延伝送装置:航空機器向け
・小型版低遅延伝送装置:車載装置向け
・カスタムボード:プリンタ向け
・H.264LSI:特殊機器向け
・8K HEVCプレーヤ:学校法人向け
・SHV簡易視聴ソフトウェア&システム:放送機器向け
・HEVCコーデックモジュール:監視装置向け
・トランスコーダ/メディアプレーヤ/OPUS:学習機器向け
・TM5184MJCを用いた画像音声記録再生システム:航空関連機器向け
・Wi-Fi SyncViewer:試作開発向け
・受託案件9件
以上の結果、当事業年度の売上高は214百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権が38百万円減少した一方で、税引前当期純損失を66百万円計上したことなどにより、前事業年度末に比べ31百万円減少し、当事業年度末には519百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は31百万円(前年同期は167百万円の使用)となりました。これは主に、売上債権が38百万円減少した一方で、税引前当期純損失を66百万円計上したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は0百万円(前年同期は298百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出が9百万円あった一方で、投資有価証券の売却による収入が11百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は0百万円(前年同期は増減なし)となりました。これは、自己株式の取得による支出が0百万円発生したことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
ソフトウェアライセンス事業(千円)65943.8
ソリューション事業(千円)55,15885.8
合計(千円)55,81884.8

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
ソリューション事業(千円)83-
合計(千円)83-

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当事業年度の受注実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
ソフトウェアライセンス事業(千円)250,586135.061215.1
ハードウェアライセンス事業(千円)208,752104.625,434-
ソリューション事業(千円)209,64381.114,83076.9
合計(千円)668,982104.040,876175.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 平成29年4月1日
至 平成30年3月31日)
前年同期比(%)
ソフトウェアライセンス事業(千円)254,024137.2
ハードウェアライセンス事業(千円)183,31891.1
ソリューション事業(千円)214,08588.1
合計(千円)651,428103.5

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当社においては、安定的な事業活動の遂行と積極的な研究開発活動のための資金を確保することが重要課題と認識しており、健全な財政状態を維持するよう取り組んでおります。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より61百万円減少し、2,773百万円となりました。流動資産は、売掛金が33百万円、現金及び預金が31百万円それぞれ減少したことなどにより、前事業年度末より64百万円減少し、1,960百万円となりました。固定資産は、前事業年度末より3百万円増加し、812百万円となっております。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末より0百万円増加し、103百万円となりました。流動負債は、未払金が7百万円増加した一方で、買掛金が7百万円減少したことなどにより、前事業年度末より2百万円減少し、96百万円となりました。固定負債は、前事業年度末より3百万円増加し、7百万円となっております。
純資産につきましては、当期純損失を69百万円計上したことなどにより、当事業年度末における純資産合計は2,670百万円となり、前事業年度末より61百万円減少しております。
全体として、流動資産の比率が高く、有利子負債がないことなどから自己資本比率も96.3%と高い水準を維持しており、財政状態としては健全な状態を維持しております。
2)経営成績
当事業年度の売上高につきましては、ソフトウェアライセンス事業が254百万円、ハードウェアライセンス事業が183百万円、ソリューション事業が214百万円となり、合計の売上高は651百万円と前事業年度より3.5%の増加となりました。
なお、売上総利益は596百万円と前事業年度より19百万円増加し、売上総利益率は91.6%となっております。
費用・損益面につきましては、販売費及び一般管理費が663百万円と前事業年度より4百万円の減少となりましたが、売上高の低迷により販管費などのコストを賄うことができず、営業損失を66百万円(前事業年度は営業損失90百万円)、経常損失を63百万円(前事業年度は経常損失90百万円)、当期純損失を69百万円(前事業年度は当期純損失93百万円)、それぞれ計上する結果となりました。
今後につきましては、品質を第一とする開発方針を徹底するとともに、開発日程の管理並びに営業活動の進捗管理を強化していくことにより、売上見込み案件の増大と受注確度向上を図り、また、ソリューション事業を本格的に推進することで、売上高の増加を図って参ります。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は単一セグメントであり、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」及び上記の「a.経営成績等」に記載の通りであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社は、当事業年度末において現預金を1,620百万円有しており、また、長短借入金等の有利子負債はなく、自己資本比率は96.3%と極めて高い水準にあります。IPの開発を主業務とし、また、ファブレスメーカーである当社の資金需要は、運転資金需要が主なものであり、それにはすべて自己資金で対応可能となっております。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
売上高の低迷により、販管費等のコストを賄うことができず、損失の計上を余儀なくされております。これに対処すべく、今後につきましては、品質を第一とする開発方針を徹底するとともに、開発日程の管理並びに営業活動の進捗管理を強化していくことにより、売上見込み案件の増大と受注確度向上を図り、また、ソリューション事業を本格的に推進することで、売上高の増加並びに利益の確保を図ってまいります。

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