有価証券報告書-第19期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/25 16:01
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(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度(2018年4月1日~2019年3月31日)における我が国経済は、輸出企業を中心に企業業績は改善傾向を続けたものの、実質賃金の上昇や個人消費に力強さが見られないなど、緩やかな回復基調にとどまりました。一方、目を海外に転じると、米国は回復傾向を持続させているものの、欧州経済はドイツをはじめ減速傾向を見せ、また、中国の景気も減速基調となるなどに加え、米国の保護貿易主義の激化による世界経済の混乱・停滞や原油価格の低迷、一部新興国において見られる経済・政情の不安定など、先行き不安を残すものとなりました。
このような中、当社の主要顧客業界である電子機器関連業界は、事業の再編を進めつつも、新興国向けに機能・性能を絞った製品の開発を進める一方、競争力の源泉である優れたアルゴリズムを用いた映像・画像・音声の圧縮伸張技術を追求し続けております。
具体的には、携帯型端末においてはワンセグ機能に加え、より高画質、大画面の方向に向かっていることから、映像・画像の圧縮伸張コア技術であるビデオコーデックにおける優れたアルゴリズムを市場が求めております。また、デジタル情報家電においても、高画質化に加え高音質化が求められており、低消費電力と合わせてそれらを実現するオーディオコーデックが期待されてきております。さらに、動画像の配信・伝送分野においても、低ビット・レートでも高画質、高音質、低遅延を実現する圧縮伸張技術が必要不可欠のものとなっております。
このような状況下、DMNAアルゴリズムを用いて高画質、高音質、低遅延はもちろん、地球環境にやさしい省エネルギーなグリーン製品群を提供している当社は、国際標準規格に基づく圧縮伸張技術の機能強化ならびに受注活動を行うとともに、独自規格のオリジナル・コーデックや圧縮してもデータが劣化しないロスレス技術、ソリューション製品としての各種低遅延装置などをさらに国内外の市場に投入すべく営業努力を重ねてまいりました。
当事業年度における部門別の主要な獲得案件は後述の通りですが、ハードウェアライセンス事業とソリューション事業における大型案件の獲得により、売上高は計画値を上回る結果となりました。
一方、費用・損益面では、売上高の大幅な増加により販管費や製品製造のための外注費などのコストを吸収し、6期ぶりの利益計上を達成することとなりました。
なお、当社の売上高は、主要顧客の決算期末(主として9月と3月)に集中する傾向がある一方、販管費等のコストは、各四半期とも大幅な変動はない、という特徴を有しております。
この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より101百万円増加し、2,875百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末より16百万円増加し、119百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末より84百万円増加し、2,755百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の売上高は860百万円(前期比32.0%増)となり、経常利益100百万円(前期は経常損失63百万円)、当期純利益85百万円(前期は当期純損失69百万円)となりました。
部門別の経営成績につきましては、次のとおりです。
(ソフトウェアライセンス事業)
営業活動におきましては、単体IPでのライセンス営業から複数IPをモジュール化してのライセンス営業に力をいれました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
《量産ライセンス》
・HEVCソフトウェア エンコーダ:ウェアラブル伝送装置向け
・AAC_LCデコーダ:音響機器向け
《評価ライセンス》
・ズームボイス ソフトウェア:音声認識装置向け
・固定長圧縮技術ソフトウェア・モデル:液晶パネル向け
・ハンズフリー/ズームボイス ソフトウェア:車載機器向け
・OPUSデコーダ:車載機器向け
・ハンズフリー/風雑音低減 ソフトウェア:車載機器向け
・H.264 ソフトウェア デコーダ:車載機器向け
・H.264 ソフトウェア デコーダ:小型端末向け
以上の結果、当事業年度の売上高は204百万円(前期比19.4%減)となりました。
(ハードウェアライセンス事業)
営業活動におきましては、4K技術、ロスレス技術、H.265、スムージング技術を中心にライセンス営業活動、海外案件獲得活動を展開しました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
《量産ライセンス》
・固定長圧縮技術:液晶パネル向け
・HEVC静止画対応(Part1):デジカメ向け
・JPEG(4Pixel版)デコーダ:放送映像機器向け
・HEVC静止画対応(Part2):デジカメ向け
・固定長圧縮技術:プリンタ向け
・JPEG(1Pixel版)エンコーダ:計測システム向け
・HEVC/H.264 マルチ コーデック:デジカメ向け
・JPEG エンコーダ/デコーダ:デジカメ向け
・ロスレス/ニアロスレス:デジカメ向け
《試作ライセンス》
・FPGA用FRC(フレーム補間)(Part3):プロジェクタ向け
以上の結果、当事業年度の売上高は304百万円(前期比66.0%増)となりました。
(ソリューション事業)
営業活動におきましては、当社の既存技術と開発力をベースに顧客のカスタム案件の獲得およびオリジナル・コーデックを用いて低遅延・高画質を両立させた小型版画像伝送システムや放送局向け低遅延送り返しシステムの販売活動を中心に展開しました。
主要な案件としましては、次のとおりです。
・OPUS音声機能開発:学習機器向け
・低遅延映像伝送システム:車載装置向け
・低遅延伝送装置とTally & Intercomパネル:国内CATV局向け
・低遅延送り返しシステムの受信用ソフトウェア:米国放送局向け
・低遅延伝送装置:米国・韓国放送局向け
・カスタムボード製造受託:プリンタ向け
・動画伝送ソフトウェア開発(Part1):衛星通信機器向け
・動画編集モジュール開発(Part1):デジカメ向け
・画像圧縮ソフトウェア開発:車載機器向け
・OPUS音声機能オプション開発:学習機器向け
・固定長圧縮評価ソフトウェア開発:医療機器向け
・DSPソフトウェア実装受託:音響機器向け
・動画編集モジュール開発(Part2):デジカメ向け
・データ通信機能付き低遅延伝送装置:字幕作成業務向け
・低ビットレート対応低遅延技術開発受託:ヘリコプタ自動操縦向け
・WiFi SyncViewer:各種会議用途向け
・FPGA版H.264コーデックモジュール:監視装置向け
・小型版低遅延伝送装置:安全走行実験用
・低遅延送り返しシステム開発:放送局向け
・FPGA用4K/8K YUV4:2:2対応固定長圧縮技術開発:プロジェクタ向け
・8Kマルチチャネルシステム開発:ネットワークシステム向け
以上の結果、当事業年度の売上高は351百万円(前期比64.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純利益を100百万円計上した一方で、売上債権が224百万円増加したことなどにより、前事業年度末に比べ132百万円減少し、当事業年度末には387百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は130百万円(前年同期は31百万円の使用)となりました。これは主に、税引前当期純利益を100百万円計上した一方で、売上債権が224百万円増加したことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3百万円(前年同期は0百万円の獲得)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入が4百万円あった一方で、有形固定資産の取得による支出が4百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において、財務活動による資金の増減はありません(前年同期は0百万円の使用)。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
ソリューション事業(千円)123,278223.5
合計(千円)123,278223.5

(注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当事業年度の商品仕入実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
ソリューション事業(千円)5263.4
合計(千円)5263.4

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当事業年度の受注実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称受注高
(千円)
前年同期比
(%)
受注残高
(千円)
前年同期比
(%)
ソフトウェアライセンス事業(千円)205,67282.11,612263.3
ハードウェアライセンス事業(千円)292,665140.213,79354.2
ソリューション事業(千円)355,834169.719,580132.0
合計(千円)854,172127.734,98585.6

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
d.販売実績
当事業年度の販売実績について、当社は単一セグメントとしているため、部門別に示すと、次のとおりであります。
部門の名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
ソフトウェアライセンス事業(千円)204,67280.6
ハードウェアライセンス事業(千円)304,307166.0
ソリューション事業(千円)351,054164.0
合計(千円)860,033132.0

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
日本放送協会--131,75115.3

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.前事業年度及び当事業年度の主な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満の場合は、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載のとおりであります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
当社においては、安定的な事業活動の遂行と積極的な研究開発活動のための資金を確保することが重要課題と認識しており、健全な財政状態を維持するよう取り組んでおります。
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より101百万円増加し、2,875百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が132百万円減少した一方で、売掛金が197百万円増加したことなどにより、前事業年度末より104百万円増加し、2,065百万円となりました。固定資産は、前事業年度末より3百万円減少し、809百万円となっております。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末より16百万円増加し、119百万円となりました。流動負債は、未払法人税等が14百万円増加したことなどにより、前事業年度末より16百万円増加し、112百万円となりました。固定負債は、前事業年度末より0百万円減少し、6百万円となっております。
純資産につきましては、当期純利益を85百万円計上したことなどにより、当事業年度末における純資産合計は2,755百万円となり、前事業年度末より84百万円増加しております。
全体として、流動資産の比率が高く、有利子負債がないことなどから自己資本比率も95.8%と高い水準を維持しており、財政状態としては健全な状態を維持しております。
2)経営成績
当事業年度の売上高につきましては、ソフトウェアライセンス事業が204百万円、ハードウェアライセンス事業が304百万円、ソリューション事業が351百万円となり、合計の売上高は860百万円と前事業年度より32.0%の増加となりました。
なお、売上総利益は744百万円と前事業年度より147百万円増加し、売上総利益率は86.5%となっております。
費用・損益面につきましては、販売費及び一般管理費が646百万円と前事業年度より16百万円の減少となり、売上高の大幅な増加により販管費や製品製造のための外注費などのコストを吸収し、営業利益を97百万円(前事業年度は営業損失66百万円)、経常利益を100百万円(前事業年度は経常損失63百万円)、当期純利益を85百万円(前事業年度は当期純損失69百万円)、それぞれ計上する結果となりました。
今後につきましては、品質を第一とする開発方針を徹底するとともに、開発日程の管理並びに営業活動の進捗管理を強化していくことにより、売上見込み案件の増大と受注確度向上を図り、また、ソリューション事業を本格的に推進することで、売上高の増加を図って参ります。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に重要な影響を与える要因
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りであります。
c.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は単一セグメントであり、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」及び上記の「a.経営成績等」に記載の通りであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社は、当事業年度末において現金及び預金を1,487百万円有しており、また、長短借入金等の有利子負債はなく、自己資本比率は95.8%と極めて高い水準にあります。IPの開発を主業務とし、また、ファブレスメーカーである当社の資金需要は、運転資金需要が主なものであり、それにはすべて自己資金で対応可能となっております。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
前事業年度までは売上高の低迷により、販管費等のコストを賄うことができず、損失の計上を余儀なくされておりましたが、当事業年度は、ハードウェアライセンス事業とソリューション事業において大型案件の獲得に成功したことなどから、6事業年度ぶりの利益計上となりました。今後とも、品質を第一とする開発方針を徹底するとともに、開発日程の管理ならびに営業活動の進捗管理を強化していくことにより、売上見込み案件の増大と受注確度向上を図り、また、ソリューション事業を本格的に推進することで、売上高の増加ならびに利益の確保を図ってまいります。

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