有価証券報告書-第29期(2025/03/01-2026/02/28)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、下記のとおり、グループミッション及び経営理念を掲げております。
① グループミッション
当社グループのグループミッションは、いろいろな個性を持った仲間と、わくわくしながら、予想もつかない、驚くような未来を、ともに創ろうという想いであります。各事業会社の個性を活かしつつ、他のグループ事業会社をリスペクトし、ともに未来を創っていく。時には自分たちだけで、またある時はグループの仲間たちとともに頑張る。これが、外食産業の中で我々が持つ大きな特徴であると考えております。当社グループは、このグループミッションのもと、豊かな食生活への貢献を目指してまいります。
② 当社の経営理念
このような経営理念のもと、グループとしての社会的責任を果たしながら、企業価値向上に向け、努力してまいります。また、お客様、株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーに対して、魅力あふれる店舗を創造し続けていくことが、企業としての使命であると考えております。そして、株主の皆様に当社グループのバラエティ豊かな店舗を利用していただくことが、企業としての持続的成長につながっていくという考えのもと株主優待制度を導入しており、今後も継続してまいります。
(2)重視する経営指標
当社グループでは、経営効率を高め安定した財務体質を維持しつつ、持続的成長を達成するために、収益性の重要な経営指標(KPI)として調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン、財務の安定性を図る指標として調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率)を重視しております。当社グループは、これらの指標を向上させることで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
なお、当連結会計年度における調整後EBITDAは26,271百万円(前連結会計年度比0.6%増)、調整後EBITDAマージンは15.9%(前連結会計年度は16.7%)、調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率)は46.2%(前連結会計年度は42.9%)となりました。
(注)1.調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。
・調整後EBITDA=営業利益 + その他の営業費用 - その他の営業収益(協賛金収入を除く)
+ 減価償却費 + 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)
・調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100
2.調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率):親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)からIFRS第16号の影響を除外した比率
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 中期経営計画
当社では、2026年2月期を初年度とする5か年の中期経営計画を推進しております。本計画は、国内人口の減少やコスト上昇、サステナビリティの重要性増加などの環境変化に加え、リベンジ消費の終焉に伴う競争激化という課題認識の下、本質的な課題の解決を目指すものです。従来の経営戦略である「マルチブランド・マルチロケーション戦略」及び「グループ連邦経営」を包括的に再定義した「グループ連邦経営2.0」へ進化させ、あらゆるステークホルダーから選ばれる企業グループの実現を目指しております。
本計画の実行力を強化し、目まぐるしく変わる環境及び変化へ迅速に対応するため、当社グループでは業務執行の最高責任者(CxO)体制を導入し、執行責任を明確化するとともに、中核事業会社における経営体制の刷新を行っております。
具体的には、成長の3本柱として「本質的価値の進化」「シナジーのあるM&A」「海外事業の拡大」を、その基盤として「テクノロジーの活用」「人的資本経営の推進」「サステナビリティ推進」を掲げ、新体制のもとでこれらの施策を強力に推進しております。
成長の3本柱における重点施策
・本質的価値の進化
料理、サービス、立地の進化を目指します。既存事業の成長エンジンである25のコアブランドを中心に、おいしさの追求、立地別価格制度の促進、ブランド別DXの最適化等に取り組むほか、QSC(品質・サービス・清潔さ)の徹底を通じた来客数向上を目指します。具体的には、中核事業子会社における経営体制刷新を通じた組織の活性化により「磯丸水産」等の業績改善に注力するとともに、「しゃぶ菜」や「デザート王国」等のコアブランドを中心とした多店舗リフレッシュ改装及び機動的な新業態開発により新たなコアブランドの創出を推進いたします。立地戦略におきましては、物件開発機能の強化による路面や地方都市への出店、エリア運営効率化を図るグループ内フランチャイズを推進するほか、AIによる売上予測に基づいた発注自動化等のテクノロジー活用を推進し、店舗生産性の向上を図ります。
・シナジーのあるM&A
これまでのM&Aにおける豊富な実績を活かし、既存事業とのシナジーと財務規律を重視しながら、国内外で年間2件前後の積極的なM&Aを実行する方針です。国内及び北米を中心とした事業ポートフォリオの拡充に注力するとともに、新たにグループへ加わった企業や事業のPMI(買収後の統合プロセス)を迅速に推進することで、グループインフラの活用による早期のシナジー創出と持続的な成長を実現してまいります。
・海外事業の拡大
M&Aを軸に、海外売上比率を本計画最終年度(2030年2月期)には現状の2倍にすることを目指します。既進出の北米・アジアに加え、新たに欧州進出に向けた準備を本格化させるとともに、アジア圏におけるフランチャイズビジネスの拡大を図ります。現地で支持されるブランドの招聘や経営チームの現地化により、海外子会社の自律的な成長を促し、世界市場での存在感を高めることで、グローバルなグループ連邦経営を推進してまいります。
成長を支える3基盤の強化
・テクノロジーの活用
従来の省人化重視のDXから、各ブランドの顧客特性に応じたDXへと進化させ、ホスピタリティとテクノロジーの融合による顧客満足度向上を図ります。ブランド別アプリの実装やデジタルマーケティングの推進による既存店来客数アップのサポートに加え、AIによる売上予測に基づいた発注自動化や社内チャットボットの活用等、店舗運営の高度化と業務効率化を並行して推進いたします。デジタル技術の積極的な活用により、人財の成長と人時キャッシュフローの向上を両立する「ヒューマン・トランスフォーメーション(HX)」を実現してまいります。
・人的資本経営の推進
人財を最大の財産と位置づけ、人的投資の継続的な強化や人事評価・研修制度の見直し等を通じて、多様性を尊重し、個々の成長につながる環境を構築します。シニア社員や外国人社員の活躍支援を推進するほか、業務執行責任を明確化するCxO体制の導入や中核事業子会社の経営体制刷新を通じ、人財の適材適所とリーダーシップの強化を図ります。これにより、多様な個性が最大限に発揮される企業風土を醸成し、「グループ連邦経営」の強みを支える強固な組織基盤を構築してまいります。
・サステナビリティ推進
食の様々なシーンを通じて、全てのステークホルダーに「豊かさ」を提供し続けることで持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を目指してまいります。「サステナビリティ委員会」及び「サステナビリティ推進室」を中心に、食品ロスの削減や生産地との連携など、特定した5つのマテリアリティ(重要課題)に沿った取り組みをグループ横断で推進いたします。事業活動を通じた社会的課題の解決と持続的な成長を両立させることで、社会から信頼され、選ばれ続ける企業グループを構築してまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、緊迫した国際情勢に伴う不透明な外部環境の中、グループの強みである変化対応力を駆使して、以下の課題に適切に対処してまいります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 「食の安全・安心」への取り組み
お客様に「安全」なメニューをご提供し、「安心」して召し上がっていただくことは、外食企業にとっての最重要事項です。当社グループは、「食の安全・安心」に対する全役職員の意識浸透とレベルアップに全力で取り組んでおります。
具体的には、経営理念の中核である「お客様からの信頼」を広く浸透させるとともに、「食の安全安心推進室」を中心にマニュアルの随時見直しや従業員教育の徹底、外部衛生検査会社による点検等を定期的に実施しております。また、「食の安全安心推進委員会」を通じて各事業会社間の情報共有と迅速な報告体制を構築し、グループ全体の衛生レベルを維持・向上させる仕組みを構築しております。
なお、本課題はマテリアリティ(重要課題)に選定しており、その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
② 多様な人財の活躍促進、人財育成の強化
当社グループは、人財に関する基本方針を定めており、人財こそが「持続的な成長を創出する極めて重要な源泉」であると認識しております。多様な人財の活躍推進とその成長を促すための投資を積極的に行い、従業員が安心して活き活きと仕事ができる環境を整えてまいります。
特に人財の育成に関しましては、「スピード、クリエイティブ、チャレンジ」という当社グループの経営理念を牽引することを期待される幹部人財の育成強化を計画的に実施できるよう、教育・研修システムの整備を進めております。あわせて、業務執行責任を明確化するCxO体制の導入やグループ内人財交流の促進、組織再編にも取り組むなど、人財の適材適所とリーダーシップの強化を通じたHXの実現を目指してまいります。
なお、本課題はマテリアリティ(重要課題)に選定しており、その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
③ 既存店における来客数の向上
当社グループは、外食事業の収益基盤である既存店の来客数拡大を最優先課題として認識しております。価格を上回る価値提供を実現するため、QSC(品質・サービス・清潔さ)のレベルアップを徹底するとともに、中核事業子会社の経営体制刷新による組織の活性化を図り、主力ブランドである「磯丸水産」等の業績改善に注力してまいります。また、消費ニーズの変化に合わせた「しゃぶ菜」や「デザート王国」等のコアブランドにおける店舗リフレッシュ改装、及び機動的な新業態開発を継続的に実行することで、集客力の最大化に努めてまいります。
④ DX・AI推進による業務効率化・顧客満足度の向上
店舗運営において、モバイルオーダー等の導入・拡充による待ち時間の短縮や、AI予約受付、配膳ロボット等の活用による省人化を推進しております。これにより、お客様へのサービスに充てる時間を最大化し、満足度向上と業務効率化を並行して進めております。
また、本社機能においてもRPAや生成AIを活用することで、業務プロセスの高度化と経営効率の向上を図り、各種リスクの低減に取り組んでまいります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
① お客様から支持される商品及び業態開発の推進
お客様の食に対するニーズは、近年のスマートフォンやSNS等の普及による情報収集力の向上やライフスタイルの変化等により多様化が進んでおり、加えてニーズの変化のスピードも速まっている中、業態(ブランド)及び立地の陳腐化も早まる傾向にあります。
当社グループでは、このようなニーズの変化に機敏に対応していくために、お客様ニーズを汲み取った戦略的な業態転換や店舗改装のほか、「わくわく」するような新業態・コンセプト開発を担う専門組織「クリエイト・ブランド・ラボ」による、当社グループならではの大型投資や高いデザイン性をもったコンセプトの創出に取り組んでおります。
② 競争力強化に向けた各グループ事業会社の育成
当社は、各グループ事業会社(各社)の独自性を尊重しながらグループとしての成長を目指す『グループ連邦経営』を推進しており、各社の競争力の強化は当社グループの持続的な経営にとって重要であり、各社の競争状況、役割、ステージに応じた効果的な経営指導及び機動的かつ最適な経営資源の配分を行っていくことが必要であると認識しております。そのために、当社が各社の経営状態を的確に把握できる管理体制の強化に努めるとともに、複数の専門的かつ特徴的な企業文化、戦略を持つ各社の経営陣が、グループ内にてそれぞれのノウハウや情報交換等を密に行い、個々の経営力を拡充することができ、各社が成長に向け、迅速かつ最適な意思決定が可能となる組織体制及び環境を整えてまいります。また、各社の内部統制に係る体制につきましてもより一層の整備に努めることで、企業体質の強化を図ってまいります。
③ 本社機能の更なる強化
『グループ連邦経営』における当社の役割として、グループ全体の経営戦略を策定、実行することのほかに、各グループ事業会社(各社)が持続的な経営戦略の実行に集中できる環境(プラットフォーム)を提供することも必要であると認識しております。具体的には、各社の間接部門業務の集約化、標準化による効率性の向上と多様な立地・業態に対する開発機能の強化、原材料・設備等の集約化によるコスト面でのシナジーの最大化、食の安全・安心やコンプライアンスに関連する情報の提供等において一層の強化に取り組み、各社の収益性の最大化に資する支援体制強化に努めるとともに、グループガバナンスの更なる強化に取り組んでまいります。
④ グローバル展開
現在、当社グループは直営にてアジア2か国、北米1か国に拠点を有しておりますが、継続的な海外への展開は重要な課題の一つと捉えております。新たな拠点となるエリアへの進出を志向し、それぞれの拠点が自律的に経営を行うこと、M&A及び出店により、ポートフォリオを多様化すること、経営を支えるグローバルな人財ネットワークを獲得すること等を通じて、グローバル市場において、基盤を固め『グローバル連邦経営』を目指してまいります。
⑤ サステナビリティへの取り組み
当社グループは、食の様々なシーンを通じてステークホルダーに対し「豊かさ」を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献し、長期的なグループ企業価値向上を目指しております。食に携わる企業として、従来から食の安全・安心、生産地との連携、食品ロスの削減等、様々な活動を行っており、持続可能な社会の実現に取り組むための体制を強化すべく、「サステナビリティ委員会」及び「サステナビリティ推進室」を設置しております。また、当社が優先して取り組む課題として、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社事業にとっての重要性」の双方が高いと考えられる5項目をマテリアリティとして選定しており、その土台となる「コーポレートガバナンスの強化」とともに、関連する各部署がグループ事業会社と連携しながら具体的に取り組んでまいります。その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、下記のとおり、グループミッション及び経営理念を掲げております。
① グループミッション
| わくわく無限大! 個性いろいろ ともに創る 驚きの未来。 |
当社グループのグループミッションは、いろいろな個性を持った仲間と、わくわくしながら、予想もつかない、驚くような未来を、ともに創ろうという想いであります。各事業会社の個性を活かしつつ、他のグループ事業会社をリスペクトし、ともに未来を創っていく。時には自分たちだけで、またある時はグループの仲間たちとともに頑張る。これが、外食産業の中で我々が持つ大きな特徴であると考えております。当社グループは、このグループミッションのもと、豊かな食生活への貢献を目指してまいります。
② 当社の経営理念
| ・私たちは、継続的にチャンスを切り拓き、世界のマーケットで成長します。 ・私たちは、常にスピードをもって、クリエイティブにチャレンジします。 ・私たちは、個性豊かな事業会社が互いに尊重し、連携し合うことで、新しい価値を創造します。 ・私たちは、外食業界の未来のために、リーディングカンパニーとして、イノベーションを起こします。 ・私たちは、お客様に彩り豊かな食のシーンを提供し続けることで、社会に貢献します。 |
このような経営理念のもと、グループとしての社会的責任を果たしながら、企業価値向上に向け、努力してまいります。また、お客様、株主の皆様をはじめとする多くのステークホルダーに対して、魅力あふれる店舗を創造し続けていくことが、企業としての使命であると考えております。そして、株主の皆様に当社グループのバラエティ豊かな店舗を利用していただくことが、企業としての持続的成長につながっていくという考えのもと株主優待制度を導入しており、今後も継続してまいります。
(2)重視する経営指標
当社グループでは、経営効率を高め安定した財務体質を維持しつつ、持続的成長を達成するために、収益性の重要な経営指標(KPI)として調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージン、財務の安定性を図る指標として調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率)を重視しております。当社グループは、これらの指標を向上させることで、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
なお、当連結会計年度における調整後EBITDAは26,271百万円(前連結会計年度比0.6%増)、調整後EBITDAマージンは15.9%(前連結会計年度は16.7%)、調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率)は46.2%(前連結会計年度は42.9%)となりました。
(注)1.調整後EBITDA及び調整後EBITDAマージンの計算式は以下のとおりです。
・調整後EBITDA=営業利益 + その他の営業費用 - その他の営業収益(協賛金収入を除く)
+ 減価償却費 + 非経常的費用項目(株式取得に関するアドバイザリー費用等)
・調整後EBITDAマージン=調整後EBITDA ÷ 売上収益 × 100
2.調整後親会社所有者帰属持分比率(調整後自己資本比率):親会社所有者帰属持分比率(自己資本比率)からIFRS第16号の影響を除外した比率
(3)中長期的な会社の経営戦略
① 中期経営計画
当社では、2026年2月期を初年度とする5か年の中期経営計画を推進しております。本計画は、国内人口の減少やコスト上昇、サステナビリティの重要性増加などの環境変化に加え、リベンジ消費の終焉に伴う競争激化という課題認識の下、本質的な課題の解決を目指すものです。従来の経営戦略である「マルチブランド・マルチロケーション戦略」及び「グループ連邦経営」を包括的に再定義した「グループ連邦経営2.0」へ進化させ、あらゆるステークホルダーから選ばれる企業グループの実現を目指しております。
本計画の実行力を強化し、目まぐるしく変わる環境及び変化へ迅速に対応するため、当社グループでは業務執行の最高責任者(CxO)体制を導入し、執行責任を明確化するとともに、中核事業会社における経営体制の刷新を行っております。
具体的には、成長の3本柱として「本質的価値の進化」「シナジーのあるM&A」「海外事業の拡大」を、その基盤として「テクノロジーの活用」「人的資本経営の推進」「サステナビリティ推進」を掲げ、新体制のもとでこれらの施策を強力に推進しております。
成長の3本柱における重点施策
・本質的価値の進化
料理、サービス、立地の進化を目指します。既存事業の成長エンジンである25のコアブランドを中心に、おいしさの追求、立地別価格制度の促進、ブランド別DXの最適化等に取り組むほか、QSC(品質・サービス・清潔さ)の徹底を通じた来客数向上を目指します。具体的には、中核事業子会社における経営体制刷新を通じた組織の活性化により「磯丸水産」等の業績改善に注力するとともに、「しゃぶ菜」や「デザート王国」等のコアブランドを中心とした多店舗リフレッシュ改装及び機動的な新業態開発により新たなコアブランドの創出を推進いたします。立地戦略におきましては、物件開発機能の強化による路面や地方都市への出店、エリア運営効率化を図るグループ内フランチャイズを推進するほか、AIによる売上予測に基づいた発注自動化等のテクノロジー活用を推進し、店舗生産性の向上を図ります。
・シナジーのあるM&A
これまでのM&Aにおける豊富な実績を活かし、既存事業とのシナジーと財務規律を重視しながら、国内外で年間2件前後の積極的なM&Aを実行する方針です。国内及び北米を中心とした事業ポートフォリオの拡充に注力するとともに、新たにグループへ加わった企業や事業のPMI(買収後の統合プロセス)を迅速に推進することで、グループインフラの活用による早期のシナジー創出と持続的な成長を実現してまいります。
・海外事業の拡大
M&Aを軸に、海外売上比率を本計画最終年度(2030年2月期)には現状の2倍にすることを目指します。既進出の北米・アジアに加え、新たに欧州進出に向けた準備を本格化させるとともに、アジア圏におけるフランチャイズビジネスの拡大を図ります。現地で支持されるブランドの招聘や経営チームの現地化により、海外子会社の自律的な成長を促し、世界市場での存在感を高めることで、グローバルなグループ連邦経営を推進してまいります。
成長を支える3基盤の強化
・テクノロジーの活用
従来の省人化重視のDXから、各ブランドの顧客特性に応じたDXへと進化させ、ホスピタリティとテクノロジーの融合による顧客満足度向上を図ります。ブランド別アプリの実装やデジタルマーケティングの推進による既存店来客数アップのサポートに加え、AIによる売上予測に基づいた発注自動化や社内チャットボットの活用等、店舗運営の高度化と業務効率化を並行して推進いたします。デジタル技術の積極的な活用により、人財の成長と人時キャッシュフローの向上を両立する「ヒューマン・トランスフォーメーション(HX)」を実現してまいります。
・人的資本経営の推進
人財を最大の財産と位置づけ、人的投資の継続的な強化や人事評価・研修制度の見直し等を通じて、多様性を尊重し、個々の成長につながる環境を構築します。シニア社員や外国人社員の活躍支援を推進するほか、業務執行責任を明確化するCxO体制の導入や中核事業子会社の経営体制刷新を通じ、人財の適材適所とリーダーシップの強化を図ります。これにより、多様な個性が最大限に発揮される企業風土を醸成し、「グループ連邦経営」の強みを支える強固な組織基盤を構築してまいります。
・サステナビリティ推進
食の様々なシーンを通じて、全てのステークホルダーに「豊かさ」を提供し続けることで持続可能な社会の実現に貢献し、長期的な企業価値向上を目指してまいります。「サステナビリティ委員会」及び「サステナビリティ推進室」を中心に、食品ロスの削減や生産地との連携など、特定した5つのマテリアリティ(重要課題)に沿った取り組みをグループ横断で推進いたします。事業活動を通じた社会的課題の解決と持続的な成長を両立させることで、社会から信頼され、選ばれ続ける企業グループを構築してまいります。
(4)経営環境及び対処すべき課題
当社グループは、緊迫した国際情勢に伴う不透明な外部環境の中、グループの強みである変化対応力を駆使して、以下の課題に適切に対処してまいります。
(特に優先度の高い対処すべき事業上及び財務上の課題)
① 「食の安全・安心」への取り組み
お客様に「安全」なメニューをご提供し、「安心」して召し上がっていただくことは、外食企業にとっての最重要事項です。当社グループは、「食の安全・安心」に対する全役職員の意識浸透とレベルアップに全力で取り組んでおります。
具体的には、経営理念の中核である「お客様からの信頼」を広く浸透させるとともに、「食の安全安心推進室」を中心にマニュアルの随時見直しや従業員教育の徹底、外部衛生検査会社による点検等を定期的に実施しております。また、「食の安全安心推進委員会」を通じて各事業会社間の情報共有と迅速な報告体制を構築し、グループ全体の衛生レベルを維持・向上させる仕組みを構築しております。
なお、本課題はマテリアリティ(重要課題)に選定しており、その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
② 多様な人財の活躍促進、人財育成の強化
当社グループは、人財に関する基本方針を定めており、人財こそが「持続的な成長を創出する極めて重要な源泉」であると認識しております。多様な人財の活躍推進とその成長を促すための投資を積極的に行い、従業員が安心して活き活きと仕事ができる環境を整えてまいります。
特に人財の育成に関しましては、「スピード、クリエイティブ、チャレンジ」という当社グループの経営理念を牽引することを期待される幹部人財の育成強化を計画的に実施できるよう、教育・研修システムの整備を進めております。あわせて、業務執行責任を明確化するCxO体制の導入やグループ内人財交流の促進、組織再編にも取り組むなど、人財の適材適所とリーダーシップの強化を通じたHXの実現を目指してまいります。
なお、本課題はマテリアリティ(重要課題)に選定しており、その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。
③ 既存店における来客数の向上
当社グループは、外食事業の収益基盤である既存店の来客数拡大を最優先課題として認識しております。価格を上回る価値提供を実現するため、QSC(品質・サービス・清潔さ)のレベルアップを徹底するとともに、中核事業子会社の経営体制刷新による組織の活性化を図り、主力ブランドである「磯丸水産」等の業績改善に注力してまいります。また、消費ニーズの変化に合わせた「しゃぶ菜」や「デザート王国」等のコアブランドにおける店舗リフレッシュ改装、及び機動的な新業態開発を継続的に実行することで、集客力の最大化に努めてまいります。
④ DX・AI推進による業務効率化・顧客満足度の向上
店舗運営において、モバイルオーダー等の導入・拡充による待ち時間の短縮や、AI予約受付、配膳ロボット等の活用による省人化を推進しております。これにより、お客様へのサービスに充てる時間を最大化し、満足度向上と業務効率化を並行して進めております。
また、本社機能においてもRPAや生成AIを活用することで、業務プロセスの高度化と経営効率の向上を図り、各種リスクの低減に取り組んでまいります。
(その他の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)
① お客様から支持される商品及び業態開発の推進
お客様の食に対するニーズは、近年のスマートフォンやSNS等の普及による情報収集力の向上やライフスタイルの変化等により多様化が進んでおり、加えてニーズの変化のスピードも速まっている中、業態(ブランド)及び立地の陳腐化も早まる傾向にあります。
当社グループでは、このようなニーズの変化に機敏に対応していくために、お客様ニーズを汲み取った戦略的な業態転換や店舗改装のほか、「わくわく」するような新業態・コンセプト開発を担う専門組織「クリエイト・ブランド・ラボ」による、当社グループならではの大型投資や高いデザイン性をもったコンセプトの創出に取り組んでおります。
② 競争力強化に向けた各グループ事業会社の育成
当社は、各グループ事業会社(各社)の独自性を尊重しながらグループとしての成長を目指す『グループ連邦経営』を推進しており、各社の競争力の強化は当社グループの持続的な経営にとって重要であり、各社の競争状況、役割、ステージに応じた効果的な経営指導及び機動的かつ最適な経営資源の配分を行っていくことが必要であると認識しております。そのために、当社が各社の経営状態を的確に把握できる管理体制の強化に努めるとともに、複数の専門的かつ特徴的な企業文化、戦略を持つ各社の経営陣が、グループ内にてそれぞれのノウハウや情報交換等を密に行い、個々の経営力を拡充することができ、各社が成長に向け、迅速かつ最適な意思決定が可能となる組織体制及び環境を整えてまいります。また、各社の内部統制に係る体制につきましてもより一層の整備に努めることで、企業体質の強化を図ってまいります。
③ 本社機能の更なる強化
『グループ連邦経営』における当社の役割として、グループ全体の経営戦略を策定、実行することのほかに、各グループ事業会社(各社)が持続的な経営戦略の実行に集中できる環境(プラットフォーム)を提供することも必要であると認識しております。具体的には、各社の間接部門業務の集約化、標準化による効率性の向上と多様な立地・業態に対する開発機能の強化、原材料・設備等の集約化によるコスト面でのシナジーの最大化、食の安全・安心やコンプライアンスに関連する情報の提供等において一層の強化に取り組み、各社の収益性の最大化に資する支援体制強化に努めるとともに、グループガバナンスの更なる強化に取り組んでまいります。
④ グローバル展開
現在、当社グループは直営にてアジア2か国、北米1か国に拠点を有しておりますが、継続的な海外への展開は重要な課題の一つと捉えております。新たな拠点となるエリアへの進出を志向し、それぞれの拠点が自律的に経営を行うこと、M&A及び出店により、ポートフォリオを多様化すること、経営を支えるグローバルな人財ネットワークを獲得すること等を通じて、グローバル市場において、基盤を固め『グローバル連邦経営』を目指してまいります。
⑤ サステナビリティへの取り組み
当社グループは、食の様々なシーンを通じてステークホルダーに対し「豊かさ」を提供し続けることで、持続可能な社会の実現に貢献し、長期的なグループ企業価値向上を目指しております。食に携わる企業として、従来から食の安全・安心、生産地との連携、食品ロスの削減等、様々な活動を行っており、持続可能な社会の実現に取り組むための体制を強化すべく、「サステナビリティ委員会」及び「サステナビリティ推進室」を設置しております。また、当社が優先して取り組む課題として、「ステークホルダーにとっての重要性」と「当社事業にとっての重要性」の双方が高いと考えられる5項目をマテリアリティとして選定しており、その土台となる「コーポレートガバナンスの強化」とともに、関連する各部署がグループ事業会社と連携しながら具体的に取り組んでまいります。その内容は、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。