有価証券報告書-第21期(平成29年12月1日-平成30年11月30日)
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「全ては生産者と生活者のために」を経営理念に掲げ、「食の流通情報を活用し、生産者の暮らしを支え、生活者の食生活に貢献する」企業グループを目指し、事業を展開しております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主たる事業領域である生鮮流通を取り巻く環境は、劇的に変化しております。1つめは、スーパーマーケット等の生鮮品売場の競争力が相対的に落ちてきています。高齢化や人口減少による労働力不足の問題が人件費などのコストアップ要因となっていることや、ドラッグストアやネット販売など生鮮流通の新たなチャネルも拡大していることが主な理由です。大手チェーンストアではアパレル業界のようなSPA(製造小売)方式を打ち出し、競争力のあるプライベート商品の拡大を図る方針を明示したり、業態の異なる企業が大型M&Aを実施したりと、コストを下げるための動きが加速しています。2つめは、食品流通にかかわる法制度等の変更です。農協改革や市場法改正、食品衛生法の改正によるHACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point)に沿った衛生管理の義務化や、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機として、GAP(Good Agricultural Practice:農業生産工程管理)などの認証の取得を推進することなど、流通の効率化や安全・安心の担保を目的とした業界のルール変更が発生しています。3つめは、情報技術を活用した農産物の生産現場や流通の改革です。衛星やドローンを使った農薬散布、無人トラクターなどの実用化、ビッグデータを活用した生産予測や消費者ニーズの生産者へのフィードバックシステム構築などの情報マッチング技術が進化することにより、生産現場や中間流通の構造改革が起こってきています。
当社を取り巻く環境変化をビジネスチャンスとするために、新規事業への投資を積極的に行ってまいります。社内的には優先順位を明確にした取り組むべき重点項目を設定し、確実に新規事業を立ち上げてまいります。
オペレーション支援事業においては、当社の輸入青果物のサプライチェーンシステムである「イーサポートリンクシステムVer2」と業務受託サービスについて、新たな展開を始めるための準備を進めております。今までの大手バナナ生産者以外の顧客を開拓し、売上の拡大を図ってまいります。また、国産青果物流通へ事業を拡大するために必要なシステム開発、中期事業計画の明確化など、準備を進めてまいります。更に、業務受託サービスについては、AIやRPAなどを積極的に取り入れ、作業の自動化を推進するなど、一層のオペレーションコストの削減を進めてまいります。「生鮮MDシステム」については、モバイル化への対応により利便性を向上させ、さらなる取引量の拡大を図ってまいります。
農業支援事業においては、りんご販売については、若手生産者の組合員増強により安定的な集荷体制の確立を図ります。有機農産物販売については、新たな有機農産物の取り扱いを開始し、販売先開拓を強化しながら売上増加に努めてまいります。ドラッグストアへの実証実験については、商品調達の多様化、システムを利用した業務の効率化、運営方法の再検討を行い、利益の確保できるビジネスモデルを確立してまいります。また、海外事業については、フィリピンでのマイクロファイナンス支援システムの本格的な導入期に向けて、現地駐在事務所の開設の準備を進めてまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年2月28日)現在において当社グループが判断したものであります。