有価証券報告書-第28期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/25 16:29
【資料】
PDFをみる
【項目】
139項目

対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針および経営環境
当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを経営理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そして更に相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社の社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを背景にこのようなM&Aのいわばプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。
以上の経営理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。
国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。
(2)対処すべき課題
当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。
①コンサルタントの積極的採用と研修制度の更なる充実等による人材の育成
中堅中小企業のM&Aの潜在的全需要からすれば当社のシェアは数パーセントに過ぎないものと当社グループでは考えております。 今後、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供し、業績拡大を実現するために、当社グループでは、引続きコンサルタントの採用を推進し毎年着実な増員を図っていく予定であります。
併せて、採用した人材の早期戦力化を図るために、社歴3年未満のコンサルタントを部署の垣根を外した競争原理により切磋琢磨させ、当社で成功しているコンサルタントのノウハウを共有化し、継承すべき当社コンサルタントとしての基本理念・基本行動を伝承する企画を当連結会計年度において企画し、次期よりスタートいたしました。 このような企画と現場でのOJTにより、社歴の浅いコンサルタントの着実な育成を図ってまいります。
②3事業部の有機的連携による生産性の更なる向上
前記のとおり当連結会計年度において当社グループは譲渡案件の受託件数残高を大幅に増加させることができました。 次期以降は、営業本部内の下記3事業部が有機的に連携することにより、増加する譲渡案件の受託を効率的に案件成約に結び付け、生産性の更なる向上に注力いたします。
具体的施策としては、増大する提携統括事業部の情報に集中的に対応する専門部署を次期より戦略統括事業部内に新設いたします。当該新設部署は、Ⅰ.提携統括事業部にて受託した譲渡案件を集中的にマッチングするとともに、Ⅱ.提携統括事業部における譲受希望情報に対応し譲渡企業の提案を行うものとします。 これらにより、案件成約までのリードタイムを短縮し顧客満足度の向上を推進いたします。
■提携統括事業部 金融機関、会計事務所等を中心とした当社の情報ネットワークを活用したアプローチを統括する事業部 ■戦略統括事業部 上場企業を含む一般事業法人、ファンド等に直接アプローチし、また、各種ダイレクトマーケティングの手法により潜在的顧客に直接アプローチする事業部 ■業種特化事業部 医療介護、調剤等のヘルスケア分野やIT、建設、食品、製造、物流といった特定の業種に専門特化し、専門的知見に基づくコンサルティング・アプローチを統括する事業部
③M&A総合企業への取組
前記のとおり、近年、当社グループは、従前の中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を段階的に進めてまいりました。 今後ともこの取組を加速させ、国内はもとよりアセアン諸国を中心とする海外を含むあらゆる地域の多様な対象企業に対し、経営戦略、マーケティング、PMI(M&A成立後の統合)等のコンサルティング分野、あるいは、バリュエーション、デュー・ディリジェンスを中心とするエグゼキューション分野等、すべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を更にすすめてまいります。
④西日本エリアにおける業績の拡大
当社グループがメインターゲットとしている中堅中小企業の分布からすれば、今後、西日本エリアにおける業績拡大の潜在余地は東日本のそれを上回るものと当社グループでは分析しています。 当連結会計年度においては、2018年4月に広島市に中四国営業所を、那覇市に沖縄営業所をそれぞれ新設いたしました。 これらにより、西日本エリアにおける業績の拡大に注力するとともに、地域密着型の市場ニーズに沿った提案・サポート活動をよりスピーディーに実現し、もって当社グループの成長をより一層加速させてまいります。
(3)目標とする経営指標と達成状況
目標とする経営指標と達成状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。