四半期報告書-第16期第2四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)

【提出】
2018/11/13 14:32
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、入手可能な情報に基づいて判断したものです。
(1)経営成績の分析
① 当第2四半期連結累計期間の経営成績
(単位:百万円)
2018年3月期
第2四半期連結累計期間
(自 2017年4月1日
至 2017年9月30日)
2019年3月期
第2四半期連結累計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年9月30日)
増減額増減率
売上高13,16215,0401,87714.3%
営業利益2,1461,953△193△9.0%
経常利益2,6902,9052148.0%
親会社株主に帰属する
四半期純利益
1,8592,15729816.0%

当社グループは「高齢社会に適した情報インフラを構築することで価値を創造し社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。介護、医療、ヘルスケア、シニアライフを高齢社会における事業領域として定義し、日本及びアジア・オセアニア等において、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザーに情報をコアとした様々なサービスを提供しています。
当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は年々拡大し、今後もさらに拡大が見込まれています。日本においては、高齢者人口(65歳以上)が2018年4月1日時点で約3,538万人、人口構成比28.0%に達し、世界で最も高い水準となっています。また、それに伴い介護費、医療費も急増し、それぞれ10兆円、40兆円に達しています(注1)。アジア・オセアニア地域においては、人口増加や経済発展を背景に医療やヘルスケアの市場が急拡大しており、医療費は1兆ドル以上(注2)と日本の2倍を超える規模となっています。
このように高齢社会に関連する市場が年々拡大する中で、医療や介護、ヘルスケア等に関する情報の量は飛躍的に増加し、その情報は多様化・複雑化しています。このため、適正な情報発信・受信に対するニーズはますます高まり、当社グループにとって膨大な事業機会が生まれるものと認識しています。
当社グループはそのような事業機会をいち早く捉え、様々な事業を展開しています。
キャリア分野においては、人手不足が続く介護・医療領域の業界に特化し、人材紹介や求人情報等の市場をパイオニアとして切り拓いてきました。特に人材ニーズの強い介護職に対しては、人材派遣や資格取得スクールといった新たなサービスも開始し、従事者・事業者への多様な価値提供が可能となっています。今後も展開サービスの拡充や、未対応の医療・介護系職種に対するキャリア関連サービスの拡張を進め、長期的かつ持続的な成長を実現していきます。
介護事業者分野においては、経営支援サービス「カイポケ」により、介護事業者の経営を総合的に支援しています。保険請求サービスに加えて採用・業務改善・購買・金融等の様々なサービスをワンストップで提供することで、介護事業者に新たな価値を提供しています。今後も展開サービス拡充やシェアの拡大、対応可能な事業所種別の拡張を進めることによって介護事業者への提供価値を最大化し、継続的な成長を目指していきます。
海外分野においては、2015年10月にアジア・オセアニアで医薬情報サービスを展開するMIMSグループを子会社化し、現在15の国と地域でサービスを提供しています。1963年に創業し50年以上にわたる歴史をもつMIMSブランドは域内で圧倒的な知名度を誇り、医療従事者の会員数は約230万人にのぼります。MIMSがもつ圧倒的なブランド力、医療従事者の会員基盤、製薬会社や医療機関との取引基盤を活用して、製薬会社のマーケティング支援等の事業を展開しています。さらに、2017年6月にマレーシアの看護師人材紹介会社Melorita社を子会社化し、グローバルキャリアビジネスを本格的に開始しました。当第2四半期連結会計期間にMIMSグループを完全子会社化したことにより、意思決定の迅速化および当社グループ内における一層のシナジー創出を実現するとともに、MIMSグループをアジア・オセアニア等の地域での事業展開のプラットフォームとすることで、海外戦略を強力に推進し、さらなる成長を実現していきます。
上記に加え、当社グループでは数多くの新規事業を開発・育成しています。特にヘルスケア領域においてはICTを活用した保健指導・重症化予防・健康相談等の介護・医療保険外の健康サービス、シニアライフ領域においては高齢社会特有の食事や住宅等の生活に関連したサービスを重点分野として、積極的に事業開発を進めています。
当社グループは今後も拡大する市場から生まれる事業機会を捉え、国内外において新たなサービスを次々と数多く生み出すことで、長期的かつ持続的な成長を実現していきます。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、以下のとおりです。
売上高は、キャリア関連事業の拡大及び「カイポケ」の会員数増加等により、15,040百万円(前年同期比14.3%増)となりました。
営業利益は、当第2四半期連結累計期間において計画通りキャリアパートナーを大幅に増員したことにより、1,953百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
経常利益は、持分法投資利益が増加し、2,905百万円(前年同期比8.0%増)となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、2,157百万円(前年同期比16.0%増)となりました。
(注1)高齢者人口・構成比:総務省統計 介護費:2015年度、厚労省資料 医療費:2015年度、厚労省統計
(注2)2015年、WHO統計
② 分野別の概況
当社グループでは、キャリア・介護事業者・海外・事業開発の4分野を事業部門として開示しています。また、キャリア分野は介護キャリア・医療キャリアに細分化し開示しています。
<事業部門別売上高>(単位:百万円)
事業部門2018年3月期
第2四半期連結累計期間
(自 2017年4月1日
至 2017年9月30日)
2019年3月期
第2四半期連結累計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年9月30日)
増減額増減率
キャリア分野8,84710,5341,68619.1%
介護キャリア2,7713,8021,03137.2%
医療キャリア6,0766,73265510.8%
介護事業者分野1,5931,86627317.2%
海外分野2,0112,1271155.8%
事業開発分野711511△200△28.1%
合計13,16215,0401,87714.3%

<キャリア分野>介護キャリアにおいては、介護職向け人材紹介サービス「カイゴジョブエージェント」がキャリアパートナーを大幅に増員し、大きく成長しています。
医療キャリアにおいては、看護師向け人材紹介サービス「ナース人材バンク」等が順調に推移しました。また、2017年11月に子会社化した、柔道整復師/あん摩マッサージ師/はり師/きゅう師向けにキャリア関連サービスを提供しているウィルワン社も成長に寄与しました。
以上の結果、キャリア分野の当第2四半期連結累計期間の売上高は、10,534百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
<介護事業者分野>介護事業者分野においては、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」の業績が順調に推移しました。会員数の増加に加え、スマートフォンやタブレット追加、ファクタリングサービス等の定額外のアドオンサービスの利用拡大が成長に寄与しました。
以上の結果、介護事業者分野の当第2四半期連結累計期間の売上高は、1,866百万円(前年同期比17.2%増)となりました。
<海外分野>海外分野においては、MIMSにおける製薬会社のマーケティング支援等の既存事業や、グローバルキャリアビジネスが順調に成長しました。また、キャリアビジネスのグローバル展開加速に向けて医療従事者の供給国を拡大するため、2018年5月にフィリピンの看護師人材紹介会社であるMSR社を子会社化しました。
以上の結果、海外分野の当第2四半期連結累計期間の売上高は、2,127百万円(前年同期比5.8%増)となりました。
なお、MIMSグループの意思決定の迅速化および当社グループにおける一層のシナジー創出を実現するため、2018年9月に三井物産株式会社(以下、「三井物産」という。)からMIMSグループの持株会社であるMedica Asia(Holdco)Limited(本社所在地:英国)の全株式を取得いたしました。今後も、三井物産の有する病院グループへの医療情報サービスや人材紹介サービスの提供等、引き続き三井物産との協力関係を維持してまいります。
<事業開発分野>事業開発分野においては、看護師向け通販事業「ピュアナース」を2017年12月でサービス提供終了したことにより、前年同期比で減収となりました。一方、ヘルスケア領域におけるICTを活用した保健指導・重症化予防・健康相談等のサービス、シニアライフ領域における高齢者向け食事宅配情報やリフォーム事業者情報等のサービスを中心に新規事業の開発が進んでいます。
以上の結果、事業開発分野の当第2四半期連結累計期間の売上高は、511百万円(前年同期比28.1%減)となりました。
(2)財政状態に関する説明
① 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、47,425百万円(前連結会計年度末比1,337百万円増)となりました。これは主に、業容の拡大による現金及び預金の増加、介護事業者向け経営支援サービス「カイポケ」におけるファクタリングサービスの利用事業者増による未収入金の増加があったことによるものです。
負債は、34,127百万円(前連結会計年度末比11,681百万円増)となりました。これは主に、MIMSグループ完全子会社化に伴う長期借入金の増加および、「カイポケ」におけるファクタリングサービスの利用事業者増による未払金の増加によるものです。
純資産は、13,297百万円(前連結会計年度末比10,344百万円減)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上した一方、MIMSグループの株式追加取得により資本剰余金、利益剰余金および非支配株主持分が減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、9,615百万円(前連結会計年度末847百万円増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,150百万円の収入(前年同期は3,820百万円の収入)となりました。これは主に、業容の拡大により税金等調整前四半期純利益が2,866百万円となったこと、MIMSグループの顧客関係資産の償却等により減価償却費が526百万円、のれん償却額が397百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、529百万円の支出(前年同期は1,461百万円の支出)となりました。これは主に、「カイポケ」等のシステム開発投資により無形固定資産の取得による支出が343百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,732百万円の支出(前年同期は388百万円の支出)となりました。これは主に、MIMSグループ完全子会社化に伴い長期借入れによる収入が10,953百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出が11,453百万円となったこと、配当金の支払による支出が557百万円となったことによるものです。
(3)経営方針・戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更又は新たな発生はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの従業員数は業容の拡大に伴い、前連結会計年度末より422名増加し、2,375名となっています。