有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。
(2) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略
コロナ禍における非接触型サービスの需要拡大やリモート環境の整備を経て、社会のデジタル化は急速に加速し、メディアの多様化も相まって、社会全体の情報量が飛躍的に増加した結果、生活者が情報に接する機会の増加とともに情報選択の自由度も高まりました。企業はAIやクラウド技術を活用して業務効率を高め、医療分野では遠隔診療が普及し、政府は行政手続きをオンライン化することで国民の利便性を向上させています。日常生活でもスマートデバイスやキャッシュレス決済が普及し、生活がより便利になっています。特にスマートフォンの普及によって、オンラインの利用が常態化し、インターネットに接続されたデバイスの多様化とともに、さまざまなコンテンツの閲覧が可能になりました。
2025年の国内広告市場におきましては、インターネット広告費の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達するなど市場の成長を牽引したほか、大阪・関西万博等の大型イベントを機にリアル媒体の活用も活発化し、4年連続で過去最高を更新いたしました(電通発表)。
このような環境の中、各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への関心が高く、デジタルデータを積極的に活用したマーケティング手法やデジタル戦略へのシフトを進め、同時に、企業のコミュニケーション領域につきましても、従来のメディア以外に、ECサイトやSNS、動画配信サイトのほかリクルートなど多方面に拡大しており、こうした変化の中で、企業のコミュニケーション活動には従来とは異なる発想が必要とされております。
当社グループはこれまで、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを今後の在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して、デジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。今後につきましても、この基本概念を踏襲し、組織力を結集した素早い対応(クイックレスポンス)と、お客さまへの深い理解に基づく提案活動を基本とし、お客さまの成長イメージを共に描き、その企業理念の実現に伴走してまいります。その変革の象徴として、当社は慣れ親しんだ「営業」という名称を廃止いたします。これからの私たちに求められているのは、単に広告枠を売る「営業」に留まらず、クライアントの事業そのものをより良い方向へ導き、新しい価値を生み出す「プロデュース(導く・創出する)」能力であると考えております。「御用聞きではなく、プロデューサーであれ」という強い想いと期待をこの名称に込め、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充と、人材・組織の強化を一段と加速させてまいります。これにより、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業へと進化を遂げ、地域社会とともに未来を創造できる地元企業の成長を支えるパートナーを目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率(=売上総利益/総売上高)を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。
※総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であります。『収益認識に関する会計基準』に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断するうえで重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。
[広告事業]
① 次世代デジタル技術を活用した付加価値提案力の向上
広告業界は、コロナ禍を経て急速に進むデジタル化の中で、新たな挑戦に直面しています。社会のデジタル化とメディアの多様化により情報量が増大し、生活者は自らの欲しい情報を選択するようになりました。また、広告を効果的に届けるためには、生活者の価値観を理解することも不可欠です。企業のコミュニケーション活動に新たな発想が求められ、広告の領域も多方面に拡大しています。今後、ますますスマートフォン利用の拡大とインターネット利用者数の増加に伴い、インターネット広告の需要が増加するとともに、動画ストリーミングサービスの需要や広告クリエイティブのAI化が進むとともに、SNSを起点としたコミュニケーション活動が重要性を増してくると予想されます。
当社グループは、このような社会全体、業界全体の変化に対応すべく、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充を図ります。その実践基盤として、個人の力量に依存した営業スタイルから脱却し、「組織対応」による「チーム戦」へと営業体制を転換いたします。具体的には、商談情報のデータベース化と商談進行状況のフェーズ管理を徹底するとともに、蓄積された社内ナレッジをAIデータベースで共有する仕組みを構築いたします。さらに、数字的根拠に基づいた営業強化研修を実施し、人的資本の底上げを図ることで、お客さまにとってより付加価値の高い提案活動を実践し、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業への進化を目指してまいります。
② 地域資源を活用したプロモーション活動の展開と組織総合力の強化
当社グループは、地域に密着した営業活動で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、75年の実績に基づくノウハウによってお客さまの様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかしながら、社会全体でデジタル化が急速に進展し、あらゆる面において大きな変化が見られている状況にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。
このような変化の激しい経営環境を乗り越え、顧客の深層に眠るニーズの掘り起こしや難易度の高い接戦案件を勝ち切るためには、ビジネスプロデュース本部(旧・営業本部)単独の動きにとどまらない「組織の総合力」が不可欠です。そこで当社グループは、各局を横断的に機能させ、組織全体のソリューション力を最大化させる戦略的専門部隊として「ソリューションデザイン局」を新設いたしました。スペースデザイン室やデジタルデザイン室が持つ専門性を武器に、AI領域の活用やパートナー企業とのアライアンスも積極的に生かし、各局と密に連携しながら、時には先頭に立って包括的な解決策を設計し、会社全体の総合力で案件獲得を目指します。また、これまで高松本社に集結させていたデジタルデザイン室については、グループ会社である「アド・セイル」とより強固に連携することで広域で戦える盤石な体制を築いてまいります。
さらに、お客さまに提供できる価値(サービス)を拡充し、地方創生に貢献しながら収益の改善を図るため、地域資源を積極的に活用いたします。四国内の大型スポーツ・文化イベントのサポートを通じた自治体や企業との連携強化、地域の観光振興、文化振興、商業活性化を視野に入れた実践的なプロジェクトの構想を進めてまいります。加えて、既存の広告業の枠を超えた当社グループの「新しい収益の柱」を創り出すため、社長直轄の未来を創る新事業プロジェクトとして「地域共創室」を高松・松山の2拠点で始動いたしました。事業計画の策定から資金提供まで会社として全面的にバックアップし、事業化を目指すことで、地域社会とともに持続的に成長できる新たなビジネスモデルを確立してまいります。
③ コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みの推進
当社グループの営むコミュニケーションビジネスの領域では、効果的なコミュニケーション活動はブランドの認知度を高め、信頼を築くのに役立ち、顧客との良好なコミュニケーションは長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させるものとなります。当社グループは、コミュニケーションビジネスをとおして、お客さまの製品やサービスのほかブランドイメージなどを生活者に効果的に伝えるための戦略を提供しており、お客さまのニーズや期待を的確に把握し、それに基づいたコミュニケーション戦略を構築してまいりました。また、当社グループの持つ創造的なアイデアを生み出す力は、様々なビジネスにおいて新しい価値を提供するための原動力となり、市場での競争力を高める他社との差別化を図るものとなります。
当社グループにおきましては、こうしたコミュニケーションビジネスの遂行により得られた強みを活かし、親和性の高い新規事業への取り組みを積極的に推進してまいります。具体的には、商業空間やオフィス空間における生活者満足度や生産性の向上に繋がる「空間プロデュース」に取り組むほか、地域のクライアント企業のブランディングや採用活動を強力に支援するため、新たに採用マーケティング事業を開始いたしました。高い注目度と費用対効果を両立させることで、クライアント企業の認知拡大と企業価値の向上に貢献してまいります。
さらに、地域商社機能と連携した製品開発から販売促進までの一貫したサポート体制の実現として、地元企業と共同で四国の魅力を発信する新ブランドを立ち上げました。四国の産業活性化および観光需要の創出に寄与するなど、既存事業の枠を超えた新たな収益基盤の構築に努めてまいります。
④ 事業エリアの拡大と西日本攻略に向けた戦略的体制構築
当社グループは、今後の事業拡大および収益力強化のための重要な成長戦略として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的とした事業エリアの拡大を推進しております。この実現に向け、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として、積極的に成長投資を行っていく方針であります。具体的には、コア事業であるコミュニケーションサービス業を中心に、デジタル領域における優れた技術、特定の市場での強固な顧客基盤や優秀な人材、あるいは新たな収益機会の創出に資する異業種等をターゲットとして、幅広く投資機会を検討してまいります。
また、現在保有する四国中国エリアおよび福岡・東京の拠点ネットワークをさらに拡充・深化させるため、戦略的な組織改編を実施いたしました。これまで少数精鋭で活動していた「マーケティングデザイン推進室」を、高松本社の主力である「第一ビジネスプロデュース局」内へと配置転換いたしました。これは、既存エリアの強化にとどまらず、当社グループの商圏を西日本全域へと拡大させるための「突破口」を開くという明確な意志に基づくものであります。第一ビジネスプロデュース局とマーケティングデザイン推進室が一体となり、西日本エリア攻略の「コントロールタワー」として機能することで、当社グループの未来を広げる新たな収益の柱を確立してまいります。
⑤ 人材への投資
当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成のほか、専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。また、社員の「健康」や「働き方」も企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。
当社グループにおきましては、優秀な人員の確保と育成はもちろんのこと、多様な働き方の尊重や心身の健康に配慮した安全衛生について、引き続き取り組んでまいります。
なお、詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する戦略・指標目標」をご参照ください。
[リテール事業]
① 強みを活かした多面的な取り組みの強化
当社グループにおきましては、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入に取り組んでおり、四国の選りすぐりの逸品を販売するオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営に努めるほか、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場〜ふるさと物産館〜』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでおります。こうした取り組みによって、地域産品メーカーの帳合をとれることが強みとなり、百貨店や大型量販店での展示販売に繋がっております。
当社グループにおきましては、県外の物産展や催事へ出展するほか、既存商品の見直しによる商品開発や地域産品のブランディングと販路拡大を実施し、強みを活かした多面的な取り組みと確実な収益化に取り組んでまいります。
[ソフト開発事業]
① グループシナジーの創出と開発体制の高度化
当社グループは昨年10月、株式会社フェローを新たにグループに迎え入れました。当社グループのマーケティング・データ分析力と、同社のコミュニケーション自動化技術および強固な自治体基盤を融合させることで、メディアとダイレクトチャネルを組み合わせた戦略設計や、社会変化に対応した行政コミュニケーションの実現、親和性の高い新サービスの開発が可能となります。当社グループは、テクノロジーの力でコミュニケーションの質を高め、地域社会と未来を共創するパートナーを目指してまいります。
また、今後はソフトウェアの開発を中核に据えた自律的成長への移行が急務であります。属人化していた仕様書やノウハウを集約・効率化するなどナレッジの資産化を推進することによって、デジタルツールを武器に個人の知恵を組織の資産へ変換し、最大の壁である開発体制の高度化を図り、技術と知恵で選ばれる技術者集団へと進化してまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、お客さまの課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。
(2) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略
コロナ禍における非接触型サービスの需要拡大やリモート環境の整備を経て、社会のデジタル化は急速に加速し、メディアの多様化も相まって、社会全体の情報量が飛躍的に増加した結果、生活者が情報に接する機会の増加とともに情報選択の自由度も高まりました。企業はAIやクラウド技術を活用して業務効率を高め、医療分野では遠隔診療が普及し、政府は行政手続きをオンライン化することで国民の利便性を向上させています。日常生活でもスマートデバイスやキャッシュレス決済が普及し、生活がより便利になっています。特にスマートフォンの普及によって、オンラインの利用が常態化し、インターネットに接続されたデバイスの多様化とともに、さまざまなコンテンツの閲覧が可能になりました。
2025年の国内広告市場におきましては、インターネット広告費の総広告費に占める構成比が50.2%と初めて過半数に達するなど市場の成長を牽引したほか、大阪・関西万博等の大型イベントを機にリアル媒体の活用も活発化し、4年連続で過去最高を更新いたしました(電通発表)。
このような環境の中、各企業ともデジタル技術を活用したプロモーション活動への関心が高く、デジタルデータを積極的に活用したマーケティング手法やデジタル戦略へのシフトを進め、同時に、企業のコミュニケーション領域につきましても、従来のメディア以外に、ECサイトやSNS、動画配信サイトのほかリクルートなど多方面に拡大しており、こうした変化の中で、企業のコミュニケーション活動には従来とは異なる発想が必要とされております。
当社グループはこれまで、お客さまの経営課題の解決に繋がる戦略を設計し、共に実践するパートナーになることを今後の在り方と定義し、これを『マーケティングデザイン』と称して、デジタル領域の拡大と新しい事業領域の開発に取り組んでまいりました。今後につきましても、この基本概念を踏襲し、組織力を結集した素早い対応(クイックレスポンス)と、お客さまへの深い理解に基づく提案活動を基本とし、お客さまの成長イメージを共に描き、その企業理念の実現に伴走してまいります。その変革の象徴として、当社は慣れ親しんだ「営業」という名称を廃止いたします。これからの私たちに求められているのは、単に広告枠を売る「営業」に留まらず、クライアントの事業そのものをより良い方向へ導き、新しい価値を生み出す「プロデュース(導く・創出する)」能力であると考えております。「御用聞きではなく、プロデューサーであれ」という強い想いと期待をこの名称に込め、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充と、人材・組織の強化を一段と加速させてまいります。これにより、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業へと進化を遂げ、地域社会とともに未来を創造できる地元企業の成長を支えるパートナーを目指してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率(=売上総利益/総売上高)を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。
※総売上高は、当社グループの営業活動によって得た販売額の総額であります。『収益認識に関する会計基準』に準拠した指標ではありませんが、投資者が当社グループの事業規模を判断するうえで重要な指標であると認識し、従前の企業会計原則に基づき算出し、参考情報として開示しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。
[広告事業]
① 次世代デジタル技術を活用した付加価値提案力の向上
広告業界は、コロナ禍を経て急速に進むデジタル化の中で、新たな挑戦に直面しています。社会のデジタル化とメディアの多様化により情報量が増大し、生活者は自らの欲しい情報を選択するようになりました。また、広告を効果的に届けるためには、生活者の価値観を理解することも不可欠です。企業のコミュニケーション活動に新たな発想が求められ、広告の領域も多方面に拡大しています。今後、ますますスマートフォン利用の拡大とインターネット利用者数の増加に伴い、インターネット広告の需要が増加するとともに、動画ストリーミングサービスの需要や広告クリエイティブのAI化が進むとともに、SNSを起点としたコミュニケーション活動が重要性を増してくると予想されます。
当社グループは、このような社会全体、業界全体の変化に対応すべく、地域に密着した広告会社としての強みを活かしながら、データやAIなどを活用したコンサルティング型ソリューションの拡充を図ります。その実践基盤として、個人の力量に依存した営業スタイルから脱却し、「組織対応」による「チーム戦」へと営業体制を転換いたします。具体的には、商談情報のデータベース化と商談進行状況のフェーズ管理を徹底するとともに、蓄積された社内ナレッジをAIデータベースで共有する仕組みを構築いたします。さらに、数字的根拠に基づいた営業強化研修を実施し、人的資本の底上げを図ることで、お客さまにとってより付加価値の高い提案活動を実践し、次世代デジタル技術を活用したマーケティングデザイン企業への進化を目指してまいります。
② 地域資源を活用したプロモーション活動の展開と組織総合力の強化
当社グループは、地域に密着した営業活動で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、75年の実績に基づくノウハウによってお客さまの様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかしながら、社会全体でデジタル化が急速に進展し、あらゆる面において大きな変化が見られている状況にあっては、急速な変化に対応したマーケティング戦略の立案が求められております。
このような変化の激しい経営環境を乗り越え、顧客の深層に眠るニーズの掘り起こしや難易度の高い接戦案件を勝ち切るためには、ビジネスプロデュース本部(旧・営業本部)単独の動きにとどまらない「組織の総合力」が不可欠です。そこで当社グループは、各局を横断的に機能させ、組織全体のソリューション力を最大化させる戦略的専門部隊として「ソリューションデザイン局」を新設いたしました。スペースデザイン室やデジタルデザイン室が持つ専門性を武器に、AI領域の活用やパートナー企業とのアライアンスも積極的に生かし、各局と密に連携しながら、時には先頭に立って包括的な解決策を設計し、会社全体の総合力で案件獲得を目指します。また、これまで高松本社に集結させていたデジタルデザイン室については、グループ会社である「アド・セイル」とより強固に連携することで広域で戦える盤石な体制を築いてまいります。
さらに、お客さまに提供できる価値(サービス)を拡充し、地方創生に貢献しながら収益の改善を図るため、地域資源を積極的に活用いたします。四国内の大型スポーツ・文化イベントのサポートを通じた自治体や企業との連携強化、地域の観光振興、文化振興、商業活性化を視野に入れた実践的なプロジェクトの構想を進めてまいります。加えて、既存の広告業の枠を超えた当社グループの「新しい収益の柱」を創り出すため、社長直轄の未来を創る新事業プロジェクトとして「地域共創室」を高松・松山の2拠点で始動いたしました。事業計画の策定から資金提供まで会社として全面的にバックアップし、事業化を目指すことで、地域社会とともに持続的に成長できる新たなビジネスモデルを確立してまいります。
③ コミュニケーションビジネスと親和性の高い新規事業への取り組みの推進
当社グループの営むコミュニケーションビジネスの領域では、効果的なコミュニケーション活動はブランドの認知度を高め、信頼を築くのに役立ち、顧客との良好なコミュニケーションは長期的な関係を築き、顧客満足度を向上させるものとなります。当社グループは、コミュニケーションビジネスをとおして、お客さまの製品やサービスのほかブランドイメージなどを生活者に効果的に伝えるための戦略を提供しており、お客さまのニーズや期待を的確に把握し、それに基づいたコミュニケーション戦略を構築してまいりました。また、当社グループの持つ創造的なアイデアを生み出す力は、様々なビジネスにおいて新しい価値を提供するための原動力となり、市場での競争力を高める他社との差別化を図るものとなります。
当社グループにおきましては、こうしたコミュニケーションビジネスの遂行により得られた強みを活かし、親和性の高い新規事業への取り組みを積極的に推進してまいります。具体的には、商業空間やオフィス空間における生活者満足度や生産性の向上に繋がる「空間プロデュース」に取り組むほか、地域のクライアント企業のブランディングや採用活動を強力に支援するため、新たに採用マーケティング事業を開始いたしました。高い注目度と費用対効果を両立させることで、クライアント企業の認知拡大と企業価値の向上に貢献してまいります。
さらに、地域商社機能と連携した製品開発から販売促進までの一貫したサポート体制の実現として、地元企業と共同で四国の魅力を発信する新ブランドを立ち上げました。四国の産業活性化および観光需要の創出に寄与するなど、既存事業の枠を超えた新たな収益基盤の構築に努めてまいります。
④ 事業エリアの拡大と西日本攻略に向けた戦略的体制構築
当社グループは、今後の事業拡大および収益力強化のための重要な成長戦略として、既存事業の拡大や新規事業への参入を目的とした事業エリアの拡大を推進しております。この実現に向け、当社グループと高いシナジー効果を有する企業や、地域創生の推進に寄与する企業等を対象として、積極的に成長投資を行っていく方針であります。具体的には、コア事業であるコミュニケーションサービス業を中心に、デジタル領域における優れた技術、特定の市場での強固な顧客基盤や優秀な人材、あるいは新たな収益機会の創出に資する異業種等をターゲットとして、幅広く投資機会を検討してまいります。
また、現在保有する四国中国エリアおよび福岡・東京の拠点ネットワークをさらに拡充・深化させるため、戦略的な組織改編を実施いたしました。これまで少数精鋭で活動していた「マーケティングデザイン推進室」を、高松本社の主力である「第一ビジネスプロデュース局」内へと配置転換いたしました。これは、既存エリアの強化にとどまらず、当社グループの商圏を西日本全域へと拡大させるための「突破口」を開くという明確な意志に基づくものであります。第一ビジネスプロデュース局とマーケティングデザイン推進室が一体となり、西日本エリア攻略の「コントロールタワー」として機能することで、当社グループの未来を広げる新たな収益の柱を確立してまいります。
⑤ 人材への投資
当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成のほか、専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。また、社員の「健康」や「働き方」も企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。
当社グループにおきましては、優秀な人員の確保と育成はもちろんのこと、多様な働き方の尊重や心身の健康に配慮した安全衛生について、引き続き取り組んでまいります。
なお、詳細につきましては「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(3)人的資本に関する戦略・指標目標」をご参照ください。
[リテール事業]
① 強みを活かした多面的な取り組みの強化
当社グループにおきましては、今後の事業拡大および収益力強化のための施策として、既存事業の拡大や新規事業への参入に取り組んでおり、四国の選りすぐりの逸品を販売するオンラインショップ『トモニ市場オンライン』の運営に努めるほか、徳島県および香川県の物産販売店舗『徳島・香川トモニ市場〜ふるさと物産館〜』の運営をとおして地域産品の販路拡大に取り組んでおります。こうした取り組みによって、地域産品メーカーの帳合をとれることが強みとなり、百貨店や大型量販店での展示販売に繋がっております。
当社グループにおきましては、県外の物産展や催事へ出展するほか、既存商品の見直しによる商品開発や地域産品のブランディングと販路拡大を実施し、強みを活かした多面的な取り組みと確実な収益化に取り組んでまいります。
[ソフト開発事業]
① グループシナジーの創出と開発体制の高度化
当社グループは昨年10月、株式会社フェローを新たにグループに迎え入れました。当社グループのマーケティング・データ分析力と、同社のコミュニケーション自動化技術および強固な自治体基盤を融合させることで、メディアとダイレクトチャネルを組み合わせた戦略設計や、社会変化に対応した行政コミュニケーションの実現、親和性の高い新サービスの開発が可能となります。当社グループは、テクノロジーの力でコミュニケーションの質を高め、地域社会と未来を共創するパートナーを目指してまいります。
また、今後はソフトウェアの開発を中核に据えた自律的成長への移行が急務であります。属人化していた仕様書やノウハウを集約・効率化するなどナレッジの資産化を推進することによって、デジタルツールを武器に個人の知恵を組織の資産へ変換し、最大の壁である開発体制の高度化を図り、技術と知恵で選ばれる技術者集団へと進化してまいります。