訂正有価証券報告書-第17期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2019/06/04 15:02
【資料】
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【項目】
58項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、垂直統合型でグローバルに展開するライフサイエンス企業として、中国市場での競争優位性を梃に、中国及びグローバル市場における新薬開発を進めるとともに、医療機器事業のさらなる拡大を目指しつつ、新しい治療法及び製品をより多くの患者の皆様に届けることを第一の目標に掲げております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、グローバル市場への直接上市またはライセンス・アウトを通した、迅速な収益化が可能な医薬品及び医療機器の研究開発パイプラインを効率的に運営することにより、持続的成長を目指しております。
(3)経営戦略等
医薬品の開発は、その多くの開発候補が各国の規制当局からの承認を受けることができないため、開発のリスクが高いという特徴を持っています。また、医薬品の開発には多額のコストと長い期間が必要であると同時に、厳しい競争と当局の監督管理にも直面します。このような状況と、当社の人員・資金・設備が比較的小規模である点を考慮し、競争の厳しい当業界におけるリスクの軽減と成功確率の向上のために、以下の戦略を着実に実行いたします。
① 基本戦略
中国において、垂直統合により一貫して事業展開を行っていることからくるコスト優位性を梃に、米国における事業拡大も目指します。医薬品及び医療機器製品から得られる収益を確保し、クロスボーダー・ライセンス・アウト、提携及び共同開発契約を通じてグローバル市場に当社製品を広げ、収益源の更なる拡大を図ります。
② 新薬開発戦略
患者のニーズが最も緊急である希少疾患に焦点を当て、「ファスト・トラック」制度(新薬優先審査制度)と小規模臨床試験制度を活用しつつ、より適切な販売価格でこのような緊急の医療ニーズを充足することを目指します。
また、より多くの患者の方々に治療を提供するため既承認薬の適応症拡大を図ります。そのための第一段階として、確立された治療法のない疾患のための医薬品開発を進めます。次に、より多くの患者の方々を治療するために当該医薬品の適応症拡大を図ると同時に、当該疾患の治療方法について中国の大手病院や重要なオピニオン・リーダーの間で強力なネットワークを構築します。そして第三段階で、直接販売、ライセンス・アウト、提携等を通して、当該医薬品の世界市場への拡大を図ります。
③ 提携関係の構築
中国で臨床試験を行うことによるコスト優位性を活用し、日本、欧州、米国等中国外の市場からの既承認薬及び創薬候補物の取得またはライセンス・インの機会を通してパイプラインの最適化を目指します。
④ 持続的な収益の確保
当社グループは、連結子会社の北京コンチネントによる主力医薬品アイスーリュイの売上成長加速を継続させ、米国及びグローバル市場における医療機器事業の成長をとおして、収益源の多様化を図ります。
(4)対処すべき課題
① 研究開発への持続的投資を通した成長の実現
当社グループの主力医薬品であるIPF治療薬アイスーリュイへの中国規制当局による保護は、2019年に期限切れを迎えます。よって、アイスーリュイの競争力及び増収を今後も維持するため、RP、DN、CTD-ILD等の新たな適応症拡大に向けた継続的な先行投資が重要となります。これらの先行投資が、F351を含む当社パイプライン中の新規開発化合物の一層の開発を実現するための自己資金につながると考えております。
② 資金調達の多様化と安定化
当社は、有望な新規開発化合物の研究開発及び戦略イニシアチブをとおして、着実な企業価値の向上を図ります。そのためには、内部で生み出される安定的なキャッシュ・フローと、外部への資金源へのアクセスが必要となります。ビジネス基盤と研究開発活動を強化すべく資金調達を多様化・安定化するため、新たな資金調達先との関係構築や更なる資金調達の機会獲得を追求し続けます。
③ コーポレートガバナンスの強化 当社は日本、中国、米国を中心として多国籍に事業を展開しており、経営陣の目標の一つとして、各国の規制に対応した効果的なコーポレートガバナンス体制の発展と強化に取り組んでいます。当社は、全社の統一性と透明性を高め、株主の皆様からより深い信頼を獲得すべく、コーポレートガバナンスをより一層向上させる所存です。