訂正有価証券報告書-第18期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)

【提出】
2019/06/04 15:04
【資料】
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【項目】
56項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、垂直統合型でグローバルに展開するライフサイエンス企業として、より多くの分野のより多くの患者の皆様に、先進的な治療法や医薬品を届けることを第一の目標に掲げております。当社グループは、利益性、着実な臨床開発並びに先進的な創薬活動の三つを基本的な経営方針としております。これらの基本方針の元で、当社グループは外部環境の変化に対応し、来るべき機会をうまく捉え、更には当社株主の皆様に対し利益還元出来るようになるものと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、医薬品及び医療機器の研究開発投資を効率よく管理しながら、収益源を多様化させることに重点を置いて、持続的な成長を続けることを目指しております。当社グループでは医薬品事業と医療機器事業という事業特性も成長ステージも異なる事業を展開しており、目標とする経営指標はそれぞれ異なります。
医薬品事業においては、既に上市済みである製品の市場拡大が優先事項であると共に、当社グループ内の前臨床及び臨床開発パイプラインに対する投資コストを効率よく管理するという観点から、売上収益と研究開発費を重要な経営指標としております。
医療機器事業においては、ターゲット市場における当社グループの競争力を測る観点から、その利益率を重要な経営指標としております。
(3)経営戦略等
医薬品の開発は、その多くの開発候補が各国の規制当局からの承認を受けることができないため、開発のリスクが高いという特徴を持っています。また、医薬品の開発には多額のコストと長い期間が必要であると同時に、厳しい競争と当局の監督管理にも直面します。このような状況と、当社グループの人員・資金・設備が比較的小規模である点を考慮し、競争の厳しい当業界におけるリスクの軽減と成功確率の向上のために、以下の戦略を着実に実行いたします。
① 基本戦略
中国において、垂直統合により一貫して事業展開を行っていることからくるコスト優位性を梃に、米国における事業拡大も目指します。医薬品及び医療機器事業を通じ、地理的・事業的に分散された収益を確保することで、リスクを軽減し、クロスボーダー・ライセンス・アウト、提携及び共同開発契約を通じて相乗効果を実現させ、グローバルに収益源の更なる拡大を図ります。
② 新薬開発戦略
患者のニーズが最も緊急である分野における画期的医薬品の開発に焦点を当て、「ファスト・トラック」制度(新薬優先審査制度)と小規模臨床試験制度を活用しつつ、より適切なコストでこのような緊急の医療ニーズを充足することを目指します。当社グループは(a)中国における研究開発基盤を活用し、まだ治療法が確立されていない疾患向けに新薬開発を目指す、(b)より多くの患者の方々を治療するために当該医薬品の適応症拡大を図ると同時に、当該疾患の治療方法について中国の大手病院や重要なオピニオン・リーダーの間で強力なネットワークを構築する、(c)直接販売、ライセンス・アウト、提携等を通して、当該医薬品の世界市場への拡大を図る、という3つのステップを研究開発における戦略に据えております。
③ 持続的な収益の確保
当社グループは、連結子会社の北京コンチネントによる主力医薬品アイスーリュイの売上成長加速を継続させ、創薬活動を通じて新規化合物を開発してそれらを販売またはライセンス・アウトし、米国及びグローバル市場において医療機器事業を成長させることで、連結収益の増大及び多様化を目指します。
(4)対処すべき課題
① 研究開発への持続的投資を通した成長の実現
バイオ創薬企業として、当社グループは創薬及び臨床開発活動に継続的に投資を行わなければなりません。新規化合物の探索や、それらをうまく臨床開発していかなければ、当社グループの製品が陳腐化したとき、当社グループは将来の収益や市場シェアを失ってしまいます。当社グループは、利益への影響を最小限にするため、研究開発プロジェクトを厳選して投資決定しております。しかしながら、当社グループ全体として、将来のために、中国及び米国において相当の研究開発投資は継続していかねばならないと考えております。
② 資金調達の多様化と安定化
当社グループは、有望な新規開発化合物の研究開発への投資を続け着実な企業価値の向上を図ります。ビジネス基盤と研究開発活動を強化すべく資金調達を多様化・安定化するため、新たな資金調達先との関係構築や更なる資金調達の機会獲得を追求し続けます。
③ コーポレートガバナンスの強化 当社グループは日本、中国、米国を中心として多国籍に事業を展開しており、経営陣の目標の一つとして、各国の規制に対応した効果的なコーポレートガバナンス体制の発展と強化に取り組んでいます。当社グループは、全社の統一性と透明性を高め、株主の皆様からより深い信頼を獲得すべく、コーポレートガバナンスをより一層向上させる所存です。