有価証券報告書-第12期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/26 16:43
【資料】
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【項目】
88項目
1.経営成績等の状況の概要
(1)経営成績等の状況
当社グループは、経営者が意思決定する際に使用する社内指標(以下「Non-GAAP指標」といいます。)及びIFRSに基づく指標(以下「IFRS指標」といいます。)の双方によって、連結経営成績を開示いたします。
Non-GAAPに基づく営業利益(以下「Non-GAAP営業利益」といいます。)は、IFRSに基づく営業利益(以下「IFRS営業利益」といいます。)から、当社グループが定める非経常的な項目を控除したものです。経営者は、Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。
①当連結会計年度の経営成績(Non-GAAPベース)
2019年12月期の連結業績(2019年1月1日~2019年12月31日)
Non-GAAPベースの連結経営成績(%表示は、対前期増減率)

売上収益営業利益税引前利益当期利益親会社の所有者に
帰属する当期利益
百万円%百万円%百万円%百万円%百万円%
2019年12月期23,524△11.93,410△11.53,399△12.12,400△15.92,340△16.9
2018年12月期26,69035.03,85598.83,868104.22,854110.02,814114.9

基本的
1株当たり
当期利益
希薄化後
1株当たり
当期利益
円 銭円 銭
2019年12月期60.6054.85
2018年12月期75.0966.84

当連結会計年度における世界のM&A市場は、完了案件数、金額が前期比それぞれ6%、14%減少いたしました。市場推移を見ますと、日本の完了案件数は前期比で7%減少したものの、金額では5%の増加(武田薬品工業株式会社によるShire社の買収案件を除く)、米国の完了案件数は前期比で9%の減少、金額でも19%の減少、EMEAの完了案件数は前期比で5%の減少、金額でも21%の減少となっております(リフィニティブ(旧トムソン・ロイター)調べ)。
このような市場環境の中、当社グループでは当連結会計年度の通期業績予想(Non-GAAP)を売上収益23,000百万円、営業利益3,400百万円としておりましたが、当連結会計年度を通じた経営成績は、売上収益23,524百万円、営業利益3,410百万円と、売上収益、営業利益ともにほぼ通期業績予想通りの結果となりました。
アドバイザリー事業全体の売上は、米国地域及び欧州地域の売上が減少したことから前期比12%の減少となり、セグメント利益についても売上減少に伴い前連結会計年度比5%の減少となりましたが、日本地域の売上増加が寄与し通期業績予想については達成しております。
中国、インド、東南アジア等アジア拠点を含む日本地域の売上は、アドバイザリー事業において、昨年GCAサクセション株式会社として専門チームを設立した事業承継分野や、ベトナムとのクロスボーダー案件で大型案件を含む複数案件が成立したアジア関連分野での売上が増加いたしました。また、これらM&Aアドバイザリー業務の売上増加が、M&A取引の入口と出口両面でのコンサルティングを提供している戦略&PMIチームの案件増につながり、当該案件増がさらに次のM&Aアドバイザリー機会、売上増を創出するという強いシナジー効果を生み、アドバイザリー事業全体での売上増につながりました。アセットマネジメント事業においても、国内PE投資に関連するLBOファイナンスの増加による管理報酬増により、売上が増加いたしました。これらアドバイザリー事業、アセットマネジメント事業双方の貢献により、日本地域の売上は大幅に増加いたしました。
受注に関しては、日本地域、米国地域ともに新規受注が引き続き堅調に推移しているほか、欧州地域においても売り案件の受注増加が継続しており、グローバル全体で高水準を維持しております。当連結会計年度に現地法人を開設したフランスや国内事務所を開設した福岡のほか、事業承継案件に特化する専門子会社として設立したGCAサクセション株式会社でも新規受注を獲得しており、当社グループの今後の売上に寄与する見込みです。
こうした経営環境の中で、当社グループではESG(環境、社会、ガバナンス)の3つの視点が重要と考えており、M&Aに関する助言業務を通じ地球環境の改善や社会問題の解決、ガバナンス強化に貢献していきたいと考えております。
具体的には、温暖化対策につながる再生可能エネルギーの利用、工業化の進展による大気汚染や土壌汚染への対策、社会問題化している中小企業の事業承継問題の解決、革新的な医薬品開発や医薬品アクセスの向上につながるヘルスケア分野のM&Aなど、ESGの観点からM&Aが社会に貢献できる分野は多岐に亘ると当社グループでは考えており、今後も当社グループでは、クライアントの中長期的成長のサポートに加え、ESGの観点から社会的価値を創出する会社となることを目指し事業に取り組む方針です。
なお、当社グループが得意とするテクノロジー分野では地球環境改善、事業承継関連分野では社会問題解決に向けた貢献ができるものと考えておりますが、仮にテクノロジー関連案件が中心となる米国2拠点、フランクフルト、テルアビブ及びGCAテクノベーション株式会社の売上合計をテクノロジー分野の売上とし、事業承継案件が中心となる英国3拠点、チューリッヒ、ミュンヘン、ミラノ、パリ及びGCAサクセション株式会社の売上合計を事業承継関連分野の売上と定義すると、当連結会計年度において、当社グループのテクノロジー分野の売上は9,534百万円(前連結会計年度10,840百万円)、事業承継関連分野の売上は6,289百万円(同8,216百万円)となり、当社グループ全体の連結売上の7割程度が既に上記2分野の売上となっております。
また、当社グループでは、クライアントにとって最善のM&A案件を提案・成約する機能の強化に引き続き取り組んでおります。
当社グループは、独立系M&Aアドバイザリーファームとしてグローバルにビジネスを展開しながら成長して参りましたが、今後ますます多国籍化するM&Aマーケットにおいて事業展開をより機動的に行うことを目的に、2019年7月1日を効力発生日として事業持株会社である当社の日本・アジア事業及びその関連子会社を新設分割設立会社であるGCAアドバイザーズ株式会社に移管し、純粋持株会社体制へ移行いたしました。かかる移行に伴い、当社は完全子会社としてM&Aアドバイザリー事業を行う日本地域の事業会社を欧米の事業会社と並列に擁することとなりました。
全世界の拠点数については、当連結会計年度において、フランスに現地法人、英国のリーズに現地事務所、国内でも福岡事務所及び京都事務所を開設し、当連結会計年度末時点で22拠点(うち国内5拠点、海外17拠点)へと増加しております。また、当社グループでは、引き続き各地域にてサポート体制の強化に取り組んでおり、今後も継続して地域に根差した提案を強化するため、2020年1月に英国のバーミンガムに現地事務所を開設しております。
以上により、当連結会計年度の業績は、Non-GAAPベースで売上収益23,524百万円(前連結会計年度比11.9%減)、営業利益3,410百万円(同11.5%減)、税引前利益3,399百万円(同12.1%減)、当期利益2,400百万円(同15.9%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益2,340百万円(同16.9%減)となりました。
また、当連結会計年度末における資産合計は36,677百万円(前連結会計年度末比2,824百万円増)、負債合計は14,638百万円(同2,074百万円増)、資本合計は22,038百万円(同749百万円増)となりました。
②Non-GAAP指標からIFRS指標への調整
当連結会計年度において、Non-GAAP指標にて調整される非経常的な項目には、GCA Altiumとの経営統合により発生した株式報酬費用26百万円を含めております。Non-GAAP営業利益からIFRS営業利益への調整は以下の表のとおりであります。また、Non-GAAP売上収益からは、M&A案件に直接関連する外注費195百万円を控除しております。
(単位:百万円)
2019年12月期2018年12月期前期比増減率(%)
Non-GAAP営業利益3,4103,855△444△11.5
非経常的な項目△26△375348-
IFRS営業利益3,3833,479△96△2.8

また、当社グループはアセットマネジメント(*1)事業においてメザニン(*2)ファンドを運営しております。当連結会計年度末におけるファンド投資残高は以下のとおりです。
(メザニンファンド投資残高)
営業投資有価証券営業貸付金合計
当期末百万円百万円百万円
ファンドによる投資(件数・金額)49,308627,670936,979

注)営業投資有価証券及び営業貸付金双方の投資を実施している投資先が1件存在する為、投資先合計件数は9件となります。
(*1) アセットマネジメント・・・投資家に代わって資産の効率的な運用を行う業務のこと。また、投資家から資金を集い、出資を行うことを目的とした組合をファンド(投資事業組合)という。
(*2) メザニン・・・メザニン(Mezzanine)とは「中二階」の意味であり、メザニンファイナンスは、シニアローン(通常融資)とエクイティ(普通株式)の中間に位置する資金調達方法をいう。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,645百万円(前連結会計年度末は15,829百万円)となりました。各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は2,253百万円(前連結会計年度は5,418百万円の収入)となりました。これは主に、税引前利益3,373百万円を計上したこと及び、営業債権及びその他の債権の減少額が973百万円、その他の流動負債の減少額が1,967百万円あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果支出した資金は220百万円(前連結会計年度は521百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が194百万円あったことによるものです。なお、今後予定する重要な資本的支出はありません。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果支出した資金は2,949百万円(前連結会計年度は1,214百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額が1,345百万円、自己株式の取得による支出が789百万円及びリース負債の返済額が788百万円あったことによるものであります。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
前年同期比(%)
アドバイザリー事業(百万円)22,93287.9
アセットマネジメント事業(百万円)786130.1
合計(百万円)23,71988.9

(注)1.金額はセグメント間の内部相殺前の数値によっております。
2.総販売実績に対する割合が10%を超える販売先はございません。
3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討結果は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記」に記載しております。
(2)財政状態の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度末における資産合計は36,677百万円(前連結会計年度末比2,824百万円増)となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物の減少額1,183百万円及びIFRS第16号適用等に伴う有形固定資産の増加額3,355百万円によるものであります。なお、報告セグメント別の内訳は、アドバイザリー事業35,725百万円、アセットマネジメント事業957百万円(セグメント間調整△6百万円)であり、90%超がアドバイザリー事業に属するものであります。
当連結会計年度末における負債合計は14,638百万円(同2,074百万円増)となりました。その主な要因はIFRS第16号適用等に伴うリース負債等を含むその他の金融負債の増加額3,613百万円及び未払賞与等を含むその他の流動負債の減少額1,838百万円によるものであります。
当連結会計年度末における資本合計は22,038百万円(同749百万円増)となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上2,313百万円、配当金の支払1,346百万円、新株予約権の行使に伴う資本金及び資本剰余金の増加724百万円、自己株式の取得による増加額789百万円によるものであります。
(3)経営成績の状況に関する分析・検討内容
① 売上収益
当社グループでは、主な成長性及び収益性の指標として、売上収益を経営指標としております。
アドバイザリー事業におきましては、米国地域及び欧州地域の売上が減少したことから前連結会計年度12.1%の減少となり、セグメント利益についても売上減少に伴い前連結会計年度比4.6%の減少となりましたが、欧米の売上が減少した一方で、中国、インド、東南アジア等アジア拠点を含む日本地域においては、GCAサクセション株式会社として専門チームを設立した事業承継分野や、ベトナムとのクロスボーダー案件で大型案件を含む複数案件が成立したアジア関連分野での売上が増加いたしました。また、これらM&Aアドバイザリー事業とのシナジー効果により、M&A取引の入口と出口両面でのコンサルティングを提供している戦略&PMIチームの売上が増加いたしました。
この結果、アドバイザリー事業の売上収益は22,932百万円(前連結会計年度比12.1%減)となりました。売上収益を所在地別に見ると、日本においては7,907百万円(同12.1%増)、米国においては6,474百万円(同13.4%減)、欧州においては8,511百万円(同24.9%減)、その他地域においては38百万円(同82.5%減)となりました。これにより、売上収益から売上原価・販売費及び一般管理費を控除したセグメント利益は3,193百万円(同4.6%減)となりました。
アセットマネジメント事業におきましては、国内PE投資に関連するLBOファイナンスの増加による投資残高増加により、MCo株式会社が運営するファンドにおける管理報酬等が増加した結果、売上収益は786百万円(前連結会計年度比30.1%増)、セグメント利益は230百万円(同51.8%増)となりました。
上記の結果、当連結会計年度の売上収益は23,719百万円(同11.1%減)となりました。
② 営業利益
売上原価及び販売費及び一般管理費は、主に賞与を含む人件費の減少により、それぞれ17,090百万円(前連結会計年度比3,058百万円減)、3,205百万円(同163百万円増)となりました。上記にその他の営業収益5百万円及びその他の営業費用45百万円を計上した結果、営業利益は3,383百万円(同2.8%減)となりました。
③ 当期利益
金融収益は主に受取利息の増加により80百万円(前連結会計年度比65百万円増)、金融費用は主にIFRS第16号適用等に伴うリース負債に対する支払利息の計上により91百万円(同89百万円増)となりました。これに法人所得税費用999百万円を計上した結果、当期利益は2,373百万円(同4.3%減)となりました。
④ 親会社の所有者に帰属する当期利益
非支配持分に帰属する当期利益60百万円を計上した結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は2,313百万円(前連結会計年度比5.2%減)、基本的1株当たり当期利益は59円91銭となりました。
(4)経営成績等に重要な影響を与える要因及び対応
経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2[事業の状況]2[事業等のリスク]」に記載のとおり、経営環境、事業体制等、様々な要因があります。そのため、当社グループは、クライアントに対して全ての地域においてクロスボーダーM&Aの提案・実行ができる人材の採用・育成等、様々な手段を用いてサービスの品質向上を図ることにより、リスク要因に対し適切に対応を行ってまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金使途は主として人材への投資であり、重要な資本的支出はありません。また、必要資金は原則として自己資金により調達しております。
資金の流動性の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態 経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
3.経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんは計上後20年以内でその効果の発現する期間にわたって均等償却しておりましたが、IFRSでは償却を行わず、毎期減損テストを実施しております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて「販売費及び一般管理費」が1,243百万円減少しております。

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