有価証券報告書-第12期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/30 16:18
【資料】
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注記事項-減損損失、連結財務諸表(IFRS)

14.資産の減損
(1) 減損損失
当社グループは、減損損失の算定にあたって概ね独立したキャッシュ・インフローを生成させるものとして識別される資産グループの最小単位を基礎としてグルーピングを行っております。
減損損失は、連結損益計算書の「減損損失」として計上しております。また、減損損失の戻入益は、「その他の収益」に計上しております。
減損損失及び減損損失の戻入益のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(自 2018年1月1日
至 2018年12月31日)
当連結会計年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
医療関連事業33,8845,490
ニュートラシューティカルズ関連事業4281,034
消費者関連事業329678
その他の事業85490
全社152,518
合計34,74210,212

医療関連事業
前連結会計年度に認識した医療関連事業における減損損失33,884百万円は、有形固定資産に係る減損損失850百万円、及び無形資産に係る減損損失33,034百万円であります。
有形固定資産に係る減損損失850百万円は、主に機械装置及び運搬具、並びに工具器具及び備品について、収益性の低下により帳簿価額を使用価値である回収可能価額まで減額したものであります。
無形資産に係る減損損失33,034百万円は、主にONZETRA Xsailに係る商標権及び販売権等の減損損失8,727百万円、及び注意欠陥・多動性障害(ADHD:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)治療薬として開発中の「センタナファジン(開発コード:EB-1020)」に係る仕掛研究開発の減損損失8,640百万円、並びに急性骨髄性白血病治療薬として開発中の「グアデシタビン(開発コード:SGI-110)」に係る仕掛研究開発の減損損失12,942百万円であります。
ONZETRA Xsailは、ライセンス契約の終了により、帳簿価額全額を減額したものであります。
センタナファジン(開発コード:EB-1020)は、当初想定していた収益性が見込めなくなったことにより、帳簿価額を使用価値である回収可能価額10,389百万円まで減額したものであります。使用価値の算定には、税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(13.5%)を使用しております。
グアデシタビン(開発コード:SGI-110)は、当初想定していた収益性が見込めなくなったことにより、帳簿価額を使用価値である回収可能価額11,066百万円まで減額したものであります。使用価値の算定には、税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(11.2~11.8%)を使用しております。
当連結会計年度に認識した医療関連事業における減損損失及び減損損失の戻入益は、それぞれ8,754百万円、3,263百万円であり、減損損失8,754百万円は、有形固定資産に係る減損損失4,728百万円、のれんに係る減損損失306百万円、及び無形資産に係る減損損失3,719百万円であります。
有形固定資産に係る減損損失4,728百万円は、主に建物及び構築物、機械装置及び運搬具、並びに工具器具及び備品について、収益性の低下により帳簿価額を使用価値である回収可能価額まで減額したものであります。
無形資産に係る減損損失3,719百万円は、主に仕掛研究開発、並びに商標権及び販売権等について、収益性の低下により帳簿価額を使用価値である回収可能価額まで減額したものであります。
(2) のれんの減損テスト
企業結合で生じたのれんは、支配獲得日に企業結合から利益がもたらされる資金生成単位に配分しております。のれんの帳簿価額のセグメント別内訳は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度
(2018年12月31日)
当連結会計年度
(2019年12月31日)
医療関連事業231,501226,550
ニュートラシューティカルズ関連事業43,73942,468
消費者関連事業473467
その他の事業5,2745,274
合計280,989274,761

上記のうち、当連結会計年度において重要なものの帳簿価額は、アバニアファーマシューティカルズ Inc.(医療関連事業)149,131百万円(前連結会計年度151,091百万円)、アステックスファーマシューティカルズ Inc.(医療関連事業)30,365百万円(前連結会計年度31,307百万円)、ビステラ Inc.(医療関連事業)25,054百万円(前連結会計年度26,715百万円)、ニュートリション エ サンテ SAS(ニュートラシューティカルズ関連事業)23,680百万円(前連結会計年度25,216百万円)であります。
当社グループは、のれんについて、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年分の事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(8.4~11.0%)により現在価値に割引いて算定しております。成長率は、資金生成単位の属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して0~1.2%と決定しており、市場の長期の平均成長率を超過しておりません。
減損テストに使用した主要な仮定が変更された場合には減損が発生するリスクがありますが、使用価値は当該資金生成単位の帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
(3) 耐用年数を確定できない無形資産の減損テスト
当連結会計年度の商標権に含まれる耐用年数を確定できない無形資産は、主としてニュートリション エ サンテ SASグループ(ニュートラシューティカルズ関連事業)が保有するブランドであり、その帳簿価額は、20,273百万円(前連結会計年度22,526百万円)であります。
それぞれのブランドは、ロイヤリティ免除法と超過収益法を適用して、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年分の事業計画と税引前加重平均資本コストに必要に応じて特定のカントリーリスク及び為替リスクを加味したものに等しい割引率(6.5~14.0%)を使用して算定しております。成長率は、資金生成単位の属する産業もしくは国における長期の平均成長率を勘案して0~1.5%と決定しており、市場の長期の平均成長率を超過しておりません。いずれの場合も、使用価値は帳簿価額を十分に上回っており、減損テストに使用した主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、使用価値が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。
(4) 仕掛研究開発の減損テスト
当連結会計年度の仕掛研究開発は、主としてAVP-786の研究開発に係る権利であり、その帳簿価額は、156,451百万円(前連結会計年度158,508百万円)であります。
仕掛研究開発は、未だ使用可能ではない無形資産として、毎期又は減損の兆候がある場合には随時、減損テストを実施しております。減損テストの回収可能価額は、使用価値に基づき算定しております。
使用価値は、過去の経験及び外部からの情報を反映し、経営者が承認した今後5年分の事業計画と成長率を基礎としたキャッシュ・フロー見積額を、当該資金生成単位の税引前加重平均資本コストを基礎とした割引率(AVP-786については12.4%)により現在価値に割引いて算定しております。
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