訂正有価証券報告書-第10期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/08/07 9:52
【資料】
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【項目】
159項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「明日をもっとおいしく」のスローガンのもと、「食と健康」の領域において、あらゆる世代のお客さまの生活充実に貢献するとともに、世界有数の企業グループへと成長・発展すべく全力を尽くし、お客さま、株主さまなどのステークホルダーに向け、企業価値の継続的な向上を図ってまいります。
① グループ理念
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
② 経営姿勢
5つの基本
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2)中長期的な会社の経営戦略
①明治グループ2026ビジョン「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」
当社グループは、グループ理念を実現する企業グループであり続けるために、2026年度までの長期ビジョンを策定しました。
「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」をスローガンに掲げ、「2020中期経営計画」「2023中期経営計画」「2026中期経営計画」の3回の中期経営計画でその実現を目指します。
Ⅰ.目指す企業グループ像
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続けてまいります。
Ⅱ.重点方針
■コア事業での圧倒的優位性の獲得
国内においては、コア事業への経営資源の積極投入により、各市場における圧倒的優位性を獲得することで収益力の向上を図ります。
■海外市場での成長基盤の確立
海外事業の強化・拡大を図り、グループ収益力向上に貢献する基盤を確立します。
■健康価値領域での新たな挑戦
食品と医薬品それぞれの事業で培ったグループの強みと特徴を活かして、健康・予防領域において新たな価値を創造、提供していきます。
■社会課題への貢献
事業を通じて社会課題の解決に貢献し、人々が健康で安心して暮らせる「持続可能な社会の実現」を目指していきます。
Ⅲ.目標とする経営指標
■営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)
■海外売上高比率 20%を目指す
■ROE 10%以上を維持
②「2020中期経営計画」
Ⅰ.基本コンセプト
「継続的戦略課題への取り組み」と「成長に向けた新たな挑戦」
Ⅱ.重点方針
■コア事業での高シェア・高収益の実現
■海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大
■健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け
■構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服
■明治グループの経営基盤の進化とCSRの推進
Ⅲ.目標とする経営指標(2020年度目標値)
■売上高:1兆3,500億円
・食 品:1兆1,600億円
・医薬品: 1,900億円
■営業利益(率):1,250億円(9.3%)
・食 品:1,100億円(9.5%)
・医薬品: 150億円(7.9%)
■ROE:13%台
■海外売上高:1,420億円
・食 品: 900億円
・医薬品: 520億円
(3)経営環境及び対処すべき課題
各事業の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
<食品>食品業界では、国内における人口減少・少子高齢化の進行や、中長期的な輸入原材料の調達面・価格面への対処、安全・安心への取り組みが急務となっています。
こうした環境下、国内ではヨーグルト、チョコレート、栄養食品といったコア事業に経営資源を積極投下し、さらなる高シェア・高収益の実現を図ります。チーズ、業務用商品、フローズンデザートなどの成長事業は、独自性のある商品の開発にチャレンジし、市場を切り拓きながらシェアアップを目指します。牛乳などの改革事業は、構造改革による収益改善に取り組みます。海外では中国、東南アジア、米国を重点エリアとし、当社ならではの商品を軸に展開し、飛躍的な成長を目指します。
■発酵デイリー(ヨーグルト、牛乳類、飲料等)
プロバイオティクスは「明治プロビオヨーグルトR-1」をはじめとした各ブランドのコミュニケーション施策を積極的に展開してまいります。
ヨーグルトは2018年10月に発売した「明治ブルガリアヨーグルトLB81カルシウムと鉄分」などの栄養強化型商品や付加価値商品などにも注力することで、市場の活性化に取り組んでまいります。
牛乳類は「明治おいしい牛乳(900ml)」の新容器の利便性とおいしさの訴求に加えて、2019年4月発売の「明治おいしい低脂肪乳」「明治おいしいミルクカルシウム(一部地区限定)」の売上拡大を図ってまいります。
販売が好調に推移している「ザバスミルクプロテイン」は、大容量タイプなどラインアップ強化によりさらなる伸長を目指してまいります。
■加工食品(チーズ、バター・マーガリン、クリーム、アイスクリーム、冷凍食品等)
チーズは好調な「明治北海道十勝」シリーズのマーケティングを強化し、売上拡大に取り組んでまいります。
アイスクリームは「明治エッセルスーパーカップ」シリーズのさらなる売上拡大に取り組んでまいります。
■菓子(チョコレート、グミ、ガム等)
チョコレートは、「チョコレート効果」や「オリゴスマート」など健康志向のカテゴリーを中心に、カカオの持つ健康価値やチョコレートの本質的価値の普及活動に積極的に取り組んでまいります。
グミは「果汁グミ」の商品ラインアップ拡充、コミュニケーション施策の積極展開により、さらなる売上拡大に取り組んでまいります。
■栄養(スポーツ栄養、粉ミルク、流動食、美容、一般用医薬品等)
スポーツ栄養は、さらなる成長が期待されるスポーツサプリメント市場において、「ザバス」を中心に利用ニーズの多様化に対応した商品提供、ブランド戦略に取り組んでまいります。
2019年4月より全国発売した乳児用液体ミルクは、災害時でも安心して授乳ができ、育児の負担軽減にもつながる製品であることから、新たな市場創造に向けて積極的に取り組んでまいります。
流動食は市場の広がりが続く市販用商品のさらなる売上拡大に取り組んでまいります。
■海外
重点エリアである中国・アジア・米国において商品力を活用したマーケティングを強化し、積極的な事業拡大に取り組んでまいります。
<医薬品>医薬品業界では、国民医療費抑制の影響が強まる中、2018年度には薬価制度の抜本改革の実施、2019年10月には消費増税に伴う薬価改定が予定され、国内市場環境は大きく変化しています。
こうした環境下、国内医薬品事業ではアレルギー性疾患治療薬「ビラノア」や統合失調症治療薬「シクレスト」など新薬の売上最大化、ジェネリック事業拡大を進めるとともに、ワクチン販売による感染症領域の基盤強化や、2018年度に連結子会社化したKMバイオロジクス㈱とMeiji Seika ファルマ㈱のシナジー創出の実現にも取り組みます。海外事業ではメドライク社でのCMO/CDMO(受託製造・受託開発製造)事業の拡大を図ります。生物産業事業では大型グローバル農薬の開発や収支構造改革に努めます。
■国内
2016年度に上市した、統合失調症治療薬「シクレスト」、アレルギー性疾患治療薬「ビラノア」の販売拡大に努めるとともに、インフルエンザHAワクチンなどのヒト用ワクチンの販売拡大にも努めてまいります。
また、農薬については、いもち病防除剤「オリゼメート」、茎葉処理除草剤「ザクサ液剤」の原価低減を図る中で、競合剤に対する差別化戦略の実行によりさらなるシェア拡大に取り組んでまいります。
■海外
海外子会社は、グループ会社間やパートナー企業との連携強化に努め、ASEAN地域を中心にさらなる売上拡大に一層取り組んでまいります。
インドのメドライク社では、医薬品の製造受託事業の拡大にも取り組んでまいります。
■KMバイオロジクス
2018年7月に連結子会社となったKMバイオロジクス㈱は、信頼される企業を目指し、ガバナンス体制の整備、コンプライアンス体制の強化および企業風土改革に取り組むとともに、ヒト用ワクチン、動物用ワクチン、血漿分画製剤等の事業拡大にも積極的に取り組んでまいります。