有価証券報告書-第11期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、グループ理念に掲げる使命・役割のもと、「食と健康」の企業グループとして、お客さまの生活充実に貢献することで、持続的な成長・発展をすべく全力を尽くし、あらゆるステークホルダーとの信頼に基づき企業価値の向上を図ってまいります。
[グループ理念]
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
[経営姿勢] グループ理念を実現させていくにあたり、経営の基本姿勢を表明したものです。
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは、移り変わる環境下にあっても、グループ理念を体現し、成長し続ける企業グループであるために、「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」をスローガンとした2026年度までの長期ビジョンを策定し、その実現を目指しています。なお、実現に向けては、3年毎の中期経営計画でより具体的な実行計画に落とし込み、事業活動における推進を図っております。
明治グループ2026ビジョン「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」
[目指す企業グループ像]
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。
[目標水準]
・営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)
・海外売上高比率 20%を目指す
・ROE 10%以上を維持
[重点方針]
Ⅰ.コア事業での圧倒的優位性の獲得
Ⅱ.海外市場での成長基盤の確立
Ⅲ.健康価値領域での新たな挑戦
Ⅳ.社会課題への貢献
目指す企業グループ像の実現、目標水準の達成に向けて、Ⅰ~Ⅳの重点方針に沿って策定した、下記「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」をもとに、活動を推進しています。
[事業ビジョン]
(食品セグメント)
国内では、「コア」「成長」「改革」の3つの領域に整理し、さらなる事業ポートフォリオの強化を目指していきます。海外では、各地域で明治らしい、差別化された商品を展開し、独自のポジションを確立、ブランド認知を獲得し成長を加速させていきます。
(医薬品セグメント)
医療用医薬品では、感染症やジェネリック、バイオ医薬品を国内のみならず海外展開も含めてトータルで拡大します。特に、感染症領域ではアジアのリーディングカンパニーとなるべく、生産能力、研究開発、普及活動をそれぞれ強化していきます。生物産業では、農薬を国内・海外ともに拡大していきます。
(グループ)
食品、医薬品で培ったノウハウ・強みを活かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自ポジションの確立を目指します。
[サステナビリティビジョン]
人々が健康で安心して暮らせる「持続可能な社会の実現」を目指して、事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」を主要活動テーマに掲げ、推進していきます。
[経営基盤ビジョン]
ビジョン実現に向けた当社グループの経営基盤強化に向けて、機能的・戦略的なマネジメント体制の確立や、一人一人の力が発揮できる環境・仕組み・風土づくり、さらにはmeijiブランドの進化に向けた取組みを推進していきます。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く市場環境は、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛・訪日外国人の急減をはじめ、諸関税の撤廃や薬価改定の毎年実施など、大きな変化の渦中にあります。加えて、これまで当社グループの成長を牽引してきたコア商品の急成長は鈍化しつつあり、次なる成長ドライバーの早期確立が必要という強い課題意識のもと、明治グループ2026ビジョンの第一ステージである「2020中期経営計画」を推進してまいります。
[2020中期経営計画と2020年度の取組み]
●基本コンセプト
「継続的戦略課題への取組」と「成長に向けた新たな挑戦」
●重点方針と具体的な取組み
①コア事業での高シェア・高収益の実現
・食品セグメント:ヨーグルト、チョコレート、栄養食品のさらなる拡大ならびに次期成長ドライバーの育成に向けた経営資源の集中的投下
・医薬品セグメント:感染症(ワクチン含む)をはじめとするコア領域でのプレゼンス強化とジェネリック医薬品事業の収益力強化
②海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大
・食品セグメント:コア事業を中心とする独自価値の海外(特に中国市場)への展開・拡大加速
・医薬品セグメント:メドライク社におけるCMO/CDMO*1事業の拡大とASEAN・欧州での事業強化
*1 CMO:Contract Manufacturing Organization(医薬品受託製造機関)
CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization(医薬品受託製造開発機関)
③健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け
・グループ全体:食品と医薬品の両事業の強みとオープンイノベ―ションを活用した、健康・予防領域におけるユニークな価値創出に向けた取組み推進
④構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服
・食品セグメント:各機能部門の生産性向上を目的としたグランドデザインの着実な実行
・医薬品セグメント:農薬・動物薬事業の収支構造改革の断行、業務改革による生産性向上
⑤経営基盤の進化とサステナビリティの推進
・チーフオフィサー制導入によるグループガバナンス体制の強化
・経営層後継者計画(サクセションプラン)の運用
・「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」に掲げるKPIの着実な推進による、事業活動を通じた社会課題への貢献
●2020中期経営計画
売上高:1兆3,500億円
・食 品:1兆1,600億円
・医薬品: 1,900億円
営業利益(率):1,250億円(9.3%)
・食 品:1,100億円(9.5%)
・医薬品: 150億円(7.9%)
ROE:13%台
海外売上高:1,420億円
・食 品: 900億円
・医薬品: 520億円
なお、2020年度の業績見通しは2020中期経営計画で掲げた目標に未達となる見通しです。
詳細については、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績の状況 ③目標とする経営指標の達成状況等に記載しております。
●2020年度 業績見通し
売上高:1兆2,530億円
・食 品:1兆 414億円
・医薬品: 2,123億円
営業利益:1,100億円
・食 品:930億円
・医薬品:180億円
ROE:12.0%
海外売上高:1,015億円
・食 品: 540億円
・医薬品: 474億円
2020年度は、明治グループ2026ビジョンの第二ステージとなる「2023中期経営計画」を策定いたします。新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化し、市場構造やお客さまの価値観に大きな変化が見込まれる環境下においても、明治グループ2026ビジョンの実現ならびにサステナブルな企業成長を目指して、的確な戦略の策定・推進を図ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症への対応として、当社では、代表取締役社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、事業を継続していくための従業員の安全確保対策、施設面での感染予防対策について決定しました。
さらに、当社グループでは、世界で約17,000人の従業員やその家族の安全と健康を確保するため、テレワークの推奨、出張自粛などさまざまな対策を講じております。現時点では生産体制および原材料調達において大きな影響は生じておりませんが、今後も状況変化に応じて必要な対策を速やかに実施することにより安定的な製品供給に努めるとともに、「食と健康」に関わる企業グループとしての責務を果たしてまいります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、グループ理念に掲げる使命・役割のもと、「食と健康」の企業グループとして、お客さまの生活充実に貢献することで、持続的な成長・発展をすべく全力を尽くし、あらゆるステークホルダーとの信頼に基づき企業価値の向上を図ってまいります。
[グループ理念]
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
[経営姿勢] グループ理念を実現させていくにあたり、経営の基本姿勢を表明したものです。
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2)中長期的な経営戦略
当社グループは、移り変わる環境下にあっても、グループ理念を体現し、成長し続ける企業グループであるために、「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」をスローガンとした2026年度までの長期ビジョンを策定し、その実現を目指しています。なお、実現に向けては、3年毎の中期経営計画でより具体的な実行計画に落とし込み、事業活動における推進を図っております。
明治グループ2026ビジョン「Beyond meiji ~想像以上の明治へ~」
[目指す企業グループ像]
明治グループ100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本、世界で成長し続ける。
[目標水準]
・営業利益成長率 1桁台半ば以上(年平均)
・海外売上高比率 20%を目指す
・ROE 10%以上を維持
[重点方針]
Ⅰ.コア事業での圧倒的優位性の獲得
Ⅱ.海外市場での成長基盤の確立
Ⅲ.健康価値領域での新たな挑戦
Ⅳ.社会課題への貢献
目指す企業グループ像の実現、目標水準の達成に向けて、Ⅰ~Ⅳの重点方針に沿って策定した、下記「事業ビジョン」「サステナビリティビジョン」「経営基盤ビジョン」をもとに、活動を推進しています。
[事業ビジョン]
(食品セグメント)
国内では、「コア」「成長」「改革」の3つの領域に整理し、さらなる事業ポートフォリオの強化を目指していきます。海外では、各地域で明治らしい、差別化された商品を展開し、独自のポジションを確立、ブランド認知を獲得し成長を加速させていきます。
(医薬品セグメント)
医療用医薬品では、感染症やジェネリック、バイオ医薬品を国内のみならず海外展開も含めてトータルで拡大します。特に、感染症領域ではアジアのリーディングカンパニーとなるべく、生産能力、研究開発、普及活動をそれぞれ強化していきます。生物産業では、農薬を国内・海外ともに拡大していきます。
(グループ)
食品、医薬品で培ったノウハウ・強みを活かすとともに、オープンイノベーションにより社外の知見を積極的に取り入れることで、健康・予防領域における独自ポジションの確立を目指します。
[サステナビリティビジョン]
人々が健康で安心して暮らせる「持続可能な社会の実現」を目指して、事業を通じた社会課題の解決に貢献すべく、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」を主要活動テーマに掲げ、推進していきます。
[経営基盤ビジョン]
ビジョン実現に向けた当社グループの経営基盤強化に向けて、機能的・戦略的なマネジメント体制の確立や、一人一人の力が発揮できる環境・仕組み・風土づくり、さらにはmeijiブランドの進化に向けた取組みを推進していきます。
(3)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く市場環境は、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛・訪日外国人の急減をはじめ、諸関税の撤廃や薬価改定の毎年実施など、大きな変化の渦中にあります。加えて、これまで当社グループの成長を牽引してきたコア商品の急成長は鈍化しつつあり、次なる成長ドライバーの早期確立が必要という強い課題意識のもと、明治グループ2026ビジョンの第一ステージである「2020中期経営計画」を推進してまいります。
[2020中期経営計画と2020年度の取組み]
●基本コンセプト
「継続的戦略課題への取組」と「成長に向けた新たな挑戦」
●重点方針と具体的な取組み
①コア事業での高シェア・高収益の実現
・食品セグメント:ヨーグルト、チョコレート、栄養食品のさらなる拡大ならびに次期成長ドライバーの育成に向けた経営資源の集中的投下
・医薬品セグメント:感染症(ワクチン含む)をはじめとするコア領域でのプレゼンス強化とジェネリック医薬品事業の収益力強化
②海外市場での成長基盤の確立に向けた積極的な事業拡大
・食品セグメント:コア事業を中心とする独自価値の海外(特に中国市場)への展開・拡大加速
・医薬品セグメント:メドライク社におけるCMO/CDMO*1事業の拡大とASEAN・欧州での事業強化
*1 CMO:Contract Manufacturing Organization(医薬品受託製造機関)
CDMO:Contract Development and Manufacturing Organization(医薬品受託製造開発機関)
③健康を軸とした新たな価値領域での仕掛け
・グループ全体:食品と医薬品の両事業の強みとオープンイノベ―ションを活用した、健康・予防領域におけるユニークな価値創出に向けた取組み推進
④構造改革の継続的な実行と個別事業課題の克服
・食品セグメント:各機能部門の生産性向上を目的としたグランドデザインの着実な実行
・医薬品セグメント:農薬・動物薬事業の収支構造改革の断行、業務改革による生産性向上
⑤経営基盤の進化とサステナビリティの推進
・チーフオフィサー制導入によるグループガバナンス体制の強化
・経営層後継者計画(サクセションプラン)の運用
・「明治グループサステナビリティ2026ビジョン」に掲げるKPIの着実な推進による、事業活動を通じた社会課題への貢献
●2020中期経営計画
売上高:1兆3,500億円
・食 品:1兆1,600億円
・医薬品: 1,900億円
営業利益(率):1,250億円(9.3%)
・食 品:1,100億円(9.5%)
・医薬品: 150億円(7.9%)
ROE:13%台
海外売上高:1,420億円
・食 品: 900億円
・医薬品: 520億円
なお、2020年度の業績見通しは2020中期経営計画で掲げた目標に未達となる見通しです。
詳細については、3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営成績の状況 ③目標とする経営指標の達成状況等に記載しております。
●2020年度 業績見通し
売上高:1兆2,530億円
・食 品:1兆 414億円
・医薬品: 2,123億円
営業利益:1,100億円
・食 品:930億円
・医薬品:180億円
ROE:12.0%
海外売上高:1,015億円
・食 品: 540億円
・医薬品: 474億円
2020年度は、明治グループ2026ビジョンの第二ステージとなる「2023中期経営計画」を策定いたします。新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化し、市場構造やお客さまの価値観に大きな変化が見込まれる環境下においても、明治グループ2026ビジョンの実現ならびにサステナブルな企業成長を目指して、的確な戦略の策定・推進を図ってまいります。
また、新型コロナウイルス感染症への対応として、当社では、代表取締役社長を本部長とする緊急対策本部を設置し、事業を継続していくための従業員の安全確保対策、施設面での感染予防対策について決定しました。
さらに、当社グループでは、世界で約17,000人の従業員やその家族の安全と健康を確保するため、テレワークの推奨、出張自粛などさまざまな対策を講じております。現時点では生産体制および原材料調達において大きな影響は生じておりませんが、今後も状況変化に応じて必要な対策を速やかに実施することにより安定的な製品供給に努めるとともに、「食と健康」に関わる企業グループとしての責務を果たしてまいります。