訂正有価証券報告書-第8期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2018/06/22 15:39
【資料】
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【項目】
123項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「明日をもっとおいしく」のスローガンのもと、「食と健康」の領域において、あらゆる世代のお客さまの生活充実に貢献するとともに、世界有数の企業グループへと成長・発展すべく全力を尽くし、お客さま、株主さまなどのステークホルダーに向け、企業価値の継続的な向上を図ってまいります。
① グループ理念
私たちの使命は、「おいしさ・楽しさ」の世界を拡げ、
「健康・安心」への期待に応えてゆくこと。
私たちの願いは、「お客さまの気持ち」に寄り添い、日々の「生活充実」に貢献すること。
私たち明治グループは、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値を創り続けます。
② 経営姿勢
5つの基本
1.「お客さま起点」の発想と行動に徹する。
2.「高品質で、安全・安心な商品」を提供する。
3.「新たな価値創造」に挑戦し続ける。
4.「組織・個人の活力と能力」を高め、伸ばす。
5.「透明・健全で、社会から信頼される企業」になる。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、国内外の事業環境が刻々と変化を続ける中、当社グループが持続的な成長・発展をとげるため、2010年9月に「2020ビジョン」を発表しました。「2020ビジョン」では、2020年度に目指すべきグループの企業像を「赤ちゃんからお年寄りまで、あらゆる年齢層のお客さまへ、食のおいしさ・楽しさや、心身両面での健康価値の提供を通じて、お客さまの生活充実に貢献する企業」と掲げております。
当社グループは「2020ビジョン」実現に向け、2012-2014年度グループ中期経営計画「TAKE OFF 14」に続く第二ステップとして、2015-2017年度グループ中期経営計画「STEP UP 17」を策定し、2015年4月より取り組みをスタートしました。「STEP UP 17」では「成長の加速とさらなる収益性向上」を重点テーマとし、「優位事業の強化と新たな成長への挑戦」「環境変化に対応しうる収益力の強化」「グローバル展開の推進」「経営基盤の進化」に取り組むこととしました。
目標数値としては、最終年度売上高1兆2,600億円、営業利益640億円、ROE8%以上を掲げ、目標達成に向けて鋭意取り組んでまいりましたが、初年度および2年目においても営業利益及びROEについては目標数値を大きく上回ることができ、前倒しで達成しました。今後も「STEP UP 17」の重点テーマ及び基本方針に基づき、着実な成長・発展を目指して取り組んでまいります。
(3)経営環境及び対処すべき課題
各事業の経営環境及び対処すべき課題は次のとおりであります。
<食品>食品業界では、国内における人口減少・少子高齢化の進行や、中長期的な輸入原材料の調達面・価格面への対処、安全・安心への取り組みなどが急務となっております。こうした環境下、食品セグメントでは選択と集中の加速によるコア商品カテゴリーのシェア拡大、継続的なコストダウンや事業構造改革の推進、品質保証体制のさらなる強化と明治ブランドの価値向上などに取り組んでまいります。
発酵デイリーでは、プロバイオティクスヨーグルトは「明治プロビオヨーグルトR-1」「明治プロビオヨーグルトLG21」「明治プロビオヨーグルトPA-3」の3ブランド展開により、安定成長の実現に取り組んでまいります。ヨーグルトは「明治ブルガリアヨーグルト」の継続成長を図るため、ヨーグルトの新たな価値や食シーンのさらなる提案に取り組んでまいります。牛乳類は「明治おいしい牛乳(900ml)」のコミュニケーション施策を積極的に展開し、販売エリア拡大と市場定着に取り組んでまいります。
加工食品では、市販チーズは「明治北海道十勝」シリーズのマーケティングを強化し、売り上げ拡大に取り組んでまいります。アイスクリームは「明治エッセルスーパーカップ」を中心に、商品ラインアップの充実を通してさらなる売り上げ拡大に取り組んでまいります。
菓子では、チョコレートは成長分野であるプレミアムや健康志向のカテゴリーを中心に、カカオの魅力やチョコレートの愉しみ方の訴求、ブランド差別化に積極的に取り組んでまいります。またグミは「果汁グミ」のさらなる売り上げ拡大、ガムは発売20周年を迎える「キシリッシュ」ブランドのシェア拡大に取り組んでまいります。
栄養では、スポーツ栄養は、さらなる成長が期待されるスポーツサプリメント市場において、スポーツ層の多様化に対応した商品提供、ブランド戦略に取り組んでまいります。粉ミルクは少子化により国内市場が縮小傾向にある中、栄養価値訴求活動を強化するとともに、発売10周年を迎えるキューブタイプの売り上げ拡大に取り組んでまいります。流動食は市場の広がりが続く市販用商品のさらなる売り上げ拡大に取り組んでまいります。
海外では、中国・アジア・米国の重点エリアにおいて商品力を活用したマーケティングを強化し、積極的な事業拡大に取り組んでまいります。
<医薬品>医薬品業界では国民医療費抑制策の一環として、ジェネリック化推進や、薬価の毎年改定が議論されるなど、現在の国内市場環境は大きな変革の流れの中にあります。こうした環境下、医薬品セグメントでは持続的な成長の実現に向けて、感染症・中枢神経系・免疫炎症の各重点領域およびジェネリック医薬品のプレゼンス向上を図ってまいります。また、グローバルな生産・品質保証体制の強化により、ローコストオペレーションの徹底ならびに安定供給および適正品質の確保に一層取り組んでまいります。併せて、海外事業のさらなる収益力強化に向け、輸出および海外子会社の事業拡大にも取り組んでまいります。
医療用医薬品では、国内は、主力の抗うつ薬「リフレックス」に加え、統合失調症治療薬「シクレスト」、アレルギー性疾患治療薬「ビラノア」の販売拡大に努めてまいります。また、ジェネリック事業では、2017年度から一部製品をインドのメドライク社で生産開始することで、高品質かつ安価なジェネリック医薬品の安定供給実現に向けて取り組んでまいります。海外は、海外子会社がグループ会社間やパートナー企業との連携強化に努め、ASEAN地域を中心にさらなる売り上げ拡大に一層取り組んでまいります。
農薬は、いもち病防除剤「オリゼメート」、茎葉処理除草剤「ザクサ液剤」の原価低減を図る中で、競合剤に対する差別化戦略の実行によりさらなるシェア拡大に取り組んでまいります。動物薬は、製品ラインアップの絞り込みにより販売効率を向上させ、高収益品目の売り上げ拡大に取り組んでまいります。