有価証券報告書-第14期(2022/04/01-2023/03/31)
① 戦略
サステナビリティ2026ビジョンの実現に向け、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」の3つのテーマと、共通テーマである「持続可能な調達活動」を掲げており、それぞれのサステナビリティ課題に対するリスクと機会、主な取り組みは下表のとおりであります。
サステナビリティ2026ビジョンの実現に向け、「こころとからだの健康に貢献」「環境との調和」「豊かな社会づくり」の3つのテーマと、共通テーマである「持続可能な調達活動」を掲げており、それぞれのサステナビリティ課題に対するリスクと機会、主な取り組みは下表のとおりであります。
明治グループ サステナビリティ課題に関する戦略 | |||
活動 テーマ | サステナビリティ課題 | リスクと機会(●リスク、〇機会) | 明治グループの主な取り組み |
こころとからだの健康に貢献 | 健康な食生活への貢献 超高齢社会 への対応 | ●健康・栄養関連の法制化・ルール強化によるコスト上昇(栄養表示等) ●健康・栄養分野における競争激化と対応の劣後によるビジネス機会損失リスク ●栄養、食、健康に関する投資家やESG評価の事業への影響、対応の遅れによるレピュテーションリスク 〇過剰栄養・不足栄養に関する健康ニーズに対応した商品開発による新たなビジネス機会の創出 〇食・薬の知見を生かしたオープンイノベーション活用によるソリューション提供に伴う新たなビジネス機会の創出 〇超高齢社会に対応した商品開発によるビジネス機会の増加 〇食育活動や子どもの成長サポート活動などの明治らしい健康情報の普及啓発による明治ブランドのプレゼンス向上 | ・乳酸菌やカカオ等素材の持つ健康機能などを活かした健康志向商品の提供 ・明治の栄養研究と栄養設計技術を活かした付加価値型栄養商品の提供による、食を通じた栄養改善ニーズへの対応 ・おいしさと使いやすさを兼ね備えた栄養食品・流動食・介護食の開発による超高齢社会への貢献 ・「抗老化」「免疫増強」「マイクロバイオーム」を主要テーマとして研究開発の推進 ・食や栄養に関する正しい知識の提供により、お客様のこころとからだの健康に貢献する食育活動の推進 ・低栄養の課題を抱える開発途上国における栄養情報の発信・普及活動の展開 |
活動 テーマ | サステナビリティ課題 | リスクと機会(●リスク、〇機会) | 明治グループの主な取り組み |
こころとからだの健康に貢献 | 新興・再興 感染症対策 | ●グローバル先進企業の新規技術導入による競争激化、劣後リスク ●海外原料への依存による抗菌薬の供給不安定化、供給停止リスク 〇抗菌薬、ワクチン開発の知見・技術を活かした新興・再興感染症への対応によるビジネス機会の増加 〇抗菌薬の安定供給化等によるシェアの拡大 〇抗菌薬の適正使用に向けた情報提供による明治ブランドのプレゼンス向上 | ・COVID-19、デング熱および痘そう等に対する新規ワクチン開発による新興・再興感染症への対応 ・経産省のデュアルユース事業への参画による生産体制整備の確実な遂行 ・ワクチンの技術導出、製品輸出による開発途上国・新興国への医薬品アクセス向上への取り組み強化による海外での公衆衛生レベル向上への貢献 ・オープンイノベーション強化により新規モダリティ技術の獲得および実用化のための研究開発強化 ・ペニシリン原薬の国内内製化による抗菌薬の安定供給に資する体制強化 ・抗菌薬の適正使用、ワクチン接種の重要性の普及・啓発活動の推進 ・薬剤耐性菌に有効な抗菌薬の研究開発の推進 |
環境との調和 | CO₂排出量の削減 | ●カーボンプライシング導入に伴う製造や原材料調達におけるコスト増による利益への影響 ●脱炭素への取り組み遅延による投資家やESG評価の事業への影響およびレピュテーションリスク ●気候変動による原材料調達リスクおよび生産停止リスクの増大 〇再生可能エネルギー導入によるコスト競争力の確保 〇脱炭素に向けた商品開発による新たなビジネス機会の創出 〇脱炭素ビジネス(カーボンクレジット創出・販売)など新たなビジネス機会の創出 | ・バリューチェーン全体におけるCO₂排出削減の取り組み推進およびSBT認定(1.5℃目標)の取得に向けた取り組み ・インターナル・カーボン・プライシング制度の積極的な活用によるカーボンプライシング導入後の対策推進 ・再生可能エネルギー設備の積極的な導入 ・カーボン・フット・プリントの算定推進 ・酪農現場におけるGHG排出削減に向けた新たな施策の導入推進 ・TCFDシナリオ分析の実施と情報開示 ・森林減少に関与していない認証原材料の調達推進やカカオ生産地における森林減少課題解決の推進 |
環境負荷の低減 | ●グローバルで加速するプラスチック削減への要求に対する対応遅延によるビジネス機会の損失 ●食品ロス削減等の廃棄物削減への取り組み遅延による企業イメージの低下、レピュテーションリスクの増加 〇プラスチック使用量減による包材コストの削減 〇食品ロス削減に貢献する社会貢献活動の強化による企業イメージの向上 〇新規包装形態、商品設計の開発による新たなビジネス機会の拡大 | ・商品パッケージにおけるプラスチック使用量の削減とサステナブル素材の使用拡大 ・食品ロス削減に向けた業界全体での取り組みへの積極的な参加、自社製品の廃棄ロス削減への取り組み推進 ・食品ロス削減につながる社会貢献活動への自社製品の積極的な活用 ・新たな技術を導入した生産設備や包装資材の開発 | |
水資源の 確保 | ●水資源確保に向けた対応の遅延による生産活動への負のインパクトの拡大 ●安全安心な水資源確保のための対応不足による製品の安全性、供給停止リスクの拡大 〇水使用量削減による生産時のコスト削減 〇水リスク対策の推進によるBCPの強化 〇水使用量削減に対応する設備や商品開発によるあらたなビジネス機会の拡大 | ・全生産拠点における水リスク分析およびリスクに対する対応策の実施 ・生産時における水使用量削減に向けた各種取り組みの推進 ・水使用量削減に対応する設備や新たな製造技術の開発 ・取水および排水の水質確保に対する新規技術の導入 ・水田湛水や森林保全など様々な取り組みを通じた水源涵養の推進 ・生産地における水リスク分析 |
活動 テーマ | サステナビリティ課題 | リスクと機会(●リスク、〇機会) | 明治グループの主な取り組み |
豊かな社会づくり | 多様性の尊重と人財育成 | ※(4)明治グループにおける人的資本への取組 ② 戦略 にて記載しております。 | |
人権の尊重 | ●グローバルで強化される法制化への対応の遅延によるビジネスリスクの増大 ●人権尊重への取り組み不足によるレピュテーションリスクおよびビジネス機会の損失 ●人権尊重への取り組み不足による生産性低下のリスク拡大および企業イメージの低下に伴う人財獲得力の低下 〇人権尊重への積極的な取り組みによる企業イメージ向上 〇人権尊重に向けた風土づくりに繋がる商品やサービスの提供による新たなビジネス機会の創出 | ・グループ人権ポリシーによる企業としての姿勢・考え方の開示 ・バリューチェーン全体を視野に入れた人権デュー・ディリジェンスの推進 ・顕著な人権課題の洗い出しおよび選定された優先課題への対応強化 ・人権尊重への意識・知識の啓発につながる商品の開発 | |
持続可能な調達活動 | 人権・環境に配慮した 原材料調達 | ●グローバルで高まる原材料調達に関する法制化への対応の遅延によるビジネス機会の損失 ●原材料調達における人権・環境への配慮の不足によるレピュテーションリスクの増加 ●人権・環境への配慮の不足した原材料の調達停止に伴う事業継続への影響 〇トレーサビリティの強化による原材料の透明性の確保とそれに伴う企業イメージの向上 〇人権・環境に配慮した原材料を活用した商品開発にともなう新たなビジネス機会の創出 〇パンデミック等発生時のグローバルサプライチェーン断絶に備えたサプライチェーンの強化 | ・グループ調達ポリシー、サプライヤー行動規範等の呈示および取引先と協働した責任あるサプライチェーンの構築の推進 ・サプライチェーン上における人権・環境課題の把握に向けたサステナブル調達アンケートの実施 ・重要原材料における生産者支援の取り組み強化 ・人権・環境に配慮した原材料の調達比率拡大に向けた取り組み推進 ・人権・環境に配慮した原材料を使用した新たな商品開発の強化 |