有価証券報告書-第9期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 9:00
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1)業績
当社グループを取り巻く事業環境は、公共投資である橋梁事業においては、新設発注量が横ばいから縮小に転じる一方で、高度経済成長期に集中的に整備された既設橋梁に対する老朽化対策の需要が高まっている中、大規模更新事業や床版取替を中心とした更新・保全工事の発注が増加しています。
民間投資においては、首都圏を中心とした再開発や企業収益の改善による活発な投資が見られ、民間建設需要は底堅く推移しています。
しかし建設業界においては、慢性的な技能労働者不足や資機材価格の上昇などによる収益への影響リスクが懸念され、また、東京オリンピック・パラリンピック後における市場環境の悪化も内在しています。
こうした状況の中、当社グループはコンプライアンスを遵守する企業文化とガバナンス体制を確立することで顧客の更なる信頼と満足に応える企業を目指すとともに、既存事業における受注及び利益の確保に努めるとともに、市場環境を的確に捉えた事業展開を加速させています。
その結果、当社グループの当連結会計年度における業績は、売上高103,473百万円(前連結会計年度比8.7%増)、営業利益5,904百万円(同93.5%増)、経常利益は持分法による投資利益3,391百万円を計上したことにより8,701百万円(同230.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は8,140百万円(同386.2%増)となりました。受注高につきましては108,392百万円(同10.9%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。(セグメントの業績については、セグメント間の内部売上高等を含めて記載しています。)
(鉄構セグメント)
鉄構セグメントにおきましては、売上高は、橋梁事業において高速道路会社をはじめとした大型工事の進捗が堅調に推移したことや鉄骨事業において渋谷駅街区東棟、渋谷駅南街区プロジェクト工事をはじめとした首都圏の大型案件の製作が順調に進んだことにより、45,940百万円(前連結会計年度比8.2%増)となりました。損益面は、橋梁事業、鉄骨事業とも大型工事における設計変更が獲得できたことに加え、採算性が高い工事の進捗が伸びたことにより、営業利益4,161百万円(同58.4%増)となり、大幅に改善いたしました。受注高は、橋梁事業において国交省・高速道路会社を中心とした大型工事の受注を積み重ねることができたものの、前連結会計年度において大型更新工事の受注があった反動で前連結会計年度を下回りました。また鉄骨事業においては東京オリンピック・パラリンピック関連施設や首都圏を中心とした大型工事の受注は好調であったものの関西地区での受注は伸び悩みました。その結果、鉄構セグメント全体の受注高は47,312百万円(同23.9%減)となり、前連結会計年度を下回る結果となりました。しかしながら前連結会計年度からの豊富な次期繰越高を抱えている状況の中、売上高が若干の増加に留まったことで、当連結会計年度における次期繰越高は前連結会計年度を上回る水準を維持しています。
(土木セグメント)
土木セグメントにおきましては、売上高は、前連結会計年度からの豊富な繰越高の中、高速道路会社をはじめとした大型工事の進捗が堅調に推移したことで、28,921百万円(前連結会計年度比17.1%増)となり、前連結会計年度を大幅に上回りました。損益面は、高速道路会社をはじめとした大型工事における採算性の改善や設計変更が獲得できたことにより、営業利益914百万円(同253.4%増)となり、大幅に改善いたしました。受注高は、当第3四半期までは大型工事の受注が少なく前年同四半期を下回っていたものの、当第4四半期に入り高速道路会社・都道府県を中心とした受注を積み重ねることができたことにより、30,809百万円(同6.2%増)となり、引き続き高い水準での次期繰越高を維持することができました。
(建築セグメント)
建築セグメントにおきましては、売上高は、システム建築の特徴である短工期で施工ができる中、引き続き大型工事の進捗が堅調に伸びたことで、18,308百万円(前連結会計年度比4.2%増)となり、前連結会計年度を上回りました。損益面は、リピーター顧客を中心として大型工事における採算性が良かったことに加え、その他の工事においても全般的に原価低減が図れたことにより、営業利益2,306百万円(同42.8%増)となり、大幅に改善いたしました。受注高は、システム建築、一般建築を中心に順調に受注を積み重ねることができたことにより、18,297百万円(同2.0%増)となり、前連結会計年度と同水準の次期繰越高を維持することができました。
(その他)
その他におきましては、売上高は12,101百万円(前連結会計年度比0.2%減)となり、損益面につきましては、橋梁付属物の販売事業及び航空機使用事業の損益改善により営業利益200百万円(同144.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,295百万円増加し8,371百万円(前連結会計年度末比37.8%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、13,855百万円の資金増加(前連結会計年度は7,623百万円の資金増加)となりました。これは主に、売上債権の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、3,338百万円の資金減少(前連結会計年度は1,822百万円の資金減少)となりました。これは主に、設備投資による固定資産の取得等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、8,223百万円の資金減少(前連結会計年度は6,781百万円の資金減少)となりました。これは主に、借入金の返済によるものであります。
(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しています。