有価証券報告書-第58期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 16:00
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【項目】
115項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、内需の回復を背景に、緩やかながら景気回復基調で推移しました。しかしながら、物価上昇の継続による個人消費の下押し、中東情勢による原油高、アメリカの通商政策による収益圧迫など、企業を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
また、当社を取り巻く事業環境は、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はよ
り一層厳しさが増してきており、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるような製品供
給体制が望まれております。
このような状況のもと、当社は、高品質製品の常時安定供給を優先事項と掲げ、医療現場と密着した営業活動の推進、品質を確保しながらもコスト競争力をもった生産体制の構築並びに独創的な製品の研究開発活動の強化に取り組んでまいりました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績については、次のとおりです。
売上高 10,290百万円 (前期比増減 339百万円増 (前期比 3.4%増) )
営業利益 1,277百万円 (前期比増減 234百万円減 (前期比 15.5%減) )
経常利益 1,274百万円 (前期比増減 235百万円減 (前期比 15.6%減) )
当期純利益 922百万円 (前期比増減 174百万円減 (前期比 15.9%減) )
なお、経常利益の前事業年度との増減内容は次のとおりです。
販売数量の増加等による売上総利益の増加 +140百万円
その他製造原価増減等による売上総利益の減少 △285百万円
販管費等の増加による減少 △91百万円
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、医療機器等の製造販売及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社の製品群別に記載しております。
a.生産実績
当事業年度における生産実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群生産高(千円)前期比(%)
吸引器関連4,071,299+10.2
注入器関連1,534,756+5.2
電動ポンプ関連121,140+58.0
手洗い設備関連293,227+14.6
その他306,042+28.4
合計6,326,465+10.5

(注)金額は、製造原価により算定しております。
b.受注実績
当社は、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群販売高(千円)前期比(%)
吸引器関連6,529,449+2.1
注入器関連2,317,102+4.5
電動ポンプ関連190,464△12.6
手洗い設備関連651,272+5.4
その他602,694+19.8
合計10,290,984+3.4

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
このうち重要な会計上の見積りとして「変動対価(売上取引に係る未確定の値引額)の額の見積り」があります。当社の顧客が当社製品をユーザーに販売した後、値引の請求を当社が受ける場合がありますが、同一製品であっても顧客がどのユーザーに販売するかによって値引額は変動することとなります。そのため、事業年度末において顧客からユーザーへの販売がまだ行われておらず、顧客からの値引請求額が未確定の部分について、顧客と約束した対価のうち変動する可能性のある部分であり、変動対価に該当します。当社は、当該変動対価の額を見積り、売上高に反映させています。なお、顧客が保有する製品をどのユーザーに販売するかは事業年度末時点で未確定であることから、顧客が過去実績と同一の販売比率でユーザーに販売するという仮定の下、主要な顧客や製品群ごとの過去一定期間の実績値引率に基づいて、変動対価の額を見積っております。
その他の重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)及び(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて185百万円増加し、11,366百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて43百万円増加し、7,028百万円となりました。これは主として、現金及び預金が217百万円減少したものの、製品が148百万円、売掛金が89百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて142百万円増加し、4,338百万円となりました。これは主として、有形固定資産が112百万円、投資その他の資産が20百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
(負債合計)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて75百万円減少し、3,589百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて108百万円減少し、2,721百万円となりました。これは主として、短期借入金が200百万円増加したものの、電子記録債務が371百万円減少したこと等によるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べ32百万円増加し、867百万円となりました。これは主として、長期借入金が21百万円増加したこと等によるものです。
(純資産合計)
純資産は、前事業年度末に比べて261百万円増加し、7,777百万円となりました。これは主として、当期純利益を922百万円計上し、配当金を660百万円支払ったことによる利益剰余金の差引増加等によるものです。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、10,290百万円(前年同期比3.4%増)となりました。これは主として、フィットフィックス(吸引器関連)及びクーデックエイミーPCA(注入器関連)の販売が好調に推移したこと等によるものです。
(営業利益)
営業利益は、1,277百万円(前年同期比15.5%減)となりました。これは主として、売上高が増加したものの、材料コストの上昇による売上総利益の減少並びに、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等によるものです。
(経常利益)
経常利益は、1,274百万円(前年同期比15.6%減)となりました。これは主として、営業利益が減少したこと等によるものです。
(当期純利益)
当期純利益は、922百万円(前年同期比15.9%減)となりました。これは主として、経常利益が減少したこと等によるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べて217百万円減少し、2,778百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は567百万円(前期比553百万円減)となりました。これは主として、税引前当期純利益を1,246百万円、減価償却費を258百万円それぞれ計上したものの、仕入債務が350百万円減少し、法人税等を372百万円支払ったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は330百万円(前期比161百万円増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により、327百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は455百万円(前期比240百万円減)となりました。これは主として、長期借入れにより500百万円調達したものの、配当金を660百万円支払い、長期借入金の返済額として488百万円支出したこと等によるものです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因として、医療費抑制政策をはじめとする国による社会保障政策への動向があります。医療費の抑制に加え、医療現場における感染症への対応、物資の高騰や医療従事者の慢性的な人手不足等、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、国内外メーカーとの競争激化等により、当社の経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。
このような状況の中、当社の強みである医療現場と密着した製品開発、営業活動にもとづく新たな医療サービスを提供できる独創的な新製品開発と生み出された新製品の販売推進により他社の追随を許さないトップメーカーとしての地位の確保と新市場創出、開拓を推進してまいります。
当社の主力製品の状況は次のとおりです。
(吸引器関連)
主に手術室で使用される吸引器「フィットフィックス」は、1990年の発売から30年以上が経過しておりますが、手術件数の増加に伴い、販売数量は引き続き増加傾向にあります。一方、病棟で使用される「キューインポット」は、院内感染防止および看護師の業務負担軽減への貢献を背景に、普及が進んでおります。
当社は、手術室分野で培ったノウハウを活かし、これまで300床以上の急性期大規模病院において高いシェアを維持してまいりましたが、近年は300床未満の中小病院や慢性期病院への展開にも注力し、新規採用の拡大を図っております。
このような状況のもと、当事業年度におきましては、フィットフィックスの販売量が堅調に推移したことにより、吸引器関連の年間売上高は6,529百万円(前期比2.1%増)となりました。
今後も、フィットフィックスの安定的な販売拡大とキューインポットのさらなる拡販・市場浸透を推進するとともに、原材料価格の高騰に対応した適切な価格転嫁を進め、増収の確保に取り組んでまいります。
(注入器関連)
手術後の疼痛管理に使用されるディスポーザブル持続注入器「シリンジェクター」および「バルーンジェクター」については、麻酔手技の変化や医療経済性の観点から、医療現場のニーズに変化が見られております。
当社はこれに対応すべく、製品ラインナップの強化を目的として、マイクロポンプを採用した高い流量精度と優れた管理性を有する持続注入器の開発を進めてまいりました。完成した新製品「クーデックエイミーPCA」については拡販を推進しており、当初想定していた急性期医療機関に加え、在宅医療や無痛分娩などの産科領域を含む多様な分野からの引き合いが増加しております。これらを背景に、本製品は当社の事業領域拡大に寄与する重要な製品と位置付けております。
このような状況のもと、当事業年度におきましては、手術件数が堅調に推移したことに加え、「クーデックエイミーPCA」の販売が好調に推移したことにより、注入器関連の年間売上高は2,317百万円(前期比4.5%増)となりました。
今後は、差別化された製品力とトップシェアメーカーとしての営業力を最大限に発揮し、新製品の拡販を推進するとともに、市場シェアのさらなる拡大を図り、増収の確保に取り組んでまいります。
上記に記載した主力製品が当社事業の大半を占めるため、その売上進展及びその収益性が当社の営業利益、経常利益、当期純利益に大きく影響することとなります。
当社といたしましては、医療に従事するメーカーとして人命の安全を確保しながらも製品の安定供給を果たすための生産・供給体制の構築を経営課題と認識し、取り組んでおります。
また、「医療現場第一主義」の研究開発型メーカーとして当社の特徴でもある独創的な製品を開発し、供給することにより医療現場が抱える課題解決を図っていくことを第一に考えながら、新製品については、国内のみならず海外での販売拡大を目指し、海外販売比率を高めることで事業規模の拡大とさらなる経営基盤の強化・確立を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要につきましては、製品を製造するための国内外の仕入先からの部材仕入、製造経費、営業管理費や荷造運賃などの販売費及び一般管理費があります。
設備資金需要につきましては、製品製造にあたっての設備の維持・金型の更新投資や新製品開発にあたっての設備や金型の新規投資があります。さらには、インフラとして生産効率や事務効率の向上を目的とした投資等があります。
(財務政策)
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。基本的に、経常的な設備投資については、減価償却費の範囲内にとどめ、一定程度のキャッシュポジションを維持した上で余剰資金については有利子負債の削減に充当しております。
また、過度に金利変動リスクに晒されないよう短期借入と長期借入のバランスを図りつつ、タイミングをみて長期借入へシフトするなど、資金調達コストの低減・安定にも努めております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に図るための有用な指標であると考えております。当事業年度における「売上高総利益率」は、38.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。また、「売上高経常利益率」については、12.4%(前期比2.8ポイント悪化)であります。
主要2指標の悪化の主要因は、主力製品であるフットフィックスの堅調な売れ行きと新製品(特にクーデックエイミーPCA)の販売が好調に推移したものの、為替の影響により主力製品の輸入材料の調達コストが上昇したことが売上総利益率の悪化に繋がりました。
売上高経常利益率の悪化につきましては、売上総利益が減少したこと、人件費及び研究開発費の増加により販売費及び一般管理費が増加したこと等の影響によります。
当該経営目標数値の達成に向けた計画骨子として、下記3点の重点施策を実施してまいります。
1.既存事業における収益基盤の強化
主としてキューインポットの慢性期病院への拡販を推進し、潜在市場への普及拡大を図ります。加えて、療養・在宅領域向けに開発中の電動式キューインポットについて、早期の市場投入を実現し、療養施設および在宅市場への展開も加速させ、潜在需要の顕在化と市場拡大を推進してまいります。
また、既存製品については採用シェアの維持・強化に加え、市場環境に応じた価格戦略を適時実行し、吸引器を中心とした強固な収益基盤を確立します。
これらを通じて、新規成長領域への投資余力の創出を図ります。
2.サプライチェーンの高度化
生産・在庫・物流等のデータを活用し、生産活動の最適化を図り、生産効率の向上、原価低減を進めてまいります。具体的には、リードタイムの短縮及び在庫の適正化による物流改革、複社購買・生産体制の再構築等によるサプライチェーンの最適化、加工歩留り等の製造効率の向上などに目標を定め、粗利益増加、粗利率の改善を図ります。
3.中長期的成長エンジンとなるマイクロポンプ関連製品の投入と開発
マイクロポンプ関連製品の第1弾製品として上市した「クーデックエイミーPCA」の拡販を進めてまいります。
当社の主戦場である急性期の医療機関への拡販に本腰を置きながらも潜在的にニーズの高い在宅市場やクリニックへの展開も積極的に推進してまいります。
さらには、マイクロポンプをキーデバイスとした注入器分野での派生商品の開発にも着手しており、早期上市、拡販に向けた取り組みを進めております。
当社といたしましては、医療現場のニーズを汲み取った改良品の上市や既存製品の拡販により競争力強化を図ること、新製品の上市により新たな事業の柱を創出することにより、特定製品に依存した収益構造からの脱却を図り、売上高総利益率の改善に努めるとともに、生産効率の改善や固定費削減にも取り組み収益性の改善に努めてまいります。

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