有価証券報告書-第52期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:00
【資料】
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【項目】
112項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が継続し、緩やかな回復基調で推移しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により足下で厳しい状況にあり、今後の国内外の景気についても先行き不透明な状況となっております。
また、当社を取り巻く事業環境は、高齢化の進行による手術数の増加、院内感染や医療事故防止対策の推進により、医療用消耗品のニーズの拡大が続いております。
しかしながら、増加の一途をたどる医療費の抑制を目的とした医療制度改革は進められ、各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、医療現場においてより効率的で効果的な医療サービスを提供できるような製品供給体制が望まれております。
このような状況のもと、当社は、高品質製品の常時安定供給を優先事項と掲げ、医療現場と密着した営業活動の推進、品質を確保しながらもコスト競争力をもった生産体制の構築並びに独創的な製品の研究開発活動の強化に取り組んでまいりました。
これらの結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて26百万円増加し、10,997百万円となりました。
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて286百万円減少し、4,916百万円となりました。
当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べて313百万円増加し、6,081百万円となりました。
b.経営成績
当事業年度の経営成績については、次の通りです。
売上高8,523百万円 (前期比増減 116百万円増(前期比1.4%増) )
営業利益1,194百万円 (前期比増減 55百万円減 (前期比4.4%減) )
経常利益1,210百万円 (前期比増減 35百万円減 (前期比2.9%減) )
当期純利益859百万円 (前期比増減 7百万円増 (前期比0.9%増) )
なお、経常利益の前事業年度との増減内容は次のとおりです。
販売単価下落等による売上総利益の減少 204百万円
研究開発費の減少 24百万円
本社移転による販管費の減少 24百万円
その他販管費の減少 101百万円
助成金収入の増加 16百万円

② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べて147百万円増加し、2,365百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社の事業は、医療機器等の製造販売及びこれらの付随業務の単一セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、当社の製品群別に記載しております。
a.生産実績
当事業年度における生産実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群生産高(千円)前期比(%)
吸引器関連2,595,214△5.3
注入器関連1,374,677△1.6
電動ポンプ関連183,499+16.5
手洗い設備関連287,456+35.0
その他241,614△10.3
合計4,682,462△2.0

(注)1 金額は、製造原価により算定しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社は、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当事業年度における販売実績を製品群別に示すと、次のとおりであります。
製品群販売高(千円)前期比(%)
吸引器関連5,434,409△1.0
注入器関連1,985,714+0.0
電動ポンプ関連153,541+38.9
手洗い設備関連618,622+20.9
その他331,066+7.0
合計8,523,354+1.4

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2020年3月31日)現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。 この財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 重要な会計方針」に記載のとおりであり、過去の実績や状況等に応じ合理的と考えられる要因に基づき見積り及び判断を行っております。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大が会計上の見積りに与える影響については、感染症拡大による影響が一時的であると想定していることから、現時点においては軽微なものと判断しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べて26百万円増加し、10,997百万円となりました。
流動資産は、前事業年度末に比べて58百万円増加し、6,404百万円となりました。これは主として、受取手形が761百万円、製品が222百万円それぞれ減少したものの、電子記録債権が821百万円、現金及び預金が147百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べて31百万円減少し、4,593百万円となりました。これは主として、有形固定資産が25百万円増加したものの、差入保証金が44百万円、繰延税金資産が9百万円それぞれ減少したこと等によるものです。
(負債合計)
当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べて286百万円減少し、4,916百万円となりました。
流動負債は、前事業年度末に比べて77百万円増加し、3,782百万円となりました。これは主として、短期借入金が300百万円、資産除去債務が43百万円それぞれ減少したものの、買掛金が101百万円、1年内返済予定の長期借入金が94百万円、未払消費税等が77百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて364百万円減少し、1,133百万円となりました。これは主として、長期借入金が368百万円減少したこと等によるものです。
(純資産合計)
純資産は、前事業年度末に比べて313百万円増加し、6,081百万円となりました。これは主として、利益剰余金が剰余金の配当により545百万円減少したものの、当期純利益を859百万円計上したこと等によるものです。
2)経営成績
(売上高)
売上高は、8,523百万円(前期比1.4%増)となりました。これは主として、主力製品の販売単価の下落圧力は強いものの、販売数量の伸びにより、売上に復調の兆しが見られたこと等によるものです。
(営業利益)
営業利益は、1,194百万円(前期比4.4%減)となりました。これは主として、主力製品の販売単価の下落と電動ポンプ事業における一過性の収益性悪化に伴う損失計上により、売上総利益が減少したこと等によるものです。
(経常利益)
経常利益は、1,210百万円(前期比2.9%減)となりました。これは主として、助成金収入があったものの、営業利益が減少したこと等によるものです。
(当期純利益)
当期純利益は、859百万円(前期比0.9%増)となりました。これは主として、経常利益が減少したものの、本社移転関連費用等の特別損失が減少したこと等によるものです。
3)キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前事業年度末に比べて147百万円増加し、2,365百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は1,436百万円(前期比555百万円増)となりました。これは主として、法人税等を288百万円支払い、売上債権が132百万円増加したものの、税引前当期純利益を1,191百万円、減価償却費を253百万円それぞれ計上したこと、たな卸資産が326百万円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は160百万円(前期比48百万円減)となりました。これは主として、有形固定資産の取得により、162百万円支出したこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は1,128百万円(前期比305百万円増)となりました。これは主として、長期借入れによる収入を600百万円計上したものの、配当金を546百万円支払い、長期借入金を873百万円、短期借入金を300百万円それぞれ返済したこと等によるものです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営に影響を与える大きな要因として、医療費抑制政策をはじめとする国による社会保障政策への動向があります。医療費の抑制により各医療機関の経営環境はより一層厳しさが増してきており、国内外メーカーとの競争激化等当社の経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。
当社の主力製品の状況は次のとおりです。
(吸引器関連)
主に手術室で使用される吸引器であるフィットフィックスについては、1990年の発売から約30年経過しておりますが、手術件数の伸びとともに、販売数量の伸びが継続しております。しかしながら、医療費抑制政策による医療機関の経営環境変化から競合他社との競争が激化しており、販売単価の下落が顕著になっております。
当社は、吸引器の国内トップシェアメーカーとして現状の市場環境の変化に対応するべく医療現場のニーズに合致した独創的なアイデアによる次世代吸引器の開発により、市場シェアのさらなる拡大とトップメーカーとしての地位を盤石なものにしてまいります。
次に、病棟で使用されるキューインポットについては、院内感染防止と看護師の業務負荷軽減を目的として急速に普及が進んでおります。当社は手術室で培ったノウハウをもとに300床以上の急性期の大手病院への納入から始まり、現在では300床以下の中小病院、さらには慢性期の病院への展開にも注力しております。特に院内感染防止等の観点からニーズは非常に高く、今後も伸びが期待できる市場環境にあります。
このような状況のもと、吸引器関連の売上は5,434百万円となりました(前期比1.0%減)。引き続き、競合他社との競争は厳しく、販売単価下落の影響はあるものの、病棟で使用されるキューインポットの拡販、市場拡大に注力することで増収確保に向けた取り組みを進めております。
(注入器関連)
手術後の疼痛管理目的で使用されるディスポーザブル持続注入器であるシリンジェクター、バルーンジェクターについては、麻酔手技の変化と医療経済性の観点から医療現場のニーズに変化が見られます。医療現場のニーズ変化に対応すべく、製品ラインナップ強化に向けてマイクロポンプを使用したより精度が高く、医療従事者が管理しやすい持続注入器の新製品開発を進めております。
このような状況のもと、注入器関連の売上は1,985百万円となりました(前期比0.0%増)。引き続き、競合他社との競争は激しい中、販売単価の下落が見られるものの、販売数量増により、売上復調の兆しが見られることに加え、新製品の上市を今年度中に予定していることから、市場シェアのさらなる拡大とトップメーカーとしての地位を盤石なものにしてまいります。
上記に記載した主力製品が当社事業の大半を占めるため、その売上進展及びその収益性が当社の営業利益、経常利益、当期純利益に大きく影響することとなります。
新型コロナウイルス感染症拡大が当事業年度の経営成績に与える影響は軽微でありますが、「2 事業等のリスク (9)新型コロナウイルス感染症に関するリスク」にも記載いたしました通り、手術件数との関連性の高い当社主力製品に関しましては、医療機関の逼迫から一時的な受注減少が見られます。しかしながら、国の「非常事態宣言」に伴う経済活動の制約や移動制限により新型コロナウイルス蔓延拡大が落ち着き、医療体制が整い平常化していくことにより当該状況は解消されていくものと判断しております。
当社といたしましては、医療に従事するメーカーとして人命の安全を確保しながらも製品の安定供給を果たすための生産・供給体制の構築を経営課題と認識し、取り組んでおります。
また、「医療現場第一主義」の研究開発型メーカーとして当社の特徴でもある独創的な製品を開発し、供給することにより医療現場が抱える課題解決を図っていくことを第一に考えながら、新製品については、国内のみならず海外での販売拡大をめざし、海外販売比率を高めることで事業規模の拡大とさらなる経営基盤の強化・確立を図ってまいります。
c.資本の財源及び資金の流動性
(資金需要)
当社の事業活動における運転資金需要につきましては、製品を製造するための国内外の仕入先からの部材仕入、製造費、また、営業管理費や荷造運賃などの販売費及び一般管理費があります。また、設備資金需要につきましては、製品製造にあたっての設備の維持・金型の更新投資や新製品開発にあたっての設備や金型の新規投資があります。さらには、インフラとして生産効率や事務効率の向上を目的とした投資等があります。
(財務政策)
当社の事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借入による資金調達を行っております。基本的に、経常的な設備投資については、減価償却費の範囲内にとどめ、一定程度のキャッシュポジションを維持した上で余剰資金については有利子負債の削減に充当しております。また、過度に金利変動リスクに晒されないよう短期借入と長期借入のバランスを図りつつ、タイミングをみて長期借入へシフトするなど、資金調達コストの低減・安定にも努めております。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社は、医療機器製造と医療機器販売が事業のほとんどであるため、売上高総利益率と売上高経常利益率が本業の収益性を明確に図るための有用な指標であると考えております。当事業年度における「売上高総利益率」は、43.8%(前期比3.0ポイント悪化)であります。また、「売上高経常利益率」については、14.2%(前期比0.6ポイント悪化)であります。
主要2指標の悪化の主要因は、国策である医療費削減策の強化及び競合他社との競争激化により、当社の主力製品について販売単価下落傾向が顕著になっていることがあげられます。
当社といたしましては、医療現場のニーズを汲み取った改良品の上市により既存製品の競争力強化を図ること、新製品の上市により新たな事業の柱を創出することにより、特定製品に依存した収益構造からの脱却を図り、売上高総利益率の改善に努めるとともに、生産効率の改善や固定費削減にも取り組み収益性の改善に努めてまいります。

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