有価証券報告書-第18期(平成26年5月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/27 16:50
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1) 業績
当社は「毎日の料理を楽しみにする」ことを企業理念として、インターネット上で料理レシピの投稿・検索等が可能な「クックパッド」を中心に事業展開しています。
当連結会計年度において当社は、海外においてはレシピサービスの世界展開、国内においては「クックパッド」を「食を中心とした生活インフラ」へと進化させるべく、新規事業の拡大に引き続き注力しました。
レシピサービスの世界展開については、前連結会計年度においてクックパッドグループとなったスペイン語のレシピサービス「Mis recetas」、インドネシア語圏のレシピサービス「Dapur Masak」、及び英語のレシピサービス「allthecooks」の成長を加速させるため、日本も含めてグローバルでサービスを開発する体制を構築し、それぞれの強みを生かしたサービス開発に取り組みました。具体的には、すべてのサービス名及びロゴマークを「cookpad」とし、ブランドを統一しました。また、レシピサービスに最適化された「クックパッド」のサイトデザインを各レシピサービスにも取り入れ、レシピサービスとしてより分かりやすく、使いやすいデザインに改善しました。さらに、「クックパッド」の大量のトラフィックを処理するノウハウなど、大規模サービスを運営するためのノウハウを共有し、技術面においても開発をより加速させました。その結果、2014年12月末時点における月間利用者数はそれぞれ、スペイン語は760万人、インドネシア語圏は120万人、英語は100万人となりました。
また、当連結会計年度において、アラビア語のレシピサービス「Shahiya」を運営するNetsila S.A.L.を子会社化する株式譲渡契約を締結し、2015年1月に「Shahiya」がクックパッドグループに加わりました。その結果、日本語、英語、スペイン語、アラビア語、及びインドネシア語圏で合わせて約12億人に対してサービスを提供することが可能となりました。今後も引き続き、「クックパッド」の運営ノウハウの共有によってサービス利用者数の増加を促進し、レシピサービスの世界展開により一層注力していきます。
国内においては、「クックパッド」ののべ月間利用者数は順調に推移し、2014年12月末時点で5,042万人となりました。当サービスは日常の生活動線上で利用されているため、日常生活の多様なシーンでインターネットの利用が可能なスマートフォン等との相性が非常に良く、特にスマートフォン等からの利用者数が順調に増加し、3,414万人(タブレットからのアプリの利用者数を含む)となりました。
また、「クックパッド」の価値の源泉は多くの利用者により投稿された多様なレシピであると考えています。利用者がより楽しくレシピを投稿できるためのサービス改善を続けた結果、レシピ数も堅調に増加し、2014年12月末には累計投稿レシピ数が190万品を超えました。
さらに、「クックパッド」をレシピの投稿・検索サービスから「食を中心とした生活インフラ」へと進化させるべく、新規事業の拡大にも引き続き注力しました。「特売情報」は、近くのスーパーや食料品店の毎日の特売情報を「クックパッド」上で閲覧することができるサービスで、情報を提供している店舗数は約1万店舗に及んでいます。また、登録利用者数も順調に増加し、2014年12月末時点で330万人を突破しました。また、当連結会計年度において衣料、キッチン用品及び雑貨のオンラインショップ「アンジェ」を運営するセレクチュアー株式会社を子会社化しました。「クックパッド」利用者の方々に毎日の料理や食卓を楽しくする食材、キッチン用品、雑貨などを購入できる場を提供すべく、EC事業の展開にも注力していきます。
これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高 6,702百万円
のれん償却前営業利益 2,989百万円
営業利益 2,679百万円
経常利益 2,645百万円
当期純利益 1,523百万円
となりました。
なお、のれん償却前営業利益は、会計上の営業利益に、買収及び事業譲受により生じたのれん償却費309百万円を足し戻したものです。
当連結会計年度の業績に関する特記事項は以下のとおりです。
① 売上高は6,702百万円となりました。会員事業において、プレミアム会員数が順調に増加し、150万人を突破しました。また、広告事業においては、スマートフォン広告が大きく増加しました。
② 営業利益は2,679百万円となりました。なお、のれん償却前営業利益は2,989百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
(単位:百万円)
事業別当連結会計年度
(自 2014年5月1日
至 2014年12月31日)
インターネット・メディア事業6,163
会員事業3,367
広告事業2,485
その他310
EC事業538
合計6,702

① インターネット・メディア事業
当連結会計年度のインターネット・メディア事業の売上高は6,163百万円、営業利益は2,626百万円となりました。
(会員事業)
会員事業では、「クックパッド」の一部機能の有料提供を行っています。スマートフォン利用者数の増加に牽引されてスマートフォンからのプレミアムサービス入会者数が順調に増加し、2014年12月末時点のプレミアム会員数は150万人を超えました。その結果、会員事業の売上高は3,367百万円となりました。
当連結会計年度は、利用者数の増加によって食への関心も多様化するなか、日々の利用動向を解析し、プレミアムサービスの付加価値の向上に取り組みました。また、プレミアムサービスの入会につながる導線の改善及び携帯電話の販売店を通じたプロモーションを実施した結果、プレミアム会員数は順調に増加しました。
今後もさらなる新規サービスの追加やその認知向上によって、プレミアム会員数の拡大を目指していきます。
(広告事業)
広告事業の売上高は2,485百万円となりました。
前連結会計年度から売上に寄与し始めたスマートフォン広告が、当連結会計年度において順調に増加しました。今後も引き続きスマートフォン及びPCの両方において、広く商品の認知を獲得し、商品の販売を促進する広告商品を中核に据え、事業を成長させていきます。
② EC事業
当連結会計年度に連結子会社化したセレクチュアー株式会社は、衣料、キッチン用品及び雑貨を扱うオンラインショップ「アンジェ」を運営しています。当連結会計年度のEC事業の売上高は538百万円、営業利益は52百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末より8,498百万円増加し、13,189百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、1,166百万円となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益2,658百万円を計上した一方で、法人税等の支払額1,485百万円が生じたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,016百万円となりました。この主な要因は、関係会社株式の取得による支出180百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出249百万円、投資有価証券の取得による支出321百万円が生じたことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、8,201百万円となりました。この主な要因は、株式の発行による収入8,619百万円、配当による支払い396百万円が生じたことによるものです。