四半期報告書-第20期第1四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
なお、当社は、単一セグメント(「医薬品」)により構成されているため、セグメントごとの記載はしていません。
(1) 業績の状況
当社の属する抗癌剤開発の領域は、臨床上の治療満足度が未だ低くアンメットニーズが大きいことなどから、世界の製薬企業や当社同様のベンチャー企業(創薬ベンチャー)が、それぞれの強み・特色を活かした画期的新薬の開発を目指し、研究開発に日々しのぎを削っています。
この中で当社は、大部分の癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目している独特の創薬アプローチを活かした基礎研究および臨床開発に取り組みました。
当社の開発パイプライン中で最も先行している化合物CBP501は、上記の創薬アプローチに基づいて構築した当社独自のスクリーニング(薬剤探索)から獲得された、多様な細胞機能に関わる蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し複数の作用により抗癌活性を示す、独特の抗癌剤(カルモジュリンモジュレーター)です。米国FDAの規制下において、悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌を対象とする2つの臨床第2相試験を終了した後、新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を実施しています。
また、2つ目の候補化合物CBS9106は、同じスクリーニングから獲得された、可逆的XPO1阻害剤です。当社は、臨床試験開始に必要な前臨床試験を終え、2014年12月26日、Stemline社と、CBS9106の開発・製造・商業化にかかる全世界(日本・中国・台湾・韓国を除く)における独占的権利を供与するライセンス契約を締結いたしました。さらに同ライセンス契約は2018年8月14日付で修正契約が締結され、除外地域の削除と技術アドバイザリーフィー期間の延長が合意されました。これに伴い当社は、当第1四半期累計期間において、技術アドバイザリーフィー27,726千円および契約修正一時金5,550千円を事業収益として計上しています。
さらに当社は、これら2つの候補化合物の開発を推進すると共に、新規候補化合物の創出・開発パイプラインの拡充に向けて、当社独自の薬剤スクリーニング法による探索研究を実施しています。
以上の結果、当第1四半期累計期間の研究開発費は、前年同四半期比63,797千円増加の164,371千円となりました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期比2,192千円減少の56,250千円となりました。研究開発費と合わせた事業費用は、前年同四半期比61,604千円増加の220,621千円となりました。また、特別利益として受取補償金80,000千円を計上しました。
この結果、事業収益は前年同四半期比5,550千円増加の33,276千円、営業損失は前年同四半期比56,054千円損失増の187,345千円、経常損失は前年同四半期比56,587千円損失増の189,661千円、四半期純損失は前年同四半期比23,412千円損失減の109,973千円となりました。
(2) 事業上および財務上の対処すべき課題
当社は、CBP501に関する次の臨床試験をフェーズ2b試験と想定してきた過去の臨床開発計画を見直し、新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を開始いたしました。
この臨床開発計画見直しは、免疫系抗癌剤の登場による抗癌剤臨床開発環境の変動、当社基礎研究の結果獲得したCBP501・プラチナ系抗癌剤・免疫系抗癌剤の併用にかかるデータ、ならびに当社の財政状況を総合的に勘案し、当社が克服するべき当面の最優先課題であるCBP501戦略提携の成立へ向けた最善策であるとの判断に基づくものです。
同フェーズ1b試験の開始に関する費用は手元資金でカバーできるものの、臨床試験終了までの期間に対応する開発費ならびに通常の研究費・販売費及び一般管理費の総額の確保については流動的であり、早期の提携獲得等によるキャッシュ・フローが獲得できなかった場合には、新たな資金調達を検討する必要が生じます。
(3) 研究開発活動
当社は、大部分の癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目している当社の創薬アプローチは正常細胞に影響の少ない抗癌剤を創出し得る有力な方法であると考えており、この創薬アプローチに基づいた抗癌剤の研究開発活動を行っています。
このアプローチに基づき構築した当社独自のスクリーニング(薬剤探索)においては、一般的な分子標的スクリーニング(薬剤の標的となるべき分子をあらかじめ決め、これに対する活性に基づいてスクリーニングする)とは異なり、未知のものも含むさまざまな作用メカニズムの結果として正常細胞に影響が少なく癌細胞を殺す薬剤候補化合物がまず見出され、非臨床試験や臨床試験から得られたデータをもとに作用メカニズムの詳細解析や臨床開発計画策定へのフィードバックが行われます。
CBP501は、臨床第2相試験データの解析の結果、カルモジュリン機能調節を通じて癌免疫や癌微小環境などさまざまな領域に働きかけて抗癌活性を示していることを示唆する知見が得られており、さらに、CBP501・プラチナ系抗癌剤・免疫系抗癌剤の併用にかかる動物実験データ等の獲得にも努めました。これら新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を実施しています。
さらに、中長期的な企業価値の向上を見据え、CBP501・CBS9106に続く次世代化合物パイプラインから獲得した新規候補化合物CBP-A08についても、財務上の制約等を勘案しつつ、近い将来の前臨床試験に備えていきます。
この結果、当第1四半期累計期間における研究開発費は、164,371千円で、前年同四半期比63,797千円増加となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗癌剤の上市後において製品売上高の計上により利益を確保する計画ですが、それまでの先行投資期間においては抗癌剤の研究開発費負担等から損失を計上する予定です。なお、先行投資期間においては、主に提携製薬会社からの収入が損益改善に寄与する可能性があります。
CBP501ついては、現在アライアンス活動を積極的に進めています。その結果として新規提携パートナーが確保された場合には、契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の収入を受取る可能性があり、当面は開発の進捗状況および当該アライアンス活動の状況が当社の損益に大きな影響を与えます。
また、CBS9106については開発・製造・商業化にかかる全世界における独占的権利を供与するライセンス契約をStemline社と締結していますが、このライセンス契約が何らかの事由で終了した場合、当社の損益に大きな影響を与えます。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社は、CBP501およびCBS9106等の医薬品候補化合物の開発を進めて承認を取得し、当社が開発した抗癌剤の製品売上高計上により利益を確保する計画ですが、その実現に向けて開発資金の確保や開発体制の強化のために製薬企業との戦略提携の実現を目指しています。
CBP501の開発に関しては現在、悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌を対象とする臨床試験が第2相終了・新たな併用によるフェーズ1b試験の段階にあります。当社は引き続き、これら試験の結果をもとに、新規提携パートナーの確保を目指したアライアンス活動を積極的に展開しています。
また、前臨床試験以前の段階にあるCBP-A08、CBP-Bシリーズ、IDO/TDO阻害剤等の次世代パイプラインについても、早期アライアンス活動を行っています。
(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗癌剤の上市後に製品販売による収入を計上する計画ですが、それまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画です。
先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについては、現在進めているアライアンス活動で獲得する新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるほか、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填する方針です。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、当社が行っている事業の環境について、入手可能な情報と経験に基づいた仮定により、経営判断を行っています。医薬品市場においては、これまで医薬品市場の成長を牽引してきた日米欧三極の各国において医療費抑制策が強化されており、新興国市場の拡大や後発品の普及等、今後は医薬品市場にも変化が生じることが予想されています。こうした中で、臨床上の治療満足度に改善の余地が大きい癌領域は、新薬開発のターゲットとして有望な領域の一つとして考えられており、世界の製薬会社やバイオベンチャーが研究開発力の強化に取り組んでいます。
この癌領域においては近年、免疫チェックポイント阻害抗体の上市実現に伴い、パラダイムシフトとも言うべき市場ニーズの変化が起きています。免疫系抗癌剤との併用において重要な役割を果たす可能性のある当社の候補化合物CBP501や、これに関する基礎研究成果を蓄積してきた当社にとって、このニーズ変化は千載一遇の機会であると当社の経営陣は判断しています。
当社は、これまでに蓄積してきた研究成果を生かし、世界の癌領域の市場のニーズに合致した抗癌剤を開発することを目指します。
なお、当社は、単一セグメント(「医薬品」)により構成されているため、セグメントごとの記載はしていません。
(1) 業績の状況
当社の属する抗癌剤開発の領域は、臨床上の治療満足度が未だ低くアンメットニーズが大きいことなどから、世界の製薬企業や当社同様のベンチャー企業(創薬ベンチャー)が、それぞれの強み・特色を活かした画期的新薬の開発を目指し、研究開発に日々しのぎを削っています。
この中で当社は、大部分の癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目している独特の創薬アプローチを活かした基礎研究および臨床開発に取り組みました。
当社の開発パイプライン中で最も先行している化合物CBP501は、上記の創薬アプローチに基づいて構築した当社独自のスクリーニング(薬剤探索)から獲得された、多様な細胞機能に関わる蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し複数の作用により抗癌活性を示す、独特の抗癌剤(カルモジュリンモジュレーター)です。米国FDAの規制下において、悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌を対象とする2つの臨床第2相試験を終了した後、新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を実施しています。
また、2つ目の候補化合物CBS9106は、同じスクリーニングから獲得された、可逆的XPO1阻害剤です。当社は、臨床試験開始に必要な前臨床試験を終え、2014年12月26日、Stemline社と、CBS9106の開発・製造・商業化にかかる全世界(日本・中国・台湾・韓国を除く)における独占的権利を供与するライセンス契約を締結いたしました。さらに同ライセンス契約は2018年8月14日付で修正契約が締結され、除外地域の削除と技術アドバイザリーフィー期間の延長が合意されました。これに伴い当社は、当第1四半期累計期間において、技術アドバイザリーフィー27,726千円および契約修正一時金5,550千円を事業収益として計上しています。
さらに当社は、これら2つの候補化合物の開発を推進すると共に、新規候補化合物の創出・開発パイプラインの拡充に向けて、当社独自の薬剤スクリーニング法による探索研究を実施しています。
以上の結果、当第1四半期累計期間の研究開発費は、前年同四半期比63,797千円増加の164,371千円となりました。販売費及び一般管理費は、前年同四半期比2,192千円減少の56,250千円となりました。研究開発費と合わせた事業費用は、前年同四半期比61,604千円増加の220,621千円となりました。また、特別利益として受取補償金80,000千円を計上しました。
この結果、事業収益は前年同四半期比5,550千円増加の33,276千円、営業損失は前年同四半期比56,054千円損失増の187,345千円、経常損失は前年同四半期比56,587千円損失増の189,661千円、四半期純損失は前年同四半期比23,412千円損失減の109,973千円となりました。
(2) 事業上および財務上の対処すべき課題
当社は、CBP501に関する次の臨床試験をフェーズ2b試験と想定してきた過去の臨床開発計画を見直し、新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を開始いたしました。
この臨床開発計画見直しは、免疫系抗癌剤の登場による抗癌剤臨床開発環境の変動、当社基礎研究の結果獲得したCBP501・プラチナ系抗癌剤・免疫系抗癌剤の併用にかかるデータ、ならびに当社の財政状況を総合的に勘案し、当社が克服するべき当面の最優先課題であるCBP501戦略提携の成立へ向けた最善策であるとの判断に基づくものです。
同フェーズ1b試験の開始に関する費用は手元資金でカバーできるものの、臨床試験終了までの期間に対応する開発費ならびに通常の研究費・販売費及び一般管理費の総額の確保については流動的であり、早期の提携獲得等によるキャッシュ・フローが獲得できなかった場合には、新たな資金調達を検討する必要が生じます。
(3) 研究開発活動
当社は、大部分の癌細胞の細胞周期(細胞分裂に至る過程)が正常細胞と異なることに着目している当社の創薬アプローチは正常細胞に影響の少ない抗癌剤を創出し得る有力な方法であると考えており、この創薬アプローチに基づいた抗癌剤の研究開発活動を行っています。
このアプローチに基づき構築した当社独自のスクリーニング(薬剤探索)においては、一般的な分子標的スクリーニング(薬剤の標的となるべき分子をあらかじめ決め、これに対する活性に基づいてスクリーニングする)とは異なり、未知のものも含むさまざまな作用メカニズムの結果として正常細胞に影響が少なく癌細胞を殺す薬剤候補化合物がまず見出され、非臨床試験や臨床試験から得られたデータをもとに作用メカニズムの詳細解析や臨床開発計画策定へのフィードバックが行われます。
CBP501は、臨床第2相試験データの解析の結果、カルモジュリン機能調節を通じて癌免疫や癌微小環境などさまざまな領域に働きかけて抗癌活性を示していることを示唆する知見が得られており、さらに、CBP501・プラチナ系抗癌剤・免疫系抗癌剤の併用にかかる動物実験データ等の獲得にも努めました。これら新たに得られた知見を踏まえ、免疫チェックポイント阻害抗体との併用による臨床試験(フェーズ1b試験)を実施しています。
さらに、中長期的な企業価値の向上を見据え、CBP501・CBS9106に続く次世代化合物パイプラインから獲得した新規候補化合物CBP-A08についても、財務上の制約等を勘案しつつ、近い将来の前臨床試験に備えていきます。
この結果、当第1四半期累計期間における研究開発費は、164,371千円で、前年同四半期比63,797千円増加となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗癌剤の上市後において製品売上高の計上により利益を確保する計画ですが、それまでの先行投資期間においては抗癌剤の研究開発費負担等から損失を計上する予定です。なお、先行投資期間においては、主に提携製薬会社からの収入が損益改善に寄与する可能性があります。
CBP501ついては、現在アライアンス活動を積極的に進めています。その結果として新規提携パートナーが確保された場合には、契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の収入を受取る可能性があり、当面は開発の進捗状況および当該アライアンス活動の状況が当社の損益に大きな影響を与えます。
また、CBS9106については開発・製造・商業化にかかる全世界における独占的権利を供与するライセンス契約をStemline社と締結していますが、このライセンス契約が何らかの事由で終了した場合、当社の損益に大きな影響を与えます。
(5) 経営戦略の現状と見通し
当社は、CBP501およびCBS9106等の医薬品候補化合物の開発を進めて承認を取得し、当社が開発した抗癌剤の製品売上高計上により利益を確保する計画ですが、その実現に向けて開発資金の確保や開発体制の強化のために製薬企業との戦略提携の実現を目指しています。
CBP501の開発に関しては現在、悪性胸膜中皮腫および非小細胞肺癌を対象とする臨床試験が第2相終了・新たな併用によるフェーズ1b試験の段階にあります。当社は引き続き、これら試験の結果をもとに、新規提携パートナーの確保を目指したアライアンス活動を積極的に展開しています。
また、前臨床試験以前の段階にあるCBP-A08、CBP-Bシリーズ、IDO/TDO阻害剤等の次世代パイプラインについても、早期アライアンス活動を行っています。
(6) 資本の財源および資金の流動性についての分析
当社は、研究開発型ベンチャーであり、将来は当社開発の抗癌剤の上市後に製品販売による収入を計上する計画ですが、それまでの先行投資期間においては研究開発費の支出等から営業活動によるキャッシュ・フローはマイナスを計上する計画です。
先行投資期間における営業活動によるキャッシュ・フローのマイナスについては、現在進めているアライアンス活動で獲得する新規提携パートナーからの契約一時金やマイルストーン、受取研究開発費等の形で営業活動によるキャッシュ・フローの確保に努めるほか、必要に応じて適切な時期に資金調達等を実施し、財務活動によるキャッシュ・フローのプラスにより補填する方針です。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について
当社の経営陣は、当社が行っている事業の環境について、入手可能な情報と経験に基づいた仮定により、経営判断を行っています。医薬品市場においては、これまで医薬品市場の成長を牽引してきた日米欧三極の各国において医療費抑制策が強化されており、新興国市場の拡大や後発品の普及等、今後は医薬品市場にも変化が生じることが予想されています。こうした中で、臨床上の治療満足度に改善の余地が大きい癌領域は、新薬開発のターゲットとして有望な領域の一つとして考えられており、世界の製薬会社やバイオベンチャーが研究開発力の強化に取り組んでいます。
この癌領域においては近年、免疫チェックポイント阻害抗体の上市実現に伴い、パラダイムシフトとも言うべき市場ニーズの変化が起きています。免疫系抗癌剤との併用において重要な役割を果たす可能性のある当社の候補化合物CBP501や、これに関する基礎研究成果を蓄積してきた当社にとって、このニーズ変化は千載一遇の機会であると当社の経営陣は判断しています。
当社は、これまでに蓄積してきた研究成果を生かし、世界の癌領域の市場のニーズに合致した抗癌剤を開発することを目指します。