有価証券報告書-第79期(令和1年5月1日-令和2年4月30日)

【提出】
2020/07/28 16:00
【資料】
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【項目】
148項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、防護服・環境資機材事業、たたみ資材事業、アパレル資材事業の3本の柱をもって事業展開しております。特に事業の中心となる防護服・環境資機材事業においては、個人防護と環境保全のトータルソリューションサプライヤーとしての取組みを行い、社会貢献してまいります。
また、常に顧客、株主、社員の満足度の向上の実現を目指し、一層の企業体質の強化を図り、10年後の企業の姿を想定した経営目標を立案しその実現に取組んでまいります。
そのために、グループ間でリソースを共有し、効率のよい事業運営を行うとともに、変化する市場環境にスピード感を持って挑戦し、新しいビジネスチャンスを引き寄せてまいります。また、次代につなげる新規事業に投資してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、資産効率の向上及び株主資本の有効利用が全てのステークホルダーの利益に合致するものと考え、「総資産経常利益率(ROA)」及び「株主資本利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
戦略分野である防護服・環境資機材を主軸とした安全・防護事業は当社グループの成長ドライバーとして位置づけております。同事業においては、従来の製品・商品群に加え、難燃・耐熱・高視認性防護服、暑熱対応製品等の機能を備えた製品・商品群を開発し、防護服が利用される産業分野ニーズに応えることで社会的責任を果たしてまいります。
これに対応するため、本社には防護服関係の試験・試作設備を備えております。また、2016年4月からアゼアスデザインセンター秋田(秋田県大仙市)が稼働し、マザー工場としての生産技術の改善と防護服関連製品の研究開発、試作品製造等の機能強化を進めております。今後はこれらの機能を活用し、積極的な開発活動を推進してまいります。
他社との提携強化については、機器メーカー各社と協業して外壁アスベスト除去工事方法を開発しており、今後も国内外の他社とのコラボレーションや提携を進め、安全・防護分野で独自色の強い持続的に成長できる企業をめざしてまいります。
成熟分野であるたたみ資材事業はフォームやボードなど独自の資材の強みを生かし、営業・業務の生産性を高めることで厳しい環境下でも安定的に利益確保ができる体制を構築し、売上、利益の維持向上を目指します。
アパレル資材事業は、得意とするワーキング・ユニフォームやサービス・ユニフォーム分野に国内営業資源を集中すると同時に、中国・ベトナムを基点として欧米系、韓国系及び中国内販向けビジネスを拡大することで成長の勢いと利益性を取り戻してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
当社グループでは以下の事項を対処すべき課題として取組みを進めております。
① 防護服市場開拓と国内外サプライチェーン網の再構築防護服市場の開発
日本における防護服の普及率は欧米に比べ低く、今後更なる事業開発の余地があります。このため、研究開発機能を強化し、発がん性のある化学物質対策や医療機関の感染症対策向け防護服、難燃・アークフラッシュ、高視認性防護服等の開発を進め、より安全な作業現場の実現に取り組んでおります。秋田県大仙市のアゼアスデザインセンター秋田において、生産技術等の蓄積を行い、企画開発力の強化に努めております。また、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中国等海外の防護服のサプライチェーン網が寸断され、需要に対し十分な供給が一時的にできない事態となりました。今後、国内外の原材料、製品の調達網を再構築し、不測の事態が発生した場合でも十分な製品供給ができる体制をめざしてまいります。
② 新事業開発新たな事業の柱
今後企業として尚一層の発展を遂げていくには、防護服・環境資機材事業に次ぐ新たな成長事業が不可欠と考えております。その一環として、マスク等パーソナルヘルスケア分野の製品販売等を拡大し、従来の「安全・防護」のドメインに加え、「健康・快適」といったドメインも含め、ビジネスチャンスの拡大に努めております。
③ グローバル化への対応
現状海外向けの売上高は、アパレル資材事業を中心に連結売上高の10%程度の水準にあります。アパレル市場が構造的に大きく変化する中で、日系アパレルのみならず、欧米系や中国内販向けの販売を強化すると同時にベトナム拠点を活用した営業展開をしております。防護服・環境資機材事業においては、防護服の海外生産拠点の分散化、新規取引先の拡大等に取り組んでまいります。
④ 人材の育成と確保
当社グループが今後も継続的発展を遂げていくために、人材の確保と育成を重要課題として位置付けております。第80期(2021年4月期)より新人事制度を導入し優秀な人材の確保と次世代リーダーの育成、若手社員の早期戦力化を図ってまいります。また、働き方については、在宅勤務の整備、女性活躍支援、中堅社員の活性化、高齢者雇用等に取り組み、人材活性化を進めてまいります。
⑤ 内部統制の強化と業務の効率化
中国の子会社を含め、連結ベースでの内部統制強化に引き続き取り組んでおります。業務の効率化については、防護服・環境資機材事業において、WEB-EDI等の受注システムの効率的な運用に取り組み中です。さらに、タブレット端末などICT活用を進め、顧客サービスの向上と営業の機動力の強化を進めております。また、事業継続プランの一環として、テレワークへの対応にも取り組んでまいります。