有価証券報告書-第9期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2018年4月~2019年3月)の日本経済は拡大基調を維持しながらも、国内での自然災害や米中貿易摩擦の影響なども見られました。
このような状況の中、当連結会計年度の売上高は149,229百万円、前年同期比1.4%増収、営業利益は5,947百万円、前年同期比20.0%減益となりました。また、経常利益は5,619百万円、前年同期比29.8%減益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は3,234百万円、前年同期比46.6%減益となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
放送収入のうちタイム収入は、年度を通じてネット部門のレギュラーセールスが順調に推移しました。特番部門においても、55周年特別企画「二つの祖国」などの大型特番や、「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会関連の放送収入があったことにより、タイムトータルで50,304百万円、前年同期比1.9%の増収となりました。スポット収入は、各種販促企画を活用して前年以上のシェアアップを目指したものの、商品量不足により30,274百万円、前年同期比3.4%の減収、タイム・スポット合計では、80,579百万円、前年同期比0.2%の減収となりました。
番組販売収入は、番組販売先の編成事情によるレギュラー番販枠減の影響がありましたが、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」「土曜スペシャル」が順調に推移し、4,712百万円、前年同期比4.6%増収となりました。ソフトライツ収入では、「青春高校3年C組」「TVチャンピオン極~KIWAMI~」等のバラエティや「恋のツキ」「スモーキング」「天 天和通りの快男児」「さすらい温泉 遠藤憲一」等のドラマ作品の配信収入が貢献しました。また、「孤独のグルメ」シリーズ等の追加印税も好調でした。海外番販部門は、中国での配信事業等が好調で、前年利益を上回りました。映画事業は「BLEACH」の興行が伸び悩んだものの、「銀魂」「アウトレイジ最終章」等の興行が好調でした。アニメ事業では、中国をはじめとした海外で「NARUTO」の配信、ゲームが引き続き堅調に推移したうえ、新たに「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばしました。国内の商品化、ビデオグラムの取り扱いが減少したものの、ソフトライツ収入全体では、26,999百万円、前年同期比5.6%増収となりました。
イベント収入は、フィギュアスケート「JapanOpen 2018」「CarnivalonIce 2018」、「ゴッドタンマジ歌LIVE」、「オペラ座の怪人ケン・ヒル版」が好調で、イベント収入全体では1,266百万円、前年同期比26.9%増収となりました。
一方、営業費用全体では、110,085百万円、前年同期比2.8%増加となりました。4K関連や配信関連で、将来の収益化を見込んだ先行投資的な費用が増加しました。番組制作費では、今年度新たにスタートさせた配信連動型のバラエティ番組や、経済ドラマ等に戦略的に制作費を投下しました。また、「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会等の放映権料も制作費増加の要因となりました。
以上の結果、地上波放送事業の売上高は116,433百万円、前年同期比1.6%増収、営業利益は6,348百万円、前年同期比15.7%減益となりました。
(放送周辺事業)
通信販売関連は、オリジナルのゴルフ商材を中心にテレビ・EC通販事業が大きく売上を伸ばしたほか、広告関連事業も年間を通して好調に推移しました。また、4月に㈱テレビ東京コミュニケーションズから業務移管した「虎ノ門市場」と旅事業についても、想定を超える売上を確保したことから、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は13,841百万円、前年同期比46.4%増収となり、過去最高売上を記録しました。
CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」が9月末からHD放送を開始、加入促進策を講じた効果もあって、放送売上は想定よりも小幅な減少にとどまりました。しかし、作品期ずれの影響で広告関連売上が減少したほか、ライツ売上もヒット作に恵まれなかったことから、放送外売上が苦戦しました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は5,190百万円、前年同期比14.1%減収となりました。
音楽出版関連は、アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」主題歌のカラオケ二次利用や、「安室奈美恵」のベストアルバムのヒットにより、代表権を持つ楽曲の印税収入が3月に好転しましたが、第3四半期までの伸び悩みをカバーするには至らず、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は2,932百万円、前年同期比5.3%減収となりました。
以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は40,918百万円、前年同期比10.2%増収、営業利益は2,457百万円、前年同期比12.8%増益となりました。
(BS放送事業)
放送収入のうちタイム収入では、特別番組セールスで「鈴鹿10時間耐久レース中継」「卓球Tリーグ中継」などの新規の大型案件の開発に成功し、また「小谷真生子経済ルポスペシャル トヨタ100年の死闘」といった経済番組や4Kドラマ「琥珀の夢 特別版」などが好調で前年実績を上回りました。一方、レギュラーセールスが一社提供番組の終了などにより前年実績を下回ったことで、タイム全体で前年実績を下回りました。スポット収入も通販スポンサーの出稿が減ってきたことに伴い、前年実績を下回りました。
その他収入部門では、BSオリジナル4Kドラマへの製作出資を通年で展開しました。一般番組やアニメ事業への出資とともに、配信・海外販売などのソフトライツ事業を核としながら、通信販売事業やイベント事業にて売上を伸ばしました。
一方、営業費用全体では、15,160百万円、前年同期比0.3%増加となりました。
以上の結果、BS放送事業の売上高は16,326百万円、前年同期比1.5%増収、営業利益は1,166百万円、前年同期比19.2%増益となりました。
(コミュニケーション事業)※
コミュニケーション事業では、キャラクター関連事業が好調に推移し、特に海外ライセンス、EC売上を大きく伸ばしました。また、eスポーツ、バーチャルYouTuber(Vtuber)、地方創生事業など新規事業構築に積極的に取組みました。一方、2018年4月1日付けで「虎ノ門市場」と「厳選いい宿」を㈱テレビ東京ダイレクトに事業移管したことで、売上が大きく減少しました。
以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は4,525百万円、前年同期比33.1%減収、営業利益は320百万円、前年同期比17.4%減益となりました。
※「コミュニケーション事業」は、従来「インターネット・モバイル事業」として表示しておりましたが、当連結会計年度よりセグメント名称を変更しております。これは、これまで以上にITコミュニケーションツールを活用する場面が拡大してきており、テレビ東京グループの幅広いニーズに対応することが必要になったこと等、より適切なセグメント名称とするためであります。
(資産)
流動資産は71,481百万円、前連結会計年度に比して4,441百万円の増となっております。これは主に、現金及び預金が3,108百万円、未収還付法人税等が586百万円の増となったことによるものです。
固定資産は56,989百万円、前連結会計年度に比して1,146百万円の増となっております。これは主に、機械装置及び運搬具が1,400百万円の増となったことによるものです。
(負債)
流動負債は36,505百万円、前連結会計年度に比して3,629百万円の増となっております。これは主に、その他が3,911百万円の増となったことによるものです。
固定負債は6,239百万円、前連結会計年度に比して160百万円の増となっております。これは主に、退職給付に係る負債が182百万円の増となったことによるものです。
(純資産)
純資産は85,725百万円、前連結会計年度に比して1,796百万円の増となっております。これは主に、利益剰余金が1,756百万円の増となったことによるものです。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、4,108百万円増加、前年同期比17.8%増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は27,229百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は8,946百万円、前年同期比7.4%減少となりました。
これは主に、売上債権の増減額及び前受金の増減額がそれぞれ2,519百万円、1,429百万円の収入増加となったものの、税金等調整前当期純利益が3,413百万円減少、その他が2,213百万円の支出増加となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3,195百万円、前年同期比15.8%減少となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が1,207百万円の減少となったものの、定期預金の預入による支出及び有形固定資産の取得による支出が、それぞれ1,390百万円、830百万円の減少となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,638百万円、前年同期比14.8%増加となりました。
これは主に、配当金の支払額が283百万円の増加となったこと等によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績及び受注実績
当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。
(b) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 地上波放送事業 | ||
| 地上波放送 | 80,579 | △0.2 |
| (タイム) | (50,304) | 1.9 |
| (スポット) | (30,274) | △3.4 |
| 国内番組販売 | 4,712 | 4.6 |
| BS放送関連等 | 2,127 | △3.3 |
| ソフトライツ | 26,999 | 5.6 |
| イベント | 1,266 | 26.9 |
| その他 | 748 | 20.6 |
| 小計 | 116,433 | 1.6 |
| 放送周辺事業 | 40,918 | 10.2 |
| BS放送事業 | 16,326 | 1.5 |
| コミュニケーション事業 | 4,525 | △33.1 |
| 売上高合計 | 178,203 | 2.1 |
| 調整額 | △28,974 | 5.4 |
| 合計 | 149,229 | 1.4 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 49,204 | 33.4 | 46,870 | 31.4 |
| ㈱博報堂DYメディアパートナーズ | 18,816 | 12.8 | 18,396 | 12.3 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)制作勘定
制作勘定のうち番組制作勘定について、放映権が2回以上ある場合の会計処理は、1回目の放映時及び2回目の放映時に分けて原価を全額費用化します。ただし、権利期間が2年以内のものについては、2回目の放映前に権利期間が完了した場合、その時点で全額費用化します。また、権利期間が2年超のものについては、2回目の放映前に契約時から2年を経過した場合、その時点で次回放映の計画を明確に示すなどその資産性を明確にできる場合を除き、原則として全額費用化することとしています。
(b)投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式投資を行っております。これらの株式には株価の存在する公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。
将来の市況悪化や投資先の業績悪化により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
(c)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に税金費用を減少し、利益を増加させることになります。
(d)退職給付費用
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び年金資産の期待運用収益率などが含まれます。これらの基礎率が変化した場合、退職給付費用の追加が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「当社グループの当連結会計年度の経営成績等」
今期の業績は、前年同期比増収減益ではありましたが、売上高においては過去最高を更新しました。
売上においては、テレビ東京の放送事業、ライツ事業が共に好調だったこと、また他のセグメントに於いても概ね前年を超える結果となったことが好結果の要因です。
一方、費用面では、中期経営計画の「地上・BS・配信一体運用」を実現するための次世代コンテンツへの投資や動画配信・データマーケティング・4K等新技術分野への投資により、成長のための営業費用が増加しました。
こうした将来の売上、利益につなげるための費用増の影響で、営業利益が過去最高益だった前年と比べるとマイナス20%となりましたが、営業利益の額としてはこれまでで5番目となる結果を残しました。
「当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因」
当社グループでは中期経営計画として「地上波・BS・配信の一体運用」を進めております。これは、番組コンテンツの各流通経路の視聴者、利用者のために最適な訴求形態を選んでコンテンツを送り届けるものであります。
地上波放送では、放送事業の利益水準を現状レベルで維持していくため、視聴率でGH7%・全日3%以上の定着を目指します。他局にはない多数の番組を編成、メディア価値の向上を目指します。また、BS放送では、2018年12月にBS波で実用放送を開始するBS4Kがスタートしました。2020年東京オリンピックに向け4Kテレビの全国的な普及が期待される中、4K放送を盛り上げていきます。
配信事業においては、今後も配信ビジネス拡大のため、配信向けコンテンツ用の放送枠を増やしていきます。配信プラットフォームの関連会社㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパンへのコンテンツ供給数を拡大し、自社配信で得た様々な角度から検証できるデジタル視聴データを活用し今後のコンテンツ展開に生かしていく考えです。
2019年度からは、イベント事業にも力を入れていきます。イベントでは、テレビ東京において新組織「ビジネス開発局」を立ち上げ、これまでのフィギアスケートやミュージカル以外にも、eスポーツやVtuberといった新たなイベントにチャレンジします。
4K放送を実施するに当たっては、現行設備の4K対応改修費、もしくは全面的な4K対応更新の設備投資による減価償却費、4K番組を制作することによるコストが増加しております。また、配信事業につきましても設備投資とコンテンツ制作費が増加します。新たなイベント事業などにおいても新しい費用が発生します。こうした費用増は、将来的な収益獲得のための費用ですが、その投資効果、利益率を充分に意識し、コストコントロールを徹底しながら進めてまいります。
また、アニメ事業では、引き続き海外マーケットで選好されそうなタイトルをラインナップし売上に繋げていく方針です。中国における商品化展開強化の一環として、現地法人を設立しました。アニメ関連商品のライセンス・開発・販売を手掛け、オンライン、オフラインで事業を拡大していきます。
配信事業でも、海外向けサービスはアジアを中心に拡充を目指します。特に中国市場は、日本コンテンツの需要も強く規模も巨大なため引き続き重視していきます。
通販事業においても本年度より海外展開を加速させ、拡大する海外観光客のインバウンド需要の取り込みを狙っていきます。通販事業のノウハウとテレビ東京グループの映像コンテンツを活かして、中国市場の取り込みを狙います。
このように、アニメやコンテンツ、また通販事業のマーケット拡大においては、中国市場が引続き重要な市場であると考えています。中国ビジネスにおいては政治的リスクや商慣習の違いなどを充分に考慮しつつ、慎重に市場を拡大していく方針です。
今後、次世代通信規格5Gという高速・大容量の通信技術は、あらゆるヒトとモノがネットに繋がり、映像の世界でも革新的な展開が予想されます。その動向に対応した多様で柔軟なビジョンを持つことが必要であることは認識しております。また、政府が推し進める「規制改革推進会議」における論点の放送と通信の融合、ハードとソフトの分離、放送電波利用料など放送行政と絡んだ動きにも絶え間なく注視していく必要があります。
「当社グループの資本の財源及び資金の流動性」
当社グループの設備投資の主なものは、BS4K対応設備、送信所関連設備更新、配信関連設備更新、社内システムソフトウェア改修開発、DMP構築関連などであります。そのほか放送、配信前のコンテンツ制作費や大型スポーツ番組の中継権利金など先行投資的支出があります。
現状それらの支払いには営業活動によるキャッシュフローの増加分で対応しており、当該キャッシュフローで不足する場合は、金融機関による当座借越設定枠で柔軟に対応しております。
当連結会計年度末のグループ資金残高は約294億円ですが、月額総支払額100億円の2.9か月分になりますので、手元流動性は十分確保されているという認識であります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
「地上波放送事業」
地上波放送事業である㈱テレビ東京の経営成績は、前年同期比増収減益となりました。
放送収入のうちタイム収入は、年度を通じてネット部門のレギュラーセールスが順調に推移しました。特番部門においても、55周年特別企画特番や大型スポーツ特番の放送収入があったことにより増収となりました。スポット収入は、各種販促企画を活用して前年以上のシェアアップを目指したものの、商品量不足により減収、タイム・スポット合計でも前年同期比で僅かながら減収となりました。
番組販売収入は、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「緊急SOS!池の水ぜんぶ抜く大作戦」「土曜スペシャル」が順調に推移し増収となりました。
ソフトライツ収入では、「青春高校3年C組」「TVチャンピオン極~KIWAMI~」等のバラエティや「恋のツキ」「スモーキング」「天 天和通りの快男児」等のドラマ作品の配信収入が貢献しました。また、「孤独のグルメ」シリーズ等の追加印税も好調でした。海外番販部門は、中国での配信事業等が好調で、前年売上を上回りました。映画事業は、「銀魂」「アウトレイジ最終章」等の興行が好調でした。アニメ事業では、中国をはじめとした海外で「NARUTO」の配信、ゲームが引き続き堅調に推移したうえ、新たに「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばし増収となりました。
イベント収入は、フィギュアスケート「JapanOpen 2018」「CarnivalonIce 2018」、「オペラ座の怪人ケン・ヒル版」等が好調で、前年同期比増収となりました。
一方、営業費用も前年同期比で増加しました。4K関連や配信関連で、将来の収益化を見込んだ先行投資的な費用が増加しました。番組制作費では、今年度新たにスタートさせた配信連動型のバラエティ番組や、経済ドラマ等に戦略的に制作費を投下しました。
「放送周辺事業」
音楽著作権管理、番組販売、地上・BS放送業務、通信販売、CSアニメなど各事業を担当する連結子会社12社によって構成される放送周辺事業の経営成績は、前年同期比増収増益となりました。主な子会社の業績は以下の通りであります。
㈱テレビ東京ダイレクトでは、オリジナルのゴルフ商材を中心にテレビ・EC通販事業が大きく売上を伸ばしたほか、広告関連事業も年間を通して好調に推移しました。また、4月に㈱テレビ東京コミュニケーションズから業務移管した「虎ノ門市場」と旅事業についても、想定を超える売上を確保したことから、過去最高の売上高を記録するとともに、増収増益となりました。また、㈱テレビ東京アートも、テレビ東京からのレギュラー番組関連の受注増により増収増益となっています。
アニメ専門チャンネルである㈱エー・ティー・エックスが、9月末からHD放送を開始、加入促進策を講じた効果もありましたが、作品期ずれの影響で広告関連売上が減少するなど、放送外売上が苦戦し減収減益となりました。
「BS放送事業」
BS放送事業の業績は、前年同期比増収増益となりました。
放送収入のうちタイム収入では、特別番組セールスで「鈴鹿10時間耐久レース中継」「卓球Tリーグ中継」などの新規の大型案件の開発に成功、また4Kドラマ「琥珀の夢 特別版」などが好調で前年実績を上回りました。
その他収入部門では、BSオリジナル4Kドラマへの製作出資を通年で展開。一般番組やアニメ事業への出資とともに、配信・海外販売などのソフトライツ事業を核としながら、通販事業やイベント事業にて売上を伸ばしました。
「コミュニケーション事業」
コミュニケーション事業の業績は、前年同期比減収減益となりました。
キャラクター関連事業が好調に推移し、特に海外ライセンス、EC売上を大きく伸ばしました。また、eスポーツ、バーチャルYouTuber、地方創生事業など新規事業構築に積極的に取組みました。一方、2018年4月1日付けで「虎ノ門市場」と「厳選いい宿」を㈱テレビ東京ダイレクトに事業移管したことで、売上が大きく減少しました。