訂正有価証券報告書-第10期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)における日本経済は、雇用と所得環境は底堅さを維持しつつも10月の消費税率引き上げに伴う企業マインドの悪化が見られる事態になりました。当社もクライアントが広告出稿に慎重になっていることや、インターネットとの競争激化の影響を受けているほか、年明け以降は新型コロナウイルス感染症の広がりにより、収益環境が一段と厳しくなってきております。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は前年同期比2.7%減の145,173百万円となりました。これはテレビ東京の放送収入が前年に比べて減少したことが主な要因です。また、連結営業利益は前年同期比13.8%減の5,128百万円となりました。アニメを中心とするテレビ東京のライツ事業は好調に推移したものの、放送収入の減少を補うことができず、減益となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
放送収入のうちタイム収入は、前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会等の反動減や新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う各種イベントの中止が響き、前年同期比5.1%減の47,749百万円となりました。スポット収入は、市況の悪化や商品量不足もあり、前年同期比12.1%減の26,613万円となりました。この結果、タイム・スポット合計では、前年同期比7.7%減の74,363百万円となりました。また、番組販売収入は災害などで各局での番販番組の休止が多発したことなどにより、前年同期比0.8%減の4,675百万円となりました。
ソフトライツ収入は、配信収入の伸び悩みがあったものの、アニメの海外売上が順調に推移し、前年同期比2.7%増の27,720百万円となりました。
イベント収入は、フィギュアスケートのイベントやバラエティ番組関連のイベントが好調で、前年同期比15.2%増の1,459百万円となりました。
一方、営業費用は、番組制作費や代理店手数料の減少、経費節減の徹底などにより、前年同期比3.3%減の106,398百万円となりました。
以上より、地上波放送事業の売上高は前年同期比4.3%減の111,394百万円、営業利益は前年同期比21.3%減の4,995百万円となりました。
(放送周辺事業)
通信販売関連は、テレビ・EC通販やお取り寄せグルメサイトが順調に推移し、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比7.2%増の14,837百万円となりました。
CS放送関連は、加入者減少幅を想定の範囲内にとどめたほか、広告関連売上やライツ売上が堅調で、㈱エー・ティー・エックスの売上高は前年同期比15.0%増の5,970百万円となりました。
音楽出版関連は、印税収入が順調に推移し、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は前年同期比10.0%増の3,225百万円となりました。
以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は前年同期比2.6%増の41,995百万円、営業利益は前年同期比2.4%増の2,517百万円となりました。
(BS放送事業)
放送収入のうち、タイム収入は、ミニ枠セールスや特別番組セールスが好調で前年実績を上回りました。一方、スポット収入は、通販スポンサーの出稿が大きく減ったことなどにより前年実績を下回りました。タイム・スポット合計では前年実績を下回る結果となりました。
その他収入は、ソフトライツ事業の積極展開などで、売上高は前年を大きく上回りました。
一方、営業費用は、前年同期比0.4%減の15,098百万円となりました。
以上の結果、BS放送事業の売上高は前年同期比0.4%増の16,388百万円、営業利益は前年同期比10.6%増の1,289百万円となりました。
(コミュニケーション事業)
コミュニケーション事業は、動画広告が売上を伸ばしました。費用面では採用を行い人件費が増加しました。
以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は前年同期比6.3%増の4,809百万円、営業利益は前年同期比5.3%減の304百万円となりました。
② 財政状態の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | |
| 2019年3月31日 | 2020年3月31日 | ||
| 資産合計 | 128,470 | 124,831 | △3,638 |
| 負債合計 | 42,745 | 39,633 | △3,111 |
| 純資産 | 85,725 | 85,197 | △527 |
(資産)
流動資産は72,637百万円、前連結会計年度に比して1,155百万円の増となっております。これは主に、現金及び預金が2,931百万円の増となったことによるものです。
固定資産は52,194百万円、前連結会計年度に比して4,794百万円の減となっております。これは主に、投資有価証券が3,241百万円の減となったことによるものです。
(負債)
流動負債は34,378百万円、前連結会計年度に比して2,127百万円の減となっております。これは主に、その他が2,699百万円の減となったことによるものです。
固定負債は5,255百万円、前連結会計年度に比して984百万円の減となっております。これは主に、繰延税金負債が830百万円の減となったことによるものです。
(純資産)
純資産は85,197百万円、前連結会計年度に比して527百万円の減となっております。これは主に、利益剰余金が1,459百万円の増となったものの、その他有価証券評価差額金が2,215百万円の減となったことによるものです。
詳細につきましては「第5 経理の状況 1(1)連結財務諸表 ③連結株主資本等変動計算書」をご参照ください。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、3,430百万円増加、前年同期比12.6%増加となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は30,660百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 8,946 | 8,801 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,195 | △4,027 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,638 | △1,339 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 4,108 | 3,430 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 27,229 | 30,660 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は8,801百万円、前年同期比1.6%減少となりました。 これは主に、売上債権の増減額が2,840百万円の収入増加となったものの、たな卸資産の増減額及び前受金の増減額がそれぞれ1,145百万円、2,824百万円の支出増加となるとともに、法人税等の支払額が612百万円の支出減少となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は4,027百万円、前年同期比26.0%増加となりました。 これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,455百万円の増加となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,339百万円、前年同期比18.2%減少となりました。 これは主に、配当金の支払額が282百万円の減少となったこと等によるものです。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |
| 自己資本比率(%) | 64.6 | 66.0 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 51.2 | 54.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) | 61.2 | 61.9 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 299.6 | 317.5 |
(注1)自己資本比率 : 自己資本 ÷ 総資産
時価ベースの自己資本比率 : 株式時価総額 ÷ 総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 : 有利子負債 ÷ キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ : 営業キャッシュ・フロー ÷ 利払い
(注2)各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
(注3)株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出して
おります。
(注4)キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フ
ローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち
利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結
キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
④ 生産、受注及び販売の実績
(a) 生産実績及び受注実績
当社グループの取引形態は一般的な製造業等における「生産」や「受注」といった概念が存在しないため記載しておりません。
(b) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 地上波放送事業 | ||
| 地上波放送 | 74,363 | △7.7 |
| (タイム) | (47,749) | △5.1 |
| (スポット) | (26,613) | △12.1 |
| 国内番組販売 | 4,675 | △0.8 |
| BS放送関連等 | 2,197 | 3.3 |
| ソフトライツ | 27,720 | 2.7 |
| イベント | 1,459 | 15.2 |
| その他 | 976 | 30.6 |
| 小計 | 111,394 | △4.3 |
| 放送周辺事業 | 41,995 | 2.6 |
| BS放送事業 | 16,388 | 0.4 |
| コミュニケーション事業 | 4,809 | 6.3 |
| 売上高合計 | 174,587 | △2.0 |
| 調整額 | △29,414 | 1.5 |
| 合計 | 145,173 | △2.7 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱電通 | 46,870 | 31.4 | 44,466 | 30.6 |
| ㈱博報堂DYメディアパートナーズ | 18,396 | 12.3 | 16,157 | 11.1 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |||
| 売上高 | 149,229 | 145,173 | △4,055 | △2.7 |
| 営業利益 | 5,947 | 5,128 | △818 | △13.8 |
| 経常利益 | 5,619 | 5,161 | △458 | △8.2 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 3,234 | 2,590 | △643 | △19.9 |
| 売上高営業利益率 | 4.0% | 3.5% | △0.5% | ― |
当社グループの連結売上高は145,173百万円、前年同期比2.7%の減収となりました。アニメが海外を中心に好調を維持して過去最高を記録、前年同期比6.1%増の増収となったものの、タイム・スポット収入は市況低迷の影響を受けるなど前年同期比マイナス7.7%となりました。営業費用は140,045百万円、前年同期比でマイナス2.3%となりました。番組制作費などで経費コントロールを推し進めましたが、減価償却費など4K放送に関わる費用や、配信向けコンテンツを強化するための制作費が増加しました。この結果、連結の営業利益は、地上波の放送収入のマイナス分を、最高益を記録したアニメ事業の利益と制作費など費用のコントロールでカバーしましたが、5,128百万円、前年同期比13.8%減益となりました。また、経常利益は5,161百万円、前年同期比8.2%減益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,590百万円、前年同期比19.9%減益となりました。
厳しい広告市況の下で、コストコントロールを強化し、放送収益の落ち込みを最小限に抑えながら、アニメ・コンテンツ事業やイベント・通販事業の拡充による放送外、放送周辺の事業への展開を強化、グループ全体の力を結集した成長を目指します。特にアニメ事業は中国現地での制作開始などでもう一段の飛躍を見込みます。また、すでに参画を決めている池袋のライブエンターテインメント事業の「 Mixalive TOKYO」でも、ライブとネット配信を融合したビジネス展開などを進めて行きます。
当社は春先より感染拡大防止の観点から BCP(事業継続計画)体制を取ってきましたが 、この間に明らかになった番組作りや働き方の問題点を克服し、「With Corona」の新しい日常に対応していきます。 番組制作や営業のあり方、在宅勤務を活用した働き方改革などを進め、企業体質を強化し、生産性向上につながる収益構造改革を進めていくことにより、将来的には売上高営業利益率5%の達成につなげていきたいと考えております。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は以下のとおりです。
(地上波放送事業)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |||
| 連結売上高 | 116,433 | 111,394 | △5,039 | △4.3 |
| 連結営業利益 | 6,348 | 4,995 | △1,352 | △21.3 |
放送収入のうちタイム収入は、ネット・ローカル部門ともにPTセールスが順調に推移したものの、10月改編セールスでのベースダウンの影響を受けました。特番部門においては、前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会等の反動に加え、「世界卓球2020韓国」の延期をはじめとした、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う各種イベントの中止が響き、タイムトータルで47,749百万円、前年同期比5.1%の減収となりました。スポット収入は、広告費のデジタルシフトやインバウンドの終了、消費税増税などにより市況が悪化。さらに商品量不足もあり26,613百万円、前年同期比12.1%の減収となりました。タイム・スポット合計では、74,363百万円、前年同期比7.7%の減収となりました。
番組販売収入は、「ラグビーワールドカップ」や「台風19号」などで各局での番販番組の休止が多発したほか、各局の編成事情によるレギュラー番販枠減が響き、4,675百万円、前年同期比0.8%減となりました。番組別では、「昼めし旅~あなたのご飯見せてください~」「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」が引き続き好調だったものの、「二代目 和風総本家」「モヤモヤさまぁ~ず2」「たけしのニッポンのミカタ!」などの売上が振るいませんでした。
ソフトライツ収入では、番組は、ドラマ「きのう何食べた?」や「孤独のグルメ」シリーズ、その他配信会社との連動ドラマが堅調に推移した一方、中国向け番販の減少やビデオグラム市場の縮小、新規案件が伸び悩みました。映画では、前年度公開の「日日是好日」が堅調でしたが、「泣くな赤鬼」などが目標を下回りました。アニメ事業は、国内の商品化やビデオグラムの取り扱いが減少したものの、中国をはじめとした海外で「NARUTO」の配信、ゲームが引き続き堅調に推移したうえ、新たに「BORUTO」「ブラッククローバー」も順調に売上を伸ばしました。この結果、ソフトライツ収入全体では、27,720百万円、前年同期比2.7%増収となりました。
イベント収入は、フィギュアスケート「ジャパンオープン2019」「カーニバル・オン・アイス2019」「ICE EXPLOSION2020」、舞台「美しく青く」「ゴッドタンマジ歌ライブ2020」が好調で、イベント収入全体では1,459百万円、前年同期比15.2%増収となりました。
一方、営業費用全体では、106,398百万円、前年同期比3.3%減少となりました。前年の「2018 FIFAワールドカップ」ロシア大会の反動減などによる番組制作費の減少や、売上減少に伴う代理店手数料の減少、経費節減の徹底などにより営業費用が前年を下回りました。
以上の結果、地上波放送事業の売上高は111,394百万円、前年同期比4.3%減収、営業利益は4,995百万円、前年同期比21.3%減益となりました。
(放送周辺事業)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |||
| 連結売上高 | 40,918 | 41,995 | 1,077 | 2.6 |
| 連結営業利益 | 2,457 | 2,517 | 59 | 2.4 |
通信販売関連は、オリジナルゴルフクラブ「DANGAN7シリーズ」が大ヒット商品に成長するなど、テレビ・EC通販の好調が続きました。また、お取り寄せグルメ「虎ノ門市場」についても、頒布会が人気を集め、順調に売上を伸ばしたことから、㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は14,837百万円、前年同期比7.2%増収、3期連続で過去最高売上を更新しました。
CS放送関連は、アニメ専門チャンネル「AT-X」の加入者減少幅を想定の範囲内にとどめたほか、広告関連売上やライツ売上が健闘し、放送外売上を前年よりも大きく伸ばしました。これにより、㈱エー・ティー・エックスの売上高は5,970百万円、前年同期比15.0%増収となりました。
音楽出版関連は、年間を通して、アニメ楽曲の二次利用を中心とした印税収入が順調に推移しました。「Re:ゼロから始める異世界生活」「新世紀エヴァンゲリオン」に加え、「FAIRY TAIL」など海外からの印税収入も貢献したことから、㈱テレビ東京ミュージックの売上高は3,225百万円、前年同期比10.0%増収となりました。
以上の結果、上述3社を含む放送周辺事業の売上高は41,995百万円、前年同期比2.6%増収、営業利益は2,517百万円、前年同期比2.4%増益となりました。
(BS放送事業)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |||
| 連結売上高 | 16,326 | 16,388 | 61 | 0.4 |
| 連結営業利益 | 1,166 | 1,289 | 123 | 10.6 |
放送収入のうち、タイム収入では、「人生100年時代!利回りのみかた」や「レモンサワーでごちそうさま!」などのミニ枠セールスが好調でレギュラーセールスは前年実績を上回りました。また、特別番組セールスに関しても、「世界卓球2019ハンガリー」「バスケットボール日本代表国際試合 日本VSアルゼンチン」「BSテレ東 プロ野球中継2019」などのスポーツコンテンツや「経済スペシャル 令和×渋沢栄一~日本型経営の源流」「日経スペシャル SDGsが変えるミライ~小谷真生子の地球大調査~」などの経済コンテンツも好調で前年実績を上回り、タイム全体で前年実績を上回りました。一方、スポット収入に関しては前年度に引き続き通販スポンサーの出稿が大きく減ってきたことに伴い、前年実績を下回りました。全体としては、スポット収入減をタイム収入でカバーしきれず、前年実績を下回る結果となりました。
その他収入部門では、BSオリジナルドラマへの製作出資を中心に4K放送・配信・海外販売などのソフトライツ事業を積極展開し、前年を大きく上回る収益を確保しました。また、他社事業への出資参画や通販事業、イベント事業も好調に推移したため、部門全体の利益は前年同期比59.4%増と大幅な伸びとなりました。
一方、営業費用全体では、15,098百万円、前年同期比0.4%減少となりました。
以上の結果、BS放送事業の売上高は16,388百万円、前年同期比0.4%増収、営業利益は1,289百万円、前年同期比10.6%増益となりました。
(コミュニケーション事業)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率(%) | |
| (自2018年4月1日 至2019年3月31日) | (自2019年4月1日 至2020年3月31日) | |||
| 連結売上高 | 4,525 | 4,809 | 283 | 6.3 |
| 連結営業利益 | 320 | 304 | △16 | △5.3 |
コミュニケーション事業では、動画関連事業が好調に推移し、特に動画広告が売上を伸ばしました。また、キャラクターのEC事業も堅調に推移しました。費用面では既存事業の増強と新規事業開発を継続して行うための人材の採用を継続的に行い、人件費が増加しております。
以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は4,809百万円、前年同期比6.3%増収、営業利益は304百万円、前年同期比5.3%減益となりました。
②資本の財源及び資金の流動性
資本の財源
当社グループの自己資本比率は66.0%であり、安定した財務体質となっております。借入金など有利子負債は総資産に対し4.4%と低い比率になっております。今後も企業価値向上のための成長投資を継続的に行うために財務体質の健全化に努めてまいります。
資金の源泉と配分
当社グループの短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によるキャッシュ・フローです。設備投資など事業への資源配分や株主還元は、営業活動によるキャッシュ・フローや営業利益との適正なバランスを考慮しつつ判断しております。多額の設備投資・出資については、効果の及ぶ期間を見積もり、当該期間の利益計画などとの検討の上、設備投資委員会・出資委員会で決定しております。
設備投資に関しては、過去3年で本社屋移転・放送マスター設備更新・4K放送設備・ビデオセンター新設など将来の成長につながる投資を着実に行ってまいりました。また戦略的な出資についても、動画配信のパラビ・中国のアニメグッズ開発の現地法人など当社の最大の経営資源である番組・コンテンツの有効活用を図るべく行ってきました。今後も採算性を吟味し、財務規律を守ったうえで成長のための投資を積極的に推進してまいります。
株主還元につきましては、重要な経営課題のひとつとして位置付けております。認定放送持株会社体制の下、高い公共性を認識しながら、グループの成長と企業価値の増大、長期的な経営基盤の充実に向けた内部留保とのバランスを考慮し、安定的な配当の継続を重視しつつ、業績に応じた利益還元にも努めることを基本方針としております。具体的には、1株当たり20円を下限とした安定配当に加えて、業績に連動した配当として、連結ベースで配当性向30%を目標にしております。今期の年間配当は5年連続40円といたしました。配当性向は43.7%となりますが、株主還元の継続性、安定性を重視いたしました。
資金需要の主な内容と資金の流動性
当社グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、番組・コンテンツ制作費、コンテンツ購入費用、放送のための費用、広告代理店手数料、人件費などがあります。売上債権と棚卸資産から前受金と仕入債務を引いた運転資金は、今年度末で131億円です。
また、投資活動に係る資金支出は、番組・コンテンツ制作のための設備、放送のための設備、放送やマーケティングのためのIT投資などがあります。
当社グループの現金及び現金同等物の残高は、前年度末に比べ34億円増加の306億円となりました。売上高の2.5か月分の手元流動性となっており、短期的な資金の安全性は十分であると認識しております。
③重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発資産・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える会計上の見積りを合理的に行わなければなりません。経営陣は見積りに影響を与える要因を把握し、把握した要因に関して適切な仮定設定、情報収集を行い、見積り金額を計算しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
(a)制作勘定
制作勘定のうち番組制作勘定について、放映権が2回以上ある場合の会計処理は、1回目の放映時及び2回目の放映時に分けて原価を全額費用化します。ただし、権利期間が2年以内のものについては、2回目の放映前に権利期間が完了した場合、その時点で全額費用化します。また、権利期間が2年超のものについては、2回目の放映前に契約時から2年を経過した場合、その時点で次回放映の計画を明確に示すなどその資産性を明確にできる場合を除き、原則として全額費用化することとしています。
(b)投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係維持のために、特定の顧客及び金融機関に対する株式投資を行っております。これらの株式には株価の存在する公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれます。当社グループは投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、投資の減損を計上しております。投資価値の下落が一時的でないとの判断は、「金融商品会計基準」に従って行っております。
将来の市況悪化や投資先の業績悪化により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が発生した場合、減損の計上が必要となる可能性があります。
(c)繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するに当たっては、将来の課税所得及び、慎重かつ実現可能性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産純額の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用として計上することになります。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に税金費用を減少し、利益を増加させることになります。
(d)退職給付費用
退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算定されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算定される死亡率及び年金資産の期待運用収益率などが含まれます。これらの基礎率が変化した場合、退職給付費用の追加が必要となる可能性があります。
(e)新型コロナウイルス感染症の影響
新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大は世界中の経済や社会活動に大きな影響を及ぼしており、日本においても先行きは極めて厳しい状況が続くことが予想されます。
当社グループでは、在宅勤務の活用などで社員の感染防止対策を徹底し、社会の要請に応える措置を取って参りました。ただ、国内での感染拡大などのリスクはなお残っており、クライアントの広告への慎重姿勢が長引いたり、番組制作が遅れたりする可能性も排除できないと見ております。
このような中、当連結会計年度の決算においては、既に中止が決定しているイベントに関する損失分を売上原価にて計上しておりますが、その影響は軽微です。
また、翌連結会計年度の広告収入は少なくとも上半期はリーマンショック時並みに減少することを想定しております。中国事業を拡大しているアニメ部門などの一段の成長は見込んでいるものの、広告収入の落ち込みをカバーできないものと予測しております。番組制作費やその他費用は抑制しますが、各段階利益とも減益となるものと予測しております。