有価証券報告書-第6期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)
対処すべき課題
研究開発型の創薬企業である当社グループにおいては、事業計画達成の蓋然性を高める上で、対処すべき課題を次のように考えております。
(1)研究開発ポートフォリオの強化
継続的に開発化合物を創出するためには、新規プロジェクトを既存の研究開発ポートフォリオへ継続的に追加していくこと、さらに既存の研究開発ポートフォリオを確実に前へ進めていくことが重要と考えております。この課題に対して以下のような方策を採ってまいります。
・ 独自の評価系及びデータベース等を活用することにより、当社グループが自社で新規標的分子を見出し、新規プロジェクトを増加させるよう努めてまいります。
・ 当社グループ既存の研究開発ポートフォリオにあるプロジェクトを活用し、新しい適応症を目指す新規プロジェクトを展開するよう努めてまいります。
・ 自社リソースの更なる効率化を進めるために社内再編を行い、創薬技術基盤を強化し、薬効、薬物動態、毒性、物性等の多次元的な視点に基づいた化合物デザインと創薬仮説の検証に適した試験をデザインし、より短時間で効率的に候補化合物の同定を進めてまいります。
・ 新たに産学連携による探索研究活動を推進し、最先端のサイエンスに基づく新規プロジェクトを増加させるよう努め、中長期的な研究成果の収益化を目指してまいります。
・ 当社グループが充実した薬理モデルを所有する疼痛疾患及び消化管疾患領域以外の疾患領域については、特に外部研究機関との共同研究に積極的に取り組み、新規プロジェクトを追加するよう努めてまいります。
・ 特に当社グループの技術・ノウハウを積極的に活用できるイオンチャネル創薬のプロジェクトについては、他社との共同研究も積極的に進め、早期に開発化合物の創出を目指します。
(2)開発プロジェクトの臨床試験の推進と各プロジェクトの価値向上
当社グループは、保有の開発化合物について、「選択と集中」により、自社リソースを活用する「Coreプログラム」と外部リソースを活用する「戦略的オプションプログラム」に分類し、活動を進めております。
「Coreプログラム」については、当社グループ独自の強みを活かし、以下の取り組みを行っております。
・ 非臨床試験段階の終了が見込まれるモチリン受容体作動薬(RQ-00201894)、5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)については、進捗したデータをもとに、第7期連結会計年度中の導出、あるいは共同開発提携を目指してまいります。
・ 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010、以下「RQ-10」)及びアシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004、以下「RQ-4」)は内部リソースを集中することに加え、外部リソースの導入も視野に入れ、プログラムの価値を向上させることにより収益の増大及び実現化を目指してまいります。
また、「戦略的オプションプログラム」については、子会社を活用した外部リソースの導入を図ることで開発ステージをアップさせ、プロジェクトの価値を向上させて将来的な収益の獲得を目指してまいります。
(3)アライアンス・マネジメントの強化
当社グループのビジネスモデルにおける収益構造は、導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に合わせたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティー収入等から構成されております。当社グループは従前からビジネス戦略として、既に導出されている開発候補化合物等に対し、各導出先企業との協力体制の下、順調な開発の推進を支援し、収益獲得を可能な限り早期に実現させること、更には長期的かつ安定的な収益を獲得することを目的として、アライアンス・マネジメントを遂行しております。具体的には、以下のような方策を採ってまいります。
・ 日本国内で第Ⅲ相臨床試験を予定しているジプラシドン(RQ-00000003)は、試験開始に向けて引き続き支援を継続してまいります。
・ ダルババンシン(RQ-00000002)は、日本の権利譲渡先(Durata Therapeutics, Inc.)の日本における第Ⅲ相臨床試験が開始できるよう、支援をしてまいります。
・ 開発期間の短縮及び開発費用の軽減が想定される、アジア企業(CJ CheilJedang Corporation)に導出したRQ-4、RQ-10並びに動物用医薬品企業(Aratana Therapeutics, Inc.)へ導出された開発候補化合物(RQ-00000007、RQ-00000005)については、その開発推進をサポートし、マイルストーン収入及びロイヤリティー収入の早期獲得を目指します。さらに、アジア地域への導出を実施したプロジェクトは、導出先企業とともに、欧米及び日本等への導出を目指して連携することにより、グローバルな医薬品事業展開が可能となるよう進めてまいります。
・ 医薬品開発プロジェクトや共同研究プログラムを促進するために、提携先との協力関係におけるガバナンス体制を強化させ、効率的に研究開発を支援し、その進捗を図ってまいります。
(4)導出推進体制の強化
当社グループの所有する開発化合物の導出を実現するため、事業戦略に基づき導出先の開拓を継続的に強化していくことが課題と考えております。当社グループでは、この課題に対して以下の方策を採ってまいります。
・ 導出を成功に導くために顧客情報の収集・分析を一層強化し、適切な導出先企業を選択し、顧客にとって最適な内容と導入のタイミングを見極めることでプロジェクトのバリューアップを図り、より魅力的なシーズとして導出をするよう努めてまいります。
・ 可能な限りライセンス部に経営資源を配分するとともに、経営陣、研究及び開発の各部門の責任者、その他あらゆる人的関係を通じて導出先候補へ全社を挙げてアプローチを行ってまいります。
(5)財務基盤の強化と経営の安定化、事業の継続性
当社グループでは、研究開発活動の先行的な推進に伴い、第1期から第6期に至るまで、継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが生じており、引き続き資金需要の増加が予想されます。
このような状況において、将来的な経営の安定性と事業の継続性を第一義に考えて事業を進めるべく以下の方策を採ってまいります。
① 資金調達と保有資産の活用
当連結会計年度において、当社グループは、新株予約権の発行や保有する資産の有効活用により、研究開発資金の獲得を行いました。引き続き安定収入獲得までの所謂「死の谷」を越え得る資金調達の検討と実施に取り組んでまいります。
② 戦略的な資金の使用
当社グループは、新たに産学連携にも積極的に取り組んでまいります。その第一弾として名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアとのコラボレーションを積極的に活用し、創薬研究の加速を目指します。それに伴い、研究開発拠点の移転を行い、外部とのコラボレーションをより強化するとともに、抜本的な固定費削減を行います。また、更なる筋肉質な企業体質を目指して、引き続き経費削減にも努めてまいります。
③ プロジェクトのバリューアップ
当社グループは、これまで、内部リソースを集中することによる、早期収益の獲得を目標の主軸において活動してまいりました。引き続き、早期収益化の実現に取り組むとともに、今後は外部リソースを活用して開発ステージを自ら進めることでプロジェクトのバリューアップを図り、将来の収益拡大及び収益実現性の向上を目指してまいります。
④ 成果主義による従業員へのインセンティブの検討と実行
当社グループの事業継続及び事業拡大に当たっては、医学・薬学・農学・獣医学・化学などの分野における専門的な知識と技能を有する人材を多数、必要としております。また、マネジメントやIT、知財、統計解析などに優れた人材も欠かせません。こうした人材の確保や研鑽を促すために、成果主義による従業員へのインセンティブの検討と実行を最優先課題として取り組んでまいります。
(6)薬事関連法規制を遵守する体制の更なる充実
医薬品の研究開発は、各国の薬事規制当局の基準に従い、有効性・安全性及び品質が確立された医薬品を創出する必要があります。当社グループは、設立直後からこれらの基準を遵守する体制の構築を強く意識し、SOP(研究開発に関する標準手順書)の作成・改定やこれらの基準に関する社員教育を実施し、事業活動を行ってまいりました。今後も、上述の基準について常に最新の情報を収集するとともに、遵守体制の維持に努めていく方針であります。
(1)研究開発ポートフォリオの強化
継続的に開発化合物を創出するためには、新規プロジェクトを既存の研究開発ポートフォリオへ継続的に追加していくこと、さらに既存の研究開発ポートフォリオを確実に前へ進めていくことが重要と考えております。この課題に対して以下のような方策を採ってまいります。
・ 独自の評価系及びデータベース等を活用することにより、当社グループが自社で新規標的分子を見出し、新規プロジェクトを増加させるよう努めてまいります。
・ 当社グループ既存の研究開発ポートフォリオにあるプロジェクトを活用し、新しい適応症を目指す新規プロジェクトを展開するよう努めてまいります。
・ 自社リソースの更なる効率化を進めるために社内再編を行い、創薬技術基盤を強化し、薬効、薬物動態、毒性、物性等の多次元的な視点に基づいた化合物デザインと創薬仮説の検証に適した試験をデザインし、より短時間で効率的に候補化合物の同定を進めてまいります。
・ 新たに産学連携による探索研究活動を推進し、最先端のサイエンスに基づく新規プロジェクトを増加させるよう努め、中長期的な研究成果の収益化を目指してまいります。
・ 当社グループが充実した薬理モデルを所有する疼痛疾患及び消化管疾患領域以外の疾患領域については、特に外部研究機関との共同研究に積極的に取り組み、新規プロジェクトを追加するよう努めてまいります。
・ 特に当社グループの技術・ノウハウを積極的に活用できるイオンチャネル創薬のプロジェクトについては、他社との共同研究も積極的に進め、早期に開発化合物の創出を目指します。
(2)開発プロジェクトの臨床試験の推進と各プロジェクトの価値向上
当社グループは、保有の開発化合物について、「選択と集中」により、自社リソースを活用する「Coreプログラム」と外部リソースを活用する「戦略的オプションプログラム」に分類し、活動を進めております。
「Coreプログラム」については、当社グループ独自の強みを活かし、以下の取り組みを行っております。
・ 非臨床試験段階の終了が見込まれるモチリン受容体作動薬(RQ-00201894)、5-HT2B拮抗薬(RQ-00310941)については、進捗したデータをもとに、第7期連結会計年度中の導出、あるいは共同開発提携を目指してまいります。
・ 5-HT4部分作動薬(RQ-00000010、以下「RQ-10」)及びアシッドポンプ拮抗薬(RQ-00000004、以下「RQ-4」)は内部リソースを集中することに加え、外部リソースの導入も視野に入れ、プログラムの価値を向上させることにより収益の増大及び実現化を目指してまいります。
また、「戦略的オプションプログラム」については、子会社を活用した外部リソースの導入を図ることで開発ステージをアップさせ、プロジェクトの価値を向上させて将来的な収益の獲得を目指してまいります。
(3)アライアンス・マネジメントの強化
当社グループのビジネスモデルにおける収益構造は、導出による契約一時金収入、研究開発の進捗に合わせたマイルストーン収入、上市後のロイヤリティー収入等から構成されております。当社グループは従前からビジネス戦略として、既に導出されている開発候補化合物等に対し、各導出先企業との協力体制の下、順調な開発の推進を支援し、収益獲得を可能な限り早期に実現させること、更には長期的かつ安定的な収益を獲得することを目的として、アライアンス・マネジメントを遂行しております。具体的には、以下のような方策を採ってまいります。
・ 日本国内で第Ⅲ相臨床試験を予定しているジプラシドン(RQ-00000003)は、試験開始に向けて引き続き支援を継続してまいります。
・ ダルババンシン(RQ-00000002)は、日本の権利譲渡先(Durata Therapeutics, Inc.)の日本における第Ⅲ相臨床試験が開始できるよう、支援をしてまいります。
・ 開発期間の短縮及び開発費用の軽減が想定される、アジア企業(CJ CheilJedang Corporation)に導出したRQ-4、RQ-10並びに動物用医薬品企業(Aratana Therapeutics, Inc.)へ導出された開発候補化合物(RQ-00000007、RQ-00000005)については、その開発推進をサポートし、マイルストーン収入及びロイヤリティー収入の早期獲得を目指します。さらに、アジア地域への導出を実施したプロジェクトは、導出先企業とともに、欧米及び日本等への導出を目指して連携することにより、グローバルな医薬品事業展開が可能となるよう進めてまいります。
・ 医薬品開発プロジェクトや共同研究プログラムを促進するために、提携先との協力関係におけるガバナンス体制を強化させ、効率的に研究開発を支援し、その進捗を図ってまいります。
(4)導出推進体制の強化
当社グループの所有する開発化合物の導出を実現するため、事業戦略に基づき導出先の開拓を継続的に強化していくことが課題と考えております。当社グループでは、この課題に対して以下の方策を採ってまいります。
・ 導出を成功に導くために顧客情報の収集・分析を一層強化し、適切な導出先企業を選択し、顧客にとって最適な内容と導入のタイミングを見極めることでプロジェクトのバリューアップを図り、より魅力的なシーズとして導出をするよう努めてまいります。
・ 可能な限りライセンス部に経営資源を配分するとともに、経営陣、研究及び開発の各部門の責任者、その他あらゆる人的関係を通じて導出先候補へ全社を挙げてアプローチを行ってまいります。
(5)財務基盤の強化と経営の安定化、事業の継続性
当社グループでは、研究開発活動の先行的な推進に伴い、第1期から第6期に至るまで、継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが生じており、引き続き資金需要の増加が予想されます。
このような状況において、将来的な経営の安定性と事業の継続性を第一義に考えて事業を進めるべく以下の方策を採ってまいります。
① 資金調達と保有資産の活用
当連結会計年度において、当社グループは、新株予約権の発行や保有する資産の有効活用により、研究開発資金の獲得を行いました。引き続き安定収入獲得までの所謂「死の谷」を越え得る資金調達の検討と実施に取り組んでまいります。
② 戦略的な資金の使用
当社グループは、新たに産学連携にも積極的に取り組んでまいります。その第一弾として名古屋大学に産学協同研究部門を設置し、アカデミアとのコラボレーションを積極的に活用し、創薬研究の加速を目指します。それに伴い、研究開発拠点の移転を行い、外部とのコラボレーションをより強化するとともに、抜本的な固定費削減を行います。また、更なる筋肉質な企業体質を目指して、引き続き経費削減にも努めてまいります。
③ プロジェクトのバリューアップ
当社グループは、これまで、内部リソースを集中することによる、早期収益の獲得を目標の主軸において活動してまいりました。引き続き、早期収益化の実現に取り組むとともに、今後は外部リソースを活用して開発ステージを自ら進めることでプロジェクトのバリューアップを図り、将来の収益拡大及び収益実現性の向上を目指してまいります。
④ 成果主義による従業員へのインセンティブの検討と実行
当社グループの事業継続及び事業拡大に当たっては、医学・薬学・農学・獣医学・化学などの分野における専門的な知識と技能を有する人材を多数、必要としております。また、マネジメントやIT、知財、統計解析などに優れた人材も欠かせません。こうした人材の確保や研鑽を促すために、成果主義による従業員へのインセンティブの検討と実行を最優先課題として取り組んでまいります。
(6)薬事関連法規制を遵守する体制の更なる充実
医薬品の研究開発は、各国の薬事規制当局の基準に従い、有効性・安全性及び品質が確立された医薬品を創出する必要があります。当社グループは、設立直後からこれらの基準を遵守する体制の構築を強く意識し、SOP(研究開発に関する標準手順書)の作成・改定やこれらの基準に関する社員教育を実施し、事業活動を行ってまいりました。今後も、上述の基準について常に最新の情報を収集するとともに、遵守体制の維持に努めていく方針であります。