有価証券報告書-第65期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/23 12:43
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)におけるわが国経済は、年初にマイナス金利が導入され、金融緩和策の深掘りが図られたものの、いわゆるアベノミクスに頭打ち感が認識されるようになり、円高・株安の状況を呈しましたが、11月の米国大統領選挙を経て、米国経済指標が強い経済を示していることから米国金利の上昇が顕著となり、一転して円安・株高が進行する状況となり、企業、個人の景況感はやや持ち直し傾向とみられているようです。
一方で、英国のEU離脱に加え、ヨーロッパ各国では選挙が控えていることにより、ヨーロッパ発のリスク懸念も意識され、加えて継続しての地政学リスク、新興国経済の下振れリスク等もあり、先行きへの不透明感、警戒感も併せて認識される状況となりました。
当社グループの属する防災業界におきましても、民間設備投資は、東京オリンピック・パラリンピックを背景に堅調に推移すると見込まれているものの、一方で国内労働市場の逼迫感は広がってきており、なお、先行きへの懸念は払拭できませんが、政府が打ち出すアベノミクスの一環として経済成長を促すための景気刺激策のもと、消費マインドの改善とともに、総需要の底上げによる景気浮揚への期待感は膨らんでいるようにも見受けられます。
このような経済状況のもと、当社グループは、引き続き自動火災報知設備から消火設備、消火器そして消防自動車までをカバーする総合防災企業としての立ち位置を強化しつつ、積極的な営業活動を推進してまいりました。また、各種防災設備の設計・施工、消火器及び消防自動車等の製造そしてそれらのメンテナンスを通じて、世の中に安心・安全を提供し、より良質な社会インフラを構築するという社会的使命を果たすべく、グループ一丸となって注力しております。
このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は30,919百万円(前連結会計年度比2,878百万円減少)となりました。利益につきましては、営業利益1,268百万円(同597百万円減少)、経常利益1,287百万円(同586百万円減少)、親会社株主に帰属する当期純利益867百万円(同268百万円減少)となりました。
当社グループは、各種防災設備の設計・施工・保守点検、消火器及び消火設備、消防自動車、自動火災報知設備の製造・販売、防災関連用品の仕入・販売等、幅広く防災にかかわる事業を行っており、単一セグメントであるため、業績については営業種目別に記載しております。
なお、当社は平成28年10月1日付で組織再編を行い、当社の連結子会社であった株式会社ヒューセック(以下「ヒューセック」といいます。)を吸収合併いたしました。組織再編にともない、ヒューセックが主業としていた自動火災報知設備、機器の製造・販売事業は、当社の防災設備事業、メンテナンス事業、商品事業の3事業が継承いたしました。これにより防災設備事業に100%含めていたヒューセックの業績は、当連結会計年度より防災設備事業、メンテナンス事業、商品事業それぞれに含めております。
以下の前連結会計年度比につきましては、前連結会計年度の数値を組織再編後の営業種目に組み替えて比較しております。
営業種目別の業績は、次のとおりであります。
① 防災設備事業
当連結会計年度は、大型商業ビル等の新築案件、リニューアル案件が引続き好調であったものの、工事進捗のずれ込み等により、売上高は14,005百万円(前連結会計年度比58百万円減少)となりました。売上総利益につきましては、2,759百万円(同58百万円増加)となりました。
② メンテナンス事業
当連結会計年度は、改修・補修工事案件にかかる引き合いは継続してありましたが、大型案件の受注が減少したこと、一部案件の次年度持越し等により、売上高は7,286百万円(同1,250百万円減少)となりました。売上総利益につきましては、2,642百万円(同263百万円減少)となりました。
③ 商品事業
当連結会計年度は、消火器以外の防災関連用品の販売は好調であったものの、消火器の販売が低調であったこと等により、売上高は7,663百万円(同95百万円減少)となりました。売上総利益につきましては、1,104百万円(同62百万円減少)となりました。
④ 車輌事業
当連結会計年度は、前年度にあった電力会社向け特殊車輌の納入がなかったこと等により、売上高は1,964百万円(同1,474百万円減少)にとどまりました。売上総利益につきましては、売上高の減少及び一部の車輌にかかる製造コストが嵩んだこと等により71百万円(同490百万円減少)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、1,871百万円となり、前連結会計年度末から510百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動におけるキャッシュ・フローは、2,172百万円の収入(前連結会計年度は1,655百万円の収入)となりました。主な収入は、税金等調整前当期純利益1,300百万円、減価償却費367百万円、売上債権の減少1,634百万円、未成工事受入金の増加378百万円等であり、主な支出は、たな卸資産の増加381百万円、仕入債務の減少877百万円等であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは、277百万円の支出(同3,066百万円の支出)となりました。主な収入は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入29百万円等であり、主な支出は、有形固定資産の取得による支出293百万円等であります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは、1,382百万円の支出(同717百万円の収入)となりました。収入は、長期借入れによる収入50百万円であり、主な支出は、短期借入金の減少250百万円、長期借入金の返済による支出645百万円、社債の償還による支出160百万円、自己株式の取得による支出115百万円、配当金の支払額251百万円等であります。